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Mrビーン カンヌで大迷惑
あいかわらず、粘っこい笑いを見せるビーンの作品。今回は、教会の福引き(?)でカンヌへの旅行を当てたビーン。大喜びで、列車でカンヌへ向かうことに。この列車でというのがいいですね。僕も軽度の「鉄」なので、ユーロスターの疾走する姿や、ヨーロッパの駅のたたずまいがとても気に入りました。「ボーン」シリーズでも、こうしたヨーロッパの雰囲気をよく伝えているのですが、お笑いの中に、うまく伝えている点でビーンもなかなかです。さて、当然、旅はスムーズに行きません。赤の他人を駅に置き去りにしたかと思うと、今度は自分が置き去りに。途中で、パスポートや財布をすべて公衆電話のところに忘れるシーンなど、僕も体験があるだけに、笑えない状況でした。そして、なんといっても、彼が撮りまくるビデオ。これが、最後の最後にとっても大きく効果を上げます。いやー、おもしろい。そこまでは、たいしておもしろくなかったので俄然、画面に集中しました。ネタバレはまずいので、ぜひ見てみてください。
ミッドナイト・イーグル
最初に「ユニバーサルスタジオ」のマークが流れて、おや、ハリウッド映画かと錯覚しますが、まぎれもなく日本映画。しかも、多分に、自衛隊の宣伝を兼ねたようなにおいが。まあ、しかし山岳映画にあまりはずれはありませんから、流れは非常にいいかな。日本に駐留する米軍のステルス戦闘機が爆発して、北アルプス山中に墜落。どうやら半島の(もちろん北朝鮮?)工作員のしわざのよう。そして、戦闘機には核爆弾が積んであり、起爆装置が起動しているもよう。自衛隊の特殊部隊が、現場に向かう中、墜落を目撃した元戦争写真家が新聞記者とともに山中へ。工作員と特殊部隊の戦闘に巻き込まれて・・・・。一方、写真家の義理の妹も別の新聞社の敏腕貴社で、関東地方の基地にうごめく工作員を追って・・・。なかなかサスペンスタッチでいいのですが、あまりにも弱い自衛隊の特殊部隊、何もしない首相周辺など、自衛隊の宣伝としては中途はんぱかな。役者では、自衛隊員役の吉田栄作が渋くていいですね。ようやく年齢相応の役がまわって来たような気がします。
これまでのレビュー(97年12月から)
沈黙の聖戦
セガール親父の活躍編。といってもいったいいくつ作品があるのでしょう。ツタヤに行くと、一つのコーナーみたいになっていて、「沈黙の・・・」「沈黙の・・・」と並びます。僕も、今までに何を見たのかも記憶にないくらい。ということで、ネットの動画を見て、出だしで見ていなければ大丈夫なので、鑑賞することに。いや、意外によかったですよ。いつごろの作品かわかりませんが、セガールのアクションがかなり切れがあります。そしてなにより人間ドラマが素敵。セガールの相棒のアジア人がいい。かつて、同僚として無実の人を撃ってしまい仏門に入る。しかし、セガール演じる主人公の娘が誘拐されたと聞き、僧侶をやめて救出を手伝うことになる。どう考えても、死んでしまうだろうなあと思うと、その通りになりますが、とにかく存在感がある人物です。最後のほうでは、ちょっとオカルト的なことにもなりますが、B級アクションとしては出色のできではないでしょうか。
デッドコースター
「ファイナルデスティネーション2」が原題です。1作目が、ちょっとスプラッターだけど、話の展開がなかなかおもしろくて、見てしまったのですが、この2作目の予告編を見たとき、こりゃグロさが前面に出過ぎかなということで劇場には見に行きませんでした。今回、ネットで配信されるということで、PCのモニターで見れば、あまり怖くないかな(笑)と思い見てみました。前作が、きちんとつながっていて、いろんなところに伏線として登場します。前作で最後まで生き残った女性が、今回の犠牲者を救うべく協力しますが・・・。ちょっと無理なところもありますが、グロさはそれほどでもなく、楽しめました。もちろん、最後までびっくりさせてくれます。どうしたって続編がというのがありありです。
キサラギ
これは、たまたま地上波でやっていたのを録画して見ました。評判は聞いていて、いつかはと思っていましたが、設定がいかにも舞台的で、映画でおもしろさがだせるのかなと心配でした。しかし、予想に反して、なかなかおもしろい。比較するのには無理があるかもしれませんが、「12人の怒れる男」の緊張感にも似た雰囲気があります。小栗旬、塚地武雅、ユースケ・サンタマリア、小出恵介、香川照之という5人だけで物語が進行。1年前に自殺したアイドルを追悼する目的で集まったファン5人が、思い出に浸る中、自殺の真相、お互いの氏素性の公表、そして疑心暗鬼。とくに、塚地扮する安男が、コミカルなのに、途中まで画面から消えたまま。何かあるぞと思ったとたん、彼の本格的登場で後半に一気に流れこんでいくんです。塚地が、多くの作品に使われる理由がわかるような気がしますね。ユースケもいいですね。相変わらずの無責任ぶりや、けっこうシリアスな演技など、バラエティーで見せる顔とは大きく違います。さて、この5人が愛したアイドルが、実はあんまりかわいくない(ごめん!)のがなんとも笑える。
クローバーフィールド
あまりにも仰々しい予告編に、ちょっと映画館までは・・と思い、行きませんでした。先日、ツタヤに行ったら、新作のコーナーにずらり。ちょうど半額サービスの日だったので借りてみました。あちこちのレビューでも書いてありましたが、本格的にパニックになるまでが長いです。アメリカで成功し、日本に進出する企業の若手社員が、送別パーティーを開いてもらっている最中に、突然地震のような大きな衝撃が走る。自由の女神の首が、吹っ飛んでくるところは、「猿の惑星」で、海岸に埋もれた女神を見たときと近い衝撃がありました。ここからは、人々を襲う怪物と、軍隊の戦い。その争いの中、主人公がビルに閉じこめられた彼女を助けに行く様子が、家庭用ビデオで撮られていくという設定。一部で、このカメラのぶれで酔う人が続出したなんていう話がありましたが、それほどではないかも。
デンジャラス・ビューティー
ネット動画で見ました。これからは、こんな鑑賞も増えていくでしょうね。あらすじは、だいたいわかっていたのですが、実際に見てみると、おもしろかったですね。サスペンスというより、コメディーなんですが、ミス・コンテストの裏側を意外なほどまじめに描写しています。コンテストそのものが、爆弾魔に予告で狙われ、潜入捜査で女性FBI捜査官がいやいやながらコンテストへ。その捜査官がサンドラ・ブロックですから、きれいなのが当たり前。きれいでない捜査官の時のほうがむしろ化粧が大変だったろうなと思います。また、彼女を美女へ変身させるアドバイザーが、名優マイケル・ケイン。しかも、おかまなんですよ。どうも、こういった世界にはおねえ系が多いのは東西とわずなんでしょうか。さて、爆弾事件と、コンテストが同時進行、進行するとともに回りの各州のミスたちと徐々にうち解けていく主人公。ひろいものの一本でしょうか。
バンテージ・ポイント
テロ撲滅のための共同宣言をまとめるべくスペインを訪問した、アメリカ大統領が、演説会場で狙撃される。護衛していたSPの一人は、ほんの半年前、大統領の身代わりに撃たれて復帰したばかりの人物だった。しかも、撃たれたときの後遺症で、やや神経が細くなっているという設定。お話は、この狙撃シーンから、20分ほど前に何回も戻りながら、広場に集まった、多くの登場人物を写しだしていきます。もちろん、前に戻りながら、それぞれの人物関係をじょうずに表現して、進行していきます。この行きつ戻りつに飽きかけてきたとき、突然、物語が走りはじめます。「ボーン」シリーズにも匹敵するような、カーチェイス。スペインの狭苦しい街中を、ものすごい速度で駆け抜けていきます。もちろん、いろいろな人間の表や裏を見せながら、裏切りや、涙、さきほど行きつ戻りつしていた人物が、一斉に中心に集まってきます。ラストは、ちょっとうまく行き過ぎな気もしますが、上映時間が1時間30分ほどですから、あまり込み入った結末では、尻切れとんぼになる心配もあったからかな。
ローグ・アサシン
ジェット=リーとジェイソン=ステイサムの共演となると、とりあえずアクションがすごいかなという気持ちで借りてみました。しかし、他の顔ぶれもなかなかすごいですよ。「ラストエンペラー」のジョン=ローンや、日本から石橋凌、ケイン=コスギなどこりゃまた無国籍アジアン映画とでもいうのでしょう。FBI捜査官が、日本のやくざとアジアン・マフィアの争いにメスをいれるが、捜査官の一人が家族もろとも惨殺される。殺したのは伝説の殺しや「ローグ」だった。相棒を殺されたFBI捜査官は、数年後現れたなぞの人物をローグとにらんで捜査を開始するが・・・・。とにかく出てくる面々がいずれも悪人顔。誰が正義で、誰が裏切り者か、まるでわからなくなってきます。それにしても中国マフィアのアメリカでの浸透はすごいのでしょうね。この作品だけでなく、最近こうしたマフィアをあつかう作品が増加しているように思います。さて、結末は・・・・。かなり大きなどんでん返しなので、是非自分で見てくださいね。
バタフライ・エフェクト2
すいません。シリーズものの2は、あまりおもしろくないのはわかっていても、やはり見てしまいます。もっとも、シリーズとはいえ、前作と関係があるわけではありません。まったく同じような流れを少し話を単純化して、編集し直したような感じです。出てくる俳優さんも、ほとんど知らない若手。下のほうで、第1作のレビューを書いていますが、やはり1のほうが、過去に戻るのも、いろんなパターンがあっておもしろいかも。したがって、この2を見た後で、1を見ると、より深い理解が得られるかも。それにしても、人間は自分勝手だということがよくわかります。とにかく、自分に都合が悪い事態がおこるたびに、その直前に戻って修復しようとするわけで、「そんなにうまくいくわけないだろ」とつっこみがはいります。したがって、最後の最後に、自分の本当に大切な物を守るためにはどうするのか。結末については、この「2」のほうが「1」よりも切ないかも。
エイリアンvsプレデター2
これは、あまりおすすめとは言い難い作品ですが、せっかく「1」を見ているので、見てしまおうというくらいのものです。ただ、「1」はまだしゃれになる範囲のグロさですが、この作品では人間の殺され方がとにかくグロくて、途中で見るのをやめようかなとも思いました。まあとにかくどっちが勝つのか決着だけは見なければ意味がないので、最後までいきましたが、これはまた、一段と訳がわからなくなってきました。企画としては、ここまででやめておいたほうがいいでしょうね。「1」を作ったのは、単なるしゃれだったと思う方が救いがあるような気がするのですが。
ブレイブ・ワン
ジョディー・フォスター主演。最近の彼女の作品は、やたら強い女を演じるものが多いという感じがします。「パニック・ルーム」「フライト・プラン」などがありますが、今回は、チャールズ・ブロンソンの「狼よさらば」シリーズに近いようです。恋人とともにチンピラに襲われた主人公の女性。彼は死んでしまい、彼女は瀕死の重傷を負ってしまう。奇跡的に回復した彼女は、復讐の鬼と化し、銃を手に入れて、悪人狩りをやり始める。お話としてはよくあるパターンですが、おもしろいのは、主人公もけっこう行き当たりばったりで、出くわした悪人を殺してしまうところ。計画性があるようでないようで、そんなところが妙に真実味があります。当然、警察も、何らかの裏がある連続殺人だと感づくわけですが、あくまでも「男」だと思っているところが笑えます。ラストについては、賛否が分かれるでしょうね。僕はレンタルで見たので、特典映像はありませんでしたが、別バージョンのラストがあってもよかったかなとも思えます。
エリザベス
ケイト・ブランシェットがエリザベス女王の役をやった作品。あの有名な肖像画にそっくりになるところが、なんともすごい。僕も歴史を教えているので、このエリザベス1世の時代を調べることがあるのですが、どの本を読んでも、強い女、権力の乙女という側面が強調されます。その陰に陰惨な出来事があったのだろうと想像はつくのですが、この作品のように映像化してもらうと、より実感がわきますね。「バージンクイーン」として有名なエリザベスが実際には、愛する人に支えられているなど、人間的な実態が描かれていて、とても新鮮でした。ただ、当時を再現するのでしょうがないことでしょうが、画面が暗くて。あ、これは僕の目が悪くなっている証拠かもしれません。
ヴァン・ヘルシング
ヒュー・ジャックマンが、妖怪退治の役をやるホラー風味の映画。相手役は、「アンダーワールド」のケイト・ベッキンゼール。このベッキンゼールの役が、まるで「アンダーワールド」と同じようで、びっくり。どちらが先に制作されたのでしょうか。暗い全体のトーンもよく似ているし、関連する映画のようです。さて、怪物退治ということで、ヨーロッパで有名な怪物が総出演。フランケンシュタインであったり、ドラキュラであったり。中心はドラキュラで、彼に操られる妖艶な美女たちが大変に強い。最終的には主人公と、このドラキュラの争いがメインですが、まあ荒唐無稽なのは最初からわかっているわけで、それをいかにおもしろく見せるかがスタッフの腕の見せ所。最終的に正義(?)が勝つわけですが、なんとなくすっきりしないのは、怪物にも、ひたむきな心があるのだという点で、簡単に善悪わけるのは無理があるということでしょうか。
マッド・シティー
ジョン・トラボルタとダスティン・ホフマンの組み合わせがなんとも妙な作品。もうずいぶん前のものですが、たまたまネットで放映されたので見てみました。トラボルタのだめ男ぶりが非常にいいですね。しがない博物館の警備員の役がぴったり。これじゃあ解雇されるよなという気にもなります。それにしても警備員の制服はアメリカでも、時代を越えて変わらないのでしょうか。最近見た「ナイトミュージアム」でも主人公の警備員が同じ服装に見えました。さて、物語は、ひょんなことから子供たちを人質にして立てこもってしまった警備員。ちょうど、建物に取材に来ていたテレビ局の記者が、手柄をたてるために犯人に独占インタビューを始めてしまう。全国ネットを巻き込んだ、大変な人質事件になり、テレビのキー局のキャスターも巻き込んで・・・。マスコミの汚い裏側を見せながら、独特の視点で物語が展開します。さて、途中から出てくるキー局のキャスターのおじさんが、アラン・アルダ・・・確か昔テレビで見た「マッシュ」という作品で見かけたような気がするんだけど。
レクイエム
ジャン・クロード・バンダム主演のアクション物。もうB級を絵に描いたような作品でした。バンダムの作品は、かつてけっこう見ていたのですが、途中から、どれを見ても同じようなパターンで、いくらなんでも飽きてしまいました。今回、久しぶりに見たのですが、パターンはいつもながらの復讐劇ですが、ちょっときつい描写があるものの、主人公の複雑な内面をかいま見せたこと。そして、出てくる登場人物がすべて移民がらみで、いずれもアメリカという国の中で、差別されている人々であるという点が、おもしろさを引き出していました。もう少し明るさがこもった作品であれば、意外にヒット作になったのではとも思う出来でした。
RONIN
上の作品とは違い、こちらはデ・ニーロやジャン・レノといったトップスターが競演する渋い映画。かつて劇場公開のときに、なぜか見逃してしまった作品です。ボーンシリーズにも通じるような、ヨーロッパ各地を舞台にしたスパイアクション。一線を退いた諜報部員が、謎のケースを奪うという計画に参加。ケースの中身がわからないうえに、資金を出したスポンサーが誰だかわからない。どうも罠にはめられたのではというチームは疑心暗鬼におちいるなか、次々と謎の相手に殺されていく。デ・ニーロとジャン・レノが本当に渋い。どれだけ注意を払っても、失敗すれば一瞬で命を奪われる。かつて自分たちも多くの相手を殺してきたに違いないというトラウマがそこにはあるのかも。じっくり腰を落ち着けて見たい作品です。
ナイロビの蜂
僕の好きな(何回め!)レイチェル・ワイズがアカデミー助演女優賞をとった作品なので、いつか見ようと思っていたのですが、ちょうど、いきつけのシネコンが改装工事中で、家での視聴を余儀なくされたため、ケーブルで放映されたのを見ることにしました。内容は、ミステリーをドキュメンタリータッチで描いたものでした。イギリスの外交官とその妻。この妻役がレイチェル・ワイズなのですが、実にいいですね。妊婦姿のヌードはなんともエロチックで、びっくり。しかも、作品の冒頭で殺されてしまい、夫の回想にしか出てこないというのも贅沢な使い方です。さて、この妻の死を追う外交官。しかしケニアでは、ヨーロッパ資本の製薬会社と政府が裏で結託し、人々をある薬の実験台にしていた。妻は、その裏の動きを知りすぎて殺されたのだった。まあ、筋書きとしてはよくある話ですが、主人公が決してスーパーマンではなく、苦悩しながらなんとか裏の秘密を暴いていくが、最後は殺されてしまう。なんとなく救いのないラストが、イギリスの映画だなあと変に感心させられてしまいます。
クラッシュ
この作品がアカデミー賞をとったことすら知らなかったということで、映画をいくらかは見ているなんていばれないですね。自動車の追突事故をきっかけに何組かの人間たちが複雑にからみあっていく群像劇とでもいった内容。俳優陣が豪華です。サンドラ・ブロック、ブレンダン・フレーザー、ドン・チードル、マット・ディロンなどなど。背景には、アメリカの複雑な人種差別があり、あらゆる人種が混ざり合うロサンゼンルスの現実を切り取っています。何回も言いますが、複雑な人間関係が、あるところから微妙にからみあって、「あーなるほど」という後半へつながっていきます。題名からは、アクションの要素も強いのではないかと思いましたが、ひたすら静かに物語は進行していきます。ラストも、かすかに明るい希望も見えるような見えないような。ドラマで何回かに分けて見てみたい気もしました。
SP
このコーナーでテレビドラマの紹介をするのは、ちょっと違うかなという気もしますが、普段ほとんどドラマを見ない家の家族が、こぞって楽しみに見たのは久しぶりのことなので、是非、ご紹介し、4月のスペシャルをごらんいただいたらと思います。
見始めたのは第3回くらいから。ネットで評判になっていたし、岡田准一と堤真一の組み合わせもおもしろいと思って、見始めました。なにしろ映画ばりのカメラワーク。一つの主題に3回分、約1時間30分程度で、緊張感あるアクションムービーになっています。政治家やIT成金が次々と狙われるのを警視庁のSPが警護するわけですが、新米SP(岡田准一)は、危険を認識する特技を上司である堤真一に認められて配属される。そして二人の間には、10数年前のできごとの影が色濃く反映している。謎めいた二人の関係と、次々起こる難事件。SPはあくまでも護衛であって、勝手に犯人を捕まえてはいけないし、壁として銃弾をも、受けなければならない。たとえ、その護衛対象者が汚い政治家であっても。
おもしろかったのは、途中、IT成金を護衛するエピソード。政治家の闇の部分を知っていることから命を狙われるわけですが、結局、殺されてもかまわないという展開になる。SPたちが去っていくときに、「おれが殺されてもいいんだな」と罵倒するが、堤真一扮する責任者が「法を犯しておきながら、助かるとでも思ったのか」とやり返す場面。壁であるSPが、ふと人間に戻った瞬間でした。
そして、最終回、なんとか首相を救ったSPたち。多くがほっとした後、なんと首相を狙撃したはずの人物が、SPとして警視庁に乗り込んでくる。なにやら堤真一と深い関係がありそうだ・・・・。最終回のラストなのに、うっすらと「つづく」の文字が・・・。ということで、4月のスペシャルになるようです。久々に長々と語ってしまいました。
バベル
ブラッド・ピット主演(?)、菊池凛子がアカデミー賞にノミネートされたことで、あまりにも有名ですが、なんとなくとっつきにくい印象があって、見るのをためらっていたのですが、やはり一度は見ておこうということで借りてきました。一発の銃声が、アフリカ・アジア・アメリカを貫く壮大な物語になる。ということなのですが、実際は、スケールがでかいというよりも、うまくお話をまとめているなあという感じが強いですね。全体を通して感じられるのは、先進国の身勝手さに途上国の人々が振り回されるということ。まさに、現在の国際関係を反映していると言えますね。日本人が好意で譲ったライフル銃が、アメリカ人女性の肩を撃ち抜く。撃ったのは、地元モロッコの遊牧民の子供。政府は国際関係の悪化を懸念してテロリストの仕業として捜査を開始する。しかし、撃たれた女性の救出には時間がかかっていっこうに進まない。そんな中、日本では耳の聞こえない女子高生が、自暴自棄になって男を渡り歩こうとする。日本の豊かさと退廃の度合いがかなり強く描かれている点が、外国人から特異に見られているのでしょうか。菊池凛子のヌードにびっくり。変にスタイルがよくないぶんだけ、やたら色っぽいんですよ。誘惑される刑事をやっている役者さんは、「ラストサムライ」で渡辺謙を撃つ隊長になっている人ですね。
幸せのチカラ
ウィル・スミス主演というと、最近「アイアムレジェンド」を見ているので、アクションの印象が強いのですが、この作品はまったく違ってハートウォーミングな内容。一度商売に失敗した男が妻に愛想を尽かされ、出て行かれてしまう。普通、子供は妻が引き取ると思いきや、どうしても夫が育てるという。自分でトラブルを抱えるようなものですが、頑固なんでしょうね。しかも、再起をかけた仕事が、実は採用候補生として働くため半年間、給料なし。そして雇われるのは数十人の候補生のうち、わずか一人だけ。子供を抱え、その日の食費も事欠くようななかで、なんとか半年間がんばりとおす父親。アメリカンドリームですから、最後はめでたしめでたしなのですが、おそろしい格差社会の一面も押さえていて、まずはおもしろい作品になっています。それにしてもアメリカ企業の力の強さは、こんな人をこき使うところからもよくわかりますよね。「実力」社会の虚像と実像がかいま見えます。実話からの映画化ということですが、こんなに偶然が重なるものかという気もしますし、でもそれだけ重なるからこその奇跡的な成功といえるのかもしれません。
ホテル・ルワンダ
アフリカ、ルワンダの内戦中に実際にあった逸話を映画化したもの。ということで、日本でも最初大手の配給会社が配給を渋ったという作品。確かに題材は暗いし、日本人にあまりなじみのないアフリカの国の話なのですが、見てみたら、なんとおもしろい。もちろん残虐なシーンもあって、万人におすすめというわけにはいきません。でも、ホテルの支配人が決してスーパーマンでなく、襲ってきた軍隊の隊長に、一生懸命賄賂を贈って、人命を助けようとしたり、家族だけでも助けようとしたり、とても人間的なのです。助かったのは、多分に幸運に恵まれた面もあったわけですが、大国の身勝手な援助の理屈、内戦の悲惨さがとてもよく伝わってきます。内戦を取材していた欧米の記者が、先に避難することになって、主人公に「大変恥ずかしい、すみません」と言うところは、こうした問題の難しさをよく表しています。
アドレナリン
「トランスポーター」のジェイソン・ステイサム主演。ということで、渋いアクションものと思ったら大間違い。ある意味コメディー的な要素も盛り込んだどたばたアクションといえますね。内容は、悪の組織にいた殺し屋が、足を洗おうとしたときに、仲間から毒を注射されて殺されかける。1時間で死ぬところを、アドレナリンが出れば、死を少しでも先延ばしできるということで、自分をかばいつつ、裏切った仲間を追いつめていくという、リアルタイムに近い早さで物語が進行していきます。このアドレナリンを出し続けるというのが意外に大変で、実は僕もある映画のエキストラで、1分間怒り続けてくださいと言われたのですが、30秒でもなかなか続きません。したがって、この映画でも無理矢理な設定があちらこちらに。でも、それがけっこう笑えていいですよ。子供と見るにはちょっと勇気がいるかも。
大統領の理髪師
あの「シュリ」の刑事役、ソン・ガンホ主演。今や、父親役をやらせれば、右に出るものはいない(かも)演技です。まだ、朝鮮戦争の後遺症が残る60年代、有名な朴正煕大統領の専属理髪師になった男の物語。彼の目を通じて、当時の韓国の政治の舞台裏を、かなり辛辣な口調で描きます。僕も、ちょうど中学生から、高校生にかけての時代の出来事が多く、「ああ、これはあの事件だな」などと、変に納得しながら、見ていきました。もちろん、話はそれだけでなく、この理髪師一家が政治や歴史に翻弄される様子を細かく描いて、物語に厚みを増しています。苦しい時代を生き抜いた韓国の人々の、強さや弱さ、人間臭さがとても泣かせます。とくに、理髪師の息子が(しかも小学生)、スパイ容疑をかけられて拷問を受けるシーンなど、人間の狂気というか、国家の悲劇というか、恐ろしさを感じてしまいます。
ファイナルカット
ロビン・ウィリアムズ主演の、サイコサスペンスとでもいう作品。よく「日本のロビン・ウィリアムズ」と言われる僕(顔が似ているらしい)なので、親近感をおぼえてよく彼の作品を見るのですが、昔のコミカルな演技が好きな者からすると、とても暗い役どころにびっくりしてしまいます。近未来、人々は生まれてくる子供の脳にチップを埋め込み、一生のすべてを記憶させて、本人が死んだとき、葬式で本人を美化するための上映会を行う。主人公はその記憶ビデオを編集する編集者。本人にとって都合の悪い部分は次々と削除して、いいところだけ残していく。まさに「作られた人生」「加工された記憶」になっていくのです。よく考えてみると、とてもじゃないけどぞっとする世界。他人に自分のすべてを見られてしまうんですよ。たとえば、トイレに行ったとき、風呂にはいっているとき。だれかとSEXしている時。
やがて、主人公本人にもその記憶をめぐるトラブルに巻き込まれて・・・・。なにやら最後の最後まで救いのない展開に。
ロッキー・ザ・ファイナル
ロッキーシリーズの最終作。あれ、「5」で終わりじゃないの、などと突っ込みつつも、何しろ1作目から30年以上にわたって見てきている関係で、どうしても見たかったですね。映画館で見ようと思ったのですが、結構早く上映が終了してしまってがっかりでした。原題は「ロッキー・バルボア」、つまりロッキー本人の名前。原点に戻るというような意味なのでしょうか。さて、お話はエイドリアンに死なれて、すっかり人生に疲れていたロッキーが、若いが人気のない世界チャンピオンに挑戦するため立ち上がるというもの。周囲では、息子が反対する一方で、義理の兄は、最後にひとつやってみろよと励ます。しかし、息子も最後は父親を応援するということに。もちろん、試合はエキシビションマッチですから、チャンピオンの座をかけているわけではないのですが、いったいどういう戦いになるのか。いつものロッキーのテーマにのってトレーニングが始まります。エンドロールでは、一般人がフィラデルフィアの市役所に集まって、ロッキーの有名なポーズをとっています。僕も行ってみたい。
ザ・シューター 極大射程
マーク・ウォールバーグ主演の政治サスペンス。アメリカ軍の超エリート射撃手が、政府高官の陰謀に巻き込まれ、親友を失い、自らは大統領暗殺実行犯として追われる身となる。もちろん、FBIからも追われ、重傷を負ったまま、復讐を誓って逃亡を続けます。マット・デイモンもそうでしたが、マーク・ウォールバーグのアクションもなかなかのもの。しかも、罠にはめたのが、軍の高官であるという悲劇の中で、冷静に復讐プランをたてて行くのがおもしろいですね。おもしろいといえば、この悪役高官が、ダニー・グローバー。あの「リーサルウェポン」シリーズで、お人好しの刑事を演じた人なので、あまりの悪役ぶりにびっくりしました。また、主人公を追いながらも、最後は協力してしまう、FBI捜査官の存在もとても印象に残りました。
ディパーテッド
マット・デイモンとレオナルド・ディカプリオの2大スターが競演し、監督がマーチン・スコセッシとくれば、これはアカデミー賞ねらいですよ。もちろん、大方の予想通り、賞も取り、大成功を収めた映画ですが、元ネタが香港映画ということになると、最近のハリウッドのアイデアの無さが浮かびあがってきます。当たるのは、アメリカン・コミックからの作品か、続編ものばかり。いや、この映画のお話をしましょう。とてもわかりやすい、入れ替わり物。不幸な生い立ちを返上してまじめに警察官になろうとする若者が、マフィアに潜入。マフィアのボスに育てられた若者が、警察に入って、内部から情報を漏洩する。さて、どちらの素性が先にばれるのか。現代の状況を反映して、携帯電話やパソコンの機能を巧みに使いながら、はらはらさせるのです。ただ、ラストが意外とがっかり。ああそうなのかとも思いながら、これで終わり?というような感想ももちました。
沈黙の奪還
またまた「沈黙」シリーズですか。セガールの映画には、これをつけないと見てもらえないということなのでしょうね。ひとつひとつ独立した作品なので、きちんとした邦題をつけてほしいと思うのですが、彼も商売人だから許可しているのかなあ。さて、内容は元諜報部員が引退し事業で成功、ひとり娘を連れて、故郷にもどるが、強力生物兵器の獲得合戦に巻き込まれて、娘を誘拐され、怒りに燃えて反撃を開始する。ここのところなんだか似た内容ばかりのような気がしますが、そこはセガール。絶対に負けない人ですから、とりあえずアクションシーンは安心して見ていられます。ただ、さすがに往年のスピードは鈍り、体もなんとなく太り気味。全体としての切れはなくなっているというのが正直な印象。何か、この人には新しいコンセプトで作品を作ってほしいと思うのは僕だけでしょうか。本気で日本を舞台にした作品もありかなと思うのですが。
守護神
ケビン・コスナー主演の救助隊もの。日本でも「海猿」がヒットしましたが、アメリカでもこの手の映画はまずまずヒットしますね。コスナー扮するベテラン救助隊員が、救助の際のちょっとした手違いで、親友をなくし、自分自身も落ち込んでしまう。家庭では、妻を顧みずに救助に打ち込んだため、離婚を宣告される。そんな彼の気分転換のため上司は、訓練校で指導教官をさせることにする。そこで彼が出会った生徒の中に、成績抜群ながらどこか陰のある青年がいて。いろんな映画のここそこで見たような場面がたくさん出てきて、この手の映画の寄せ集めのような感じも。ただ、アメリカ映画としてはめずらしく、たとえば、妻とよりを戻しそうになるが、結局自分が悪いからと離れた行ったり、ラストもハッピーエンドでないところなど、単なるヒーローものに終わらせていないのは好感がもてましたね。
デジャビュ
題名はよく日本でも使われます。「既視感」とでもいうのでしょう。以前に自分が見たことのある場所や出来事にある日、突然出くわすというやつなのです。「時をかける少女」などでも使われたものですが、この作品では、本当にある人間の過去に空間ごとさかのぼってしまうというところに使われています。主演はデンゼル・ワシントン。僕の大好きな役者さんのひとりですが、今回もちょっとやくざな警官を演じてうまいです。ただ、何度も言うことになりますが、この種の時空を越えるお話は、必ずタイム・パラドックスがあるわけで、今回はものすごい電力消費で、その辺をうまくつくろっているのですが、やはり最後にちょっと無理があるかなという感じがします。
7セカンズ
ウェズリー・スナイプス、悪役も主役もこなせる人なので、ここのところ作品の多いこと。ただ、いずれも大作ではなくB級気味なのがおもしろい。したがって、彼以外の役者さんがよくわからないところもおもしろい。綿密な計画で銀行の現金輸送車を襲う盗賊団。その頭がスナイプスなわけですが、仲間に裏切り者がいて、作戦は失敗。しかも、輸送車の中にはロシアマフィアが運ぶ名画があって、この絵をめぐる争奪戦にも巻き込まれてしまう。街中のカーアクションも派手ですが、おもしろいのは、ナトー軍の女性軍曹を巻き込んでしまうところ。ヨーロッパでは日常的に、これらの軍隊が市民生活に溶け込んでいるということなのですね。95分と短いのでてきぱきと話が続き、見応えあります。
スーパーマンリターンズ
スーパーマンには新しくブランドン・ラウスという青年が起用されましたが、クリストファー・リーブにもやや似ていて、新人捜しの苦労も垣間見えます。さて、設定は前作から5年後、ロイスは新しい恋人と結婚し子供もいます。そして宿敵レックス・ルーサーは仮釈放となり、再び悪事の限りをつくします。もちろん、その都度、スーパーマンが現れて、人類を救ってくれるのですが、ロイスへの思いは複雑です。ルーサー役にはケビン・スペイシー、憎々しくスーパーマンをいたぶるところが、悪役としてまずまず。おもしろいのが、このルーサーの愛人役の人(名前がわからない)。ルーサーに従いながらも本当は善人なんですね。最後は、ルーサーの足を引っ張ってしまいます。これからシリーズも何本か作られそう。
電車男
ネットから出た名作。テレビのドラマにもなったのですが、まずは映画を見てみました。最初にエルメスさんを電車男が助けるシーンですが、これがわりとリアル。実は、昔僕も酔っぱらいを片付けたことがあるのですが、アクションのようにはいかず、びびりながら何とか動くので、本当にこんな感じですよ。まあ、この後はわりとおきまりの流れということなんですが、妄想シーンがいいですね。電車男本人でなく、チャット仲間のもてない兄ちゃんたちが勝手に妄想して、玉砕しているところがとてもいい。これまたもてない僕の心情にぴったりで大笑いして、ちょっと哀しくなります。また、デートの手順をみんなが教えてくれるのですが、これまたもてない男が考えそうなことで、けっこうばればれなんですけど、本人は一生懸命なんですよね。
戦国自衛隊1549
以前、千葉真一主演の作品があり、まあ設定は斬新だが、あまりおもしろくなかった記憶があったのです。いくらか焼き直しかな、と見てみたのですが設定に無理があるのは、しょうがないのでいいとして、「時代に介入してはいけない」というのを言い過ぎるのはどうかなと思います。こういう、タイムトラベル物は、タイムパラドックスが当然あるので、どこかで多少の矛盾は生じるわけで、あまり細かいことは考えなくてもいいと思うんです。さいごに、しゃれたつじつま合わせがあって、にやりとさせるのがいいと思います。前に見た、「タイムライン」なんかが、そこのところをうまくやっていると思うのです。この作品でも「歴史には修復力がある」といって、多少の違いは克服するという考え方ですが、なんとかつじつま合わせにはなってるかな。
カオス
ウェズリー・スナイプス、ジェイソン・ステイサムといった男くさいメンバーで、派手なアクション映画かと思って借りて見たのですが、いやあなかなかおもしろい。「トランスポーター」などを見ているので、ステイサムの刑事役は、ある意味意外ですが、けっこうはまってます。ウェズリー・スナイプスの銀行強盗犯もはまり役。ですが、途中から展開は意外な方向へ。びっくりしましたね。ネタばれで申し訳ないのですが、ジェイソン・ステイサムが、実は悪役の中心なんですよ。最後の最後に、そこになだれこんでくるので、「すごい!」というのが印象です。ふたりに絡む若手刑事が、冷静に事件を解決していこうとする姿勢に好感がもてますね。
カジノ・ロワイヤル
007シリーズの最新作ですが、ボンド役が変わると、雰囲気がかなり違ってしまうので、とりあえずDVDが出るまでまっていました。主役のダニエル・クレイグはさすがに若々しくて元気なボンドだし、いかにもイギリス人という感じはしっかり出ています。ただ、なにぶん余裕のなさというか、貫禄がないというか、007はとにかく、気持ちをゆったりさせてくれるところがあるのに、それがないのですよ。また、愛車のアストンマーチンがあまり活躍する場がなかったのも残念。毎回、新兵器に心が躍るものなのに、なんとあっさりぶっ壊れてしまいます。拷問のシーンも、最近のアクション物に対抗するためかちょっときついし、次回作を待ったほうがよさそうです。ただ、ボンドガールはいいですね。本当に知的な美人で、しかも悪女ときますから魅力全開です。僕はちょっと知らない女優さんなのですが、とにかく美人です。
バタフライ・エフェクト
バタフライ・エフェクトという言葉は、ずいぶん前から聞いたことがありますが、実は意味はあまりよく内容は知りませんでした。今回、時空を越えるというような宣伝文句が番組表に出ていたので、タイムマシン物が好きなので見てみました。結構ホラーっぽくて怖い感じなのです。しかも話が二転三転するので、おいおいそりゃねーだろうと突っ込みつつ見ていたのですが、後半やっとわかってきました。とにかく主人公は気絶するたびに、過去に戻っていき、そこで彼がとった行動によって未来が(つまり現在が)変わってしまうという能力をもつのです。おもしろいのは、主人公の男の子がわりと普通で自分の都合が悪い未来になると、わざと気絶して過去に戻り、自分にとってよい未来になるようにしようとするところ。人間の身勝手さをよくあらわしています。そして最愛の彼女を守るために、彼が過去に戻ってやったこととは?。見てみてください。
インビジブル2
あのケビン・ベーコンが主演した1からの続編。ということですが、あまりストーリーはつながりません。ただ、透明人間になるのが、いわゆる兵器として利用するためだというところが共通するかな。しかも、最終的には自分の政敵を葬るための手段だったりするので、透明人間にされた軍人がとても悲しい存在に思えます。そして今回の透明人間は、なんとクリスチャン・スレーター。最後まで、姿を現さないので、よく引き受けたなあと思いますが、メイキングの中では、のりのりでインタビューを受けていましたから、けっこう楽しかったのかも。さて、透明人間になった人の副作用がひどく、その中和剤を作れるのが唯一女性科学者だけ。当然、透明人間から命を狙われ、これを守る刑事が登場。そして、最後にはこの刑事が透明人間になる薬を自ら注射して、彼女を助けることに。そして、刑事は透明人間になったまま・・・・。3に続くということでしょうか。
エネミー・ライン2
前作がユーゴ紛争をめぐる、冷戦後のヨーロッパの複雑な状況をえがいて見せたのに対して、今回は今をときめく北朝鮮が敵役。確かに、かつて北朝鮮で大規模な爆発があり、結局、大きな雲がとおりすぎただけという発表で疑惑の事件がありました。それを題材にして、実はアメリカによる対北朝鮮核兵器の阻止作戦だったと描くわけです。今回もひょんなミスから、北朝鮮に残されたアメリカ兵がなんとか生き抜いて、核兵器の発射を防いでしまうという、しかも無能な上官たちに対して愛国的な軍人という設定。いかにもアメリカ人ごのみの展開ですね。ただ、おもしろいのは北朝鮮の上級将校の中にも金正日を批判する者がいて、これが拷問をうけるアメリカ兵を助けるシーンは、もしかしたらと思わせる場面でした。
デス・ノート前後編
この二つは一緒にしてレビューしてもいいでしょうね。かねて評判の作品なので、じっくり見てみようということで両方借りてきてみました。まず前編。この世の中の、法で裁けない悪を裁くという設定が、ある意味とてもわかりやすいので、そう難しく考えずに見ることができます。法で裁けないという点では、「必殺仕事人」の世界に似ていますが、こちらは、仕事をする自分たちも決して正義ではなくて、ただ金のために人を殺すのだというポリシーというか、謙虚さがあります。したがってデス・ノートでは、自分が正義なのだと思ってしまう点で、主人公がやがて破滅するだろうなという予想がつきます。それにしても、悪魔がいいですね。夜、夢のなかに出てきそうですが、よく見ると爆笑問題の大田光によく似ていて、笑ってしまいました。
さて、後編。前編の最後で戸田恵梨香が演じるアイドルが襲われるところで、新たな展開が予感できるわけですが、僕たちのような年になってしまうと、この戸田恵梨香の役には、あまりついていけない感じ。夜神月に利用されてしまうわけですが、もうひとひねりあってもいいかも。もっとも、僕は原作を読んでいないので、まんまはまり役なのかもしれません。いずれにしても、もともとは子供だましの映画かなと思っていましたが、なかなかいい作品で、ファンが多いのもわかるような気がします。
この胸いっぱいの愛を
伊藤英明主演ですが、倍賞千恵子、宮藤官九郎、中村勘三郎など脇役が錚々たるメンバーなので、ちょっと霞んでしまうかも。門司港が舞台ということで、僕らの地元がどのように描かれるのかも興味がありました。きれいですね。北九州市は、政令指定都市としては、どんどんさびれていってる気がして困るのですが、映画の舞台としては、本当に奥が深くていいなあと感心してしまいます。さて、お話は、飛行機事故で死んだ人間が、最後の一瞬、過去に蘇って自分の心にひっかかっていたことを成就してなくなるというもの。いわゆる「蘇りもの」といってもいいかもしれませんが、過去にタイムスリップするというのが、新鮮かな。
海猿 リミットオブラブ
僕はテレビシリーズも見てないし、最初の映画版も見ていないのですが、日本映画が描く、船舶パニックものとしてはいい出来ではないでしょうか。おそらく、第1作は若き海上保安庁の潜水隊員の成長物語だったのでしょう。今回は、その成長した一流の隊員が、大きなフェリー事故に巻き込まれていくというもの。ラストはハッピーでないといやなので、ほっとしましたが、この手の作品では、もう少し乗客に有名人が出ていて、それぞれの生き様が最後にまざりあうというのが、もっと深いかも。まあ、フジテレビが作るドラマとタイアップの映画なので、若い客層を意識したものになるのでしょう。
16ブロック
ブルース・ウィリス主演のサスペンス物。彼が、しがない飲んだくれ警官をみごとに演じています。うらぶれた感じがいいですね。今まで、かっこよさが前面に出ていましたが、これも彼の方向性としていいのでは。サスペンスなので、あまり内容は書きませんが、主人公の刑事が護送する証人役の黒人がいいですね。終始しゃべりっぱなしで、セリフが大変だろうなと変なところで感心してしまいます。しかも、その指摘がけっこうつぼにはまっていて、刑事を苦笑させてしまいます。たった16ブロック(おそらく3kmくらいかな)の護送が大変なことになり、ほぼリアルタイムで話が進んでいきますから緊張感もたっぷりです。DVDには、おまけでもうひとつの結末もはいってます。これは大きく好き嫌いが別れると思いますよ。
ザ・センティネル
キーファー・サザーランドが出て、アメリカ大統領が危機におちいるとなると、これは「24」じゃないの、と思うくらいの中身。対する相手が凄腕シークレットサービスのマイケル・ダグラス。彼が若い頃、レーガン大統領狙撃事件で、大統領を救ったなんていう場面も実写を織り交ぜて出てくるところが本物っぽくていいですね。内容としては、大統領暗殺計画が実行されようとするとき、ホワイトハウス内部にスパイがいると疑われ、マイケル・ダグラスが容疑者に。しかも、護衛官の身でありながら、大統領夫人とも関係をもっている。彼は、自らの潔白を証明するために逃亡し、キーファー・サザーランド扮する捜査官がそれを追う。しかし二人はかつて親友であった。人間関係の複雑さも絡んで、結構最後まで飽きさせずに見せてくれます。しかし大統領夫人がキム・ベイジンガーですよ。色っぽすぎるかな。
ミニミニ大作戦
僕は見ていないのですが、たぶん30年くらい前の作品をリメークしたものだと思います。とにかくローバーミニが大活躍するということでどこか印象に残るのですが。しかし、非常におもしろいサスペンスアクションの作品が「ミニミニ大作戦」では、ちょっと題名で損をしてしまうかも。マーク・ウォールバーグ、ジェイソン・ステイサム、そして敵役にエドワード・ノートンと錚々たるメンバーで、非常に緻密な窃盗団が、マフィアなどを相手に胸のすくような活躍をする。ところが、仲間の裏切りで金塊がうばわれ、長老が犠牲になる。さて残りのメンバーは敵をとるために再結成して、裏切り者に挑んでいく。そのグループには犠牲になった長老の娘も加わって。って、シャーリーズ・セロンですよ。こりゃ劇場で見ればよかったと後悔するくらい、おもしろい作品でした。僕がいつも言うように、ヨーロッパを舞台にした作品は、現地の景色の美しさなどが絶品です。
パッチギ
井筒監督の作品、と聞いても、あまり積極的に見に行くことがない僕ですが、この作品も在日の人々をうまく描けるかが心配で、劇場には行きませんでした。でも、内容も気になっていたので、ケーブルで視聴。おもったよりずっとよかったですね。僕たちが高校生だったのは70年代ですが、60年代の雰囲気も残っていて、朝鮮学校と一般の高校との抗争や、中学間での殴り込み、大学の内ゲバなど、暴力が日常的に見ることができた時代でした。「イムジン河」については、小学生の時にラジオなどで流れていて、急にぱたっと流行らなくなって、なんでかなと思っていたら、いろいろな政治勢力の思惑で闇に葬り去られていたのだということがわかります。僕の育った町は、在日の人たちの集落があり、同和地区があり、僕たち自身も中国からの引き揚げ者ということで、市営の長屋住宅に集められていて、わかりやすかったですね。
モンスター
シャーリーズ・セロンがアカデミー主演女優賞をとった作品ですから、力が入っているのは当然ですが、それにしてもよくここまで役作りしたなあというのが正直な感想です。逆にいうと、メークやダイエットで、そうとう女性の美しさが変わるのだなあという感想ももちます。売春婦として生きながら、一方レズの性癖ももつという屈折した感情。その交際相手の女性を助けるため、売春をしている途中で、相手を殺してしまうところから、殺人が快感に変わっていくという恐ろしさ。警察官ですら、この売春婦をさげすんで、フェラチオさせるという、アメリカ社会の暗黒面を鋭く抉りだしているようです。実際にあった事件が題材と言うことで、いつの時代も「事実は小説より奇なり」ということでしょうか。
レディー・ジョーカー
原作は読んでいないので、まっさらの状態で見ましたが、1回目は細かいところがよくわからなかったので、2回見てやっとわかりました。根底に部落差別の問題が横たわっているのですね。戦後60年、法律の整備などによって、目に見える差別は少なくなりましたが、結婚や就職という人間の大事な節目ごとに、この差別の問題は厳然として存在しています。僕が育った小倉という町も、同和地区があり、在日の人たちの集落があり、そして僕たちのように中国から引き揚げて来た者たちがすむ長屋がありという、差別のオンパレードのようなところでした。僕自身も、小さい頃から貧乏はいやだ、早くこんな町から抜け出したいと思いながら生きてきたのです。その成り上がり根性は、恵まれた地域で生まれた人には絶対にわからないものだというのは本当です。だから犯罪をやってもいいとは思いませんが、絶対的な貧困は、人の心を蝕むものです。
樹の海
トップページにも書きましたが、「チルソクの夏」でチーフ助監督を務めた瀧本智行さんが初監督した作品。自殺の名所として有名な、富士山の樹海をテーマに、何人かのエピソードがオムニバス形式で、展開していきます。この展開が、とてもおもしろくて、どのエピソードもどことなく絡み合っていて、しんみりさせたり、くすっと笑わせたり。僕は、実はとても難解で暗い作品なのかなと思っていたので、見るのをためらっていたのですが、とてもおもしろかったです。役者さんも、萩原聖人、大杉漣、井川遙、池内博之など充実していて、どのエピソードも、納得の展開です。今さら、劇場公開というわけにはいかないでしょうが、DVDの宣伝いかんでは、評判になるかも。
サベイランス 監視
コンピュータソフトをめぐる、熾烈なぶんどり合戦。という感じだったので見てみました。俳優は、敵役になるティム・ロビンス以外はほとんど若手で、残念ながら、ほとんど知りません。このティム・ロビンスの役どころが、もうまんまビル・ゲイツ。他社の作ったソフトを横取りしてのし上がっていくという設定が笑わせます(笑えないかも)。主人公の天才プログラマーの青年が、巨大なソフト会社に招かれ、新しい通信ソフトを作るよう誘われる。さわやかな仲間、きれいなオフィス、快適な宿舎。しかし、すべては監視されていた。なんと恋人まで、前もって仕組まれた存在だったときて、とにかく誰が敵か味方かわからないという中盤が、けっこうはらはらさせます。ラストがちょっと甘いと感じるのは、ちょっと厳しい見方でしょうか。
下妻物語
深田恭子については、「富豪刑事」をテレビで見ていて、こりゃ喜劇も十分やれるなあと感心していました。ただ、この映画は予告を見て、若い人ばかりが出ているので、ちょっと気恥ずかしくて、映画館にはとうとう見に行きませんでした。でも、実際見てみると、とてもおもしろい。田舎の女の子が都会にあこがれるとか、純な女の子が案外暴走族にはまるとか、なるほどなと思わせるところも多くて、これは拾い物だと思いました。シリーズ化することもないけど、深田恭子は、この路線を強めるべきかとも思います。「富豪刑事ザムービー」を作らないかな。
クリムゾンリバー2
全体に暗いトーン。フランス映画ならではの重い感じ。いずれも、前作をきちんと踏襲している感じがします。ジャン・レノが出ているので、思わず「ダヴィンチ・コード」と勘違いしてしまいます。今回も、教会が重要なモチーフになっているわけですが、ヨーロッパの人にとって、キリスト教は映画の題材としてなくなることはないのでしょうね。おもしろいのは、悪役軍団の脅威の体力。若手の刑事が、何キロも走って追いかけるのですが、筋肉増強剤か何かを飲んでいて、まるっきり疲れを知らずに逃げていきます。いかにも、ナチスドイツが開発しそうな薬品。70年代に東ドイツがオリンピックで大活躍し、その後、ほとんど薬物がらみだったことがばれた一件。今日まで続く、ドーピングにもつながるのかな。
マイアミバイス
確か外国テレビシリーズでずっとやっていたドラマだったと思いますね。僕はあまり見たことがなかったのですが、むこうでは人気だったんでしょうね。「SWAT」でも主演だったコリン・ファレルが、またも主演。共演にジェイミー・フォックスですから、なんとも豪華。いわゆる潜入捜査員の話なわけですが、何しろスターが揃う作品ですから、派手な作りで、これじゃあ潜入できねえよ、と突っ込みたくなるところ満載です。悪役があまり迫力がないところに物足りなさを感じるものの、女性陣の活躍がおもしろいですね。主人公と恋に落ちる悪役の情婦がコン・リー。最後に自分が警察にだまされたと知るわけですが、そこから逃がしてもらうまでの心の動きなど、なかなかいいですよ。また、アメリカと犬猿の仲であるキューバへ、けっこう簡単に行けてしまうのも、実際そうなんだろうなと感じさせます。
日本以外全部沈没
まあ「日本沈没」のパロディなわけですから、思い切り羽目を外してやってもらわなければなりませんが、残念なのはお金のかけ方が足らないところ。特撮のなんというチープさ。昔のウルトラマンシリーズよりもっと悪い。出てくる外人も大物(?)はデーブ・スペクターくらいで、テレビのお笑い番組で一瞬のものまねに出てくるような芸人ばかり。いや、けなしているわけではありません。藤岡弘・村野武範・寺田農など、役者もそろってるし、設定も人を食っているし。まあ、話としては最後うまくまとまるのでいいのですが、やりかたによってはもっとおもしろくなるかな。
Vフォーヴァンデッタ
予告編ではナタリー=ポートマンの坊主頭だけがやたら印象に残り、「マトリックス」のスタッフが作った作品ということもあり、近未来の複雑な地球という認識だったのですが、ちょっと違いましたね。いきなり数百年前の革命家の処刑から始まるので、いったいいつの時代の話なの。と思ってしまいました。独裁者が、治安を守るという名目で市民を監視し、抵抗者を徹底的に取り締まる。というナチスドイツを彷彿とさせる状況の中で、その圧政を打ち破るべく登場したのがVであり、ナタリー=ポートマン扮するイブが、それに協力するという形で物語が進行する。途中、Vが正義の味方なのか、悪の権化なのかわからなくなる場面も。それにしても、拷問を受けてナタリー=ポートマンがげっそり痩せるシーンは、もともとあまり太い人ではないだけに本当に大変だっただろうな。
アサルト13
警察アクション物、というだけで中身はほとんどわからずに借りてきました。「マトリックス」のローレンス=フィッシュバーンが出ているというのも興味がありました。彼が扮する悪役、殺人の罪でつかまり、護送される途中、激しい雪のため、閉鎖寸前の13分署に一時的に預けられることに。そこのボスがイーサン=ホーク。かれは数ヶ月前に、別の事件で捜査中に仲間の刑事二人をミスで死なせてしまいノイローゼ気味。雪に閉ざされた分署内の留置場に数人の容疑者。さて、悪役を憎む一団が、この分署を襲い、ボスは容疑者たちにも武器を貸して、抵抗を試みる。おもしろいですよ。なんで日本で公開のとき当たらなかったのかなあ。それにしても、おもしろいのはベテランの警官役で「ランボー」のときの敵役の警察署長をやった、ブライアン=デネヒーが出てきます。年を取っちゃいましたね。ぼくも取ったけど。
Always 3丁目の夕日
映画館で上映されていたときは、どうせレトロ昭和物で、30年代の郷愁ただよう、くらいに思って見に行かなかったのですが、失敗でした。とてもよかったですね。堤真一の自動車修理屋の社長というのも笑わせるし、堀北真希演じる青森から出てきた集団就職の中学生がなんともいい。また、吉岡秀隆のだめ男ぶりもおもしろい。彼をこんな風に使えるなんて初めて見た気がします。お話は、とにかくすごい内容でもなんでもなく淡々と30年代の日常が描かれるのですが、つねに人々の背景で東京タワーが少しずつ完成していくさまがわかります。まさに日本が経済的に伸び盛りだったことの象徴でしょうか。こういうCGなら、そこそこ使ってもいいんじゃないという感じです。僕自身、昭和33年の生まれで、しかも地方の人間ですから、東京に5・6年遅れて同じような状況になった気がします。続編もあるということで、今度は劇場に見に行こう。
パイレーツオブ・カリビアン デッドマンズチェスト
一作目のおもしろさで、今回も期待していました。なにしろ一作目の終わり方が中途半端だったので、続編があるのはまちがいなかったですからね。むしろ今回のほうがスパロウ船長のこれまでの流れがわかって、スムーズに話の中にはいっていけました。それにしてもジョニー=デップは、ますます冴え渡っていますね。とにかく役を楽しんでいるというか、はまっているというか、彼の代表的なキャラクターであることはまちがいないと思います。ディズニーが作る割にはグロテスクでやや大人寄りの作品であることもおもしろさの一因かな。3作目もあるということで、これは全部そろえるしかないかも。
メメント
自分の記憶が長く持たない。という設定は、「博士の愛した数式」でも出てきますが、こっちはもっとすごくて、10分くらいしか持たないというのですから、ほんとうに人間として大丈夫かと思ってしまいます。体にメモを貼るのではだめで、直接入れ墨をしてしまうというのですからすごい。ただ、映画の手法としてきわめて珍しいというか、どんどん時間がさかのぼっていくわけです。「あーあれは、このことなのか」などと、納得するのですが、途中から、主人公の考えていることが正しいかどうかが、観客にもわからなくなってくるんです。そうなると、真実はいったい何なのか、実は僕たちの記憶というのも、あやふやなものなのだと監督は言いたいのかなという気がしてきます。こりゃ何回か見ないといけないな、リピーターがいるのもよくわかるという映画でした。
トランスポーター2
1と較べると、やはり主役をもう少し人間くさくしたかったのでしょうか、子供を守るボディーガードの役をさせられています。もちろん、この子供が誘拐されて大変なことになるのだろうなあ、と思ったら、その通り。しかし、なぜ誘拐したかが、明らかになるにつれて、さらに深い背景が見えてくるという点で、2作目としては、ずいぶんいいできではないでしょうか。ジェイソン・ステイサムのアクションもさえ渡り(どう見ても、負けそうにない)、安心感もあります。カーアクションもこの映画の売りですが、本当に、どうやって撮影したのかびっくりするような場面もありますね。CGを使うと、迫力がなくなるので、おそらくスタントマンが大活躍しているのでしょうね。
インサイドマン
デンゼル・ワシントン、ジョディー・フォスター、ウィレム・デフォーと名前がならぶ豪華な配役。銀行強盗が主役のはずですが、犯人たちはすっかりかすんでしまいます。ある銀行に強盗にはいった集団。人質をとって巧妙に警察と渡り合う犯人。交渉人がデンゼル・ワシントン、そして謎の弁護士がジョディー・フォスターです。このジョディー・フォスターがいいですね。野心満々の成り上がり者という感じが良く出ていて、これは嫌われちゃうなという存在感をよく出しています。結末は、お話しませんが、おもしろかった場面がひとつ。強盗犯が、人質の子供と話すシーンなのですが、子供がソニーのPSPで遊んでいます。その遊んでいるゲームが「グランド・セフト・オート」(だと思う)で、人を殺したり放火すると高得点がもらえるという趣味の悪いゲームです。そこで強盗犯が、「おまえ、そんな趣味の悪いゲームをするな」と諭すんですよ。「おまえには言われたくない」と突っ込みたくなります。
アンダーワールド2
ずっと下を見ていただくと、前作のレビューがあります。そこでも書いているのですが、前作はやや話の結末がすっきりしなくて、どう見ても続編があるなと思っていたら案の定でした。この2を見て、やっと全体像がつかめました。要するに、ヴァンパイヤと狼男の対決なんですよね。ところが、この祖先がある一人の人物に集約されてしまう。そして、その人物の息子二人が、両方の血統に別れてしまうんですね。まあファンタジーホラーなので、理屈はなくていいんですが、話がつながると納得がいって、俄然おもしろくなりました。それにしても、相変わらずケイト=ベッキンゼールが美しいです。あとの出演者は、もはやどうでもいいという感じ。
ミュンヘン
1972年のミュンヘンオリンピック。僕は中学3年生でした。オリンピックの開幕直前に、我が家にはじめてカラーテレビが来たのを鮮明に憶えています。ですから、中継をもちろんカラーで見たのですが、このイスラエル選手が殺された事件もよく憶えています。当時はもちろん、政治的な背景については、よくわからずじまいだったのですが、この映画はまさにその後日談になるのですね。イスラエル側が、どう考えても強烈な報復に打って出るのは明らかなわけです。しかし、国際世論を考えて、国とは関係ないという形で暗殺を実行していくところは、苦難の民族として冷静な対応(怖いですが)をしています。今日でも、まったく解決の兆しが見えない中東紛争。日本人には到底、想像もつかない事実です。
ファイアー・ウォール
ハリソン・フォード主演のサスペンス物。というと、派手なアクションや爆発の連続という感じですが、よく考えると、彼も相当なお年寄り。歩き方もよたよたしていて、スター・ウォーズのハン・ソロの頃とは大違いです(当たり前か)。さて、題名のとおり、銀行のネットワークを保護しているファイアー・ウォールをこのハリソン・フォード扮する幹部行員に破らせ大量の預金をせしめようとする一味。当然、家族を人質にとって、何とか彼に作戦を実行させようとする。しかし、ハリソン・フォードもあれこれと策を講じるし、家族も妻を中心に犯人グループに一撃を食らわそうとする。そして犯人の中にも良心的なやつもいて。どうやら、仲間割れしそうな雰囲気が漂ってきます。ひとりおもしろいのは主人公の秘書、真相を知らない中で、さんざんしかられたあげく首になってしまう。わけもわからず、家族の救出を手伝わされることになるんですよ。
DOOM
悪趣味といわれるかなあ。実は、10年ほど前、このDOOMというゲームにはまって当分やってましたね。もちろん今のゲームと比べたらグラフィックなどもしょぼいですが、何しろそのコンセプトがおもしろくてね。さて、映画もなんとかそのゲームの世界観を取り入れて、それなりに仕上げています。ただ、自分でやるのがおもしろいという点で、映画にするほどの意味があったかは疑問です。「エイリアン」などには遠くおよばないし、「バイオハザード」ほどの脚色もない。でも、もともとゲームそのものが殺伐とした世界観なので、これもありかなと思います。
ピッチ・ブラック
ビン・ディーゼル主演のSF物。以前、映画館で見た「リディック」の前作だそうで、「リディック」が結構おもしろかったので、ケーブルで見てみました。確かに同じSF物ですが、さすがにまだビン・ディーゼルがあまり有名ではなかったころらしく、かなりチープな作り。しかし、話はおもしろい。宇宙船でたどりついた人間と、宇宙人(というか怪物)との戦いですが、その怪物がグロテスク。砂嵐などの描写も、チープな割に良くできている。とくにビン・ディーゼル扮する主人公が特殊な眼鏡をかけて怪物と対するところなど、微妙な特殊効果が本当に効果をあげています。そして主人公がいったい悪人なのかそうでないのかも最後までわからない筋立ても見事です。さては、これが評判良くて「リディック」では、予算をたくさんかけたのかな。
サマータイムマシン・ブルース
上野樹理ちゃん主演(?)の青春ドラマ。でしょうね。タイムマシンでどこまで行くのか、と期待したら思いっきりはずされましたね。なんととりあえず昨日に行って、壊れたエアコンのリモコンを取ってこようとするんですよ。この、1日だけ戻るのを何回も繰り返していくわけで、そのうち何がなんだかわからなくなり、やっと最後でにやりとするという、タイムマシン物の王道をいってるんですね。よくわかるのは、昨日に行った学生たちが、自分たちを尾行してみようとするところ。僕なんかでも、きっと自分を尾行してみるだろうなと思って、笑ってしまいました。未来がほとんど出てこないのがいいですね。だって、未来を描こうとすると、どうしても大げさなCGが必要になるし、セリフの中でも「自分が死んだのがわかるのはいやだ」というのがありますからね。
MrアンドMrsスミス
これはもう仲のいい役者夫婦の痴話げんかに近い映画かな。しかも、アクションシーンに相当金もかけているわけで、これ以上贅沢な遊びはないよなあと感心しながら見ました。内容は、まあスパイエージェントものということですが、とくにつじつまを合わせているということもなく、かといって物語が破綻するほどひどくないので、見ればけっこうおもしろいですよ。むしろ、武器おたく(というよりフェチかな)が見ると、最新鋭の兵器が次々と登場するのでそこが見所かも。ちょっとけなしてしまいましたが、レンタルするくらいの価値はあります。
コープスブライド
レンタルでも人気があって、なかなか借りることが出来ませんでしたが、ようやく見ることができました。僕は、あまりラブロマンスは見ないのですが、ちょっと斜めに構えた作品なら照れずに見れるかなと思いました。そしてその通りの作品でしたね。お話そのものは簡単で、こどもでもよくわかるし、何より、生きている人々は差別や貧困で暗いのに、死者の世界は自由で明るいというのが、なんとも皮肉。ブラックユーモアもけっこう効いていて、笑いの中にも、ぞっとさせる要素もあり。また、久しぶりにきちんとしたパペットアニメーションということで、その作業工程は想像を絶する大変さだと思いますが、とても緻密な作品になっています。
ローレライ
太平洋戦争末期の日本海軍。広島に原爆が投下され、第二の被害を防ぐため最新鋭の潜水艦が出航する。潜水艦物が大好きな僕ですが、今回もなかなかおもしろかったですよ。潜水艦内部の描写も細かいし、なにしろ新型ソナー(と言えばいいのかな)が、人間の能力を使っているというところがすごい。なんとなく、「マイノリティーリポート」を思い出させるようなところなのですが、当時、レーダーとかアンテナはすっかりアメリカにしてやられていたわけで、ドイツ人もすごい物を開発するなあと感心しました。いずれにしても、最後には、東京に原爆を落として戦争を終わらせるという、なんとも変な結論が、あまり納得がいかないのですが、いろんな見方があると思うので、各自で考えてください。
ホステッジ
ブルース・ウィリス主演のサスペンスということで、ダイハードあたりを想像したのですが、これは違ってました。ある大金持ちの家がおそわれ家族が人質に。しかし、この大金持ちは麻薬取引に関与していて、裏組織は、交渉人である主人公の家族を人質にとって、大金持ちを助け出させようとするという複雑な展開。ある意味、「24」にも通じる、時間との戦いが緊張感を漂わせます。ただ、ところどころかなりきつい流血の描写が出てくるのが、ちょっとつらいですね。最後も、結局組織のボスは正体がわからずじまいで、なんとなく欲求不満が残ります。
イン・トゥ・ザ・ブルー
すいません。この作品はとにかくジェシカ・アルバが好きな僕の趣味だけで見た作品。「ダーク・エンジェル」シリーズで彼女のファンになった僕ですが、どんどんいろんな作品に出てほしいですね。内容としては、バハマの美しい海岸を背景に、難破船の宝物の引き上げを夢見る若者とその恋人、そして彼の友人。ところが、沈没船の近くで墜落した飛行機を見つけて中を探すと大量の麻薬が。それをかぎつけた組織に命をねらわれるはめになる。たぶんハッピーエンドだろうと安心して見ていましたが、そのとおり。とにかく海がきれいで、環境ビデオとしても意味があるのではないでしょうか。
ニューヨーク1997
カート・ラッセル主演の伝説の近未来(?)もの。僕は、この続編にあたる「エスケープフロムLA」のほうを先に見ていたので、いつかレンタルでもと思っていたのですが、たまたまケーブルで出たので見てみました。おもしろかったですね。とくに、カートラッセルをニューヨークに送り込むのがリー・バン・クリーフ演じる軍隊の高官。リー・バン・クリーフといえば、僕が中学・高校でさんざん見ていたマカロニ・ウェスタンに悪役でよく出ていて、悪くてかっこいいなあなんて思ってたので、本当に懐かしかったですね。ニューヨーク全体をまるごと監獄にして、まわりを警備で固めるなんて言う発想自体がすごいし、あの貿易センタービルが監獄の象徴になっているのは、のちのテロを予告しているかのようです。
キングコング
いやー、長い。劇場公開のときも3時間を超えそうなので、ちょっと見に行くのを考えてしまったのですが、行かなくて正解でしたね。最初の1時間、いわゆる髑髏島に行くまでの人間模様は、けっこうおもしろくて、映画に賭ける情熱(ちょっとまちがった方向か)や、女優への情熱など見せてくれます。また、コングをニューヨークへ連れてきてからの顛末もいいのです。ところが、CGばりばりの髑髏島でのコングと恐竜の戦いや、彼女を救おうとする乗組員たちの壮絶な戦いは、時間も長いし、かなりグロテスクなので相当ヘビーで疲れてしまいました。総制作費が200億円ともいわれる映画ですが、もっとコンパクトな作品にできた気がします。最近、リメークものばやりですが、技術の進歩だけでいい作品ができるとは思えませんね。
ロードオブウォー
ニコラス=ケイジ主演の武器商人を描いた作品。もっぱらニヒルな印象の彼が、淡々と武器を売る商人として活躍するアクション映画かと思ったら、意外にも、内面の苦悩や、武器売買大国であるアメリカの内実を、かなり鋭く抉っていきます。そうなんですよね、「死の商人」といわれる連中も、確かにすごい儲けですが、本当に大もうけしているのは、武器博覧会をやって堂々と売買している大国なんですよね。しかも、映画のラストで、この大国が英・米・仏・中・露だと紹介します。なんとこの5カ国はいわゆる国連の安保理常任理事国なんですよね。平和の大元締めなんていうような顔をしておきながら、裏にはこんな顔もあるという、なんとも皮肉な事実。日本が常任理事国になるっていうことは、死の商人の仲間に入ることなんでしょうか。
エレクトラ
いまはやりの番外編とでもいうのでしょうか。「デアデビル」で主人公の恋人であったエレクトラ。途中で敵に殺されてしまうのですが、その彼女が達人(何の!!)のおかげで蘇ったというのが、今回の趣旨。「デアデビル」での活躍が、あまりに鮮烈だったからでしょうね。主演のジェニファー=ガーナーも張り切っているようです。ただ、蘇った彼女の仕事が暗殺者だというのもちょっと意外。結局は正義の味方のほうに行くわけですが、それなら最初から、そういう現れ方でもいいのではないかと思います。彼女の後を継ぎそうな少女がなかなかいいですよ。これから、本格的に映画に出演してくるかも。
パッション
キリストの最後の数日間を描いた作品。「ダビンチコード」などで、なにかと今話題のキリスト教初期のお話しになるのですが、なにしろ監督のメル・ギブソンが、張り切りすぎた演出です。途中から、とにかくキリストが血だらけで、これでもかという拷問続き。見ているこちらも、何か拷問を受けているような、いやな気分になります。アメリカでキリスト教会から批判を浴びたというのも、わかるかなという感じです。そう言った迫害の部分をあまりリアルに描いても、人の心にはあまり訴える物がないのではと考えてしまいました。「ベン・ハー」で、ちょうどキリストの処刑の場面がでてきますが、もう少し宗教的にレベルの高い描き方であったような気がします。
ヒトラー 最後の12日間
ドイツでいわばタブーとされたヒトラーを正面から描いた作品ですね。もちろん、彼を美化するわけにはいかないのですが、同時に彼の側近の女性の目を通して、冷静に淡々と彼の最後の日々が描かれます。驚くのは、ゲッペルスをはじめとして、最後までヒトラーに心酔したままの人々がいることです。おそらく、かなり多数の人たちがユダヤ人嫌いというヨーロッパの雰囲気の中で、自分たちはなにも悪くないと思っていたのだろうなあと想像できます。そして、なにより軍隊というのは絶対に国民を守らないということです。軍隊が守るのは「国家」であって「国」ではないというのは、日本もまさしくその通りでしたが、この映画でもそのへんがよくわかります。戦争における狂気、どんなに冷静な個人がいても押し流されるという恐怖。今の時代にこそこうしたことへの感受性が必要でしょう。
ザスーラ
あの名作(?)、「ジュマンジ」のある意味続編ということで、なにやら今風にアレンジした作品なのだろうと、楽しみに見ました。内容的には、なかなかいい出来だとは思うのですが、「ジュマンジ」がストーリー的におもしろさが数段上ですね。けんかばかりする兄弟が、最後は力を合わせるとか、すごろくのあちこちでものすごい衝撃があるとか、まずまずなのです。が、場所が宇宙に限定されてしまって、行動パターンが制限されるし、一人かやの外の長女が、途中から参加するのも、何となく違和感があります。この作品だけ見た方は、ぜひ「ジュマンジ」を見てみてください。
チャーリーとチョコレート工場
いやー、あいかわらずジョニー・デップが達者ですね。あきらかに怪しい工場主をうまく演じています。おそらく、公開のときには家族で見に行った方が多いと思いますが、家族の団らんを多少からかうような内容です。悪ガキを徹底的にやっつけているところが、子供を決して持ち上げないクールな大人の想いとして共感できます。後半は、大体話が読めてしまうのですが、そこで「ベン・ハー」や「2001年宇宙の旅」などのパロディを持ってきて、大人の観客をにやりとさせる憎い演出。ばかばかしさの中に、現代の社会を鋭く風刺しているところがなかなかです。子供映画とあなどれない作品ですね。
フォーガットゥン
映画館の予告で、これはおもしろそうだと思っていたので、借りて見たんです。前半は、とにかくおもしろい。自分の息子が飛行機事故で亡くなった母親が、どうしても息子が死んだとは思えない。ところが、まわりの人間は、息子の記憶を失っていき、「もともとあなたには息子なんかいなかった」さらには、夫までもが「あなたは誰ですか」と言い出す始末。唯一、近所で同じように娘を失った父親が、記憶を取り戻し、母親と協力して謎を追いかける展開へ。テンポもいいし、不気味な背景があるのだろうと感じさせます。おまけに、連邦警察と地元警察の対立もあったりして、サスペンスの王道か。と思いきや、後半は、「あれっ」というほどの宇宙人的展開。評価にちょっと困ってしまいます。
トリプルXネクストレベル
主演がビン=ディーゼルから、アイスキューブになった段階で、こりゃ終わったかなという感じ。やはり、こういった映画の主人公はなんでもありのスーパーマンでないと、巨悪を相手にするのに役不足ではないかなという気がしてしまいます。アクション映画としては、金もかけているし、なかなかいい出来なのですが、むしろトリプルXとは全然別のアプローチのほうが、内容が生きてくるのではないかという気がしました。もっとも、ウィレム=デフォーなどが出ているので、要所はきっちり押さえられていると思います。なお、ラストで、「もっと凶悪なやつを探さないと」とサミュエル=L=ジャクソンが言いますが、これは第3弾があるんだなあと思います。
まあだだよ
久しぶりの日本映画、今はBS・CSが見られるようになったので、あれこれとチャンネルを変えています。黒沢明作品ということや所ジョージが出ているということもあって見てみました。実にゆったりと時間が流れる映画です。戦中戦後の時期が描かれるのですが、戦争の雰囲気はほとんど出てきません。「先生」と「教え子」たちの長年の交流が丹念に描かれます。僕のつい最近、90才を過ぎた恩師が亡くなりました。今年の正月まで実に25年間、僕たちの宴会につきあってもらっただけに寂しさもひとしおで、この作品にずいぶん感情移入してしまいました。僕自身も教員ですが、とても、尊敬されるような者ではないので、うらやましいかぎりです。
アサインメント
ドナルド=サザーランド、ベン=キングズレーという大御所2人が出てくる、テロ犯撲滅作戦。ただし主演の俳優さんはあまり見たことがありません。内容は、テロリストの親玉にうり二つの海軍将校を、その親玉にみせかけ、混乱させるというもの。そのための訓練がすさまじいのです。ふつうは肉体をいじめつくす訓練が多いのですが、親玉ににせるために精神的な部分の改造を行うわけです。したがって、ひさしぶりにあった家族が、別人ではないかと疑うくらいのできばえで、まさに人間改造ですね。おそらく実際にも、これに近いことが行われているに違いなく、恐怖を感じます。最後が、けっこうしゃれた終わり方なので、よく見てみるといいですね。
ヴィレッジ
「シックスセンス」のシャマラン監督の作品。あまり評判は高くなかったのですが、まあ見てみようということで借りました。基本的には、「シックスセンス」が良すぎたかなという感じです。「アンブレイカブル」で、なんとなく見るのに挫折してますので。俳優さんはとても良くて、ホアキン=フェニックスが寡黙で誠実な人柄を好演しています。また、盲目の娘を演じる女優さんがなんとも素敵。最初はあまり美人に見えないのですが、どんどん美しくなっていくのがわかります。愛の強さ、思いのつよさを表しているのでしょう。で、全体のお話が、今ひとつ納得できなくて困るんですが、どなたか「こういうことなんだよ」と教えてもらえないでしょうか。
アウトオブタイム
ウェズリー=スナイプス主演で、元海兵隊員とくれば、ばりばりのアクション映画と思いきや、これがなかなか。戦いの中で親友を失って、トラウマになっている役。しかも、その親友の妹と恋人で、その妹は凄腕美人刑事。ひょんなことからFBIに間違われて、麻薬は打たれるわ、しかも8時間で神経がやられて死んでしまうという設定。これまであったサスペンス映画のいろいろな要素をごった煮にした映画です。でも、それがけっこううまく料理されて、なかなかいいテンポで進みます。ラストはお約束という感じですが、おもしろかったですよ。
8mm
ニコラス=ケイジ主演のサスペンスホラー。予告編で見たときから、あまり後味がよくなさそうな映画だったので、劇場には見に行かなかったのですが正解かも。家でじっくり見たわけですが、いわゆるスナッフフィルム(殺人現場を写したビデオ)に映った少女の身元を探すよう依頼された探偵の活躍なのですが、その潜入捜査で描かれるのが、変態のオンパレード。ゲイにスカトロに幼児ポルノと金さえ出せば、何でもあり。金持ちが金力にあかせて少女を食い物にする実態が暴かれます。ただ、途中から、主人公が復讐者に変身し、つぎつぎと犯人たちを殺していくのですが、これがすごくて、おまえも同じ仲間かとつっこみたくなるくらい。ニコラス=ケイジの顔つきも変わってしまいます。ラストシーンを見ても、あまり救いにはならないような気もするのですが。
トルク
いかにもアメリカ人好みのバイクアクション。バイクを愛する主人公と、それをとりまく怪しげな仲間。一方、麻薬取引でのし上がろうとする別のバイクグループのリーダー。そして、麻薬を追うFBI捜査官がからんできますが、この捜査官のなんとカジュアルなこと。あまりに軽くて、偽物じゃないのと突っ込みたくなります。さて、ストーリーは結局は単純で、主人公がさらに別の暴走族グループと組んで、悪いやつを倒すということになりますが、悪が悪を倒すという感じで、あまり爽快感はありません。ただ、バイクアクションはものすごくて、その手のスピード感が好きな人ならおすすめです。
スリーピーホロー
ジョニー=デップの作品はけっこう好きで、いままでも相当見てきましたが、これはかなりホラーの香がきつかったので、劇場に見に行こうとは思いませんでした。ただ、ケーブルで上映するということで、ゆっくり見れるならということで鑑賞。思った通り、きつい描写もあるのですが、話がおもしろい。今から100年ほど前の時代設定もうまくはまっています。お調子者の検事が、伝説にまつわる連続殺人事件に挑むわけですが、この高慢ちきな検事役がデップにぴったり。しかも、小心者で助手を務める子供のほうがしっかりしているなど、笑える場面もけっこうあります。ホラー描写を我慢できればとてもおもしろい作品です。
スポーン
アメコミから制作された映画のおそらく始まりとも思われる作品。内容は、なにしろ漫画ですからその荒唐無稽さ、はちゃめちゃさも納得のところ。とにかくアメリカ俗語辞典がそのまましゃべっているような印象で、家族で見てるとちょっとひくかなというくらいの放送禁止用語の連発で、ある意味勉強になります。ただ、悪魔に心を売って蘇ったはずなのに、わりと早く正義の心に目覚めるところがちょっとご都合主義という気もしますが、なんでもありなのでいいかなと。それにしても、アメリカでは割と普通に小人(こびと)を使いますよね。日本ではなにかと人目から避けようとするのですが、その辺はきちんと人間として扱っているのだろうなと思われます。
アイランド
近未来のクローン人間をあつかった作品。主人公が、秘密を暴いていくのがわりと早い段階で、見ている方にもすぐすじが読めます。これはたいしたことないな、と思っていると、後半俄然テンポがよくなって、小気味のいいサスペンスアクションになります。臓器提供のために作られたクローンと、それを依頼した本人が出会ってしまう場面。本人が助かるためにはクローンは死ななければならない。また、本人が助からなくても、やっぱりクローンも死ぬ。所詮人間扱いされない製品としての存在なのですね。しかし、ユアン=マクレガーやスカーレット=ヨハンソンと並んで印象に残ったのは、彼らを殺すはずの傭兵隊長の黒人。自分もかつて内戦に巻き込まれ、手に焼き印を押された過去を話し、「おれたちも人間扱いされなかった、戦争とは金儲けなんだ」と語るところですね。
僕の彼女を紹介します
あの「猟奇的な彼女」で一躍日本で名を知られた、チョン=ジュヒョンの作品。今回もある意味、暴力的で自己中心的な、でもとてもチャーミングな女性を演じています。おもしろいのは相手役があの「火山高」の主役チャン=ヒョク。さえない高校教師を演じているのですが、そのさえない感じがとてもよく出ていて、後半の悲劇性をより高めることになっています。さて、監督が「猟奇的・・・」と同じということで、何か映画ファンを喜ばす仕掛けがあるのではと思っていたら、ありましたありました。全部いうとなんなので、一つは「ゴースト」をまるまるぱくった場面が笑わせます。本当は泣くところなのですが、すいません笑ってしまいました。そして、何とラストでは・・・・。おすすめですが2時間以上ありますからちょっと覚悟を。
セルラー
セルラーといえば電話屋さんのことですよね。実際、セルラーのトラックも出てくるので、まるごとスポンサーなのでしょうね。もちろん、電話が重要なポイントで、携帯電話の圏外になるかならないか、電池が切れるか切れないかなど、はらはらどきどきの前半が見所かな。後半になると一気にアクション映画に変わって、テンポ良くストーリーが流れます。主役のキム=ベイジンガーが、色っぽくて強い母親を演じています。やはりどこの国でも「母は強し」で、悪役からも助けに来るお兄さんよりもこの母親のほうがはるかに手強いと言われるほど。ただ、この助けてくれるお兄ちゃんが、最初はまったく頼りないのに、時間がたつにつれてどんどん頼りがいのある顔になっていくのが素敵です。
レイ
レイ=チャールズの人生を描いたものですが、なにしろ彼を演じたジェイミー=フォックスがいいですね。なりきってます。僕自身は、レイ=チャールズの曲を何曲が知っている程度で、あまり知識はなかったんですが、本当に麻薬中毒だったのですね。また、最初から目が見えなかったのではないということも初めて知りました。おもしろいのは、彼の女好きの面で、腕をさわると、その女性が美人かどうかわかるなんていうところ。目が見えないので、いろいろな別の器官が発達するわけですが、こんなところも発達するんですね。黒人差別の問題も、真っ正直に取り組んだというよりも、なりゆきで取り組むわけですが、そこがなんとも人間くさくていいですね。
炎のメモリアル
消防士ものとしては、何と言っても名作「バックドラフト」がありますが、この作品も劣らずいいですよ。劇場で見れば良かったと後悔しています。9・11のテロで死亡した消防士への追悼の意味も込められたいるとは思いますが、目の前で起こっている火事と、主人公の追想が無理なくつながっていきます。主演のホアキン=フェニックスももちろんいいですが、分署の隊長役のトラボルタがいいですね。のんびりした平常の消防署と火事が起こった時の緊張感、親しくなった他の隊員の死など、トラボルタがきちっと締めています。ハッピーエンドでないところがアメリカ映画としては珍しいですが、それも納得できる作品でした。
カタストロフ
レンタル屋で、上の作品を借りようとして、ふと目にとまった作品です。おそらくあまり多くの制作費がかけられなかったのだろうと思い、あまり期待せずに借りた(半額の日だったし)のですが、いい意味で期待を裏切られました。主人公の警察官が、犯人を追跡中の事故で一時心肺停止状態に、なんとか蘇生するが、その時に未来を予知する能力を身につけてしまう。次々と自分が見た映像が現実になり、やがて・・・。起こる事故や大惨事の映像がちょっとしょぼいCGなのが残念ですが、ストーリー自体はおもしろいので、見応えありますよ。ただ、最後まで疑問なのは、テログループの目的、なんのためにやるのかがよくわからないので、自分で想像するしかないみたいです。
ICHIGEKI(一撃)
スティブン=セガール主演のサスペンス物。彼のここ数年の映画は、何かしら社会問題にリンクするような内容の物が多いですが、今回は少女売買の闇に関してです。孤児院にいる聡明な少女と文通する、元敏腕情報部員。しかし、その少女を含む何人かが、人買い組織に連れ去られ、主人公は単独で捜査に乗り出す。いつものように強すぎるセガール。その独特のファッションとともに、いつも僕は敵が気の毒になってしまいます。ただ、今回は彼に協力する美人刑事、そして誘拐された少女の美少女ぶりがすばらしく、久しぶりに楽しめました。セガール中心の映画だけに、脇役がつまらないと基本的にテンションが下がることが多かったので、これからはこんな方向が必要かとも思います。それにしても、題名はなんとかならないかな。原題は「out of reach」、一撃が届いてないよ!
カンフーハッスル
もはや説明の必要もないほどのおもしろさ。理屈なんかいうと怒られます。ということで、心に残る場面を網羅。まず、貧民窟の描写がいいですね、いかにも貧乏人、時代背景はいったいいつごろなの?。いじめっこにいじめられる口のきけない美少女と、それを助けようとする少年。しかし少年は逆にやっつけられてしまう。いちおう、そんなストーリーもあるんですが、前に作られた「少林サッカー」よりもさらに荒唐無稽なので、脳みそが吹っ飛びます。武術の達人3人がやられてしまい、貧民窟の大家が実は達人で登場。「もうちょっと早く出てこいよ」と住民から突っ込まれます。そして最後は主人公。さんざん痛めつけられてようやく本領発揮。ある意味、日本の必殺シリーズに似ているかも。
マイボディーガード
デンゼル・ワシントン主演でボディーガードですから、これはかっこいいクールな役かと思ったら、意外に地味でさえない役どころでした。しかもボディーガードとしての仕事には失敗してしまうわけで、「おまえ高い金もらってるのに」と突っ込みたくなるところです。しかし、そこはなんといっても守られる女の子がダコタ・ファニング。完全に大人が食われてしまっている典型ですね。それにしても中南米の誘拐の多さは異常で、この映画もわざわざメキシコ政府の支援を受けて作ったのは、そういった誘拐撲滅の意味も込めたものなのでしょう。
ひとつだけびっくりしたのは、デンゼル・ワシントンにからむ女捜査官が、あの「トータルリコール」でシュワちゃんの相手役だった人なのです。もう、相当な年のはずですが、すっかりあか抜けてきれいになっています。
タクシー・イン・ニューヨーク
あの有名なタクシーシリーズの最新版。予告編を見たときから、きれいな女強盗団の素顔が見てみたかったので、いそいそと借りにいきました。しょっぱなから、どじ捜査官の失敗の連続。しかも、免許はあるが運転はからっきしだめな警察官が、名うてのドライブテクニックを持つ強盗団に挑むわけですから、助けが必要なのは当たり前。少々暴走気味の女タクシー運転手との珍道中がなんともおもしろい。そして、なによりおもしろいのは、ごついと思ったこの運転手が、最後にはとてもチャーミングな女性に見えてくるところ。女優なんだから当たり前ですが、びっくりするほどの名演技でした。
解夏(げげ)
昨年公開されたときに、ちょうど他の映画を見てしまって、なかなか見る機会がなかったので、ゆっくり家で見ました。病気で徐々に視力を失っていく主人公を、恋人や周りの人々が温かく見守るという、わりとよくある難病ものという感じもします。しかし、全編に静かな流れが包んで、大げさな悲しみの情景はありません。主人公に大沢たかお、恋人に石田ゆりこですが、何と言っても、松村達雄さんがいい。たしかこの作品が遺作になったのではないかと思いますが、せりふがせりふと思えない、本当に人が語る言葉という気がして、心を揺さぶられます。
パニッシャー
トム=ジェーン主演ですが、敵役のトラボルタがすごいですよ。ここのところ悪役がすっかりはまっていますが、今回も貫禄十分。主人公が、おとり捜査の中でトラボルタ扮するギャングのボスの息子を死なせてしまい、そのうらみをかう。そして主人公の家族が皆殺しにされ・・・。必殺仕事人を自分でやりはじめるようなものですね。「おれがやっているのは復讐ではなく、処罰なのだ」というのがかっこいいですね。「法で裁けぬ悪を裁く」というところでしょうか。ただ、意外に主人公が弱いのが笑えます。主人公を助けるアパート3人組がとぼけた味わいで、とてもいいですよ。
エイリアンvsプレデター
ものすごく重厚な雰囲気ですが、申し訳ないけど設定から笑います。予告編でも「どちらが勝っても、人類に未来はない」といいますが、よく考えれば本当にそうで、「おまえら勝手に地球で戦うなよ。」と言いたいところです。まあ、2大怪物を戦わせるので、いろいろな理由がいるのだとは思いますが、人間を巻き込まないで。しかし、エイリアンの筋はひきずっているようで、女性が最後まで死なずに活躍するところは痛快です。さて、ラストシーンで死んだプレデターの腹を食い破ってエイリアンが誕生するので、続編があるのでしょうか。
スカイキャプテン
ジュード=ロウ、グィネス=パルトロウ、アンジェリーナ=ジョリーという3大ハリウッドスター共演の、B級大作といっていいと思います。第二次大戦直前の不安な世界情勢を背景に、地球制服をねらう天才科学者に挑む、ヒーローの活躍。なんですが、いかにも荒唐無稽。そしてわざとセピア色にぼかした映像と、遊びたっぷりの演出です。主演の3人も、とにかく作品を楽しんでいる様子がわかるようです。お約束の、ハッピーエンドですから安心して見ることができますが、途中、南京・上海と中国の諸都市の名前が出てくるところが、1930年代中国の元気の良さ、そしてそれが現在の中国の繁栄に脅威を覚えるアメリカの人々の心情に影響しているのでしょうか。
キャット・ウーマン
これまたアカデミー主演女優賞のハル=ベリーが、実に楽しみながらキャット・ウーマンを演じている作品。実は彼女はこの作品で、裏アカデミー主演女優賞も受賞。スターとしてはじめて、ゴールデンラズベリー賞の授賞式に出たんですよ。映像も見ましたが、笑いながら「2度と。ここには来ないわよ」といって、観客から拍手喝采でした。作品の方は、今までバットマンの付け足しだったキャット・ウーマンが、まったく単独で主演。キャット・ウーマン誕生のいきさつを物語っています。実は、特典映像で、本編とはまったく違うラストシーンが納められています。両方を見比べてみてください。続編を作るのにはどちらがいいか、よくわかります。
ラストプレゼント
韓国映画お得意の泣かせる映画です。さえないコメディアンとその彼をささえるやさしい奥さん。しかし、その妻はやがて重病に冒されていることが夫にわかってしまって。ストーリーは、それこそすぐにわかってしまい、ラストもたぶん。と思った通りになるのですが、役者さんのひたむきな演技が、それを補っています。今、日本でなぜ韓国映画がうけるのかという疑問が、ここですこし解けます。つまり、いやみなく照れることなくひたむきな人間の姿を追う作品が多いからなのではないでしょうか。しかも、分断国家という重い歴史を背負い、厳しい国際情勢のなかにありながら、庶民はいつの時代にもしぶとく元気に生きているという証拠でもあるような気がします。
フラッド
以前予告編を見た印象では、大洪水に見舞われた人々をめぐるパニック映画だと思っていたのですが、実は大違い。珍しくモーガン・フリーマンが悪役を演じる作品でした。クリスチャン・スレーター演じる現金輸送車警備員が、洪水のさなか故障してしまった輸送車にいるところを襲われます。逃げ延びたものの、保安官事務所に閉じこめられて・・・。迫りくる洪水の恐怖と、悪党に追われる恐怖が相乗効果をあげるうえに、途中から誰が悪役で誰が善人なのか入り乱れる、なかなかおもしろい展開になっていきます。しかも、洪水ですから、ボートの操作なんかが微妙に展開に影響を与えます。1時間30分ほどの作品ですが、それこそあっという間に時間が過ぎていきました。映画館で見ればよかったと思うくらいいい印象です。
アンダーワールド
ケイト・ベッキンゼールという、細身で華奢な女優さんが、どうやって怪物をやっつけるのかが最も大きな興味で見ました。それにしても、「マトリックス」以降、どうして黒のロングコートがはやるのでしょうか。どう考えても動きにくいと思うのですが。たしかに、翻すところはすごくかっこいいのはわかるのですが、少々食傷ぎみ。お話自体は、バンパイアと地下でうごめく怪物一族との戦いということですが、「どちらが勝っても人類に未来はない」なんていう、別の映画のコピーがぴったりのようです。題名どおり、常に暗い・黒い画面で、よく見ないと何が何だかわからないような展開になります。最後のほうで、戦いに決着がついてないという言葉があり、続編が作られるのかな。
ジャッカル
かつての「ジャッカルの日」をモチーフとした作品のようですが、中身はかなり違います。僕は高校生の時に「ジャッカルの日」を見ているので、ところどころこの作品を彷彿とさせる場面もあります。ただ、今回は主演がブルース・ウィリスとリチャード・ギアという、ハリウッド俳優ですから、彼らのかっこよさが前面に出されるわけで、映画としては二人の過去からのつながりなどが対立の中心になっていきます。その点「ジャッカルの日」では、エドワード・フォックスというイギリスの舞台俳優、かれを追いつめるのがフランス警察のさえない刑事部長(のような役職)でしたので、暗殺事件そのものが浮かびあがってドキュメンタリーを見ているような覚えがあります。よかったらこちらもどうぞ。
スウィングガールズ
主演の上野樹理さんは、なんといっても僕が直接いろいろ話をした数少ない女優さんですので、思い入れも大きいものがあります。チルソクの夏では陸上の指導もしましたし、僕の息子にサインもしてくれましたので。個人的なことはこれくらいにして、作品そのものですが、舞台を東北に置いているのがいいですね。今時の高校生ですから、どこにいっても同じようなものですが、やはり都会と田舎では微妙に違うところが描けていると思います。田舎教師がいうのですから確かですよ。ストーリーは見ていただくことにして、演奏がめきめきうまくなっていくのは素直に感動します。おそらく、相当な練習が必要だったと思います。それと、1カ所樹理さんが走るところが出てきますが、相変わらずフォームがいいですね。本当に陸上をしっかりやったらいい選手になっただろうな。
サンダーバード
もちろん皆さんご存じのテレビシリーズの実写版映画化です。あの名作が実写版でずいぶん質が落ちるのではと、映画館にはわざと足を運ばなかったのですが、かつてのテレビ版のファンとしてはやはり見ておこうと思いました。感想としては、これならまずまずという感じ。一番下の弟が、子供から青年に成長していく過程を見るドラマになっていますし、サンダーバードの各号もCGでうまく作られていたのですから。それに、ペネロープに焦点を当てているのも普段ない感じでおもしろかったですね。とにかく是非続編を作って、部隊そのものの活躍を見てみたいですね。むしろ、実写版のテレビシリーズがあってもいいのでは。
バイオハザード・アポカリプス
どう見ても続編が出るのはわかっていたので、どういうふうに展開するのか興味深く見ました。いや、これはむしろ最初の作品よりずいぶんいい出来だと思います。1では、ゾンビや怪物の気味の悪さだけが強調されていましたが、今回は背後にあるアンブレラ社の陰謀もはっきり見えてきたし、ミラ・ジョボビッチのアクションもすごくてよかったですね。ひとつだけ、悪役のはずのネメシスがあまり強くないのはがっかりでした。ゲームをやった経験のある人は、それなりに楽しめるし、ゲームをやっていなくても十分楽しめる内容になっていると思います。そしてラスト、これはまた続編に大いに期待がかかる場面でした。
リクルート
今もっとも気になる俳優コリン=ファレルの作品。相手役がアル=パチーノときては、絶対大きなどんでん返しがあるのは確実と思っていたら、案の定込み入った設定。だいたいスパイになるっていうことは、人間不信を絵に描いたような状況になるわけで、いい人間になるわけないと思うんですけど。ストーリーは途中からわりと先が読める展開にはなりますが、コリン=ファレルのひたむきさが救いになっているような気がします。それにしても、CIAの幹部役のアル=パチーノが「国ためにさんざん働いても、ろくな給料じゃない」というところは、おそらく働いている人の本音の部分なのかもしれませんね。でも、高い志を持っている人は違うんだろうな。
ホーンテッドマンション
「パイレーツオブカリビアン」と同じく、ディズニーランドのアトラクションから設定をとった、ディズニー映画です。ただ、パイレーツ・・が大変おもしろい冒険活劇になっていたのに対して、子供向けとはいえ、ちょっと展開に不満がありますね。エディー=マーフィーを使っているのですが、さすがに家族もので、あまりお下品なこともできないので、彼のおもしろさがあまり前面に出てきません。子供向けのこうした映画は「ハリー=ポッター」があるだけに、中途半端なものを作ると、あまりヒットにつながらないということがわかります。
シービスケット
僕が「スパイダーマン」ではじめて知った、トビー=マグワイヤ主演(いや、ものを知らないので恥ずかしいですが)。1929年の世界恐慌を背景に、一夜にして没落した一家の息子が、騎手としての才能を認められ徐々にのし上がっていく。そして、事故で息子を亡くした実業家が夢を賭けて競馬界に挑む馬シービスケット。また、馬の才能を自然な形で出そうとする調教師。彼らの出会いが、不景気に苦しむ社会を明るく吹き飛ばそうとします。僕自身も、よく授業で世界恐慌のことを教えるのですが、なかなか背景を実感することが出来ない中で、その雰囲気の一端はつかめるような気がします。トビー=マグワイヤも熱演。
タクシー3
「タクシー」シリーズのおもしろさは前から聞いていたのですが、これもなかなかおもしろい。オープニングにいきなりシルベスター・スタローンが出てくるので、いったいどうなることかと思ったら思わずにやり。007を真似したスタートもまずまずで、スタッフも絶好調という感じ。とにかくフランス人はよくしゃべる。もともとフランス語は、早口の言葉ではありますが、第二外国語で学んだ程度のぼくでは解読不能なスピード。おもしろいのは、現在はけっこう英語が混ざってしまうこと。フランス人の誇りとしてあまり英語はしゃべりたくないけれども、かっこいいせりふは英語に多いという感じで使われています。家族で見ると、ちょっとあぶないシーンもありますが、なにしろそこはフランス流のユーモアの世界ですから、さりげなく通過すればいいのでは。
ペイ・チェック
ベン=アフレック主演ということで、「デアデビル」なみのSFものかと思いましたが、今回は普通の(?)技術者という設定です。もっとも、自分の未来がわかる機械を作るというのですから、とても普通とはいえませんが。なによりキーになるのが、「記憶を消される」ということ。自分がやった研究をすっかり忘れる。そのかわり、会社から多額の報酬を受け取る。日本でも先日、青色レーザーの開発をめぐって、開発者と企業が裁判合戦をやりましたが、これから先、この映画のようなことが実際に起こるかもしれません。さて、お話は、消された記憶に大変な事件の手がかりが。それを封筒に入れて、自分宛に送ることで、記憶を取り戻せるようにするのですが・・・。恋人役のユマ=サーマンが強すぎて、かわいい女には見えないのですが。それと、主人公を追いかけるFBIの捜査官のチーフが、あの「ターミネーター2」で、命を狙われる科学者の役の人でした。かなり老けていて、年月の経つのが早いのを感じますね。
火山高
今回は2作品を続けてみたのですが、両方ともいわゆる荒唐無稽のものですから理屈抜きで見てください。そうでないと、脳みそが吹き飛びます。さて韓国映画のこの作品。とある高校で、学校を支配するための掟の書をめぐって生徒や教師が対立するという、いちおうそんなストーリーです。しかし、とにかく最初から最後までCGばりばりの漫画な内容で、おもしろいといえばおもしろい。先日見た「シルミド」で、厳しくも暖かい隊長をやっていた役者さんが、生徒をとことんやっつける悪役で出ていました。確かに、悪役がよく似合う人だなと感心してしまいました。一番印象に残るのは、主人公よりも最初から最後までリーダーぶって、さんざんやっつけられた生徒だったなあ。
マッスルヒート
ケイン=コスギ主演のアクション映画。米海軍のシールズ(特殊部隊!! 日本人でいいのか)に所属していた主人公は、とあることで除隊し日本のやくざが扱う麻薬を取り締まる仕事を請け負う。近未来の東京の無法地帯、無国籍の雰囲気の中、そこのボスと対決する。相棒が哀川翔。もちろんケインのアクションが炸裂するわけですが、中心になるのが「マッスルドーム」、プロレスの金網デスマッチみたいなものです。どこかで見た設定だと思ったら、シュワちゃんの「バトルランナー」なんかでしょうか。ぼくの息子が、筋肉番付でケインのファンなんですが、そんな人ならなんとか最後まで見ることができるかな。
座頭市
なんといっても勝新太郎の座頭市のイメージが強烈なので、同じ作品と思わない方がいいなと考えながら見てみました。R指定になっていますが、それほど目を覆うような残虐なシーンが出てくるわけではありません。ただ、子供が身を売るというような場面が出てくるので、指定をくってしまったのかも。作品としてはおもしろかったですね。とくに浅野忠信がいい。実力を持っていながら、武士としての名誉を捨てなければならない切なさが伝わってきます。ただ、座頭市との戦いの結末は意外なほどあっさりしています。たけし監督は、ラストにかなり苦労したのかな、と思えるようなあとがありますよ。
タイムライン
よくあるタイムマシンものかとたかをくくって見たのですが、これはもう歴史活劇ですね。中世の英仏100年戦争のさなかに飛び込んでいく若者たち。映画の大半はこの時代の動きなのですから、近未来SFものとは一線を画しています。史実を追いかけているわけですから、事実を変えるわけにはいきません。と言いながら、けっこう都合良く変えたりしていて笑えるところもあります。時間旅行ができる科学的根拠については、原作を読んでいないのでよくわかりません。ただ、時空を越えるときにすごく痛そうなのは、なんとなく信憑性があるようなないような。宇宙戦艦ヤマトのワープ航法のようなうさんくささがたまりません。背景を押さえておくためには、やはり世界史を勉強しなおしたほうがいいかもしれません。
ザ・コア
またまた科学的根拠があるような、地球破滅へのカウントダウン映画。ぼくは、高校時代、地学を勉強していたので、結構、地殻・マントル・核(つまりコア)にはくわしいですよ。モホロビチッチ不連続面ていうのもあった。まあとにかく、なんらかの原因で地球の核の動きがとまり、地球の磁気が消滅し太陽からの殺人光線がそのまま及んでしまう。そこで、核の動きをもとに戻すため、核に飛び込んでいって(!)、核兵器の爆発でかき混ぜるという、なんともアメリカ人しか思いつかないような、奇想天外な計画が実行される。まあ、最後はうまくいくんですが、ヒロインがアカデミー賞女優のヒラリー=スワンク。最初誰だかわかりませんでした。
ジョニー=イングリッシュ
あのミスター=ビーン、ローワン=アトキンソン主演の爆笑映画。出だしからジェームス=ボンドさるまねのシーンが登場、さてどれだけパロディが出てくることやら。映画好きの人ならにやにやできる場面が連続。とにかく無責任なイングリッシュが、優秀な助手や美人エージェントを巻き込みながら、なんとか事件を解決していきます。ところどころ大人の雰囲気もちらほら。主題歌からして「早撃ちだけど早漏じゃない」なんていう歌詞が出てくるくらいです。あまりばらすといけませんが、イングリッシュと美人エージェントがロンドンの回転寿司屋で出会うところが、ほんとうにおもしろい。日本でもあんなどじをやる人がいたら見てみたい。まさに家族で抱腹絶倒でした。
ティアーズ・オブ・ザ・サン
ブルース=ウィルス主演の重い戦争映画。アフリカのナイジェリア内戦を舞台に、混乱の中からアメリカ人だけを救出して、逃げ出そうとするアメリカ軍。ところが、逃がそうとした女医は、患者も一緒に逃がしてくれと主張。ブルース=ウィリス演じる小隊長が、とりあえず要求をのんで、30人あまりをつれて、ゲリラ軍から救出しようとするが。話が二転三転して、けっこう先が見えない展開で、はらはらさせます。もちろん、アメリカ兵の優しさが前面に出て、犠牲になっていく兵隊さんたちに同情の涙を禁じ得ません。この映画が、「ダイハード4」になる予定もあったという話もありますが、ちょっと無理がありますね。
HULK
特異な能力を持つことになった人間の悲しみを描いた作品。アメリカンコミックから来ている点で、「スパイダーマン」や「デアデビル」などと同じ系譜にあるものだと思います。遺伝子の異常や、どこかに放射能の影を持たせるなど、ある意味で反戦的な臭いもありますが、要はアメリカの軍隊の体質というか、すべて研究が軍隊を強くするためのものになっていることが、今も昔も変わらないところだと思わせます。同じような能力を持った犬が怖いですね、そこらのホラーよりももっと怖いです。つまらん疑問ですが、ハルクのパンツは伸び縮みするのでしょうか、そうだとすると画期的な生地の誕生と言うことになるかも。
HERO
ジェット=リー主演の中国の歴史物ということで、本格的な内容かと思いましたが、思いっきりはずされました。予告編を見ていて、あの闘争シーンはごく一部と思っていたら、全編これワイヤーアクションで、やや食傷ぎみ。ただ、秦の始皇帝の描き方はなかなかおもしろく、初めての皇帝として権力を一身に集めながら、それを何とか自分の責任で行使していこうという生き方。そして、決まりは皇帝であっても守らなければならないと部下が大合唱するところは、歴史的に始皇帝が法家の思想を国家の柱にしたところに通じる点で納得できます。
転校生・・・尾道3部作から
大林宣彦監督の記念すべき尾道3部作の第1弾。といっても、3部作にするつもりだったのかな。幼なじみの「カズオ」と「カズミ」、遠くに行っていたカズミが、転校生としてカズオの高校へ。久しぶりに寺の境内で話をしていたふたりが、突然のアクシデントで体と心が入れ替わってしまう。と、ここまではありがちなシチュエーションなんですが、なにしろ小林聡美の心意気がすごい。思いっきり上半身ヌードを披露します。いくら設定とはいえ、またボーイッシュな人だとはいえ、勇気が必要だなあと思います。全然色っぽくないけど、どきりとはします。そして相手の尾美としのり君。3部作すべてに主な役で出ているのは彼だけです。最近、あまりテレビなどで見ませんが、元気でしょうか。
さびしんぼう・・・尾道3部作から
最初見たときに、ほんとうにいいなあと思ってしまった映画です。お寺の住職の息子が尾美としのり。父親が小林稔侍で母親が藤田弓子という、今では考えられないおもしろい組み合わせ。一方のヒロインは富田靖子、これがとにかくかわいいですね。内容は、ファンタジックでとても現実とは思えないのですが、尾道港のフェリー乗り場などが印象的で、数年前、実際にそこへ行って見たほどです。これはもう、初恋の切なさや、自分の将来への不安など、人間のあらゆる要素を盛り込んだ作品だと思います。もちろん、この作品でも尾美としのりが主演ですが、もはや彼は作品のまさに一部として内在されている感じですね。ちなみに、「時をかける少女」については、次回お話ししましょう。
リーグ・オブ・レジェンド
ショーン=コネリー主演で、時空を越えたアドベンチャー物と思って見てみました。それぞれに特技を持った怪物(というか人間)なんですが、今のCGを駆使して「ジキルとハイド」などをうまく融合しています。ある意味、「7人の侍」のような、チームで悪を倒すというコンセプトのようです。ただ、途中で落ちがだいたいわかってしまうんですよね。子供向けの映画ならまだしも(そうかもしれませんが)、せっかくの役者がそろっているので、もうちょっとひねりがあってもいいなと思います。歴史的にいえば、19世紀の終わりはもっともロマンあふれる時代ですから、「ハムナプトラ」のように、時代背景をくわしく描いてもおもしろかったかな。
スペース・トラベラーズ
「踊る大捜査線」の本広監督の作品。金城武が主演だし、あの渡辺謙が脇を固めているということで、やっと見ることができました。踊る・・・を見ている人は随所でにやりとする場面が続出。遊んでるなーという感じです。僕は、てっきりハッピーエンドだと思っていたのですが、結構思いラストです。途中、人質同士が盛り上がって犯人に協力するところなど、最近のアメリカ映画でもよくあるシチュエーションで、うまくつなげてあるなーという印象です。なによりいいのは深津絵里さんです。ショートカットがとにかくかわいいし、無理なく銀行のOLをこなしています。って、単なるファンか俺は。
パイレーツオブカリビアン
ディズニーランドの「カリブの海賊」をモチーフにした作品。僕もだいぶ前に、行ったときにここには行きましたので、だいたいの雰囲気はわかります。ディズニーということで、あまり過激なところはないので、ある意味安心して見ていられます。最後のまとめもなかなかしゃれていて、大人が見ても十分おもしろいです。なんといってもジョニー=デップの怪演が見物です。うさんくさくて、いい加減ででもかっこよくて。この役がとっても気に入っているようすが、伸び伸びした演技からわかるような気がします。CGもすごいですが、日本では今まであまり「海賊もの」が当たったためしがなかったわけですが、さすがうまいつくりです。
戦場のピアニスト
話題になった映画ですが、きっと暗いだろうなあと思って映画館には行きませんでした。ただ、娘がピアノを習っているので、いい曲が聴けたらいいなと思い、見てみました。いや、ピアノの場面はほんの少し。あとはひたすらユダヤ人の苦難を描いています。監督がロマン=ポランスキーですから、戦時中のナチスの残虐性を告発する意図もあるのでしょうが、描写が強烈(現実はもっとすごいだろうけど)。この苦難の中、本当に運がよくなければ生き延びることができない。そして、画面の各所に、生きるためにはまず食わなければというところが出てきます。生き抜くための極限、後に残る作品でした。
ブレードランナー
マトリックスやターミネーターを見た後に、どうしてもまた見ておきたくなる作品です。今から20年以上前の作品ですが、全然古くならないのが不思議です。状況の設定など、今日の多くのSF作品に共通する(影響を与えたわけですから)点も多いですね。とくに印象に残るのがロサンゼルスの街の描写。どこからともなく日本語が聞こえてきて、のちに「ブラックレイン」で描かれる大阪が、これとそっくりです。リドリー=スコット監督が、大いに日本の風景に影響を与えられたのだろうと推測できます。暗く、不幸な内容ですが、80年代よりも現代の日本によく合う映画ではないでしょうか。
阿弥陀堂だより
「チルソクの夏」など、ゆったりと人と時が流れる映画を見始めているぼくが、手に取った作品です。医者である妻が、都会の大病院での生活に疲れ、夫の作家が自分の実家のある地方都市に引っ越します。街から一歩山に入ると、そこには古くからの阿弥陀堂を守る老婆がひとり。町の歴史と人の生活を見つめて生きています。ゆったりとした流れの中で、医者である妻は次第に癒されて行きます。僕自身は、相変わらず都会大好き人間ですから田舎での生活にあこがれは持っていませんが、現代の都会での生活が、人間に大きなストレスを与えていることはわかります。
ロボコップ1・2・3
別々にレビューしてもよいようなものですが、どれももうずいぶん前の作品になってしまったので、ある意味思い出も含めて紹介します。実は、DVDで1だけ買って、見ていたところちょうどケーブルでシリーズ全作品をやるということで、それならと見たものです。第1作はやはり衝撃で、人間としての過去を引きずるロボットという設定が泣かせました。敵役のロボットの動きは、往年のアニメ調で、今見るとさすがに古さは否定できませんがストーリーのおもしろさで補っています。2では、敵役ロボットに極悪犯罪人の脳を使うというコンセプト、悪役の子供などそれなりにひねってありますが、全体として1作目のグロテスクさをより強くしています。3作目はもう別の作品といってもいいですが、日系企業が悪役なのはご愛敬でしょうか。
1・2作で主演だったピーター=ウェラーは、ほかの作品に出ているのでしょうか。いっぽう、ナンシー=アレン扮する女性警官の役名が「アン=ルイス」だったのは、僕は見た後で気づいたという記憶があります。全体に流れているのは、企業に支配された警察の悲哀と、誇り高き警官魂という考え方かなとも思います。
英雄の条件
トミー=リー=ジョーンズとサミュエル=L=ジャクソン、このくせ者二人の競演となれば、一筋縄ではいかない映画になるのは覚悟の上です。アメリカ人が好きな法廷物ですが、今回は軍事法廷。しかも裁かれるのは、歴戦の勇者。ベトナム戦争では英雄になれても、現代の地域紛争に出かけるアメリカ軍が必ずしも好意的に受け入れられていない現実を厳しく映し出しています。もちろん、男の友情、海兵隊員の誇りなど、随所にアメリカ人好みの設定はありますが、必ずしもハッピーエンドでないところが好感がもてます。
ジョンQ
デンゼル=ワシントン主演のヒューマン・サスペンスものと言っていいでしょう。突然、我が子が心臓の難病だとわかった会社員。ところが、数日前に仕事を半リストラされ、保険が使えない状態に。病院は多額の予約金を払わないと手術はできないという。せっぱつまった父親は、病院をジャックするが・・・。話としてはよくある内容だが、人質の人間模様や、犯人も医者も実は悪人にはなりきれないところがあり、取り囲む警察側も一枚岩ではない様子。うまく込み入った状況を設定していると思います。ラストはアメリカ映画としてはめずらしく、底抜けに明るいわけではないので、すこし意外ですが今の時代は、そういう単純さを許さなくなっているのかもしれません。
デアデビル
「Xメン」や「スパイダーマン」に続く、アメコミの映画化ということで、ダークな世界が描かれます。Xメンのハル=ベリーもそうですが、この作品も主演がベン=アフレックということで、大物がこういったある意味子供向けの映画に出るのは、面白い傾向ですね。テレビシリーズの「ダーク・エンジェル」でも突然変異の人間が主人公になるわけですが、デアデビルも事故によって目が見えなくなるが、その他の感覚が人一倍優れた存在になるというのが、みそ。悪役がすごくて、あの「グリーンマイル」のダンカンが黒幕、そしてコリン=ファレルが投げ技の達人として怪演しています。エンドロールが突然止まって、あるシーンが・・・。どう考えても続編が作られますね。
猟奇的な彼女
韓国映画も、もう当たり前のように日本の映画館で見られますし、ビデオも借りられるようになりました。いや、おもしろかったですね。時間的にはやや長いような気がしますね。しかし、映画好きなら、にやりどころか大笑いしてしまうようなシーンがここかしこに出てきます。主演の女の子が、映画のシナリオを書いていると言うことで、その内容が劇中劇になるわけで、日本でもこんなの作らないかな。お話はちょっとひねった恋愛コメディーと言っていいと思います。主役の男の子があまりかっこよくないのも、この映画が本物ぽくていい。
ラッシュアワー2
クリス=タッカーとジャッキー=チェンの2大スターの競演の第2弾。前回は、お嬢様を助けるところでしたが、今回は、本格的な犯罪に巻き込まれます。とにかく笑えることを期待しているので、実際にはあまりおもしろくないかなというきもします。ただ、ところどころ出てくる濃いギャグ、「やったーベンジャミン(100ドル札)のこと。など随所におもしろいところが出てきます。最後はもちろん、NG集なのですが、相変わらずジャッキーのスタントには頭が下がります。CG全盛のこの時代に、人間の肉体の限界に挑んでいます。
チェインジングレーン
ベン=アフレック、サミュエル=L=ジャクソンという2大スターの共演。競演のほうがいいかな。境遇のまったく違う二人の男。出会うはずのない二人が、偶然怒った車の接触事故で出会う。そこからの一日が、大きく二人の運命を狂わしていく。よくあるリアルタイムものですが、二人のそれぞれの行動をうまく切り替えながらなぞっていきます。ふたりとも、決して悪人ではないが小心であったり短気だったり、一方で正義感をかけらは持っていたりといわゆる「人間くささ」を全面に出しています。結末は、決して暗くないので安心しましたが、途中で出てくる弁護士希望の若者たちが無邪気なまでに正義とか道徳をふりかざすところがまぶしいですね。もう20年以上教員をやっているものの愚痴でした。
スフィア
謎の球体「スフィア」をめぐる科学者たちの悪戦苦闘。ということですが、主演がダスティン=ホフマンということになると、なにやら「アウトブレイク」を思い出してしまいます。しかし、今回は病原菌ではなく、宇宙生命体。しかも、この生命体が宿っている宇宙船は、実は時空を越えて海に沈んでいる。複雑な設定になっているだけでなく、心理的に人間を追いつめる能力をもつ「スフィア」。一種のホラーにもなっているわけで、見始めるとやめられない感じです。科学者の一員にシャロン=ストーンが扮していますが、最初はわからなくて、こんなに汚れ役もできるんだと感心してしまいました。
スパイ=キッズ1・2
アントニオ=バンデラスのコメディーということで、2連発。続けて見てみました。もちろん、子ども向けなのは承知でしたが、1のほうは、そういった中でも、けっこう面白くて、悪役の強さも際だっていたような気がします。それにしても、あの「ターミネーター2」のT1000役の人は、「Xファイル」などにも出ていて、けっこう忙しそう。2は、やはり2作目の宿命で、おもしろさが今一歩、子どもたちも大きくなってしまって、「キッズ」というよりティーンエージャーになってしまっている感じです。子どもと一緒に見たので吹き替え版でしたが、そのくらいでちょうどいいかなとも思いました。でも、見て損をしたということはないので、ファミリーでどうぞ。
ウィンド・トーカーズ
ニコラス=ケイジ主演、ジョン=ウー監督の戦争アクション。といえばいいのかな。実際は、第2次大戦秘話ともいえる内容ですね。大戦中、アメリカ軍は、アメリカインディアンのナバホ族の言葉をそのまま暗号として、戦場で使っていました。もちろんナバホ族の若者を兵隊に徴用して、暗号要員にするわけです。問題はここからです。暗号は絶対敵に漏れてはいけないわけで、もしナバホ族の兵隊が捕まってしまえば秘密が漏れてしまう。つまり、捕まりそうになったら味方であるアメリカ兵が殺してしまうということです。まさに暗号の機械として人間を使うわけで、ニコラス=ケイジ扮する小隊長は、まさにその殺す役を命じられるのです。さて物語は・・・・。同じ役を命じられるもうひとりの米軍の下士官にクリスチャン=スレーター(途中で殺されてしまいますが。)。ただ、おもしろかったのは日本軍の描き方で、結構強くて真っ当な相手としてあつかってくれています。監督が中国人だからかな。いや、中国人だと、もっと日本軍を悪く描くかな。
キス・オブ・ザ・ドラゴン
すっかりハリウッドの顔になった、ジェット=リー主演の刑事アクション物。中国裏社会の大物を追ってパリにやってきた中国の刑事。捜査協力を申し出た地元警察のお偉方だったが、なんと彼らはこの刑事を利用し、殺人事件の犯人に仕立ててしまう。追われる刑事は、お偉方の愛人とひょんなことから知り合って、その境遇から救うことと自分の潔白を証明することをリンクさせて、パリの街を走り回ります。もちろん、リーのカンフーアクションは相変わらずすごいですが、場面としては多くありません。本格サスペンスにしようという意気込みが感じられます。さて題名の意味ですが、「必殺仕事人」や「北斗の拳」などが好きな人は、直訳でもだいたいわかるのでは。
グリーンマイル
上映当初から気になっていた作品です。どうやら超能力ファンタジーだろうなと思っていましたが、予想以上の見応えです。トム=ハンクスは、いつもどおりの芸達者ぶりで、いわゆる「尿路結石」かなんかを病んでいる設定や、それが囚人の超能力で直るところ(しかも直ると夫婦生活も直る)というところが男として共感がもてるところでしょう。所長の奥さんの病気を治そうとする後半から、話がファンタジーになりすぎですが、死刑囚のことですから、あまりにも現実ばかりを描くと観客が引いてしまうと思ったのでしょうか。「プライベートライアン」で、トム=ハンクスの部下で狙撃手をやっていた役者さんが、今回も部下の役ででています。
バイオハザード
ゲームがあまりにも有名な作品。僕も、このシリーズは1と2をやりました。けっこう怖くて、怪物が出てくるときは、それなりに身の毛がよだったものです。この映画では、ゲームにはいるまでの導入部分が描かれているようです。ゲームはまさに、この映画のラストシーンから始まるのです。ただ、ミラ=ジョボビッチを使って活躍させているものの、ゲームの印象が強すぎて損をしているようで残念です。少なくとも、「トゥーム・レイダー」にくらべると、気持ち悪さだけが先行してしまうような危惧があります。
スターウォーズ・エピソード2
公開時に、見ようかどうしようかと迷った作品。結果としては、家で見てもいいかなということに。アナキンが片腕をなくす原因など、過去の3部作につながる内容なのですが、ラブロマンスに重点がおかれたせいかややピントがぼけてしまっているような気がします。戦争の場面などは、当然、大変な迫力がありますが、それよりC3−POの首が吹っ飛んだりするような人間くさい(?)描写がおもしろかったりします。いずれにしてもつなぎの役割をもたされているという印象が強い作品です。
陽はまた昇る
今回、「チルソクの夏」を完成させた佐々部清監督の、第1回監督作品。日本アカデミー賞の優秀作品賞をとったので、あらためてビデオで見た人も多いのではないでしょうか。内容はもちろんあの「プロジェクトX」を基本としたもの。ビデオの規格統一を巡る、VHSとソニーのベータマックスの争いを当時弱小といわれたビクターの側から描いた作品。当初、ソニーの圧勝と見られた戦いが、やがてVHSの勝利に終わるというのが、僕たちの人生と重なって、当時の自分たちのことを思い出させてくれます。僕も就職して間もない頃、部活のためにと一式40万円もするカメラとデッキを買って、当分月賦で払っていたことを思い出します。主演の西田敏行の熱演もさることながら、渡辺謙が、いかにも事務屋から徐々に「やるっきゃない」という立場に変わっていくのが面白いですね。実際、しようがなく巻き込まれながら本気になっていくというのは、あることですからね。
沈黙のテロリスト
「沈黙の・・・」といえばなんと言ってもスティーブン=セガールです。(もっともシリーズでもなんでもないのですが)この作品にも当然出てますが、主役と言うより脇役です。主役はどうやらさえない刑事のほうで、セガールは爆弾処理班のチーフだが、刑事グループとは対立しているという設定。そして犯人役がなんとデニス=ホッパー。「スピード」のときの役柄と酷似していて、ちょっとパクリっぽいですね。まあ、セガールが出ているので、とりあえず沈黙をくっつけてしまった作品でした。
タイムマシン(新)
今度は去年の作品です。ぼくは、原作を読んでいないので、ストーリーとして、昔の作品とこの作品のどちらが近いのかわかりませんが、現代的なぶん、この作品のほうが、時空を越える動機がはっきりしていてわかりやすいなと思いました。過去を変えようとしても、微妙に変化はするものの結論は変わらないという点も、タイムトラベルのパラドックスをうまく処理しているような気がします。ただ、最近の傾向として、グロさがリアルさだと表現しているようで、子供が見ると気持ちわるくなるような場面もありますね。
タイムマシン
去年の作品ではなくて、60年代のもの。19世紀の終わりのイギリスの雰囲気がよく出ている作品です。ぼくは昨年の作品を見ていないので、なんともいえませんが、CGのすごさこそないものの、80万年後の未来で人間がおかれた状況など、けっこう今日を彷彿とさせるものがあります。未来に出てくる、美しい女性役が、イベット=ミミューという女優さんですが、ぼくはこの人が出ていたテレビ番組(そこではイベット=ミメオ)を覚えているので(そのころはもうおばさんだった)、若いときはこうだったんだと感慨深いものがありました。
少林サッカー
映画館で見ようとも思ったのですが、まあ家のテレビで見てもいいかなと思っていたものです。それにしても、理屈抜きで面白いですね。話も、まずまずストーリーがあって、日本人でも十分考えつきそうなものですが、はちゃめちゃさが中国らしくていいかな。どう見てもサッカー選手に見えないおじさんが選手としてやっているところや、けっこう義理人情に厚い世界があったりして、アクションだけでなく楽しめます。どうも、続編ができそうな気がしてしょうがないですね、どうやら次はサッカーじゃないような。
ローラーボール
このところ、なんかやたらにジャン=レノの作品が目に付きます。ローラーボールといえば、何年か前に同じような題名の映画があったような気がしますが、その焼き直しといったところでしょうか。ジャン=レノがいわば悪徳興行師という役どころで、選手たちを殺し合わせて、視聴率のためならなんでもありにするというところが、まあありがちなシチュエーションでしょうか。それにしても、衛星放送があたりまえで、世界中が見ている番組ということになると、実際もう少しで実現しそうですから、こんな格闘技もありかと思わせます。40代以上の人なら、「東京ボンバーズ」(?)を思い出すかも。
ブラックホークダウン
ソマリア紛争の時の実際の映像を見ているので、衝撃はそのときの方がはるかに大きかったですが、当時は詳しい中身が見えていなかったわけです。わずか30分で終わるはずの作戦が、とんでもない方向に進んでしまうという悲喜劇。そこには、ソマリアの一般の人々が国連やアメリカを憎んでいるという厳然とした事実があるのです。アメリカは、このソマリア紛争以降、地上での戦いをほとんど放棄してしまいました。それほど大国アメリカに衝撃を与えたという点では、9月11日のテロにも匹敵するものです。ただ、その反省は生かされていないような今日この頃ですね。俳優さんの演技とかなんとかは吹っ飛んでしまいました。
パニックルーム
この作品も、予告編などから与えられた印象とまったく違うという点でおもしろかったですね。僕はてっきりホラー映画かと思っていたのですが、この作品はある意味、サスペンスコメディーとさえいえると思います。ジョディー=フォスターが強い母親を演じるのは、ここのところ当たり前かなという気がしますが、夫との離婚の危機や、病気の娘などいろいろな要素を盛り込みながらも、比較的安心して見てしまいました。シチュエーションはまったく違いますが、「ホームアローン」に通じるところもあるかな。
オーロラの彼方へ
これは単純にのめりこみましたね。題名の印象から、単なるタイムトラベルファンタジーだと思っていたのですが、なんと結構重いサスペンスなのですね。タイムトラベル物では、パラドックスが問題になりますが、過去を変えると現在も変わってしまうというところをうまく表現していると思います。ただしおそらく映画館で一回見ただけでは理解できないかもしれないですね。たまたまビデオで見るからゆっくり考えられたのだと思います。ラストは当然ハッピーなので、ほっとしますが全体としてどきどきさせる点では、ホラーにも匹敵するような気がします。
エネミーライン
冷戦後の戦争物は、どうしても設定が複雑になりがちで、この映画もユーゴ紛争がある程度頭のなかに入っていないと、どうして虐殺が起こったりするのかがわかりにくいかな。それにしても、雪の中をはいずりまわるように逃げるアメリカ兵と、追ってくる敵との息詰まる戦いは見物です。最後はアメリカ流の解決が待っているのですが、単純に喜べないところが、最近の政治状況とかぶってくるからでしょうか。
スパイゲーム
ブラッド=ピットとロバート=レッドフォード共演という、あの「リバーランズ・・・・」以来の映画です。冷戦後のアメリカの諜報作戦が、もっぱら中国を意識していると言うことがよくわかる作品です。CIA職員としての身分が期限切れとなる寸前、自分が育てた部下が中国で不当に拘禁されたことを知る主人公。上司たちは、中国との通商交渉への影響を考えて、スパイ一人を見殺しにしようとする。なんとか、この上司たちの目を盗んで、部下を助けようと奔走するが。でも確かに、ブラピが年をとるとレッドフォードのような顔になるかも、と、思ってしまいます。
タイタンズを忘れない
デンゼル=ワシントン主演の青春物ということで、以前上映されたときに見逃していたものです。ディズニー映画ですから、あまり下品な作品ではないだろうなと思っていましたが、そのとおり。ただ、デンゼルの鬼コーチぶりは板についていて、ぼくも部活の監督として共感できる部分がけっこうあります。もっとも60年代後半の黒人による公民権運動を背景にしているだけに、黒人と白人の対立についてもう少し厳しい現実を描いてもと思いました。しかし、21世紀の現在からすれば、このくらいののりのほうが、引かずに見ることができるのかなとも思って複雑ですね。
8月のクリスマス
「シュリ」で日本にもすっかりおなじみになった、俳優ハン・ソッキュの出世作だということで、前々から見ようと思っていた作品です。「カル」に出ていたシム・ウナが共演だとは知りませんでした。もっとも「カル」とはまったく違って、とても切ないラブ・ストーリーになっています。とにかく静かで、せりふがほとんどない10分以上のシーンもあります。おそらくは日本の恋愛ものやヨーロッパ系の作品の影響だと思います。もっとも印象に残るのは、ハン・ソッキュ演じる写真屋が、自分の葬式用の写真を、自分で撮影するシーンかな。
猿の惑星
もちろん、去年上映されたものです。僕としては、かつての作品を見ているので、そのときの衝撃を上回るのは難しいと思いましたが、まったく違う作品としてみれば、なかなかおもしろいものです。時空のゆがみを越えて遙か未来へという設定はおなじようなものですが、中身はずいぶん違いました。あまり細かく話すと怒られるかも知れませんが、見た方も多いと思うので、ラストについての感想ですが、まあどんでん返しというほどのものではないけれど、これは続編をつくるぞというメッセージなのかなと思ってみたりしますが。
ザダイバー
第二次大戦直後のまだ黒人に対する差別が色濃く残るアメリカ海軍で、マスターダイバーをめざす青年と、彼につらくあたる指導官との物語。実話ということで、ノンフィクション的な作品を考えていましたが、けっこうラブロマンスあり、人間活劇ありと、おもしろかったですね。ロバート=デ=ニーロは、相変わらずの偏執狂的な演技で、くどさを前面に押し出しています。
DENGEKI
スティーブン=セガールの久しぶりのアクションということで借りてみました。あの長い髪をすこし切ってはりきったところを見せてくれます。内容は、警察内部の腐敗を暴くという、よくあるパターン。セガールは例のごとく、敵役をばったばったと倒していくのですが、ストーリーがやや粗めで、ときおりつじつまがあわないところがあって、何となく進行がスムーズにいっていない印象をうけました。もっと、人間関係を単純化したほうがという気もします。
クリムゾンリバー
ジャン=レノ主演のポリスサスペンスということですが、山の中の小さな町、そこを支配する大学当局と得体の知れない学生たちのお話。いきなり、ウジ虫のわく死体から始まるショッキングな映像ですが、実際の内容は本格派のもので、バンサン=カッセル扮する、やや粗雑な若手刑事があつかった事件とレノの事件がうまく交錯して、意外な方向に話が展開します。途中、「まるでクリフハンガーだ」なんていうせりふも出て、山岳サスペンスも意識しているようです。
フィラデルフィア・エクスペリメント2
前作が、予想外におもしろかったので、期待して見てみましたが、主演がマイケル・パレから別の人に変わっていて、違和感がありました。内容は、第二次世界大戦でドイツが勝ったという設定になっているわけで、今までもこういった内容は見てきたものです。時空のゆがみなどは、前作から引き継いでいますが、どうしても続編としてはおもしろさが今一歩という気がしてしまいます。
U571
戦争物のなかでもぼくの好きな潜水艦をあつかったものです。ドイツのUボートといえば、そのものずばりの「Uボート」という作品もとてもおもしろかったですが、この作品も随所に緊張感を高める仕掛けがあってなるほどと頷かせるものがあります。ドイツ軍の暗号製作機械エニグマをめぐって展開される内容もさることながら、第二次大戦中の潜水艦の描写がおもしろいのと、潜水艦乗りの意地や誇りも特徴になっています。ボン・ジョビが出ていたのは、あとになって気づきましたね。
カル
「シュリ」につづくハン=ソッキュ主演のスリラー・サスペンス物。「カル」は韓国語で「刃物」のことだそうで、その題名通り、とてつもなく血なまぐさい内容です。連続して起こる、バラバラ殺人事件。しかもバラバラ死体の部分部分が組み合わされて発見される。被害者に共通するのは、同じ女性と関係をもっていたこと。途中から、この女性が怪しいとわかってくるのですが、なにしろ、いろいろと謎をしかけてあるので、なかなかはっきりしません。実は、映画の謎を解く本も出ているようなのですが・・・・。謎解きのHPもありますよ。
レッドプラネット
前回見た、ミッショントゥーマーズに続いて火星が舞台の作品。主役の女優が、あの「マトリックス」のキャリー=アン=モスということもあって、楽しみにして見ました。人類が移住のため酸素を確保するべく植物を火星に植える。しかし異変が起こったので、捜査のためのクルーが送られるが。バル=キルマーなど一流どころを使ってしまったためか火星の描写が陳腐で、異変の原因がなんと単なる虫だったとは。ちょっとA級とはいいがたい作品です。
ラストデスティネーション
こちらは、俳優に知った人がいない、まさにB級映画です。日本語に訳せば「最終目的」ということでしょうが、意味はすぐにわかります。ホラーサスペンスといったところですが、デジャビュを中心にしているところが目新しいかな。とにかく結構おもしろいです。やたら残酷な場面も意外に少ないし、精神的にこわがらせるところが上手です。死ぬはずの7人のうち、生き残るのが主人公を含めて3人なのですが、死神としては当然全部死なせるつもりでしょうから、ラストに大きなどんでん返しが。あるような、ないような。
ミッショントゥーマーズ
ここのところ、宇宙に関する映画が花盛りです。あまりにも多いので全部はとても映画館で見る暇がありません。気になっていた作品なので借りてみました。さて、この作品、最初に火星で隊員が襲われるところは、ハムナプトラの砂の化け物によく似ています。火星に救助隊がいってからの出来事は、なんとなく「コンタクト」に似ているということであまりコメントしませんが、それより救出に行く途中の悲劇の方が、なるほどと科学的にも納得のいくシーンがでてきます。
タワーリングインフェルノ
これまた古いといわれそうですが、最近DVDが安く出たのでつい買ってしまいました。もちろん、有名なビル火災パニック映画。なんといってもオールスターキャストが豪華です。スティーブ=マックイーン、ジェニファー=ジョーンズ、ウィリアム=ホールデンなど故人となった人たち。殺人容疑が無実になったO・J・シンプソンなど、枚挙にいとまがありませんが、ひとりひとりがちゃんときっちり描かれていておもしろいですね。テレビで再放送がありますが、たいていいいところがカットされているので、今回は安心して見ることができました。
エントラップメント
御大ショーン=コネリーがアクションに挑む作品。要は最新技術を生かして大きな窃盗をもくろむ犯罪者の話ですが、題名通りあちこちにどんでん返しの仕掛けがされていて、見ていて「あれ」と思う場面がしばしばあります。もっとも僕としては、ヒロインのキャサリン=ゼタ=ジョーンズ(ラックスの宣伝に出てます)の美しさに見とれるばかりでしたが。でも、あの体操選手のような演技は、相当練習したんだろうなあ。
スピーシーズ2
前作を見ていないのですが、予告編などから相当えぐい内容だろうなあと思っていたとおりでした。もちろん、大人の(?)鑑賞に耐えるように、いわゆる新種の人間にとびっきりプロポーションのいい女優を使い、オールヌードでのサービスは、満点。もっとも、家で子供と一緒に見るようなものではありませんが。ラストで、死んだはずのイブのお腹がふくらみ初めて・・・・。絶対続編がと、妙な期待をしてしまいますね。
スリーキングズ
湾岸戦争終結直後のクウェートとイラクの国境。多くのアメリカ兵は、自分に関係ない国の戦争をやっと終えて、国へ帰る日を楽しみにしている。そこに、イラクに奪われたクウェートの金塊のうわさが。湾岸戦争の当時、この胡散臭い戦争に、怒りを感じていた僕としては、まあありそうな話だとおもしろく見ました。あのとき、日本は90億ドルも資金援助したのに、なんの国際的な評価をされませんでした。相変わらずの、「アメリカの正義」をするどく、軽やかに批判している映画でしょうか。
6デイズ7ナイツ
ハリソン=フォードもずいぶん年をとったなあ。と感慨深く見てしまった作品です。相手役の女優さん、名前がなかなか出てきませんが、たしか「ボルケーノ」で、火山学者か何かをやっていた人ですね。そのときもかなりお色気たっぷりで出てきましたが、今回は設定が設定だけに、いつふたりはいい仲にと思いました。しかし、ハリソン=フォードが柄にもなく誠実な男を演じて、きわどいところで軽くいなされます。
ユニバーサルソルジャー・リターンズ
この作品からは、レンタルDVDが多くなると思います。まずは、バンダムの例の作品の続編です。彼はその後ちゃんと生き返って、普通の人間になっていたのですね。さすがご都合主義という感じですが、これまた、古いユニソルより新しいユニソルが力も強くてという設定。もちろん、それでも古い方が人間の心をもって強いということになるのですが、悪役があまり憎たらしくないので、迫力は今一歩。ただ、プロレスラーが一人出ていますが、これはいいですね。最後まで壊れないところが、本当にロボットぽいです。
チャンス
つい、なにげなく借りてみたらおもしろかったという作品です。やり手の女性株ディーラーが、男社会での差別に怒って、架空の男を作って自分の分身にするという設定は、そう目新しいものではありませんが、随所にウーピー・ゴールドバーグらしいユーモアがあふれています。でも、印象に残ったのは秘書役の人(名前がよくわからない)で、ほんわかとしたおもしろさです。ラストは好き嫌いがわかれるかもしれません。
ショーシャンクの空に
以前から見ておきたかった作品で、ようやく春休みの時間をとって、家でゆっくり見ました。淡々とした描写、抑えた演技と、名作にふさわしい雰囲気がよくでています。刑務所ものも多いですが、どれも暗いものが多く、この作品も決して明るいわけではありませんが、そこここにちらほらするユーモアが暗さを補っています。ティム=ロビンスが童顔のため、あまり老けた感じがしないのが笑わせます。
アメリカンプレジデント
マイケル=ダグラス主演のラブ=コメディ(?)物。彼が、アメリカ大統領に扮するわけですが、なにしろ次期大統領選も近づき、何とか再選をはかりたい主人公となります。でも、アメリカ人は大統領が好きなんでしょうね。それも、やっぱり若い大統領を望んでいるということが、最近の大統領物の映画でもわかります。恋人との再婚も何とかなりそうな結末。ちょっとさわやかすぎるかなとも思いますが、汚い政治が横行する世の中、こんなことがあってもいいと思うのですが。それにしても、大統領の秘書役で出ている、マイケル=J=フォックス、病気のほうは大丈夫でしょうか。
沈黙の要塞
「沈黙」シリーズで有名になったスティーブン=セガールの作品。実は、シリーズでも何でもないのですが、二匹目のどじょうを狙った映画会社の戦略。今回の主人公は、油田の開発技師。しかし、自分が雇われた会社が、環境破壊をものともせず儲け優先で、カナダの海岸を汚染しようとする。原住民と環境保護に立ち上がる主人公。しかし、仲間とともに命を狙われて・・・。途中の幻想的なシーンにはやや辟易するところもありますが、勧善懲悪というドラマのおもしろさはきちんと貫いています。
トータル・リコール
もう有名すぎるくらい有名な作品です。「エンド・オブ・デイズ」を見に行く暇がなかなかないので、過去のシュワちゃんの作品を見てみようと借りてきたのがこれ。もっとも、この映画の最大の話題は、悪役のシャロン・ストーン。この作品の悪女ぶりが気に入られてバーヴォーベン監督に「氷の微笑」の主役に抜擢され、一流女優の仲間入りをしたのでした。ぼくは、むしろ、シュワちゃんと行動をともにするラテン系の美女が好きなのですが。
グッドフェローズ
実在の人物をモデルに“グッドフェローズ”と呼ばれるギャングたちの生き様を描くドラマ。エグゼクティヴ・プロデューサーはバーバラ・デ・フィーナ、製作はアーウィン・ウィンクラー、監督は「ニューヨーク・ストーリー」のマーティン・スコセッシ、脚本は原作者のニコラス・ピレッジとスコセッシの共同、撮影はミハエル・バルハウスが担当。出演はロバート・デ・ニーロ、レイ・リオッタほか。とくに、ジョー=ペシ(「リーサルウェポン」シリーズのちんけな探偵役の人)は、この作品でアカデミー助演男優賞を獲得しています。
ケーブルガイ
最近は「トゥルーマンショー」(まだ見てないけど)で人気の、ジム=キャリーの主演作。友達のいないケーブルテレビの取り付け工事屋に扮します。ある気のいい青年が、ひょんなことからケーブルテレビの工事屋と仲良くなる。最初は親切だと思って、工事屋のいいなりになっていたものの、やがて疎ましくなって交際を断ると、怒濤のような復讐が。
徹底した悪役をジム=キャリーが熱演。最後まで悪行の限りを尽くします。必見!!。
ブレードランナー
前回のレビューで紹介したブラックレインが、映像的に大きな影響を受けたのがこの作品だといえます。雨にけむる地上の街。近未来のそこは、漢字とカタカナが入り乱れるロサンゼルス。こまかく音を聞いていると、日本語がそこここで聞こえてきます。ハリソン=フォード扮するブレードランナーが、人間そっくりのレプリカントを探し出して始末するという内容ですが、なにより映像描写の斬新さが目を見張ります。最近の映画にも負けないこの映像をどうぞ。
ブラックレイン
ご当地下関市出身の俳優、松田優作の遺作となった作品。撮影中すでにガンが進行していた優作の鬼気迫る演技が壮絶です。共演にマイケル=ダグラス・高倉健、おもしろいところではガッツ石松なども出ています。舞台はほとんど大阪で、撮影がとにかくかっこいいですね。この映画の影響で大阪にその後なんども足を運んで、道頓堀や難波を歩き回って楽しんでました。
リーサルウェポン
この夏、4が上映されるシリーズの第1作。「マッドマックス」で世に出た、メル=ギブソンが新境地を開いたアクション刑事物。主人公が、妻に死なれた自殺願望をもつ一匹狼の刑事。これに振り回されるベテラン刑事がダニー=グローバー。二人のやりとりのおもしろさ、そして人物描写がしっかりしていて、派手なアクションは当然すごいが、その地味な面も見落とせない。シリーズになるとは思わなかったのですが、今は続編が待ち遠しいもののひとつになっていますね。
7月4日にうまれて
トム=クルーズ主演のベトナム戦争物。彼が、珍しく汚れ役を演じ、個性派俳優への脱皮をはかった作品。アメリカ独立記念日が誕生日の主人公。当然のようにベトナム戦争へも自ら志願して、国家のためにと戦地へ出発する。ところが戦争はアメリカにはひとかけらの正義もない戦い。爆撃で大けがを負い、下半身不随となった彼は、一時はやけになって自暴自棄になるが、やがて反戦運動の中で、仲間を見つけ立ち直って行く姿を見せます。1975年にベトナム戦争の決着はついているものの人々の心の中にいまだに大きな傷と記憶を残しているのだなと考えさせられる作品です
しこふんじゃった
最近、アメリカで好評の「シャルウィダンス」の周防監督がとった作品。何回も見ているけれど、元気が出ないときに見てみると救われる作品です。おしゃれな学生の描き方はありきたりだけれど、なんといっても、竹中直人の怪演が笑わせます。相撲を通して、一種の日本文化論を織り交ぜているところなど、いかにも周防監督らしいですね。
バニシング=レッド
あのドルフ=ラングレン主演のアクションもの。彼については、なにしろ「ロッキー3」の悪役が印象強いためか、主演作はいずれも、あまりぱっとしません。しかし、この作品はある程度、話もしっかりしているせいか、最後までけっこうおもしろく見ることができます。珍しく、ラブ=シーンもあって、拾い物です。
スタンド=バイ=ミー
何をいまさらと、思われるかも知れませんが、1年のうち、どうしても何回か見たくなる作品です。今はなきリバーフェニックスがまだほんの少年で、とても印象的な作品です。最初に見たときは、話の内容がよくわからなかったので、二回くらい、じっくり見たことを覚えています。主題歌とともに、忘れることのできない作品のひとつです。
フィラデルフィア=エクスペリメント
訳しようがなかったのか、原題をそのままにした作品。無理に訳せば「フィラデルフィアの体験」とかなんとかいうことになる。内容は、いわゆる時空移動ものだが、潜水艦そのものが、過去にタイムスリップするというスケールの大きさが驚かされます。SFものではあるが、とてもシリアスな中身です。ラストもけっして終わったという感じではなくて、なにやら不気味な後味を残す作品です。
ワイアット=アープ
ケビン=コスナー主演の本格的(?)西部劇。この西部劇という言葉自体とっても懐かしい感じがします。もちろんワイアット=アープの映画は過去何回もあるが、どちらかというと、これまで脇役としての扱いが多かったような気がして、ここまで徹底的に主役(もちろんコスナーがやるからですが)となっているのは珍しいかも。
ロングウォーク=ホーム
有名な60年代の黒人差別反対運動の端緒となった事実をもとにして作られた作品。ウーピー=ゴールドバーグが迫真の演技でこの重い主題をとらえています。キング牧師の暗殺という暗い出来事も、出発点はささいなことであったことがわかります。いまだ残る黒人差別の問題。それを静かに、しかも力強く訴えています。
ニック・オブ・タイム
ジョニー=デップ主演のサスペンス物。ある町の駅におりたった子ずれのサラリーマン。ところが、子供ごといきなり拉致され、ある人物を殺さないと娘を殺すとおどされる。しかも時間はたった2時間ほど。ほとんどリアルタイムで事件が進行するので、とても緊張感の高い映画です。見ず知らずの他人を殺すわけにもいかず、そうかといって娘を死なすわけにもいかず、「どうすりゃ、いいんだ」状態が続きます。ラストのどんでん返しも無理がなく、なっとくの作品です。
ダンテズ=ピーク
007でおなじみの、ピアース=ブロスナン主演のパニック物。まず彼が、学者だというのがなんともあやしくていい。もう007シリーズが板に付いているので、つい、仮の姿かと思ってしまいます。それにもまして、相手役のリンダ=ハミルトンが、か弱い町長役というのがびっくり。「T2」の印象が強すぎて、いつアクション女優に変身するか気が気ではなかったですね。
アウトブレイク
ちょうどエボラ出血熱が、アフリカで流行り始めていたときに公開された作品です。タイムリーというか不気味というか、最近のダイオキシンの問題も含めて、僕たちのまわりで何かが狂い始めているのではないかと考えさせられる内容です。また、アメリカ軍の闇の部分をいくらかは告発する内容ともなっていますが、最後は軍人に正義を実現させるあたり、ちゃんとフォローはしているなという感じ。ダスティン=ホフマンの軍人役はちょっと無理があるかな。
スティールシャーク
「沈黙の戦艦」の副長役で有名な悪役ゲイリー=ビジーが正義の味方を演じる作品。B級のなかのB級という感じ。とにかく金をかけないで、どこまでできるかという見本のような作品です。ぼくは、あまり見た作品をけなさないほうですがそれにしても、レンタル料金がもったいない(?)作品です。唯一勧められる点は、潜水艦の内部が描かれているということくらいですかね。
すべてをあなたに
トム=ハンクズ監督・脚本で、見にいきそこなったものです。ビートルズのパクリのようなバンドが主役という内容でしたが、音楽がとにかくよい。コピーがきらいだという人にはおすすめできませんが、60年代の雰囲気が味わいたい人にはお勧めです。中心の女の子リブ=タイラーは、日本のコマーシャルに出ていますね。
ロングキスグッドナイト
「ダイ=ハード」でもおなじみの、レニー=ハーリン監督作品です。主演が同監督の奥さんということで、全編これ、女スパイの大活躍で、話の展開は強引の一語ですが、前に、映画雑誌で酷評されていたのより、ずっといいできのようです。アクションも水準以上で、結構金もかかっているだろうと思わせるところもたくさんあるのでよかった。
ジ=エージェント
トム=クルーズ主演で、見にいきそこなったものです。実は予告編をちょっと見たくらいで、自分で勝手に話の内容を想像していました。いわゆるスポーツ界をめぐるスキャンダルとかサスペンス物だと思っていたのです。ところが、見てみると、これが、純情・熱血路線なんですね。話がくさくなりがちなところを、離婚の日常化などアメリカ社会の問題をさりげなく織り込んでいるところがにくいですね。共演の女優さん(名前がよくわからない)が、烏丸せつこによく似ていたのでびっくりしました。
ジャック
いつも、ちょっとくどい演技でおなじみのロビン=ウィリアムズの作品です。以前「フック」という作品で、年をとったピーターパンを演じていましたが、この作品もそういった流れをくむもののようです。人の4倍も早く成長してしまう主人公が40歳の外見と10歳の心をもって、悩みながら友達を得て大人になっていく物語。陳腐ないいかたですが、大人のファンタジーという感じで楽しめます。
ネゴシエーター
このところ今ひとつ元気のないエディー=マーフィーの作品。去年、劇場公開の時に見忘れてしまったので、期待をもってみました。刑事物で相棒がいるといことでは、ビバリーヒルズ系ですが、もっとずっと地味な仕上がりです。ただ題名からすると、最後まで緊張感あふれる人質もののようですが、ちょっとお笑いがはいったりして中途半端な印象がありました。2時間弱の作品ですが、もうすこし短い方がスリムでいいような気がしました。
デイライト
昨年、映画館でも見たものです。私は毎日、関門トンネルを通って通勤しているので、とても他人事とは思えない映画でした。この映画を見てからしばらくは、なるべく早くトンネルを通過したいという気持ちでいっぱいでした。映画そのものの内容としては、途中「ポセイドンアドヴェンチャー」によく似たシーンが出てきて、ああなるほどと思わせるところがありました。さすがにスタローンは年をとったかなという感じがしますね。
インディペンデンスデイ
これも劇場公開ですぐ見に行った作品です。アメリカの大統領が直接活躍しだしたのは、この映画からでしょうか。とにかく、脳天気な作品(いい意味で)でした。あのジュラシックパークの数学者の人(名前ど忘れ)のぎょろ目がわすれられません。しかし、アメリカの独立記念日が人類の独立記念日になるのですから、その強引さがたまらなくおかしいですね。
デビル
映画館で上映中に見に行きたかったのに、たまたま都合で行けずやっとレンタルで見ることができました。
題材から暗いトーンの映画であることはわかっていましたが、ハリソン=フォードとブラッド=ピットの競演で
じっくりみせました。北アイルランド問題に関わっては、「ブローンアウェー」という名作もありますが、この作品でも
アメリカ人の市民の正義感と、テロリストの論理とのぶつかりあいが、迫力をもたらしています。
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