※ ハードウェア関連 ※ 目次
06/05/03
純粋にハードウェアのトラブルに関しては当コーナーでは基本的には扱わない方針なのだが(その手の事ならばもっと詳しく記載されていたり、また的確にアドバイスがもらえる掲示板が有ったりする自作系サイトが多数存在しているので)、幾つか基礎的な項目についてだけ言及しておく。
※メモリのエラー
*ゲームプレイ中にメモリのエラーらしきメッセージが表示される
*再起動が掛かったり、フリーズしたりする
メモリのエラーと言うのは、それらしきメッセージが出たとしてもメモリが物理的におかしいとは言い切れないケースも有って特定が難しい。そのゲームのプログラムに問題があるという場合もあるし、複数のアプリを同時起動した際に相性の問題として出たりする事もある。そこで純粋にメモリが正常動作するのかを確認する為の手段としてmemtest86を紹介する。
これはメモリをテストする為の定番フリーソフトであって、通常の使用では起こり得ないレベルの連続使用、エラーが起き易いパターンのデータを書き込み&読み込み、といったテストを全メモリアドレスに渡って満遍なく行ってくれる。テストは通常15-30分程度だがループさせる事も出来るので、新規購入時にエージング(慣らし)の為、或いは初期不良でないかをチェックする為に長時間連続でテストを繰り返すというのもよく行われる。
使い方としては例えば1,2時間連続してゲームをプレイしていると頻繁にメモリのエラーになるという場合、このmemtestを連続して1,2時間行ってエラーが出ないかをテストしてみる。もしテストでは出ないならば「メモリがハード的に壊れているのではない」という判断が出来る。
以下は公式サイトと現時点での最新ファイル。本家の方は2004年で更新を終えており、+は別のチームが製作を引き継いだ物。2004年までのPCならばどちらでも良いが、それ以降ならば最新のチップセットやメモリ規格に対応した+の方を使用した方が良いだろう。
Memtest86 V3.2 FD用
Memtest86+ V1.65 FD用
空きフロッピーを一枚用意してやり、上記のファイルを解凍後にinstall.batを実行して、後は指示に従えば起動用のFDが出来上がる。FDDが無い等の理由でCD-ROMから起動したい場合には、公式サイトからISO形式のファイルをダウンロードして使用する。
使用方法は簡単で、セットした状態でWindowsを再起動してFD(CD-ROM)から読み込ませればOK。当然BIOSで起動時にHDより先にFD(CD-ROM)からブートするという設定にしておかないとならない。自動的にテストをループして行うので、そのまま放置しておけば良い。Cキーを押して細かな設定をする事も可能である。
*上段
PASS: テスト全体の進行状況
TEST: 現在のテスト項目の進行状況
*中段
PASS: テストをクリアした回数
ERRORS: 発生エラー回数
*下段
エラーの詳細内容
ループ回数を5-10回程度、或いは2,3時間連続で実行してみて、エラーが発生しないならばメモリに問題は無いと判断して良いだろう。逆にここでエラーが発生するならばメモリに問題ありとなる。
ただしこのmemtest86はメモリに厳しいテストなので、日常使用では別にエラーが発生しておらず、このテストで数回エラーが検出された程度であれば、即メモリ交換要という意味にはならないので注意。
購入したばかりのメモリであれば、初期不良・相性不良・スロットへの差込み不良。古いメモリならば、単に故障・接点不良等が考えられる。またBIOSからメモリの設定を細かくいじれるマザーボードは多いが、ここで標準値よりも速く動作するようにしているのならば、それを元に戻して再検査して原因をハッキリさせる事も必要になってくる。
※熱関連
ハードの進化と共に発熱は大きな問題となって来ており、温度が限界を超えると熱暴走によりPCのリセット(再起動)やフリーズが発生する恐れがある。
まず基本的に設置場所に注意する。ケースの放熱箇所が何かで塞がれているとか、狭い場所に押し込んであるので放熱が上手く行っていないという状態は避けないとならない。
次に埃の問題がある。環境にもよるがPCの内部には結構埃が溜まり易い。この埃は放熱に関してマイナスとなるし、最悪の場合には冷却ファンに溜まった埃がファンの回転を妨げて正常な冷却が行われないというケースもある。時々ケースを開けて内部を確認。もし埃が溜まっているなら小型の掃除機で吸うとか、または外に出して埃飛ばし用のエアスプレー(1,000円以下程度で買える)で吹き飛ばすといった処置を行う。問題はメーカー製の専用ケースに収まったPCだと、特殊工具を使わないとケースを開けることが出来ない物(或いは目隠しになっていて知らないと開けられない物)が有って、こういう場合には手が出せないという点。
ビデオカードは特に高熱になるので、近年では温度センサーが付けられている物が多くなっている。この温度はドライバやビデオカード付属のユーティリティで見る事が出来て、設定温度以上になったら焼損防止の為に警告メッセージを出すという物も少なくない。CPUの方もBIOSレベルにて温度の確認が可能な物は多いし、或いはマザーによってはユーティリティからOS上で確認可能な物も存在している。
熱暴走ではないかと疑われるケースでこういったチェックが可能ならば、マシンの起動時やゲームのプレイ後に温度をチェックしてみて、非常に高温になっていないかを確認してみるというのも一つの手である。どの程度が基準なのかはそのチップにもよるので、ネット上で検索して情報を集めてみるようにしよう。
冷却が正常に行われていない可能性がある場合、可能ならばケースを開けた状態で動かしてファンが正常に回転しているかをチェック。CPUの場合だとファンが正常に取り付けられていない(CPUと密接していない)というケースも考えられる。ビデオカードでは厚みのある物が多くなっている為に、近くのスロットに差さっているカード等が邪魔して、ファンからの送風や放熱が上手く行かないという状態になってしまうという場合もある。
それとCPUやビデオカードについてはオーバークロックが可能な物が有るが、こういった事を行っているならば元の定格に戻して見る。また静音化も一般的に冷却効率とは相反する改造なので、ファンの回転数の設定等を冷却重視の方向にスライドさせてみるというテストも行ってみる。
ビデオカードの中には冷却に関して大して考えられていない物も存在しており、あまりにも相場よりも安い価格で売られている物には注意が必要である。近年ではSplinter
Cell, Doom 3の様に、ビデオカードをオーバークロックせずに定格で動かしているのにもかかわらず、非常にGPU(ビデオチップ)への処理負荷が高いので、安価なビデオカードだと冷却が限界を超えて熱暴走してしまうというケースが報告されているゲームもある。
設置場所を変える・埃を取るといった作業をしても改善されない場合、ファンを強力な物に交換するという手は有るが、最近のビデオカードでは改造が難しい物が多くなって来ている。ケース内部の排熱が上手く行っていない・能力が足りないという可能性も有るので、背面排気のみの構成ならば前面吸気を組み合わせてみるという改造もある。
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