1Reichsmark(ライヒスマルク) = 100Pfennig(ペニヒ)
チューリンゲン地区は、4月12日から7月3日まではアメリカ軍占領地区で、アメリカ軍占領時期はブラウンシュヴァイク中央郵便局の管轄でした。その後、ソビエト軍に移管されてからは、エアフルト中央郵便局の管轄となりました。一部、ローカル切手が発行されていますが、基本的に料金収納の形で郵便が引き受けられていて、独自の切手はソビエト占領地区としては遅い発行となっています。
1945.10.1 (月曜 Montag, Monday) - 1946.1.
1.風景・ポストホルン・著名人図案シリーズ
チューリンゲン地区としての最初のシリーズです。カタログでは、このシリーズは額面順にまとめられていますが、実際は、4ヶ月の間にバラバラに発行されています。発行の順番は、最初に市外用葉書料金の6Pfennig切手、次に市外用書状料金の12Pfennig切手、次に市内用葉書の5Pfennig切手、次に市内用書状料金の8Pfennig切手という具合になっており、まず遠方の親類・知人への通信の需要を、それから近隣の(おそらく商用目的の)通信の需要を見越したのでしょう。
印刷はオーレンロッチェ(Ohlenrothsche)印刷所で行われ、10×10の100面シートで印刷されました。目打ちは単線11で、20Pfennig切手と30Pfennig切手に無目打ちがあります。
各額面に、裏糊の一部が○状に塗られていないものがあります。また、目打ちずれも見られます。
3Pfennig 1946年1月4日(金)発行 チューリンゲン地方のモミの木 20グラムまでの印刷物 発行枚数:200万枚 |
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4Pfennig 1946年1月4日(金)発行 チューリンゲン地方のモミの木 20グラムを超えて50グラムまでの印刷物 発行枚数:270万枚 |
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5Pfennig 10月20日(土)発行 チューリンゲン地方のモミの木 市内用葉書 発行枚数:460万枚 |
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6Pfennig 10月1日(月)発行 ポストホルン 市外用葉書 発行枚数:3570万枚 |
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8Pfennig 11月3日(土)発行 ポストホルン 市内用書状 発行枚数:460万枚 |
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12Pfennig 10月19日(金)発行 シラー 市外用書状 発行枚数:2700万枚 |
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20Pfennig 11月24日(土)発行 ゲーテ 250gを越え500gまでの市内用書状、郵便為替手数料 発行枚数:620万枚(以下と合算) |
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同無目打ち | |
30Pfennig 11月22日(木)発行 ゲーテ 書留料、配達証明料、250gを越え500gまでの印刷物 発行枚数:400万枚(以下と合算) |
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同無目打ち |
・非常に多くの版欠点が知られています。
・有効期限は1946年10月31日です。
裏糊が○状に塗られている例 |
目打ちずれの未使用・使用済の例 |
1945.12.18 (火曜 Dienstag, Tuesday)
2.クリスマス慈善小型シート 横型
クリスマスに欠かせないモミの木が描かれた低額面の3種類(3Pfennig〜5Pfennig)を組み合わせた小型シートが発行されました。額面の合計は12Pfennigで、これは、市外用書状料金にあたります。売価は2ReichsMark(200Pfennig)で、差額はファシズムの犠牲者への募金に充てられました。
・有効期限は1946年10月31日です。
1945.12.18 (火曜 Dienstag, Tuesday)
3.クリスマス慈善小型シート 田型
図案を1種類ずつ選んで田型に配置した小型シートが発行されました。選ばれた額面は、左上が4Pfennig(モミの木)、右上が12Pfennig(シラー)、左下が20Pfennig(ゲーテ)、右下が6Pfennig(ポストホルン)です。額面の合計は42Pfennigで、これは、書留市外用書状料金にあたります。売価は10ReichsMark(1000Pfennig)で、差額は冬期慈善事業に充てられました。
・有効期限は1946年10月31日です。
1946.3.27 (水曜 Mittwoch, Wednesday)
4.ドイツ国立劇場再建小型シート
ワイマールにあるドイツ国立劇場再建の小型シートが発行されました。国立劇場にゆかりのある人物(シラー、ゲーテ、リスト、ヴィーラント)と劇場前景の5種類の切手が印刷されています。額面の合計は84Pfennigで、これは、3月1日の料金改定後の書留市外用書状料金にあたります。売価は7.5ReichsMark(750Pfennig)で、差額は再建の基金に充てられました。
印刷はギーゼッケ・ウント・デフリーント(Giesecke & Devrient)社で行われました。
・有効期限は1946年10月31日です。
1946.3.30 (土曜 Sonnabend, Saturday)
5.橋梁再建 付加金付き
戦争で破壊されたチューリンゲン地区の橋梁をかけ直すための付加金が付いた切手が発行されました。すでにこの時期は、アメリカ・イギリス・ソビエトの共同発行の切手が売られていましたので、一見すると地方切手に見えます。
印刷はギーゼッケ・ウント・デフリーント(Giesecke & Devrient)社で行われ、5×10の50面シートで印刷されました。
10+60Pfennig ザールブルガー橋 市内用葉書 |
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12+68Pfennig イェーナのカムスドルファー橋 市外用葉書 |
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16+74Pfennig ゲシュヴィッツのザーレ橋 市内用書状 |
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24+76Pfennig メリンゲンのリム橋 市外用書状 |
・4種類の額面のシートが田型につながった大型シートが収集家向けに発売されたため、2種類の額面がつながった縦と横のガッターペアが存在します。
・有効期限は1946年10月31日です。
1946.3.30 (土曜 Sonnabend, Saturday)
6.橋梁再建小型シート 付加金付き
上の4種類の切手を田型に組み合わせた小型シートが発行されました。額面の合計の62Pfennigに該当する料金はありません。また、切手そのものに付加金がついていますので、それを含めると合計340Pfennigですが、小型シートにはさらに付加金を上乗せして、売価は5ReichsMark(500Pfennig)でした。
・有効期限は1946年10月31日です。
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