「ムマへ行け」―― 死にゆく貴族が投げつけたこの呪詛の言葉は、なぜかDの心を騒がせた。魔道士オリガを訪ねて、自らの中に封印された過去の記憶を掘り起こそうと試みた後、Dは狂ったように馬を飛ばして、とある辺境の村に向かった。 だが、Dがあらわれたとき、その村・セドクでは、すでに異変がはじまっていた。 常に己れを律し、孤独な夜の世界を歩んでなお揺るぎない最強の戦士・Dの存在を脅かすほどの異変が――。
1996年11月30日発行。
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