やわらかな記号
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小川みなみ著、講談社

 この本は、講談社児童文学新人賞入選の冒険小説です。……児童文学をなめてはいけません。日本では、とかく児童文学はお子さま向けの感がありますが、しかし、海外でそのお子さまが読んでる物語を日本では大人が読んでいるという現実を忘れちゃいけないぜ。はっはっはっ。(なんか、やたらハイ。大丈夫か……)
 この本は生物学が好きな人にもお勧めです。けして専門的な話があるわけじゃないけども。これを読んだら生物学が好きになるかも、という予感があるのです。舞台はある高校の生物部。そこでは、互いに干渉せず、好きな研究をしたりしなかったりして過ごしています。登場人物の紹介は省くけど、そこで、ナメクジを飼っている少年が主人公。なんか、ゆっくりと動く生き物が好きらしいよ、この子は。で、問題はそのナメクジ。大量のナメクジを飼ってるんだけど、そのナメクジがある形に集まったとき、その周りにいる物がどこか別の場所へワープしてしまうということに気付いたのね。でっ、実験しようってことになって、別に飼っているサンショウウオをワープさせるつもりだったんだけれど、みんなでワープしちゃう。最初は、主人公の家に、そして……。
 という展開。行く先々でナメクジを見つけては戻ろうとワープして、違う場所に行っちゃうの。そして、何度目かにたどり着いた場所は、同じ地球上とは思えないような場所だったりして。
 おっとこれ以上しゃべってはいけないね。話は紅一点の部員の女の子に寄せる主人公の恋心とか、様々に部員達がたてる仮説、生物への興味、食への飽くなき追求等々がつまっています。