※ ムービー ※            目次

  07/01/25


 ゲームが起動時にデスクトップに落ちてしまう、或いはプレイ中にムービーを再生しようとしていると思われるシーンで止まってしまうといった場合、それはムービーの再生が正常に行われていない可能性がある(これはゲーム内エンジンを使用した物ではなく、別撮りで作成されたCGや実写ムービーの話)。例えば起動時だとメニューが出る前に企業ロゴ等の多数のムービーが流れるゲームがほとんどなので、これすら出ないとなるとムービーの再生異常という可能性が高くなる。また中にはゲームのメニュー画面のバックでムービーを流している物も有るので、こういう場合にはメニューが正常表示されないという事が起きたりする。

 具体的にはゲーム側は何等かのフォーマットで作成されたムービー(このページ下段参照)をインストールされたフォルダ内に持っており、これをムービーの再生プログラムによって実行している。しかしこの再生プログラムが正常にムービーをプレイしてくれないとエラーになってしまうということ。動画というのはサイズが大きくなるので、様々な圧縮形式が開発されて流通している。この圧縮規格の事をCodecと呼び、そのCodecを使用したムービーを見る為にはそれに対応している再生プレイヤーが必要になる。


*起動時にデスクトップに落ちる(或いはゲーム中にムービーに切り替わったと思われるシーンで落ちる)
*ムービー再生が正常に行われない(音だけ出ない、画像だけ出ない)


1.オープニングのムービーの再生を不可に設定する
 これはゲームによって可・不可が分かれている。実際問題として製作側は自分達やスポンサーのロゴが再生されなくなるのを好まない(宣伝でもあるので)。しかしムービーが再生されないというトラブルにおいて切り分けを行うのにはOFFにするような機能を付けておいた方が良い。その辺で実際に出来るかどうかが分かれている。
 
 最初にランチャーが起動してそこから実際のゲームを起動するという物では、その起動用のオプションにMovieをDisableに出来る物が有る。それが無い場合、ゲームのサポートサイトやForumに行けばDisableにする特殊なやり方が説明されているという物も有る。例えばゲームのショートカットからプロパティを開いて、リンク先にあるゲームの実行ファイルのパス(コマンドライン)に何等かの文字(-novideo等)を付け足すという方式。


2.直接プレイヤーから再生してみる
 ゲームをインストールしたフォルダ内を探して(相当昔のゲームだと容量の関係でCD上に置いている物も有る)ムービーのファイルらしき物が見付かるならば、そこから拡張子を見れば再生形式は判別可能なはず(AVI形式は判り難いが)。そうしたらそのファイルを対応した再生用プレイヤーから直接再生してみる。形式が分からなければ取りあえずはWindows Media Player(WMP)で再生。もしも正常に再生出来ないならば、プレイヤーが再生形式に未対応というのが原因の可能性が高い。
 この場合多くの再生用プレイヤーでは、ネットに接続した状態ならば対応するCodecを自動的に探してインストールしてくれる機能を持っているので、それを利用してみて修正されるかを確認。

 なおゲームによっては圧縮ファイル内にムービーを持っている物も有って(単にフォルダ内を見てもムービーが見付からない)、こういうケースではこのやり方は難しくなる。


3.再生PlayerをUpdate
 多くの場合再生にはWindows Media Player(WMP)が使用される事が多い。これを最新版にUpdateしておく。現時点(2006/08)での最新版はWMP10になり、Updateが有るかどうかはメニューのHELPから「プレイヤーの更新の確認」を行えば良い。なおより新しいからと言ってβバージョンを入れていたりするとトラブルが発生する恐れがあるので注意。
 ただしWMPはシステムと密接に結び付いているので、一度Updateインストールしたらアンインストールは出来ないと考えておいた方が良い(一応出来るがお勧めしない)。よって逆に昔のWMPでないと上手く動いてくれないというムービーが有った場合には困った事になるのは避けられない。またバージョンが上がるほど高機能な分動作は重くなるので、昔のPCを使っている人には負荷となるかも知れない。

 もう一つポピュラーな形式としてはBink VideoThe RAD Video Tools)が存在する。拡張子がbikのファイルがそれ。この再生にはbinkw32.dllというファイルが使用されるのだが、それがパフォーマンスが悪くてカクカクとした再生になるとか、音声が途切れ途切れになってしまうという問題が起きる場合の対策。
 他のゲームのフォルダを検索して同名のファイルを見つけ(相当数のゲーム及びデモが使用しているので、検索すればかなりの数が出てくるはず)、それらのプロパティ>バージョン情報タブを参照し、動かないゲームのフォルダに有る物より新しいバージョンのbinkw32.dllが含まれていれば差し替えてみる。或いはこのゲームは正常にムービーが再生されるという物が有ればそれでも良い。


4.WMP関連
 WMP関連の対策について何点か挙げておく。

*XPを更新していない場合、SP1やSP2にWindows Updateで更新してみる。ただしこれはやったら元には戻せないので自己責任で。上げたくないなら 現在のバージョンの範囲内で、Windows UpdateにてWMP関連でやり残している物はないかをチェック。
*何か別のCodecプログラムをインストールしているなら、それを一時的に停止させるか削除する
*WMPの一部として機能するタイプのプログラムは使用しない(例 DirectVobSub)
*他の再生プレイヤーをインストールしている場合、WMPのオプション>ファイルの種類から各種ファイルタイプの規定の再生プレイヤーを
 WMPにしてみる


5.ファイルを差し替える
 どうにもムービーが正常に再生出来ない場合、強引ではあるが該当するムービーを別の物に差し替えてしまうという手段も有る。つまり同じフォーマットで再生出来る事が分かっているムービーを、引っ掛かっていると思われるムービー用のファイルと(分からなければ全てを)交換してしまう。例えばゲーム開始時のIntro.aviというムービーが再生出来ていないようならば、再生可能な事を確認している同一フォーマットのムービーを同じ名前に変更して交換してやり、それでムービーが再生されるかを確認する。再生が出来るならば原因はそれと確認出来る訳だ。ただし肝心のムービーが見れなければ、ゲームを進めるのに問題が起きる可能性は有る事になる。


6.Codecを入れ直す
 これはあまり初心者向けでは無いので、自己責任でお願いしたい。コントロールパネルか「サウンドとオーディオ デバイス」を選択。ここでハードウェアタブのデバイスリスト中から「ビデオCODEC」選択して「プロパティ」を選び、更にプロパティタブを選ぶとインストールされているCodecの一覧が表示される。

 ここで現在再生が問題となっていると思われるCodecを一度削除後に入れ直してみる。或いは似たような物が複数存在している際には、両方を削除した後に片方だけを入れ直す。



*起動時に何のムービーも(企業ロゴすら)再生しないままデスクトップに落ちる
*ムービーを再生中に、ゲームが応答しなくなったり、突然終了したりする
*圧縮解除プログラム 'vids:IV50' が見つからないため、ビデオを利用できません

*Failed (hr=0x80004002) in pVW-> put_Owner((OAHWND)HWnd)

 IndeoというCodecに起因するエラーの可能性あり。原因はそれまでOS側にて搭載していたのが、XPのService Pack 1(SP1)からこのコーデックのサポートが切られてしまった為で、これを使用しているゲーム(ここ数年では対応タイトルは無いと思うが、2003年より前とかだと結構数は有る筈)のムービーが再生出来くなるという問題。なおこれはXPのSP1版を使用してクリーン・インストールを行った場合と、SP1のプリ・インストールPCでのみ発生する。XPの初期版や過去の98/Me等からのSP1へのアップグレードの場合には問題無い(既にこのCodecを含んでいる為)。当初はIndeoのサイトからCodecを有料で購入しないとならなかったのだが、今はMSがやはりライセンス料金を払う事にしたのか?修正されている。

 解決方法は327979: 推奨修正プログラムを導入すれば良い。或いはWindows Updateを使う。SP2にバージョンを上げる必要は無い。

 同じ様な意味のエラーとして、特定の Windows XP SP2 環境で Indeo video 5.10 コーデックを利用できないというエラーも有る。「Service Pack 1 (SP1) 適用済みの Windows XP をインストールし、KB327979 が説明する更新プログラムをインストールしていない状態で、Windows XP Service Pack 2 を適用した場合、コーデックのファイルのコピーは行われるが、登録処理が行われないので同様のエラーが発生する。これには以下の処理を行えば良い。
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;887326


 ビデオ(ムービー)のフォーマット(Codec)の代表的な物としては以下の様な形式が存在している。

*AVI
 Microsoft Video for Windowsが正式な名称。ところが各種Codecが自分達の圧縮形式をこの拡張子.AVIにしてしまった為に、実際にはどんな形式で圧縮されているのかが分かり難い物となってしまっている。有名なDivX, Xvid, Indeo等は全てこれ。
*WMV
 Windows Media形式。拡張子はWMVを含めて多彩。RealPlayerと並んでストーリーミング再生に良く使われている。
*Bink VideoThe RAD Video Tools
 ゲームでは結構使われている物。拡張子 bikで自己実行形式はexe。
*Quicktime
 その昔は全盛を極めたApple社のCodec。Windows95時代を中心として多数のゲームに使用されたが、現在ではゲームに使われている事はあまり無い。
*DivX
 サイズが小さいのに高画質という事から一般的に良く使われている形式。公式サイトから無料でプレイヤーはDownload可能。
*MPEG
 これもポピュラーな形式だが最近では減っている。拡張子はMPG, MPEG等。


 もし使用している形式(Codec)がWindowsでの標準サポートであれば特に用意する物は無く、標準で無いならば再生のみは行える環境をプログラムとして用意しておく事になる。もしゲームで使っている形式が一般的ではないとするならば、再生用のプレイヤーをゲームのCDに用意しておいて同時にインストールさせる方式を取る事になる(QuickTime等)。これで何の問題も無いはずなのだが、実際にはユーザーマシンの環境の問題等で上手く行かないケースが出て来てしまう



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