FAR CRY 2

                                   08/06/23



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 製作・販売: Ubisoft
 発売予定: 2008/Q3
 日本代理店: 未定




<概要>

 2004年に発売された傑作FPSであるFar Cryの続編。しかしこのゲームを製作したドイツのCrytekは既にUbisoftを離れており(EAと契約して昨年Crysisをリリースしている)、今回のFar Cry 2は名前の使用権を持っているUbisoftの制作によるもので、中でも有名なモントリオールの製作チームがこのゲームを担当している。製作チームのリーダーClint HockingはSplinter Cellの初代&CTの中心人物。

 当然ながら散々聞かれる事だそうだが、CrytekによるCrysisとの比較については「そもそもゲーム性が大きく異なるので比較の対象にはならないし、ライバル視もしていない」とコメントしている。

 当初の予定ではPCのみの発売で、コンソールで出すとしてもFar Cry Instinctsの様にハードに合わせた内容の改変移植版になるだろうとしていたのだが、途中からPC, Xbox 360, PlayStation 3というマルチプラットフォームでの同時発売に変更された。発売予定の2008/03から何度か延期されているが、この対応機種の変更が影響していると思われる。グラフィックス面ではPCのハイエンドクラスに比較すると妥協は見られるが、ゲームプレイの面では全ての機種で全く同じレベルを実現しているそうだ。

 発売時期は現時点では9月の末か10月の初めとなっており、今年の発売というのは間違いない模様。不安があるとすれば、情報が出て来ないマルチプレイ方面の完成の遅れだろう。


<STORY>

 内容的には前作とは全く関連が無く、同じなのはタイトルだけ。主人公Jack Carverを含めて前作の登場人物やその設定とは何も繋がりは無い。Crytekもこのゲームには一切関わっていない。

 今回の舞台はアフリカの某紛争地帯。現在のこの地区では二つの巨大勢力(ギャング団)が覇権を争って戦争を続けている。主人公は傭兵であり、その究極の目的は裏から二つの勢力双方に武器を提供して金儲けをしている武器商人、通称”The Jackal”の抹殺となる。

 舞台としている国は仮想の某国となっており、その理由の一つは現実に存在している紛争との関わりを持つとややこしい問題が発生する可能性があるのと、もう一つはマップにバラエティさを持たせるのを優先した為に、現実には存在しないような目まぐるしく変化する景観を持った国になってしまったという理由。



<自由度>

 FC2の打ち出しているデザインの特徴を一言で言うなら、これまでよりも遥かに次元の高い自由度の実現になる。

 ゲームのマップサイズは50平方kmの広さを誇り、凡その目安としては7*7kmの広さで、1km*1kmのエリアが50個含まれているというサイズ。全体は大きく分けて2つのエリアに分かれており、プレイヤーがある程度のミッションをクリアするまでは砂嵐によって第二のエリアにはアクセス出来ないようになっている。それぞれのエリア内では切り替えのローディング画面無しで移動が可能(バックグラウンドでストリーミング方式)。大きく分かれた2つのエリア間の移動についてはローディングするかどうかを検討中とのこと。

 対立する2つの巨大組織の名はThe Alliance for Popular Resistance (APR)とThe United Front for Liberation and Labour (UFLL)。プレイヤーは2つの対立組織のどちらに味方する事も自由だし(両方に加担する事も出来る)、その他の登場人物の誰と組んでも良いし、或いは敵対しても構わない。ミッションはこういった組織以外からも受けられるが、誰からどんな依頼を受けるのかや、どの程度サブとなるミッションをこなすのかといった選択も基本的にはプレイヤーに任されている。

 だが以上の様な自由度の組み込みは既に他のゲームによっても成されており(達成レベルはともかく)、別にFC2が初めてという訳ではない。そこでFC2では更に高い自由度を実現するシステムを導入している。


 まず第一に主人公の選択が自由である。FC2のゲーム世界における重要人物として13人のキャラクタが予め設定されており、プレイヤーは3人の女性を除いた10人の傭兵の中から好きな人物を選択して主人公とする事が出来る。するとその後選ばれなかった残りの人員の中から、ゲーム中に登場する重要人物が選択されるようになっている。この選択は第一段階としてプレイヤーが選んだ主人公との設定上の関連性から候補が選択され、その後その中から何人かがランダムで選ばれるという方式となり、主人公に誰を選択するかによってゲーム中に出てくる重要人物が変化するし、その人物は同じ主人公を選んでも常に同一になる訳ではないというシステムになる。

 プレイヤーはマラリアで入院していた病院からスタートする事になるのだが、ここからマップ内のどの方面にどういう順番で進もうと自由となっている(上記の2つの分割エリアの制限は除く)。一般的に自由度が高いとされるゲームにおいては、ストーリー進行も重視するという観点から必ずクリアしないと先に進めないイベントが存在しており、それ以外に他のエリアでサブとなるミッションを請け負ったりしても自由、という形の”制限付きの自由度”となっているケースが多い。またそれに合わせて、アクセス出来るエリアもストーリー進行と共に広がって行く形式で、ゲームの序盤ではあまり広範囲にはアクセス出来ないという物が多い。

 しかしFC2では何所に行こうが、或いは行きたくない場所へは行かないのも自由である。更にマップ内の状況も常に一様ではない。主人公として選択した以外の人物(Buddyと呼ばれる)はマップ内で自らの組織を構えて権力を持った存在であるのには変り無いが、プレイの度にマップ内のどのエリアを拠点にしているのかは変化するようになっている。しかもこのゲームの画期的な点は、最終目標の相手を倒すだけの力を蓄えるまで自由にプレイして成長させられるスタイルのゲームという訳では無くて、ストーリー面でのイベントの充実や面白さも用意されているゲームという所にある。つまりプレイヤーは自由に移動して自由な事を行えるが、同時にイベント満載のストーリーも存在しているという意味である。

 ゲーム内に用意されたストーリー関連のイベントは、予め設定されていたシナリオに沿って発生するのが原則である。例えば「A地点で、Bという人物が、Cに殺されてしまう」というイベントが用意されているなら、その発生時にプレイヤーはA地点に居て、それまでにBとCは死んでいてはならなくなる。よってプレイヤーはイベント発生時にA地点に強制的に移動させられるし、BとCはそれまで無敵状態で殺せないという風に置かれる。

 しかしFC2ではイベント発生の度に必ずそこに強制的に向かわされるようにはなっていないし、ゲーム中の重要人物でプレイヤーが殺せない人物は存在しない。だから上の例で言えば、イベントの前にBとCは殺されてしまっている可能性もある。ではこの様にプレイヤーが勝手に振舞えてどうなっているのか予測がつかない世界で、どういう風にして事前に用意しておいたストーリー関連のイベントを実現しているのか?。

 その為に使われているのが、Drama-management Engineと呼ばれるストーリー生成エンジンになる。発生する大きなイベントの根幹の設定自体に変化は無いが、そこに関係する人間が誰になるのかといった点までは決められていないという仕組みである

 プレイヤーの能力が一定値に達した時にトリガーとしてイベントが発生するようになっており、それは「A地点で、Bというキャラクタが、Cという人物の率いるグループに殺され、プレイヤーはCの拠点であるD地点まで復讐に向かう」といったイベントの雛形だけが用意されていて、プレイヤーの状況に応じて未定の枠が埋まるという風に構成されている。つまり発生するイベントの内容は同じだが、誰がそこに関わって来るのかや発生する場所はプレイヤーによって変る。

 そのイベントを効果的に見せるには、それなりに重要度が高い人物を絡ませないとならない。いきなり名前しか知らなかったような人物が重要な役割としてストーリーに割り込んで来ても効果が無いからである。しかしゲーム内の登場人物とどんな関係にあるのかや、それがどの程度深い関係になるのかはプレイヤーによって変化する。そこでイベントに関わる人物の決定には、History Ratingという内部的に管理される値が用いられる。これはそれまでにプレイヤーがそのキャラクタと、それが敵にしろ味方にしろどれだけの関わりを持ったかという値で、ここから誰がどの役割を担うのかが(ランダム要素も伴って)決定されるようになっている。

 例えば上記の例では、”殺されるB”はその時点でプレイヤーと2番目か3番目に仲の良いキャラクタ(Buddy)のどちらかで、”敵役となるC”は敵のランクで3-5番目に位置する人物の一人がランダムに選ばれるといった具合。つまりイベントの配役や設定は常に変化するが、重要な役割に配役される人物は決してプレイヤーに馴染みの無い人物にはならないというシステムである。これによって「リニアでストーリーを重視したシングルプレイ用ゲーム」に負けないだけのストーリー性が、完全な進行の自由度と両立させられるとしている。

 またストーリー性の濃さを実現する為に、登場する可能性を持つ全ての人物に対して、多彩な会話のパターンが予め用意されている。その人物がプレイヤーに対して敵か味方なのか、どの程度の親密度や敵対度なのか、プレイヤーの現在の世間での評判、現在のゲームの進行状態といったシチュエーションに応じて、会話の内容やニュアンスはちゃんと変化する。その為に固定されたスクリプトを持つゲームに比較して数十倍の会話データが作成されているそうだ。




<GAMEPLAY>

 ゲームのプレイ時間は平均で30時間程度を想定。メインのミッションだけを追うならば最短で12時間でもクリアは可能としている。(追記)最近のインタビューでは50時間位掛かる可能性もあると話しており、ボリュームに変化が起きた可能性もある。

 ゲーム内の環境はサバンナ・砂漠・ジャングル・草原・集落と多彩。世界にリアリティを持たせる為にダイナミックに変化する天候を用意しており、これは単純に用意された天気のパターンが切り替るというのではなく、アナログ的な切り替えが行なわれるようになっている(後述)。昼夜のサイクルも導入されていて、夜を待ちたいのならば時間を早く進めたりは可能。

 野生の動物は存在するが、野生のライフサイクル(生態系)のシミュレーション要素は導入されていない。またプレイヤーが野生動物と戦ったりの要素も存在しない。一時はアイディアとして出たりもしたが、ハードのリソース的な問題と、組み込んでも面白く無さそうという理由でカットされている。

 ゲーム内の通貨はダイヤモンド。ミッションの成功報酬は通常これで支払われて、商取引もこれを使って行う。


 基本的にHUDは出さない方針で、マップへのアクセス等は実際の画面上で地図やコンパスを取り出して行われる。その動作は全てリアルタイムで、敵との戦闘中や車での移動中に地図にアクセスしたりは危険を伴う行為になる。地図は1km四方区切りの物となり、プレイヤーを過度に惑わせないように、注目点には自動的に印が表示されるようになっている。携帯電話も持ち歩いており、時々依頼の電話が知り合いのNPCから掛かって来たりという風に使われる。

 Vehicleは14タイプにバリエーションを加えて全部で40種類以上。バギー、4X4、ジープ、ATV、モーターボートの他に御馴染みのグライダーも含まれているが、ヘリの様な航空機系は操作出来ない。ダメージモデルは現実の物に近くなると共に複雑化されており、例えばサスペンションの壊れた車で走り続けると、よりその部分にダメージが加えられて行くので段々と走りに影響が出て来る。破損による外観の変化も前作より細かい。

 物理エンジンにも力が入れられており、一般的に破壊可能とされる硬度の物は全て破壊可能で、しかも決まった場所から折れたり割れたりではなくピクセル単位で破壊表現を行なえるという能力を持っている。代表的なオブジェクトとして木々などはピクセル単位での破壊が可能。炎の燃え広がり方は風向きに応じてリアルタイムで変化するという様になっており、風が強ければ隣の建物に燃え移ったりと炎の動き方には物理エンジンが使われている。風向きによっては最初の草木から次々に建物へと燃え移り、広大な範囲を焼き尽くす事も起きる。よってこれを利用して敵の拠点を炎で攻撃するというのは非常に破壊力の高い手段になっている。ただしこの方法だと、クリア後に焼け落ちた建物の中からアイテム類を入手出来なくなるというデメリット有り。


 ゲームを通じてプレイヤーに深く関連する要素が2つ存在している。一つはInfamy Rating。悪名値、評判といった意味合い。プレイヤーのその世界での振る舞いに応じて付けられる能力ランキングの様な物で、プレイヤー自身は値を知る事が出来ない隠しパラメータ。ミッションのクリア状況に応じて上昇し、それは言ってみればこの紛争地域での知名度を表す。この値に応じて大物権力者からの大きな仕事が舞い込んだり、敵対組織から命を狙われる様になったりで、ストーリーが進行するというシステムである。なお必ずしも残虐に殺しまくり”悪人”として有名になる必要は無いようだ。

 もう一つはマラリア。プレイヤーはゲームの開始時点からマラリアに侵されており、絶えず薬による治療を行わないとならない。病状に応じて20-40分に一回薬を飲まないと身体能力が落ち始める。(具体的にはHPの最大値が段々と低下し始める)。問題はこの治療薬が基本的に一般人のNPCからしか手に入らないという点にある。所々に存在する街でNPCから貰ったり買ったりするのだが、プレイヤーの評判が悪い方に高い場所では、NPCは家の中に隠れてしまい薬が手に入れられなくなる。ゲームのシステムという観点から見るなら、街中で暴れたりして戦闘・強奪をする行為は武器・アイテム・車両系を手に入れたりするには有利に働くが、やり過ぎるほどマラリアの治療薬が手に入り難くなり不利となるという設定である。仲の良い状態の街がマップ内に多いほど、切れてもすぐに近くで補充が可能なので有利となる。ただし切れて危ない状態になってもやり直したりする程のペナルティは無く、強制イベントとして治療薬を手に入れるミッションをこなさないとならないという設定になっている。


 権力を持つ人物として自らの拠点を持つ多数のNPCとの協力体制をどうするのかはプレイヤーの自由であり、殺してはならないという制限もない。(ただし強い人間は多数の護衛に守られた建物内に居るので、敵の首領格を簡単に殺せる訳ではない)。ただ考えも無しに次々に戦いと挑むというのはゲーム上有効には働かない。依頼されるミッションを達成したりしてその人物に協力するほど親交度が増して行き、彼の持つテリトリーを自由に使える様になるからだ。獲得した武器類を保管しておく場所としても使えるし、追われている時に逃げ込む場所にも出来る。セーブを行える場所としてのセーフハウスも、安心してアクセス出来るエリアが多いほど増える事になる。

 友好的な組織からミッションを受けると、そのメンバーが一緒に付いて来たりもするので有利となる。行動の指示が出せるようなシステムは無いが、特定のポイントではプレイヤーが爆弾をセットする間に敵を近づけないように自動的に援護してくれたりと役に立つ。ミッションが成功するほど親密度は増して行き、同行するメンバーが増えたりとより有利な立場でミッションに挑めるようになる。しかし紛争地域には2大勢力を中心とした派閥が存在する為に、全てのNPCと仲良くするのは不可能で、特定の組織と行動を共にするほど、そこと対立する組織からは当然嫌われるようになる。どちらの組織ともそれなりに仲良く付き合うか、片方に強く肩入れするのかはプレイヤー次第である。

 所々に点在する街は中立地帯と設定されており、両軍もそこでは原則的に撃ち合いはしない。だがプレイヤーはその中でも銃を持って行動する事が可能で、攻撃したければ街中の兵士を撃つ事も出来るし、車を盗んで逃げるとかも可能。ただし以後はその街には近寄り難くなるし、マラリアの治療薬も手に入りにくくなる。



<COMBAT>

 武器の購入は稼いだダイヤモンドで行う。一度買った武器はマップ内の全てのセーフハウスに置かれるという設定になり、武器交換はどこのセーフハウス内でも行える。用意された武器は30種類以上。全て実在系でSFタイプの物は存在しない。武器の所持はスロット方式となり、片手用と両手用の他にグレネード系のスロットが用意されている。各タイプを複数所持して途中で切り替えるのは可能なのかは不明。それと武器自体の改造要素については可能なのか分からない。

 各武器にはCall of Duty 4の様なSpecial Challengesが用意されており、指定された条件をその武器で達成すれば”マニュアル”がアンロックされる。(例えばナイフを使いステルスで5人以上の敵を気が付かれずに殺す等)。マニュアルとは武器の扱い等が書かれたガイドで、武器の販売所等で購入が可能。アンロック後にこれを実際に入手すると、武器のダメージや正確性がアップするという設定。Special Cahllengesに幾つもの段階が有るのかは不明。

 武器に関する大きな特徴としては故障の概念が存在しており、長い時間使い続けると銃は痛んでジャムを起こすようになって、最終的には壊れてしまう。よって戦場で敵の落とした武器を拾って戦うという行為も必要となる。これに関連して、武器がどれだけ傷んでいるのかは外観からもすぐに判断可能になっており、沢山の武器が落ちている際に見た目で程度の良い物を選択するのは簡単とされている。

 回復のシステムは仕様が変った。最初の段階ではダメージを受けたら安全な場所を確保してから、ナイフでその弾を取り出し包帯を巻いてという風に時間を掛けて治療を行うという設定にされていた。しかしこれだと戦闘中の治療の時間が長くてテンポが悪くなるという事で、ブロック式自動回復に切り替わっている。

 最近のゲームではMoH: Airborneで使われていた方式で、HP全体が数個のブロックで構成されており、そのブロック単位でならばダメージを受けても少し待てば自動的に回復する。しかし一つのブロック全体がダメージを受けて消えてしまうと、そのブロックはメディキットを使わないと回復出来ないというシステム。ブロックの数は全部で5個で、持ち歩けるメディキットの数は最大3個。ただしマラリアの治療状態によってブロックの最大値は減少して行く。

 死の扱いも独特な方式を採用しており、プレイヤーのHPが無くなってもすぐに死ぬとは限らない。もしプレイヤーに仲の良いBuddyが存在する場合、その人物が(その戦闘場所に一緒に来ていなくても)その場に登場してプレイヤーを助けてくれるようになっている。(ある程度その仲間の近くのエリアでないとダメとかの制限が有るのかは判らない)。Buddyはプレイヤーを安全な場所へと引き摺って行き、そこでプレイヤーにピストルを渡してから(武器は落して無くなる)一緒に戦ってくれるようになる。もしプレイヤーが誰とも仲良くせずに戦っている場合には、この援助は受けられずに最後のセーブ地点からやり直しとなる。


 戦闘時の行動ルートの自由度も健在で、マップ全体にアクセス出来るので目的地点をどの方向から攻めるのかという自由度は前作以上。地形的な障害物さえなければ360度全方向からの襲撃が可能となっている。真正面から銃撃戦を挑むかステルスで行くかも自由。スナイパー・ライフルで遠くから攻めるのか、ナイフを使って近距離戦を挑むのかもプレイヤー任せ。更に今回はゲーム内世界で時間がちゃんと流れるようになっており、AIの状態も時間帯によってシフトを交代したり見張りが減ったりと変化が生じるので、夜を待ってから襲撃するといった変化も付けられる。

 AIはマップ内にちゃんと生息しており、スクリプトによる動きは一切組み込まれていない。見るまでは信用出来ないが、「そういう事を言っておいて実際にはそうではないゲームも有るようだけど」とコメントしており自信はあるようだ。通常の状態でもAIは固定された場所にずっと居るのではなく、時間帯によってパトロールで巡回したり、会っては会話をしていたり、部屋で休憩したり夜は寝たりと、ランダム性を含んだ多彩な動きを行うようになっている。ただしAI同士が自発的に動いて戦い合い、プレイヤーの知らない所で世界情勢が変化するという要素は無いようである。

 戦闘中のAIは自発的にカバーを探して隠れたり、倒れた仲間を引き摺って助けたりと賢い動きを見せ、その行動及び戦闘能力は難易度によって変化するという点は前作と同じ。天候や時間帯によって行動や認識可能距離が変化するし、ダイナミックに動いた障害物をカバーとして認識も可能。Vehicleを自動的に認識して使用出来るようにもなっている。なお敵は人間のみで、前作の様にミュータント等は出て来ない。



<GRAPHICS>


 Far Cryのコンソール版を製作する際にCry Engineを使っていたが、このゲームのアイディアを実現するには能力的に不可能と判断し、ごく一部のコードを残して全くの新しいエンジンを制作している。その完成した新エンジンはDunia engineと呼ばれ、DX9の他にDX10にも対応。SLIやCrossfireへの対応も進められている。

 DX10ならではの機能も使用しているが、DX10ならば大きく異なるクオリティのグラフィックスを体験出来るのか、それとも大きな差は無いレベルに押さえてパフォーマンスのアップの方に力を入れるのかは、以前のインタビューではまだ決めかねていると話していた。ただ現時点でもまだMSやNvidiaが全面的な支援には現れていないので、それ程DX10限定の機能を使っている訳では無さそうだ。


 特徴の第一は完全なダイナミック・ライティング。よく使われる”Fully Dynamic Lighting”はどこまでを含むのかの定義が厳密ではないので気軽に使われたりするケースもあるが、このゲームでは太陽光線まで含めて完全に計算される。
 また”Dynamic Ambient Lighting”と呼ばれる間接光(ラジオシティ)の表現を導入しており、反射した柔らかな光を使う事でリアルなライティングを可能にしている。

 また空の表現にはプロシージャルテクスチャ(計算されて生成されるテクスチャ)を使用。大気の状態に応じてリアルタイムで変化するので、空のグラフィックスが現実の物の様に見えるのも売りである。

 その他では木々の様な同形状のオブジェクトをランダムに変形させて、全ての形状が異なるような計算を行っており、同じ形状の物が並ばないので作り物っぽく見えないようになっている。またLivePostureと呼ばれる新アニメーション方式を導入。例えば草木が風で揺れるのに全ての草が均一に動いたりせずに個別にアニメーションをさせたりが可能。

 次に多数の小さなテクスチャを重ねて上手く使う事で、データ量が少ない状態でも単調には見えない複雑なテクスチャ表現を実現し、コンソールの少ないメモリでも広大なエリアをリアルに描画可能になっているのも優れている箇所になる。このシステムを応用して多数のキャラクタの外見(ノーマルマッピング)を変化させ、同じ様に見える人物が二人と存在しないような工夫も行われている。

 天候表現は多数のスライダーによる描画方式を実現。雨・風・雲といった要素をスライダーで変化させられるので、単純に雨の天気は何時も同じ様に雨といった均一表現ではなく、アナログ的に無限の組み合わせが可能な天候のバラエティさを実現。更にそれがリアルタイムで移り変わる表現をも可能にしている。

 PCでの最低動作環境はコンソールへの移植技術を徹底して研究した結果、少ないメモリでも動作させられるようになったので当初の予定よりは大幅に下げられそうだとしているが具体的な発表はまだ無い。



<MULTIPLAYER>

 専用チームを設けて製作しているが詳しい内容は依然として未公開。最大で16人まで参加可能で、FPSでメジャーなタイプのゲームモードは網羅するとは言っている。ネットコードの方も前作に比較すると軽いという話。Coopはゲームのシステム上、実現が複雑過ぎるのでカットされている。

 エディターがコンソール版にも提供される。これまでのFPSの歴史上最も優れたエディターと語っており、そのクオリティには自信が有るようだ。


<総論>

 前作のFar Cryはそれぞれのマップ内でのアプローチの仕方が自由というゲームだった。しかし今回は何所へ行って誰と仲良く(敵対)しても良いというゲームになっており、確かに似ている点は多いものの根本的にゲーム性が異なる作品と考えた方が良さそうである。

 別に自由度が高いほどゲームが面白くなる訳ではないのは言うまでも無く、「何でも好きな事をやって良い」とプレイヤーに対して提示した場合、逆に今から何をやって良いのか焦点が散漫になって、漠然とし過ぎていて詰まらないという風に受け止められる危険性もある。このゲームではストーリーの自動生成機能を用いて、最初からスクリプトとして用意されていたかの様なストーリー性を持たせるとしているが、それがどの程度上手く機能するのかは未知数。

 またかなり長いゲームになる模様だが、プレイヤーの興味をどうやって持続させるのかもポイントになりそうだ。例えばRPGではプレイヤーが成長して使える武器や魔法が増えて行くという形で長時間のプレイでも飽きが来ないようにされているが、このゲームの様にリアル系寄りで敵は全て人間という設定のFPSでは、戦闘の感覚は最後まであまり大きく変化しない。そうなるとプレイヤーを長時間惹き付ける為には、その他の要素が優れていないとならなくなる。
 一例として最近のゲームだとS.T.A.L.K.E.R.では、その魅力の多くはチェルノブイリ事故後の周辺地域のマップにおける独特な雰囲気に拠る所が大きかった。プレイ時間も比較的長いゲームだが、他のゲームでは味わえない魅力的な雰囲気のマップ内をさ迷い歩いているだけで面白く、長い時間を飽きずに過ごす事が出来た。よってこのゲームでもアフリカの雰囲気をどこまで出せるか、単に移動して景色を眺めているだけでも面白いという風に出来るかという、マップのリアリティとバラエティさがゲームの評価を大きく左右しそうである。


 戦闘面では公開されているムービーからは直線的で豪快な戦い方が目立つが、この辺は難易度によってAIの動きを変えるそうなので、慎重に進めて行くようなプレイは当然可能と思われる。ただCrysisがFCでの難しさを反省して難易度を調整した様に、このゲームでも標準的な難易度ではFCの様な厳しさは無さそう。そこそこ荒っぽいプレイも可能なバランスで、幅広い層に受ける狙いはあると思われる。実際の所現時点では自由度やマップ構造に関する情報が多く、戦闘における詳しい仕様やバランスは判明していない。他の面に力を入れるあまり、基本となる戦闘について妙なバランスになったりしないように願いたい。



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