☆ SHADOW OPS: RED MERCURY ☆          目次

  04/10/08

基本データ 291MB       Zombie / Atari       公式サイト
最低動作環境 Pentium III 1GHz / 256MB / VRAM 64MB Hardware T&L対応
GAMEPLAY  2002年のMedal of Honor以来、FPSの世界ではシネマティック・シューターなどと呼ばれるゲームが流行している(戦争映画の中に入り込んだような感覚でプレイ出来る、史実の再現性と雰囲気の表現に力を入れたFPS。スクリプトによる演出に凝っているのも特徴)。Call of Duty(Activision), Men of Valor(Sierra), Brothers in Arms(Ubi Soft), Medal of Honor: Pacific Assault(EA)等大手会社の話題作が存在しているが、Atari(Infogrames)からの該当作品がこのSORMになる。
 ただしこのSORMは他の同種のゲームと異なり、現代戦で仮想の核爆弾盗難に絡んだテロリストとの戦争を扱っているのが特徴となる。既に今年の6月にXboxにて発売済であり、PC版(DVDのみでのリリース)もつい先日発売されている。このデモはシングルプレイのみで一つのミッションがプレイ可能。

 このゲームに関しては情報段階で期待と不安が混在していた。期待はAtari側が相当本気で取り組んでいるらしいという点で、現代戦の軍事アドバイザーを採用してデザインチームに入れたり、この手のゲームで非常に重要とされるサウンド関連についてはハリウッドでも著名なSoundelux社の協力を得てTHXの認証も受けている(非常にクオリティが高いという一種のお墨付き)という具合。後はエンジンにUnrealエンジンを使用という事から、一応一定のクオリティは保てるであろうという点。
 一方で不安は製作がZombieという点で、過去にSpec Ops(1998)にてアル系とも呼ばれる特殊部隊物のゲームの先駆者となった会社だが、同年から発売されて現在でも続いているRainbow SixDelta Forceシリーズの前に、その後の続編も太刀打ち出来ずに消滅。その後はパッとしないアドオンを製作した程度であり、これだけの大作が任せられるのかどうかという所に不安があった。

 ゲーム内容は特にXbox版から変更はされていないようで、主人公Frank Haydenとなりミッション毎に異なる装備武器(全20種類以上)を駆使しながら、世界各地にて全14ミッションをプレイしていく。特殊部隊の一員として行動はしているが、ゲーム中の行動はほぼ単独ミッションのみとなっている。一人称視点固定で、マップ内に落ちているヘルスパックにて体力回復を図るというアクション重視のランボー・スタイルのゲームである。難易度はInfantry(Normal)の他に、更に難しいレベルが2つ上に用意されているというコンソールに多い仕様。
 ゲームのスタイルはシンプルにトリガーによって出現する敵を次々に倒して行くという物で、進行に応じて無線で指示が出るのでそれに従って進んで行く。このデモもそうだが進行は完全にリニアであって分岐は無い。

 戦闘については武器の発射モード切替も無くコンソールを重視したと思われる作り。普段はLean出来ないが、ズームをするとその状態から左右移動キーにてLeanになるというパッドを意識した操作性となっている。Grenadeも武器との切り替えなく単独キーにて投げられるタイプ。
 敵の動きは非常にシンプルであり、通常はその場から動かないか単純にこちらに向かって来るのみ。或る程度障害物に隠れたりはするが、基本的にはスクリプトによって動いているらしく単純である。味方もただ居るだけという状態で頼りにならず、このAIに関しては敵味方共に大きな弱点という印象である。
 ただし敵の数が非常に多く、虫の様に次から次へと湧いて来るので厳しい面も。ロケットランチャーを持っている敵も出現場所が分かるまでは脅威となる。難易度を上げているのがプレイ中にSaveが一切出来ない点で、Quickは勿論の事Checkpointすらない(これは製品版でも同様で一切Saveは出来ず、死んだらそのミッションを最初からやり直し)。このデモにおいても最後までクリアするのに十分なヘルスは存在するのだが、出来るだけ取らずに置いておき、危なくなったらその場所まで戻って補充という面倒な移動が出てくるのは避けられないだろう。一発でクリアというのも困難と思われる。

 バグとしては日本語Windowsというのが関係している可能性も有るが、キー設定のZoomとReloadが自動的に同じキーに設定されてしまい、これはiniを直接操作しても直らない。よってゲーム中はReloadが出来ないという状態になっている。

 しかし上記の様なAIの出来や完全にリニアといった問題にもかかわらず、それ程にはXbox版でのゲームの評価は低くない(60-70点程度が多い)。Save出来ない点についても、難易度に関してはこのデモのMapを含めた序盤が非常に厳しいバランスであり他はそうでもないという話である。販売価格もPC版は$29.99とメジャータイトルに比較して安い設定となっており、その辺は販売においてプラス点と考えられる(逆にPC版は重視されていないとも言えるが)。

GRAPHICS

SOUND
 グラフィックはそこそこで、あまりインパクトを感じる部分は無し。武器のモデリングは細かいと思ったが(正確なのかは分からない)、発射のエフェクト等もやや寂しいという印象。シネマティックというからにはそれなりのリアリティを感じさせる面が欲しいところであり、2004年にこれではちょっと能力不足である。Teen仕様なのでBlood表現も削除されているし、死体はすぐに消えてしまうので雰囲気が出ない(Ragdollは有る)。

 サウンドに関しては、Xbox版においては全てのレビューにて「最も優れているのはサウンド」と書かれる位に素晴らしい出来だそうだが、このデモでは残念ながらそれ程の凄さは感じられず(砲撃等の派手な面が無いのも影響しているかも)。PC版では5.1chサラウンドからEAX対応へとシフトしたそうだが、その辺の違いも有るのか?

その他  PC版に向けてのインタビューでは、「この手のゲームはマルチが重要視されるので、シングルはそのままにしてマルチのコンテンツの充実に全ての力を注ぎたいと考えている」と話していたが、参加人数や収録マップ数は確かに増えているもののクオリティに関しては未知数。特に新規なゲームモードというのも無いようだ。マルチが重要であればマルチデモを出した方が良かったような気もするのだが。


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