平成講釈 安倍晴明伝
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文夢枕貘著、中央公論社

 陰陽師の安倍晴明を御存知ですか? 外国風にいえば、偉大なる魔法使い。昔の日本の、国家公務員です。
 という話はさておき、講釈って御存知ですか? 室生もよく知らないですが、物語をおもしろく語って聞かせることをいうらしい。講談です。
 本来ならば、人の口から話されるものを夢枕さんは文章でやろうとしているわけです。お題は安倍晴明伝。
 もうすらすらと読んでしまいました。講釈なだけに、文章のノリがいい。リズムよく読んでしまいます。
 今回の本には、安倍晴明のご先祖安倍仲麿(史実は深く考えない方がよいです)が妖狐の恨みをかう話から始まって、少年晴明がお家再興のため都に行って、後の宿敵、蘆屋道満と呪術合戦を行うまでの話(何度もいうけれど、史実は考えない、考えない)が載っています。
 夢枕さんは、ほかにも安倍晴明を主人公とした「陰陽師」という小説を書かれていて、3冊でていますがこちらもおもしろいです。文藝春秋刊。お酒が飲みたくなりますよ。また、その「陰陽師」は漫画化されていて、そっちも秀逸。岡野玲子さん作画でスコラから出ています。 晴明の親友、源博雅のボケがいい味出してます。