※ SOUND ※ 目次
09/05/07
ここでは明らかにサウンドの問題と思われる事例と、ビデオ関連には問題が無さそうなのでサウンドが障害の原因ではないかと疑われる場合の検証方法を順に解説する。
*サウンドが全く再生されない
*サウンドが原因で、フリーズやデスクトップ落ちが起きているように思われる
*パフォーマンスが悪い(重い)
*音が途切れる、画面とシンクロしない(遅れる)
1.ドライバの更新
何よりもこれが第一に重要。該当のサイトに行って最新ドライバを探す。Creativeでは現在自動更新にも対応している。
メーカー製のPCにおいてはオンボードのチップを使っているケースも多く(AC97
Audio等)、この場合にはサウンドのドライバが単独ではなくて「システムのアップグレード(ドライバ)」の様な名前で用意されている事もあるので注意。その他オンボードの統合型チップセットも同様に、サウンド用のドライバが単独では用意されておらず、チップセット全体のUpdateに含まれているケースも有る。メーカーのサイトをよく参照のこと。
2.DirectXによる基本事項の検証
DirectXは9.0cのまま長年バージョンが変わっていないが、実際には内部的に更新が随時行われている。よって最新の物を入れるのが基本。製品版かデモに添付されたDXを入れれば問題ない。或いはMSのサイトに行けば無料で最新版に更新出来る。
確認事項として、スタート→「ファイル名を指定して実行」からdxdiagと直接起動するか、システム情報のメニューバーからツールタブ→DirectX 診断ツールにて、DirectXの診断ツールを起動する。
サウンドタブにて、「ハードウェアのサウンドアクセラレータの設定がフル(右端)になっているか(XP)」、「下段に問題は見付かりませんでしたと表示されているか」、「Direct
Soundのテストが正常に動作するか」を確認。
ミュージックタブにて同様に「Direct Musicのテストが正常に動作するか」、「問題は見付かりませんでしたの表示が出ているか」を確認。規定のポートアクセラレータ云々は気にしなくても良い。
3.サウンドの再生を止めてみる
ゲームの中にはこういったトラブルの切り分け対策として、ボリュームを0まで絞るのではなくて、ゲームのサウンド再生自体を止めてしまえる機能を持った物も有る。これは起動時に出るランチャーから設定できる物や、コマンドラインに特定の記述を加える物が存在している。可能な場合にはその設定を行ってテストすれば、起動自体が出来ない・すぐにクラッシュするといったトラブルに関しては、サウンドが原因なのかという切り分けが容易くなる。
4.3D Soundを切る
EAXの様な3Dサウンド機能を、ゲームのOptionからOFFにしてみるというのは検証の基本となる。これで治るならば、ドライバが古いのか、サウンドカードの能力が低いのか(EAXをONにすると非常に重くなるゲームは結構有る)、ゲーム自体の処理に問題があるのか(パッチ待ち)である。
同じくサウンドの再生をハードウェアとソフトウェアで切り替え可能ならば、それも切り分けに役立つ。
5.サウンドの設定を下げる
3Dサウンドを切っても変化が無い場合には、より基本のサウンド設定を下げていくというテストを行う。サウンド処理というのは、特に専用のサウンドカードを搭載していない場合にはCPUに結構な負荷を掛けるものとなる。よってサウンドの設定を無理に上げてしまうと音の途切れや遅れが起きたり、酷い場合には落ちてしまったりもする事になる。
そこでサウンドの設定をHighからMedium→Lowへと落としてやって現象の再現性を確認するのが重要である。これで治るならば、根本的にサウンド処理の能力が足りないか、ドライバに問題が有るという風に考えて良いだろう。
6.サウンドのアクセラレーションの設定を下げる(XP)
DirectX 診断ツールのサウンドタブにハードウェアのサウンドアクセラレータの設定が存在するが、この設定を左側へと下げてやる。これによってウインドウズ側から高度な機能を使ってのサウンド処理の呼び出しを制限する。使用しているドライバに致命的な問題が有る場合や、もうドライバが更新されていない古い機種においては効果がある。
一番左かその一つ隣に設定してやって現象が再現するかを確認。注意点として高度な機能の呼び出しを制限する為に、ゲーム上での設定も併せて下げないとならない(例えば3Dサウンドを有効にしたままでこれを下げるとエラーになる)。基本的にはゲーム上の設定を一番低くしてやってから、左から2番目のアクセラレーションでまずはテスト。これでもダメならばアクセラレーションを一番左端へ。OKだったならばアクセラレーションの設定とゲーム上の設定を徐々に上げていってOKな地点を探るというやり方。
7.サウンドのデバイスを使用不可にしてみる
コントロールパネル→システム→デバイスマネージャーから、サウンドカード(例えばSB
Audigy)自体を使用不可にしてみる。これで起動するとかパフォーマンスに問題が無くなるならば、原因はサウンドカードに有るという切り分けが出来る。
8.コントロールパネルの設定
マルチメディアを起動してやり、オーディオタブの再生デバイス欄にて「利用可能なデバイスを使用する」と「特定のデバイスを指定してやる」のを現在の設定と切り替える。或いは「優先するデバイスのみを使用」のチェックを現在と逆にしてテスト。
MIDIタブにて再生用のデバイスをいろいろと切り替えてみる(MIDI Synth, Music Synth等)
特定のトラブルに関して
*EAXが有効にならない
EAXの規格は1.0から現時点では5.0まで上がっており(3.0以降をAdvanced HDとも呼ぶ)、そのカードによって対応しているバージョンが異なる。最初の対応カードとなるLive!ではEAX2.0まで、Audigyシリーズが4.0、X-Fiが5.0への対応となっており、下位のバージョンには対応していないゲームだとEAXが有効にならなかったり、Option画面で選択自体が出来なかったりする。これはゲームの必要環境を良く見て確認するしかない。
*OpenAL使用のゲームでサウンドが再生されない
OpenALとはCreativeが提供するサウンド作成環境であり、近年使用するゲームが増えて来ている。まずはOpenALのサイトよりOpenAL Installer for Windowsの最新版を入れて試す。もしゲームのフォルダ内にOpenAL32.dllが存在する場合、これがwindows\system32フォルダに有る物よりも古いならば、system32フォルダに有る新しい方を上書きしてみる。またゲームによってはOptionから自分のフォルダ内に存在する物とSystem32フォルダに在る物のどちらを使うかを選べる物もある。
*EAXが選択出来ない
OpenALを使用しているゲームの場合、このバージョンの関係で問題が出ることがある。サイトよりOpenAL Installer for Windowsの最新版を入れて試す。
*EAX使用環境にて後方(サラウンド)のSPから音が出ない
EAXはアナログでのアウトプットなので、デジタル接続専用のオーディオシステムではフロント2ch以外の音が出ない。サウンドカードのアナログ出力である5.1chから、アナログのアンプの端子に接続しないとならない。或いは両系統を接続していても、サウンドのMixerにてDigital
Output Onlyにチェックを入れていると同様に不可となる。
*Creative社のカードを使用しているが、極端にパフォーマンスが悪くなるゲームが有る
自動的に起動されるプロセスにCTHelperという物が有るので、これを一時的に停止させて変化があるかを確認する。起動停止させて影響があるのかはそのPCの環境によるので、常に起動しないようにするには注意が必要。
*EAX対応カードであるSound Blaster Audigy LSを使用しているのだが、EAXをONにするとパフォーマンスが悪い
このカードはハードウェアとしてのEAX処理チップを搭載していない廉価版である。高音質は実現しているが、少なくともゲーマー向きではない。
*サウンドにノイズが乗る
原因はいろいろと考えられるが、まずはサウンドのMixerにて、Line Inやマイク等の使用していない入力をOFF(Mute)しておく。こういった物にノイズが乗ってしまっている可能性があるのがその理由。カードを挿すスロットを変えてみるというのも一つの手。後は根本的にPCの周囲というのは電磁波が多くてノイズが生じ易いので、シールド対策がしっかりとされていない安物のサウンドカードやSPケーブル等を使っているとノイズを拾ってしまう可能性もある。
外部からのノイズというよりもサウンドの再生がおかしくてノイズ混じりという場合には、サウンドのアクセラレーションを下げると治るというケースもある。
*Dynamic Musicが再生されない
敵との戦闘シーンになると自動的にそれ風のBGMに切り替わる機能をDynamic
Musicと呼ぶが、必要環境ギリギリのPCの場合にはこの機能が自動的にカットされてしまうゲームが存在する(特にQ3エンジン系のゲームに多い様だ)。
*USB Device
現在ではCPUの速度が上がったり、USBの規格も変更されたのでそれ程聞かれなくなったが、USB経由で何かデバイスを接続している場合に、ゲーム中にサウンドが途切れたり突然速度が落ちたりが起きる。特にこれはUSB接続のAudioデバイスを使用してサウンドを再生している場合に顕著。理由はUSB経由の処理はCPUのパワーを使用するので、それが原因で処理落ちが起きている為である。FPSゲーマーならばこの手のデバイスは使用しないのが基本。
*サウンドは再生されるがBGMが鳴らない
昔のゲームではBGMの再生にCD-DA規格(要は音楽CDの形式でサウンドが収録されている)を使用している物が有って、この場合再生機能が働かない可能性が有る。
まずは複数のドライブが存在している際に、コントロールパネル>マルチメディア>音楽CDタブにて、再生を行うドライブを指定しておかないとならない(ゲームのプレイ時に使うドライブを指定しておく)。それとサウンドカードとCD/DVD-ROMドライブが物理的にケーブルで接続されていない可能性も有るので、これは適当な音楽CDを入れて再生が可能かどうかでチェックする。
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