※ ハードディスクの基礎知識 ※       目次

  06/04/01


 これだけは知っておくべきハードディスク関連の基礎知識を解説。主にインストールの障害に関わってくるが、マシン全体の問題にもなってくる。


*SCANDISK

※インストールが途中で止まる。エラーで失敗する。

 HDのエラー診断を行うプログラムをスキャンディスクと言う。不正にWindowsが落ちた時に、再起動時に自動的に検査をしているプログラムがこれ。HDでは実際にデータを保存する領域の他に、どこにデータがしまってあるかの管理データを持っており、これ自体の矛盾やデータとの整合性を調べるのが基本的な機能である。それともう一つ、HD上に有る物理的なエラー(不良個所)の診断にも使用する。
 ゲームのマニュアルのインストールの項には必ずと言っていいほど「インストール前にScandiskを実行する事」の記載があり、確かにやっておいた方が良いとは言えるが、面倒でもあるので問題が起きた時に試すという姿勢でも良いだろう。ただし「普段Windowsを使用している分には問題無いので必要無い」という事では無いので注意。HDに論理的なエラーがあっても何の問題無く動くケースは多いし、ゲームをインストールする時に使われる”現在使っていない領域”は、普段の使用ではアクセスされないのでエラーにはならない可能性が高いからだ。

 スタートメニュー>プログラム>アクセサリ>システムツール>スキャンディスクで起動。XPではマイコンピュータから目的のHDを右クリックしてプロパティ、[ツールタブ]のエラーチェックに有る。「エラーを自動的に修復」にチェックを入れて実行。この時にエラーセクタのチェック(完全)もするとHD自体の検査も行う。検査は最低でもシステムドライブ(C:)と、インストールしたいドライブについて行う。ただしXPではシステムドライブは再起動が必要となるので指示に従って行う(結果は、管理プログラム>イベントビューア>アプリケーション の中のWinlogonに書かれている)。
 検査だけだとそれほど時間は掛からないが、全面不良セクタ検査は場合によってはかなりの時間を要する事になる。基本的には前者の診断だけでOKだが、それでも問題が出る場合は全面テストを実行してみる事になるだろう。全面テストは月に一度位定期的に空いた時間に行っておく事をお勧めする。


*DEFRAG

※MapのLoading時間が非常に長い
※Loading中にエラーを表示せずにデスクトップに落ちてしまう
※仮想メモリにスワップしている訳でも無いのに、時々パフォーマンスが悪くなって動作がカクカクする
※インストールが上手く行かないで止まってしまう



 デフラグとはHDの断片化解消プログラムである。HDはセクタという単位でデータを保存しており、ファイルのサイズによって複数個のセクタを使用している。初めに作成される時はHD上の連続した領域に確保されるのが普通だが、書きこみ・更新を続けている内に登録場所がHD上のいろいろな所に散らばっていってしまう。どこに散らばろうがHDは把握しているため問題はないのだが、連続して固まって登録されているのに比べると、読み出す時に読み取り用ヘッドがあちこちに移動しなければならないためにパフォーマンスが落ちる。これが断片化と呼ばれる現象である。
 これを解消する為にファイルを並べ替えて整理し、空き領域も一箇所にまとめてしまうプログラムがデフラグとなる。プログラム>アクセサリ>システムツールに入っており、起動してドライブを指定して実施するだけである。

 これがゲームにどう絡んでくるのかというと、ゲームでは連続して大量のデータを高速で読み出す必要があるため、断片化が進んでいるとこのスピードが落ちてしまい、極端な場合は途中で落ちてしまう事もある。よってゲームインストールしたいHDに要求されるだけの空き領域が存在しているのは勿論だが、連続したそれだけの空き領域が存在するのが理想となる。断片化が進んでいると、空きは5GB有るのだが連続している空き領域は2GB程度しか無いという事態も起こり得る。
 ゲームのマニュアルにはインストール前に必ず行うようにとしている物が多いが、或る程度定期的に実施しておけば良いだろう。もし断片化状況を把握出来るソフトが有るならば、それを見て断片化が進んでいるかを確認して実施すれば良い。

 注意点としては、現在の断片化状況・空きメモリ容量といった様々な要素が絡んでくるが、このデフラグは結構な時間が掛かる可能性が有る。例えばHDの全領域がC:だけで取られているといった場合にも時間は掛かる。デフラグはHDのデータ書き換え作業のため当然作業中は他の作業はやらないのが基本であるし、途中で終了させるのも避けたい作業となるので、時間に余裕のある時の方が良いだろう。
 なおWin98/ME系ではデフラグ中に何かそのドライブへのアクセスが行われるとデフラグが中止されてしまうので、ウイルス系ソフト等の常駐ソフトの解除やスクリーンセーバーの停止を行っておくべき。Windowsの起動時に選択するSafeMode内で行うのが一番確実。XPでも一応止めておいた方が良い。


*空き容量

 WindowsではCドライブ(システム)には充分な空き容量を確保しておくのが重要であり、チェックしてみて2GB以下という場合には以下を確認してもらいたい。1GB以下でも危険信号(特に調整や設定変更を行っていないならば)。


*インストール時に空き容量が有るにもかかわらず領域不足のエラー、或いは何も表示せずに固まる

 自分のHDの空き容量がどの位あるのかが分からないという人はまずいないだろう。マイコンピューターをダブルクリックしてもわかるし、Explorerからプロパティでも見る事が出来る。よってあるHDにゲームをインストールするのに、ゲームが必要としている容量が空いているのかという判別は初心者でも問題無いはず。

 ただしTempフォルダについては知っておく必要が有る。これは一時ファイルという意味で、インストールの時に圧縮されたデータをこのフォルダ内に解凍し、それを目的のフォルダにコピーして、その後Tempの中を削除するという方法がよく行われる。98/MEではC:\Windows\Tempに、XPではこれと併せてC:\Doucuments and Settings\ユーザー名\Local Settings\Tempに存在する。
 問題はこのフォルダはCドライブに存在しているので、Cの容量が十分に無いと問題が起きる可能性が有る点。インストールしたいドライブには空きが充分に有るのに、Cには無いという時にもエラーになってしまうのだ。よってCには最低でも1GBは空きが欲しい。理想としては2GB以上。なお仮想メモリの調整を行っていないならば更に必要となるだろう。

 XPであればこの場所は移動可能。システム>詳細設定>環境変数内に有る、TMPとTEMPの両方を望みの場所に指定してやる。


*ゲームをプレイしている途中でスローダウンする

 その他空き容量に関して。ゲームは動作する時にワークエリアとしてCドライブと、自分自身がインストールされているフォルダを使う。よって双方には空き容量に余裕が無いとならない。最近のゲームならば1GB以上の空きは有った方が良い。これ以下ならば増設等を考えるべき。

 なおゲームの作業フォルダはショートカットに設定可能であり(右クリックでプロパティ)、通常は自動的に自分がインストールされたフォルダとなる。もしここが指定されていないと自動的にCを使うようになり、Cに空きが少ない場合にはパフォーマンスに影響が出る可能性有り。



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