※ PATCH関連の問題 ※ 目次
06/04/01
パッチというのは修正プログラムのことである。ゲーム発売後に発見された不具合を修正したり、パフォーマンスの改善を目的として発行される。
*パッチ適用が失敗する
途中で止まる、デスクトップに落ちてしまうといった問題。基本中の基本として、ダウンロードして来たパッチのファイルその物が破損しているという可能性があるので、再度別の場所からダウンロードし直すとか、ファイルのサイズをダウンロード先から正確かどうか確認してみる。なお途中で失敗している場合、一度ゲームを完全にアンインストールしてからでないと上手く行かない可能性もある(完全にアンインストールとは、プログラムの削除をメニューから行い、ゲームのフォルダが残っているならばそれを削除し、(通常は)Cドライブに存在するTEMPフォルダ(C:\Windows\Temp)の中身を全て削除する、という過程で行う)。
他にはハード的なエラー要因、パッチをダウンロードしたドライブ&ゲームをインストールしているドライブに何等かの問題があるとも考えられる。ハードディスクのエラーチェック等を行って問題が無いかを確認。
*"Old file does not exist"のエラーが出る
パッチ適用前に現在のゲームのフォルダ内にその前のファイルがちゃんと有るのかを確認するタイプで発生するエラー。原因としては、「何等かのModを入れており、それで改変された部分で引っ掛かっている」、「最初のインストール時に正確にCDからHDへのコピーが行われておらず、サイズが異なる物が存在している」、「該当ファイルのいずれかがウイルスに感染してファイルのサイズが変っている」といったものが考えられる。
*パッチを適用したいと考えているゲームが、PCにインストールされていないというメッセージが出る
最近のパッチはexe形式で提供され、自動的に該当ゲームのインストールされたディレクトリをレジストリ内部の情報から見付けて適用される物が多い。よってレジストリが壊れていると上手く動作しない可能性がある。この場合にはゲームを再インストールして試すのが普通。或いは日本語環境の問題が影響している可能性もある。
Unreal Engine系のゲームではSystemフォルダ内に有るManifest.iniに各種情報を格納しているケースもあり、これが壊れると同様のメッセージでエラーになる。これはバックアップを取っていないのならば再インストになる。
*ハードウェアのオマケに付いてきたバンドル版のゲームにパッチが適用出来ない
バンドル版はあくまでも「最初から最後までプレイ可能な体験版」という位置付けであり、パッチによるサポートが行われるケースは稀である。レジストリ情報からパッチを自動的にインストールするタイプの場合、バンドル版と製品版のレジストリの内容が異なっている場合には、ゲームがインストールされていないと判断されてしまう可能性がある。
*既にそのバージョンのパッチは適用済というメッセージが出て適用出来ない
レジストリにどこまでのパッチを適用したかをデータとして持つゲームが有って、初回の適用時に失敗してしまうと「適用をした」という情報だけが残ってしまい、その後再度は適用が出来なくなるというケースがある。これはレジストリ内部の該当エントリを削除するのが常套手段。本編そのものを一度Uninstallしても、パッチのエントリが別のキーの場合はそちらが消えずに残ってしまい同じエラーが発生する可能性がある。どのキーを消せばいいのかはメーカーのサポートに書いてあるのが普通。
*パッチを適用したはずなのに、起動した時に画面に表示されるバージョンが変化しない
FPSゲームの中には(特にQuake Engineを使用したゲーム)、マルチプレイとシングルプレイに別々の起動exeを持つ物が存在し、この場合パッチの適用がマルチプレイの方だけで、シングルプレイの方には行われないというケースがある。つまりマルチプレイを起動した時とシングルを起動した時では、画面に表示される現在のバージョンが異なるという意味。
*パッチを適用したら過去のSaveが呼び出せなくなった
バージョンを上げてしまうとSave Dataの互換性が無くなる場合が結構有るので注意。ゲーム途中の物は使えなくなるが、マップの開始地点の自動セーブならばOKというパターンもある。パッチを適用する前に互換性はどうなるのかを確認すべきである。
*昔のゲームのパッチが正常に適用されない
パッチが実行形式の場合、XP上で95/98時代のゲームのパッチを適用しようとすると動かない場合がある。パッチのプログラムが2K/XP以降のOSでは動かない仕様なのが原因。この場合にはパッチのプログラムを互換性モードで動かしてみるしかない。
*日本語版に英語版のパッチは適用出来るのか
完全日本語版のゲームに”同製品の英語版のパッチ”が適用可能かどうか?だが、これについては販売している会社のサポートを確認するのが第一。「英語版のパッチは適用しないように」といった注意書きがあったりするのでよく読む事。それと日本語版は英語版よりも発売が遅れるのが通常なので、発売時点でリリースされている英語版のパッチが適用された状態で発売されるというケースもある。これも公式サイトで確認。
適用可能かのパターンとしては以下の3通りになる。
1.パッチは世界共通で適用可能
2. 言語が異なるので適用は出来ない
3.適用出来るとはなっていないが、強引にやる事は可能
残念ながらほとんどの場合は2の「出来ない」になる。コンピュータ・ゲームの世界には家電製品の様な「最低限何年間はサポートを保証しないとならない」といった規定が存在しない。よって日本語版の発売元が、英語版のパッチを日本語版用に改変するという作業を面倒だと考えてやらなければそれまでである。
マルチプレイがやりたいならば日本語版を買うなとよく言われるのはこの為で、マルチプレイは通常バージョンが共通でないと接続出来ないので、同じバージョンの日本語版のパッチのリリースが遅れてその間は遊べなくなる、日本語版のパッチのサポートが途中で切れてそれ以降は遊べなくなる、といった事態に遭遇する可能性が高い。
1の様なゲームはあまり無い。いずれにしろ買う前に確認すべきだが、実際には出てみるまで確認が取れないというケースも多い。
3はどういう意味かと言うと、パッチ用のexeファイルを解析して中身を取り出し、そのファイルの中で完全日本語版の動作に影響を与えない範囲の物を手作業でゲームのフォルダ内に上書きで更新するというやり方。昔はZIP形式でパッチが提供される事が多かったので、解凍した物を強引に日本語版のフォルダの中に上書きしてしまい動くかどうかを試すというテストが簡単に出来たのだが、現在では自動でパッチを適用する方式がほとんどなのでこれは難しくなっている。「このゲームでは可能なのか?」と聞いた所で、それに答えられる人は普通はいないと考えておくべきだろう。
*国籍の見分け方
同じ英語版でも発売されている国によってパッチの種類が異なるケースがある。この場合自分のゲームがどの国籍となっているのかを見分けないとならない。輸入版で購入した場合には北米版か欧州(英国)版がほとんどになるはず。北米版ならばESRB(Entertainment Software Rating Board)マークがCDの表面やパッケージに付いており、欧州版ならばPEGI(Pan European Game Information)がパッケージに記載されている。英国内で流通されるゲームだと、このPEGIを基にしたBBFC(The British Board of Film Classification)を使っている会社も多い。なおUSKのマークが付いている場合もあるが、これはドイツのレーティング表記(PEGIに加入していないので併記される)。
左)ESRB 中)PEGI 右)BBFC
問題は日本語マニュアル付き英語版の場合で、この場合に原版をどちらから使っているのかが分かりにくい。日本の発売元のページで調べるのが良いが、ゲームのフォルダの中に有るReadme,
License等のファイルを読めば分かる事もある。
*バージョンの確認
現在のゲームのバージョンの確認方法。通常はゲーム起動時のタイトル画面に出る事が多い。出ないならばReadme等を読めば、それが何時の時点の物なのかが分かる(パッチの履歴が書いてある事が多いので)。
*どこで手に入れるか
多くの場合そのメーカーのサイトからダウンロード出来る。ただ海外においては各種ファイルの提供を様々なゲーム関連サイトが手掛けているのが普通であり、こういった場所の方が高速だったりする。
*適用の仕方
現在では実行ファイル形式で提供されて、実行すれば自動的に適用されると言う形式がほとんど。中にはゲームのインストールされているフォルダを指定するように要求してくるタイプも存在する。昔のゲームだと単なるZIPの様な圧縮ファイルで提供されていて、解凍後に手動でゲームのフォルダに上書きコピーを行うという物が多い。
或いはゲームのメニューにアップデート用プログラムがあり、これを起動すると自社のサイトに接続しアップデートすべきファイルが有るかを検索、有ればダウンロードからインストールまで全自動というゲームもある。
*適用する必要性
まず修正の多くはマルチプレイ関連と思ってもらっていい。マルチプレイの場合にはサーバーのバージョンと同じでないと接続が出来ないのが普通なので、こういった際には適用の必要性がある。一方でシングルプレイに関してだが、こちらは現時点で問題が無いのならば無理に適用する必要性は無い。そのパッチの修正項目に自分のマシン構成では該当しないという場合(投入しても変わらない)もあるからだ。また適用した事によって逆に変になったりする可能性(別の不具合が発生する)も無いとはいえないので注意。修正といってもそれもまたプログラムなのだから、それが原因で全然別の不具合を引き起こしたりする場合がある。
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