since:2001/12/21
VineLinuxについて 戻る

VineLinuxはRedHat系列のLinuxで、現在Ver2.1.5がリリースされています。
配布先はこちら→Vine Linux HomePage


Windowsは何100回となくインストールしていますので、全然問題ないのですがLinuxは完全に初めてです。
その私が苦労しながらインストールをし、とりあえず使えるようになった過程をここに紹介します。

VineLinux2.1.5 CDの入手
上記のサイトからISOイメージのVineLinux2.1.5をダウンロードします。
私はftp://ftp.ics.es.osaka-u.ac.jp/pub/mirrors/Vine/の/Vine-2.1.5/CDIMAGE/からVine215-i386.isoをダウンロードしました。
これをWindows上でCD-Rに焼くと、VineLinux2.1.5のブートCDができあがります。
ただしサイズが599Mbyteもありますので、ADSLなどの高速回線以外の場合は雑誌の付録などから入手するほうが良いでしょう。
インストール
Linuxをインストール出来るHDDか、パーティションを先に用意しておいてから作業を始めます。
すでに他のOSでHDDをすべて使用していて空きがない場合は当然インストールできません。

パソコンのBIOSをCDブートにし、VineLinuxのCDを挿入して起動します。
boot:の画面で停止しますので、そのままenterを押すとマウスを使用したVineLinux特有のインストールが始まります。
SCSIドライバも自動的に認識し、インストール作業途中でCDが見えなくなるような馬鹿なことはありません。(Windowsが馬鹿?)。なおUSBマウスはインストール時には使えません。

ここから先はマウスを使用し対話方式に進んで行きます(インストールを中断する場合はCTRL+DEL)
1.まずキーボードの設定を行いますが、自動認識していますので間違っている場合のみ修正します。普通の106キーボードならそのまま次へ進みます。
2.マウスの設定を行います。有名どころのマウスはほぼ網羅されています。
3.どんどん次へ進んでゆきますとLinuxで一番ややこしいHDDパーティション設定になります。ここではパソコンに接続されているHDDがすべて表示されています。下の段はHDDの数だけ表示されています。上の段はパーティションです。
パーティションの例
hda1
hda2
hda5
hda6
hdb1
hdb5
hdb6
Windows NTFS
Windows NTFS
Linux native
Linux swap
Windows FAT
Linux native
Linux swap
hdxのxはHDDの台数分だけ表示される
4.Linuxにはメインとスワップの2つパーティションが必要です。これはマウントポイントと呼ばれています。上の段で追加を押し2つのパーティションを作成します。(私はつい最近までマウスポインタと読んでいました)
5.メインはLinux nativeタイプでマウントポイントは/を選択します。スワップはLinux swapタイプでマウントポイントは設定不要です。なおswapは128Mbyte程度で充分なようですがメインは1Gbyte以上確保したほうが良いです。
6.パーティションの設定が終わりましたら、次をクリックします。そうするとフォーマットするパーティションを聞いてきますがそのまま次を押してください。(たぶん作成したパーティションはすべてここでフォーマットの対象になっているはず)
7.次は大変難解なLILO設定です。WindowsNT系とデュアルブートする場合でもそのままLILOをマスターブートレコードにインストールします。そうしないとLinuxインストール中のリブートでWindowsが勝手に起動してしまいやっかいです。(マスターブートレコードは簡単に元に戻せますので)
ブートディスクは必ず作成してください。LILOやブートの設定を間違ってLinuxが起動出来ない場合どうしようもありません。
マスターブートレコードにLILOをインストールしたくない場合はここで作成したLinuxブートディスクにて起動すればOKです。
LILO設定の画面でLBA32の項目がありますが、これは8Gbyteを越えるHDDの際に指定します。
8.インストールパッケージの選択。全部選択すると2Gbyte程の容量が必要になります。四角がへこんだ状態で選択です。
9.モニタの選択。一覧表から選びますが、該当するものが無い場合は適当に選びます。
10.ビデオカードの選択。該当するものを選びます。
11.パッケージのインストールとファイルシステムのフォーマットが始まり、最後はCDを吐き出してリブートして終了です。

LILO(LinuxLoader)・・・・ブートマネージャの一種。起動時にOSを選択できる。
WindowsNT系とのデュアルブート
Linuxを起動しrootでログオンします。
/etc/lilo.confを編集し(Linux標準のエディタであるviの使い方は↓)
boot=/dev/hdaを現在の環境に合わせて変更します。(たいがいはhda5かhdb5です)
# /sbin/lilo -u /dev/hdaでMBRのLILOを消去します。
# rebootでLinuxを再起動します
fdisk /mbrでMBRを書き換えると、またWindowsNTのブートレコーダ(NTLDR)が復活します。

しかしこのままではLinuxが起動できません。
表示の一例
0: C:*type=7(HPFS/NTFS),size=2048224KB
1: C: type=5 (Extended),size=1100736KB
2: C: type=7 (HPFS/NTFS),size=1100704KB
3: D:*type=5 (Extended),size=11783646KB
4: D: type=83 (Linux native),size=2048193KB
5: D: type=5 (Extended),size=136552KB
6: D: type=82 (Linux swap),size=136521KB
7: D: type=5 (Extended),size=4096575KB
8: D: type=7 (HPFS/NTFS),size=4096543KB
次にフリーソフトのBootPartユーティリティをダウンロードし解凍します。
ダウンロード先はここ
WindowsNTのコマンドプロンプトにてbootpartを実行します
Linuxのnativeパーティションの番号をbootpartで指示
右記の例)nativeパーティションが4の場合
bootpart 4 c:\bootsect.pbr "Vine Linux 2.1.5"

たったこれだけで、WindowsNTのNTLDRにVineLinuxのメニューが増えます。
Windows98系でのデュアルブート
これはわたしにとってかなり難しい設定でした。約3日間LILOと格闘しWEBで情報を集めやっと起動できるようになりました。

いろいろな失敗
1.FIPSでFAT32xのパーティションを切ってしまい、何も起動できなくなった。(幸いにもフロッピーにブート情報をバックアップしていたので戻せた)
2.BootMagicを入れたままLinuxのLILOを書き換えてしまいWindowsが立ち上がらなくなった。(幸いにもBootMagicの緊急ディスクを作成していたので戻せた)
3.Linux起動ディスクに変なLILOを書き込んでしまい、起動できなくなった。

Linuxのインストールは上記と同じように行います。
Linuxを起動しrootでログオンします。
/etc/lilo.confを編集し、boot=/dev/hdaを現在の環境に合わせて変更します。
# /sbin/lilo -vでliloを書き込みます。
# rebootでLinuxを再起動します

これで起動時にLinuxのメニューが表示され、WindowsとLinuxの選択ができるようになります。

一台のHDDをパーティションで区切って、hda1にWindows、hda2をLinuxのnativeとしている場合
lilo.confのboot=/dev/hdaはMBRにliloを書き込み、hda2とするとLinuxがインストールされているnativeパーティションに書き込みされるようです。


viの簡単な使い方
起動・・・・vi ファイル名でenter
終了・・・・escキーを何回か押してZZ。強制終了は:qでenter
文字を挿入したい・・・・a
文字を削除したい・・・・escキーを何回か押して削除したい文字のところでd
行を削除したい・・・・escキーを何回か押して削除したい行のところでdd

注意点:
Linuxは大文字、小文字の区別をしています。同じではありません。
escを何度も押すのは、vi自体がescを押すことでコマンドモード、aを押すと文字入力モードに切り替わるためです。
カーソル移動キーは使用できますが、テンキーは使えません。
コマンドライン操作
ほとんどMS-DOSと同じです(もっともMS-DOSがunixをまねたのですから当然)
フォルダ操作
ファイルの削除 rm
フォルダごと削除 rm -rf ホルダ名
ファイル名変更 mv 元ファイル名 新ファイル名
フォルダの移動 cd
フォルダの作成 mkdir
パーミッションの設定 chmod xxx ファイル(またはフォルダ)名
ファイル一覧 dirかls。ls -lとするとパーミッションも表示
ファイル内容表示 less。終了するときは:q、ZZなどで
ユーザー管理
所有者の変更 chown 所有者[.グループ名] ファイル名
ユーザーの登録 useradd [-u ユーザーID] [-g グループID] ユーザー名
ユーザー情報の変更 usermod [-u UserId] [-g GroupId] ユーザー名
ユーザーの削除 userdel ユーザー名
ファイル検索 find / -name ABC。ABCというファイルを/から探す
メモリ量の表示 dmesg。これが正しくない場合は/etc/lilo.confのappend="mem=xxxm"を確認します
Linuxの終了 haltまたはsyncを数回打ってからshutdown -h now
ブート
LILOがこわれて立ち上がらない場合 boot: linux root=/dev/hdaxで起動できます。hdaxはLinuxをインストールしているパーティションを指定します。
グラフィカルLILOやめたい /etc/lilo.confのmessage=/boot/messageの行を削除するか#でコメント化します
その後、/sbin/lilo -vを実行し、liloを書き換えます。
ブートディスクの作成 uname -rでバージョンを調べ、mkbootdisk 2.2.10-0vl4.2で作成できます。14.2ではなくl4.2です。
フロッピーの一覧 MS-DOSならdir a:ですがLinuxは複雑です。まずmount /dev/fd0 /mnt/floppyでフロッピーを使用出来るように設定します。そうするとls /mnt/floppyで一覧表示できます。
なおフロッピーを抜く時はumount /mnt/floppyを実行して下さい。
パーミッション(アクセス権)の簡単な説明
Linuxではファイル単位でセキュリティの設定ができます。それがパーミッションです。
777といった数字で指示します。ホームページをftpソフトで転送されている方はすでにご存知だと思います。
最初の7は所有者、次はグループ、最後はユーザのアクセス権を示します。
0でアクセスできません。見ることすらできません。
4では読み込みはできますが書き込みができません。
6では書き込み、読み込みができますが実行ができません。
7はなんでもできます。

この数字はrwxの3つを2進数で表示したものです。rは読み込み、wは書き込み、xは実行です。
rwxすべてが111の場合10進数に変換すると7になります
rwxが110の場合は10進数に変換すると6になります。

2進数から10進数の変換は簡単です。
2進数の1桁目は10進数の1です。2桁目は2です。3桁目は4です。どこが1になっているかを調べて、足し算をするだけです。
パーティションの分割
HDDのパーティションが一つでWindowsがすでにインストールされていてると、Linuxを入れることができません。
しかしそういう時の為に便利なソフトがあります。
HDDの使用していない所を使用して、新しいパーティションを作成するソフトです。
有名なものにはFIPSがあります。入手先→http://www.igd.fhg.de/~aschaefe/fips/
しかしFIPSには限界があります。注意しなくてはいけないのは最新のFIPS Ver2.0でもFAT32xは分割することができません。
FAT32xとは主に8.4Gbyte以上のHDDで使用するFATです。WindowsのFDISKで大容量HDDを使用しますかで"Y"と答えると必ずFAT32xで作成されてしまいます。
このHDDをFIPSで分割すると2度と起動出来なくなります。
有名なPartitionMagic(パーティションマジック)もVer4.0以降でないとFAT32xに対応していません。

FAT32xが使用できるフリーソフトは無い物かと探し、やっと見つけたのがPartitionResizerです。
入手先→http://zeleps.com/
操作方法はほぼFIPSと同じなのでわかりやすいです。わたしはこれを使用してFAT32xの10GbyteHDDを無事8Gと2Gにわけることができました。(ちなみに同じことをFIPSでやってしまい、壊してしまいました)
但しVineLinuxのGUIインストールでfdiskを使用しないとLinuxのnative領域を確保できませんでした。
LILOについて
自分なりに理解したと思っていることです。(間違っているかもしれませんが)

lilo.confの一行目boot=/dev/hdaにliloをコマンドラインにて実行した場合
fd0でフロッピードライブ
hdaで一台目ハードディスクのMBR
hda1で一台目ハードディスクの最初のパーティション
hda2で一台目ハードディスクの次のパーティション
にそれぞれ書き込まれる。

MBRのLILOはWindows起動ディスクやDOSでfdisk /mbrを実行すると消える。

パーティションのLILOはそのパーティションを削除するか# /sbin/lilo -u /dev/hdaxで消去できる。

Windows98と共存する場合でLinuxのLILOメニューを使用する場合はboot=/dev/hdaでないといけない。
ハードウェアで苦労したこと
液晶ディスプレイ(メルコ FTD-XD15-CP(DSTN)+専用ビデオカード(Chip&Tec 65554))
Linuxの設定例がなくかなり色々と試行錯誤しました。デフォルトでは800*600までで1024*768にすると256色しかでません。
最終的にはXF86ConfigのSection "Device"でDacSpeedを75.000にすることでようやく16bppの1024x768が表示できました。

NE2000コンパチのISAバスLANカード(VIA VT86C916)
これはどう設定しても認識されることができませんでした。安いものなのでカニさんマークRTL8029チップのものと取り替えました。
Netscape6.2を早速入れてみました
巨大文字のメニューが気に入らなかったので修正しました。
# /usr/local/netscape/defaults/pref/unix.jsを編集
pref("font.scale.outline.min.ja", 8);
pref("font.scale.bitmap.min.ja", 8);
pref("font.min-size.variable.ja", 8);
pref("font.min-size.fixed.ja", 8);
と変更
Linux Tips(私の覚え書き)
[sambaを使い、Windows上のファイルにLinuxからアクセスするには]

まず
# mkdir /win でマウントポインタを作成

Win2kという名前のWindowsマシンのtestホルダをLinuxからアクセスする場合の例
# smbmount //Win2k/test /win -o username=linux
Password: ←Windowsのパスワードを入力する
で/winにtestホルダをマウントする。正しくマウントできているかどうかは、dfコマンドで確認できる。


[コマンド一覧]
ディレクトリ表示。パーミッション(アクセス権)も一緒に・・・・ls -l
パーミッションの変更・・・・chmod xxxx ファイル名あるいはフォルダ名。777ですべて許可。
ホルダごと削除・・・・rm -rf ホルダ名
ファイル内容表示・・・・less。終了するときは:q、ZZなどで。
ファイル名変更・・・・mv 元ファイル名 新ファイル名
所有者の変更・・・・chown 所有者[.グループ名] ファイル名


[Windows98とLinuxのデュアルブート]
lilo.confの内容
boot = /dev/hda
map = /boot/map
prompt
timeout = 50

image = boot/vmlinux
  label = linux
  root = /dev/hda2

other = /dev/hda1
  label = win
  table = /dev/hda


[Windows領域をマウントする/etc/fstabの内容]
/dev/hda1   /mnt/win   vfat   uid=201,gid=100,umask=000  1  0

mount -t vfat /dev/hda1 /win


[rpmの使い方]
必ずルートに入れる
インストール時はrpm -ihv
インストールされているソフト一覧はrpm -qa
アップグレードはrpm -Uhv
アンインストールはrpm -e


[vnc]
http://www.uk.research.att.com/vnc/からダウンロード
tar zxf で解凍
cp /vnc_x86_linux_2.0/*vnc* /usr/local/bin
mkdir -p /usr/local/vnc/classes
cp classes/* /usr/local/vnc/classes/

# cd /usr/bin
# ln -s /usr/local/bin/Xvnc Xvnc
# ln -s /usr/local/bin/vncpasswd vncpasswd
# ln -s /usr/local/bin/vncserver vncserver
# ln -s /usr/local/bin/vncviewer vncviewer
が必要だった

vncpasswdではCannot write passwdfile /root/.vnc/passwdのエラー
vncserverではXvncのエラー

上記パスを入れてやっとvncseverでパスワード入力OK

Windowsのブラウザでhttp://192.168.1.1:580x/ の"x"の部分に":1"の"1"をいれる
javaは有効に

スタート時xwindowを表示させる
# cd /etc/X11/xinit/
# cp xinitrc ~/
# cd ~/.vnc/
# rm -rf xstartup
# ln -s ~/xinitrc xstartup

終了は$ vncserver -kill :1