トンデモ度 ★★★★★(MAX

 

正義の味方を標榜する新聞社が犯罪を賛美し、国の政策に反対するためには罪のない人が死んでもかまわいとする悪魔の社説。成田空港反対派住民におもねるためにテロを養護し、公務員が死んでもかまわないとする。反対派住民の私権の制限には敏感だが、滑走路ができなくて困っている人たちには目もむけない。

左に偏りすぎて自らが犯罪者と一体化してしまた記念碑的社説。

 

 

毎日新聞社説 平成17年6月9日付

『視点・成田空港問題 国は有終の美目指せ』

 

 

 成田空港の暫定平行滑走路を2500メートルに延長する問題をめぐり国土交通省が南進させる本来計画を断念し、北に延ばす方針を示した。北側一雄国土交通相も反対派農民側に、住民の理解が得られなければ用地交渉を打ち切るなどとする書簡を出した。しかし、北進すれば、変形した現状を固定化させ、新たな誘導路建設の必要も生じる。抜本的解決にはほど遠い。

 

   同空港は78年、4000メートルの滑走路1本で開港。02年に増設した暫定平行滑走路は本来計画の中央部にある反対派の所有地を避けて北にずらし、長さも2180メートルに縮められた。ターミナルビルと結ぶ誘導路には「ヘ」の字形カーブが生じた=写真、左端が滑走路。

 

   現状ではジャンボ機が離着陸できないため、同省は延伸が不可欠とし、反対派の所有地の買収交渉に活路を求めてきた。今回仮に「北進」に転じても、この所有地が不要になるとは考えにくいことから、交渉打ち切りを示唆した北側国交相の書簡は揺さぶり、と農家側は反発を強めている。

 

   今年は現在地を空港用地と決めた66年7月の閣議以来、40年目を迎える。この間、遺憾なことは国側が強引に計画を進めようとするあまり、農民の心情を理解する努力を怠り、達意の説明や説得を欠いてきたことだ。用地内には戦後の開拓地が多く、農民たちは苦労の末、営農が軌道に乗り出したところで突然立ち退きを求められた経緯も忘れがたい。皇室が用地内の御料牧場を移転したのに反対は許されない、との態度で交渉に臨んだ担当者もいたといわれる。

 

   農民の反対運動に多くの学生や労働者が共鳴し、成田は日本の市民運動のメッカと呼ばれたのも、過激派がテロやゲリラを繰り返して多数の死傷者が出たのも、元はといえば国側の不実さに起因している過激派の参入で担当者が尻込みした面も否めないが、国側は既成事実化を進め、騒音に音を上げた反対派が泣きついてくるのを待ったのが実情だったと言える。

 

   交渉はいつのまにか同省ではなく、民営化された成田空港会社に委ねられている。反対派農民の一人は「国は一度も本気で話し合おうとしていない」と憤慨する。イデオロギーでも「空港絶対反対」でもなく、国への不信感が今、しこりとなって同空港の前途に立ちふさがっているように映る。

 

  農民らも最終局面を迎えたことを承知しているように思われる。同省は成田問題にかかわった歴代内閣を含む多くの人々の思いを無にせぬためにも、原点に戻り、反対派の納得が得られるまで粘り強く交渉を続けるべきではないか。(論説委員・三木賢治)

 

 

(解説)

農民の反対運動に多くの学生や労働者が共鳴し、成田は日本の市民運動のメッカと呼ばれたのも、過激派がテロやゲリラを繰り返して多数の死傷者が出たのも、元はといえば国側の不実さに起因している

 

この文は明白にテロリストを擁護している。テロリストはまぎれもない犯罪行為であり、今回のケースでは死者もでているので殺人犯でもある。通常であれば警察に逮捕され、罪をつぐなうべき人々なのに、「元はといえば国側の不実さに起因している」とあくまで国の責任でありテロリストの責任を追及していません。

国の方針に反対するためには殺人をおかしてもいいのでしょうか? 執筆者は殺人を奨励し、犯罪を助長しているとしか考えられません。

 

 

過激派の参入で担当者が尻込みした面も否めないが、国側は既成事実化を進め、騒音に音を上げた反対派が泣きついてくるのを待ったのが実情だったと言える。

 

現実に死者がでています。まさに危険地帯であり、「尻込み」という状態ではなく「こんな危険地帯に行ってはいけない」のです。市民の危険には敏感なのに、「死者」がでるような現場に「尻込みした面も否めない」とはどういう感覚なのでしょうか? 公務員はテロに巻き込まれて死んでもかまわないのでしょうか?

西洋のことわざに「他人の気持ちは悪魔でも分からない」というのがあります。国の方針を根拠もなく勝手に想像してしまっています。想像だけならどのようにでもできます。

 

 

農民らも最終局面を迎えたことを承知しているように思われる。同省は成田問題にかかわった歴代内閣を含む多くの人々の思いを無にせぬためにも、原点に戻り、反対派の納得が得られるまで粘り強く交渉を続けるべきではないか。

 

すでに40年も経過しています。いったいいつまで交渉を続ければいいのでしょうか。新聞社の考える粘り強さには限度がないのでしょうか。40年間も平行線なのに、これ以上交渉を続けてどう解決しろというのでしょうか?

この社説が意味しているところは、「反対者が1人でもいればだめだ」という現実的にはあえない事を主張しています。

公共事業とは「公共の福祉」と「私権の制限」とをはかりにかける問題です。この社説では「私権の制限」しか考慮していません。滑走路が1本しかないため、乗り入れできず困っている航空会社、不便な乗り継ぎを待っている利用者、長大でまがった危険な誘導路、秒単位のスケジュール、成田空港は用地問題が解決しないためにたくさんの問題を抱えています。「公共の福祉」との比較せずに「私権の制限」を優位にするのは偏っています。

 

 

理屈にあわない社説はありますが、犯罪を助長する社説は初めてです。しかも国の政策に反対するためには殺人も辞さないという、テロリストのプロパガンダとしか思えません。

執筆者は市民の立場に立とうとして、市民の一部しか目に入らないようです。反対のためには罪のない人が殺されても許され、政府の下部である公務員は死んでもいいというのは人間として大事なものが欠落しると思います。

このような人物が論説委員として社説を書いていること自体に、驚きというか毎日新聞の末期的症状を感じます。