最終更新日:2007/06/17
レンズの分解&カビ取り 戻る

オークションで入手した、カビありレンズを分解して清掃した際に撮影した写真の数々を紹介します。

カビ取りの基本
カビを清掃するために、色々な薬品(レンズクリーナ、ハイパークリーン6310、アセトン、エタノールetc)を使用しましたが、最終的には台所用洗剤が一番簡単で良くとれることが分かりました。

注意:!
使用する洗剤は、中性洗剤に限ります。ハンドソープはアルカリ性なのでコーティングを痛める可能性があります。
サンプルはこのレンズです 前玉を取り出します 台所用洗剤です 一滴で十分です
最後は、エタノールで綺麗に仕上げて完成です。

完全に分解してレンズだけに出来るのでしたら、お湯でじゃぶじゃぶ洗うのが一番です。
綿棒につけて拭きます あわあわ状態です 綺麗になりました(^○^)

このサンプルレンズは、かなりひどい状態でした。カビは完全に除去できましたが、一部コーティングの変色が残りました。
ここまでひどいカビはあまりありませんので、たいていは全然問題ないくらい綺麗に清掃できます。


レンズクリーニングの最終仕上げには、防かび&殺菌効果があるエタノールを使用しましょう。

レンズの分解
シグマ 70-300mm F4-5.6 (DL ZOOM)
まずネジ3本で止まっている、センターの黒い部分を外し、次にマウントを外します。

後玉ユニットはねじ込まれているだけですので、指サックをしてつまんで回せば外れます。


注意:マウントを外すと、絞りリングが外れます。クリックボールを無くさないように注意しましょう。
後玉内側にカビ発生 後玉ユニットを取り外します
レンズは3枚入っています。一番後ろ側のレンズは、筒に接着?されていて外れません。

分厚いレンズが一枚あり、表裏が同じ形状に見えるので、間違わないように注意します。(同じかも知れませんが)

真ん中のリングも表裏があります。段のある方が中(後ろ側)になるよう組み立てます。
バラバラにして清掃します 綺麗になりました
シグマ 28-70mm F3.5-4.5 (UC ZOOM)
順番にレンズを外し、清掃します。
レンズや、中間のリングには表裏がありますので、必ずマークするかメモを残して、作業します。

(作業中レンズを落として、表裏が判らなり焦りました(^_^;))
後玉内部に若干のカビ マウントを分解します レンズ押さえリングを外します
レンズユニットや押さえリングを外す場合は、工具を使わずに指サックをはめて回すだけで、たいていは外すことができます。
キズも入らないのでおすすめです。

固くて回らない場合は、ロック用の接着剤が付いていますので、先に剥がしておきます。
TAMRON 70-210mm F3.8-4 (46A)
まずレンズユニット全体で取り外し、さらにリングを外して分解します。

赤い棒のついた吸盤は特製レンズサッカーです(^_^;)
前玉内部が曇っています 前玉を取り出し、分解します 綺麗になりました
smc PENTAX-F 28mm F2.8
このレンズを分解します 後玉内部に大量のカビ発生 後玉を取り出します 清掃し綺麗になりました
センターの黒いリングを外すだけで、後玉ユニットは回すことが出来ます。マウントは外す必要ありません。
smc PENTAX-FA 28-105mm F4-5.6(パワーズーム)
前側の作業はここまでです。この先はすべてマウント側から行います。
シートを剥がすとネジが3本ありますので、外します 前玉を回すと外れます
ピンが外れない様、テープで固定し、マウントを外します
マウントが外れました 絞りリングを外します。ボールを無くさないよう注意 絞り連動機構なども分解します この状態まで分解します
ズーム指標を回して外します 接点を外します パワーズーム切替レバーを外します やっとズームリングが外せました
注意:
レンズユニットは、28mmの位置にしないと抜けません。
ズームストッパを外します マウント側のネジ4本を外すと、前にレンズユニットが抜けます
レンズを清掃して、何とか元通りにもどりました
簡単に書きましたが、パワーズームを分解するのは絶対やめたほうが良いです。PENTAX MXの修理よりもずっと大変で時間がかかります。分解する際に接点がひっかかって破損することがあるので、復元はほぼ絶望的となります。
Super-Multi-Coated TAKUMAR 135mm F3.5
飾りリングを回して外します +ネジ3本を外します フィルター枠が外れます ピントリングを外します
注意:
絞りリングを外すときには、クリックボールを紛失しないようにしましょう。
ピントリングが外れました 前玉ユニットを外します 距離、絞りリングを外します
レンズの清掃なら、ここまで分解するだけで出来ます。

絞り部分の粘りなどを調整する場合は、さらに分解が必要です。
マウント部を外します 後玉ユニットを外します
綺麗になりました
ピントリングを外すときにマークをつけておくことが大事です。いいかげんに分解して組み立てると、無限遠のピントが出なくなります。また、このリングを止めているネジには真ちゅう製のワッシャが付いていますので、無くさないようにしましょう。