ヒュウガウィルス
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村上龍著、幻冬舎

 「五分後の世界」という本の続編です。 といっても厳密な意味での続編ではなく、「五分後の世界」の世界が舞台になっているだけです。
 リチャード・プレストンの「ホット・ゾーン」を読んだ方には楽しめると思います。 「ホット・ゾーン」はノンフィクションで、楽しむとかおもしろいとかという問題ではないので、ただただ恐かったのですが、本書は、フィクション。安心して(?)読めます。  畑中正一さんの解説も必読。とてもいい解説でした。
 この小説は、生きるとは、どんなことなのか、というのを象徴していると思います。
 作中、ただ別の自分になりたくて、自分の顔に傷を付けたり、腕や足を切り取ったりしている少年たちが出てきます。 反対に、自分が失明するかも知れない、そうしたら闇の中で気が狂ってしまう、と思い、失明したときのために、瞼の裏にバレエの場面を描いている少年がいます。どちらが、生に対して必死でしょうか? ヒュウガ・ウィルスは、それを人類に問うているようです。