※ Windows XP ※ 目次
08/06/18
2001年にリリースされたWindows XPは、それまでのWin 95/98/Meといった16ビット系構造を含んだOSに対して、完全な32ビット構造のOSとして作られている。ここではそのXPに関連する注意事項を列記しておく。
*管理者権限(administrator)
98系OSとは異なり、XPでは同一のPCに複数の異なったユーザーがアクセス出来る構造になっている。その際に各ユーザー名(アカウント)に応じて「どこまでそのPCに対しての操作が可能になるのか」を設定可能になった。これにより、例えば子供が誤ってファイルを消したりしないようにしたり(特定のフォルダをRead
onlyにする)、一時的に使わせる他人が勝手に中を見たり出来ないようにしたり(特定のフォルダにアクセス権限を与えない)が可能となっている。
こういった設定を行える立場にあり、またそのPCに関連する全ての操作を行う事が出来る人間(フル・コントロール)を”管理者”と呼ぶ。ゲームをインストールする場合やプレイする際には、この管理者権限を持ったユーザー名でXPにログインしておかないとならない。管理者権限を持っていないアカウント名の場合、勝手にフォルダを作成したりファイル内容を書き換えたりは禁止されている可能性があるので、そうなるとインストールやセーブ等の実施時に影響が出てしまう。
もし自分一人が使っているPCでユーザー名の使い分けをしていないならば、現在のユーザー名がそのまま管理者権限を持っていると考えてほぼ間違いは無い。コントロールパネルの中のユーザーアカウントにて登録されているユーザー名とその権限を確認可能である。なおこの時のアカウント名は半角英数のみを使用し、カナや漢字といった日本語を含まない物にしておくべきだが、これに関しては日本語使用の際の注意を参照してもらいたい。
*互換モード
XPでは互換モードと呼ばれる物を持っており、これで昔のアプリケーションで上手く動かない物を動作させられる可能性が有る。そのゲームの実行ファイルかショートカットを右クリックしてプロパティを呼び出し、互換性タブから「互換モードでこのプログラムを実行する」にチェックを入れて、リストからOSを選択してやる(ほとんどは98/MEになるだろう)。
なおこれはインストールを行う時でも有効である。多くの場合ゲームのプログラムとインストール用のプログラムは作成している会社が別なので、ゲーム自体は動くのだが、インストール用のプログラムが古過ぎてインストールが出来ないというケースがある(インストール前に対応しているOSかどうかをチェックしている物が有って、この場合XPは未知のOSなので未対応と認識されてしまう)。
なおWindows 95時代の古いゲームの場合、デスクトップカラーが256色でないと動作しない物が有ったりするが、それもこの互換モードから設定してテストは可能。
*ファイアウォールの設定方法
SP2以降はデフォルトでファイアウォール機能がONにされており、これがゲームの動作に影響する可能性がある。
設定方法等はMicrosoft、同じくMSの簡単ガイドの他に、こちらやこちらを参照。
ゲームの動作時にこのファイアウォールがそれを検出したのならば、その時点でアクセスを許可するか、設定から”例外タブ”に登録してやって外部へのアクセスを認めてやれば良い。問題はゲームを起動したり、マルチプレイを開始しようと思った時に、ゲームの画面で止まってしまうケース。ゲーム画面の裏でポップアップが出ているのだが、ゲーム画面が最小化されてそのウインドウに切り替わらずに、フリーズしたように見えるという場合である。この可能性が考えられる場合には、ALT+TABで作業切り替えを行ってみる。
しかし作業切り替えが行えずに強制再起動しかないというケースもある。その場合には以下の様なテストを行う。
・可能ならば次回起動時にフルスクリーンではなく、ウインドウ表示にしてファイアウォールからのポップアップが見られるようにする
・ファイアウォールを完全に停止させた状態で同じ操作を行い、もしそれでOKならばそれが原因だと判る
・起動前にファイアウォールの例外タブに登録しておく
*エラー発生時に再起動してしまう
初期設定では重大なエラーが起きた際に自動的に再起動してしまうので、エラーの内容を知りたい場合には面倒。コントロールパネル→システム→詳細設定タブ→起動と回復欄の中に設定を選択→「自動的に再起動する」のチェックを外しておく。
*64ビット版
XP対応と記載されているゲームであっても、64ビット版では32ビット版とは話が変わって来る。64ビット版への言及が無い場合、問題が無いかどうか公式掲示板等で確認しておくべき。
*搭載メモリ
XPはその安定性と引き換えにOS側のメインメモリの使用方法が贅沢になっており、98系OSに比較すると必要なメモリの容量が多くなっている。その為にゲームの注意書きに「Memory:
128 MB RAM required, Windows XP: 256 MB RAM strongly recommended」といった記述がよく見られた。これは98系のOSならば128MB有ればOKだが、XPではメモリの使用量が多い分それ以上のメモリが無いとパフォーマンスに問題が起き易いという意味である。3DFPSをプレイするのがメインならば最低でも512MB程度のメモリは必須となるだろう。
*昔のゲームは動作するのか?
XPリリース以前のゲーム(発売が2000年よりも前)に関しては、一部のメーカーではXPでの動作互換確認リストをちゃんと掲載もしているが、「XPでも動く事例を確認はしているが、メーカー側では動作保証はしない」というスタンスが一般的である。
よってXPで動作するのかどうか、確実なアドバイスは出来ないというのが実際である。デモが有るならばそれで試す程度だが、これもまた確実な判別方法とはならない。デモでは動かなくてもその後に出た製品版はパッチによって対応している可能性が有るし、逆にデモはOKだが製品版は不可という可能性も無くは無いだろう。互換ゲームリストとしてはこちらが有名。
*ゲームが遅い
98系OSとXPでは、ゲームを含めたアプリに対する監視体制が異なっている。この違いを大雑把に言うと、98系ではそれぞれのアプリにマシンの持つ処理能力を出来るだけ与えるというという方式で(特にDirectXを通すゲームには)、これはアプリの動作が速くなる反面、OSとしての安定度には問題が生じていた。もしアプリがCPUのパワーをフルに抱え込んだ状態で止まってしまった場合、OSが割り込んで強制停止させようにも、その処理を行うだけのCPUのパワーが残っていないので反応しない(或いは極端に反応が遅い)という風になっていたのである。
一方でXPではOS自体の堅牢性を高める為に、ゲームを含めたアプリの自由な動きを制限するような構造になっており、それ故にゲームが動作する時にPCの持つパワーの最大値までは引き出せない(OS側から許可されない)という具合にされている。なので当初は98系でプレイするよりもパフォーマンスが悪い(遅い)という問題が起きていた。しかし現在ではXPが標準になった為にゲーム製作側での調整や最適化が進み、またPC自体のベースの速度が上がったので、この手のトラブルは少なくなっている。
しかしこれとは別に、内部の処理構造上の問題という事なのか、高速なPCにおいても「遅い」、「時々カクカクとして遅くなる」といったトラブルが起きてしまうゲームも有るようだ。
*2.1GHz超の問題
ハイパースレッド機能を持ったPentium 4を搭載したPCにて、クロック数が2.1GHz以上で、OSにXPに使用していると動かないゲームが存在する(当然2000年以前のゲーム)。これはハイパースレッドを無効にする以外には治す方法は無い(或いはパッチが有るかどうかになる)。ただしハイパースレッドのON/OFFはBIOSレベルでの設定となるし、かなり危険な要素も含んでいるので一般的にはお勧め出来ない。またマシンによってはOFFに出来ない物も存在している。
なおMSによるとハイパー・スレッドを使用していないPCにおいても、クロック数が2.1GHzを越えていると問題が出るゲームが有るそうだ。
*HDの空き容量が沢山有るのに容量不足と言われる
昔のゲームにおいて、HDのサイズの認識能力の仕様から、2GB以上のフリーエリアが有る場合でも容量不足と言われる場合がある。以前はHDのパーティションの最大サイズは2GBまでとされていたので、それ以上のサイズだと正常に空きを認識してくれないのが原因。この場合は逆に空きが2GB以下のドライブにインストールすればOK。無いのならばファイルを調整して空きを2GB以下にしてやる。
*NTFSドライブ
確固たる原因が掴めている訳ではないのだが、2K/XPにて標準のHDの管理方式であるNTFSを使っているドライブに昔のゲームをインストールすると正常に動かないという報告を時々見る(FAT32ドライブにインストールするとトラブルが治ったというケース)。
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