Kanon
オリジナル版1999.6.4発売 全年齢対象版2000.1.7発売 Key
 個人的ONE病もさめやらない6月、ONEの製作スタッフの手でつくられたソフトが満を持して世に出ました。もうこれはハマらないわけにはいかないでしょう!
 というわけで「Kanon(カノン)」の登場です。個人的ONE病にかかっていた最中に存在だけは知っていましたが、外部の情報はほとんど封印してましたので店頭でやっとキャラデザを確認するありさまでした(^_^;)

 雪が降っていた。
 思い出の中を、真っ白い結晶が埋め尽くしていた。
 数年ぶりに訪れた白く霞む街で、
 今も振り続ける雪の中で、
 俺はひとりの少女と出会った。

 主人公相沢祐一は高校2年生(またかいっ)。とある事情で7年前に住んでいた街に戻ってくることになった。雪の振り続ける街に。そしてひとりの少女と出会うことになる。
 それは7年前の記憶への旅のはじまりに過ぎなかった・・・

 また主人公の記憶を問うシナリオです(^^;
 設定からすると主人公たちが10歳ごろの記憶の話。ここまでさっぱり忘れ去るもんでしょうかねぇ、祐一(笑) ただ実際問題17歳の時に10歳の時の記憶なんてものはたぶんあいまいなのでここまで極端にしたのは正解かもしれませんね。

 Kanonの世界観もわかりやすそうでわかりにくいものがあります。
 このゲームではたびたび出てくるキーワードがあります。「夢」、「約束」、そして「奇跡」。
 はたして、これは夢なのか、うつつの世界なのか。「夢はきっとかなう」といってしまえばそれまでですが、夢がおわらないときはどうするんでしょうね。
 約束は破るためにあるかもしれませんが(おい)、約束という言葉は普段はあまり使いません。そう、特別なときにつかうもんです。
 「奇跡」。栞のセリフで「起こらないから、奇跡って言うんです」というのがありますが、やはりこれはこう解釈すべきでしょう。「起こる可能性があるから、奇跡って言うんだ」と。

 ONEにも劣らないシナリオの出来です。おすすめはあゆと真琴シナリオ。特にあゆシナリオについてはKanonのシナリオの根幹なので、一番最後にクリアするのがいいと思います。あゆや真琴狙いのときは、涙腺の弱い人はタオルを持参のこと(号泣)

 また、音楽が抜群にいいです。立ち上げ時の「朝影」はいきなり鳥肌ものだし、「Last regrets」はクリアすればするほど染み入ってきますし、「凍土高原」なんかは思い出すだけで涙やし、「冬の花火」などのピアノ系の曲はもう最高です。でもいちばん好きなのは「日溜まりの街」。あゆのテーマなんで(爆)
ドリームキャスト版 2000.9.14発売 NECインターチャネル
 単純に言えばPCの全年齢対象版+キャラクターボイス(CV)。追加シナリオはなし。かなり潔い移植といえるでしょう。システム的にはビジュアルメモリ1個につき30ヶ所セーブ可能なのでさほど問題はないです。テキストは少し小さくて見にくいです(^^;
 唯一かつ最大の特徴であるCVですが個人的には特別どうこう言うほど違和感はありませんでした。CVのおかげで何気ないシーンも上手く演出できてる部分もあったので、これはこれでいいのではないかと思いました。

 声優さんはあまり詳しくないので、客観的に見た各キャラクターごとの感想です。
★水瀬名雪(CV:國府田マリ子)
 浮世離れした名雪には合ってたんではないかと思いました。少々トロすぎる気もしましたが(^^;
「ねこーねこー」はなんとも言えません(笑)
★美坂栞(CV:小西寛子)
 メインキャラ5人の中では一番しっくりきました(^^) 明るく健気な雰囲気がよいです♪
★沢渡真琴(CV:飯塚雅弓)
 なるほど、「あうーっ」はこうなのか・・・
 PC版でKanonをプレイ済みならなるほど、と納得できると思います。
★川澄舞(CV:田村ゆかり)
 言葉かず自体が少ないのですが、結構いいのではないかと思います。佐祐理さんとの掛け合いもなかなかです。
★月宮あゆ(CV:堀江由衣)
 本編で約300回「うぐぅ」が聞けるという触れ込みでしたが、なるほど300種類の「うぐぅ」が聞けました(笑)良かったんじゃないかと思います。確かに祐一じゃなくてもいぢめたくなりますねぇ(壊)
●水瀬秋子(CV:皆口裕子)
 ちょっと線が細いかな〜?と思ったんですが、真琴シナリオの「行ってらっしゃい」で崩壊しました(爆) これは必聴です!
●美坂香里(CV:川澄綾子)
 終始冷静な雰囲気がよいです。もっとも感情をあらわす場面自体が少ないのですが・・・
●倉田佐祐理(CV:川上とも子)
 全キャタクターを通じて一番イメージに合ってました(●^o^●) 「あははーっ」が豪快な笑いじゃなくてよかったです(笑)
●天野美汐(CV:坂本真綾)
 舞にも劣らず言葉かずか少ないですが、大人びた雰囲気がかえってよかったですね。
●北川潤(CV:関智一)
 ボイスそのものは問題ないのですが、音(録音レベル)が小さいのが気になりました。

 キャラクターとしては佐祐理さんが一番合ってました♪これは譲れません(^^)
 意外な落とし穴は秋子さんの真琴シナリオにおける「行ってらっしゃい」。テキストだけなら何気ないシーンなのですが、CV付きではかなり危険です。そうでなくてもEDに向けて盛り上がっていくところでこのダメージはかなりのものです。これだけでもCVの付いた価値はあったかも(爆)
(2000/10/01)