<Direct X Q&A Vol.1>

 02/07/02


                       他の項とダブる物もあるが、統合的な一問一答形式の解説コーナー


Q:最初からWindowsに付いているのか? 或いは入手方法は?
 WIN95には付いていない。WIN98から標準で搭載される事になった。DXその物はゲームを買えばCDに入っているし、無償のプログラムなのでMicrosoftからダウンロードも可能。

Q:Direct Xの後に付いた数字の意味は?
 これはバージョンを表す。古くはDirect X2.0から始まり3.0、5.0と進化。この5.0の時にWin(98)に標準搭載となった。その後もバージョンアップを重ねて現在は8.1まで出ている(2002/07/01現在)。XPだと最初から8.1がインストール済み。当然数字が高いほど新しいので高機能である。なおそれぞれの最終バージョンは正確には6.1,7.0a等となっているのだが、一般的には単に6,7と称される事が多い。

Q:ゲームをやるのに必ず要るのか?
 市場に登場したのはWin95の発売後だったのだが、初期バージョンは問題も多くそれほど広まる事は無かった。そもそもWin上でゲームを動かす為のプログラムなので、当時の中心であるMS-DOSのゲームには関係が無かったからだ。その後バージョン5から一般化しだし、99年頃にはほとんどのゲームに採用されるまでになった。現在では必須と言って良いだろう。

Q:自分のマシンのDirect Xのバージョンはどうやって確認するのか?
 まずはWIN98ならばバージョン5以上にはなっているはず。WIN95という人だとインストールされていないかもしれない。何らかのゲームを以前にインストールした事がある場合は、そのインストール中に新しいバージョンのDXがインストールされた可能性はある。これはDXのテスト(Dxdiag)の項を参照して欲しい。

Q:自分のマシンの現在のDirect Xのバージョンは確認出来た。これが自分のマシンの対応出来る限界という事なのか?
 これは違う。単に新しいバージョンのDirect Xをまだインストールしていないだけで、ハードのドライバも更新すれば問題無しという事もあるからだ。買った時のバージョンが限界という事ではない。

Q:Direct Xさえあれば(正常に機能していれば)ゲームには問題無いのか?
 ほとんどのゲームはDXベースで製作されているので問題無し。ただし中にはグラフィック系処理にDX内に含まれるDirect 3D(Direct Graphics)を使わずに、グラフィック処理のみはOpenGLと呼ばれるワークステーション系マシンでの標準APIを使っているケースもある。この場合はビデオカードがOpenGLに対応していないとならない。しかしこういったゲームでもその他の処理(サウンド等)の為にDXが必要な物がほとんどであり、必要であるのは間違いない。

Q:標準搭載なのに、何故「お使いのハードウェアがDirect Xに対応しているのか確認して」となるのか?
 MSではDXをマルチメディア用プログラムと位置付けているが、これは端的に言えばゲームをやる為のOS機能拡張プログラムである。よって誰にでも必要となる物では無い。オフィスでのビジネス使用には必要無いし、個人でもメールとネットで使用するだけという人には基本的に不用だ。
 ここで考えて欲しいのがDXとPCの性能の関係で、バージョンの高い物ほど「高機能=PCに高度な性能を必要とする」という事になるのは当然。となるとDXの進化に合わせて全てのマシンを製造すると、ゲームをやらない人のマシンまでも高価格になってしまうという弊害が生じる。そこで必要と思われる人だけDXとそれに適応したハードウェアをバージョンアップしてもらうというシステムになっているのだ。よって自分のマシンがどこまで対応しているのか確認が必要になるのである。

Q:ハードの処理能力との関係は? 昔のマシンでも遊べるのか?
 昔のハードや安いマシンではDXの対応以前に処理能力的な問題がネックになる事が考えられる。その為にDXの対応云々よりも、まずはやりたいゲームの最低動作環境と自分のマシンの性能を比較するのを先に実施すべき。ゲーム用PCではせいぜい3年程度が持つ目安と考えておくべきであり、現在(02/06)で言うならば1998年までのクラスのマシンの場合は先に買い替えを検討すべきだろう。その時に新規マシンにてDXでの対応等を考えるべき。

Q:実際のところ自分のマシンがハード的にどのバージョンまで対応しているのか確認するにはどうする?
 実際問題としてはそのハードウェアがあるDXのバージョンに対応しているのか否かというのは、そのDXのバージョンに対応したドライバが用意されているのかで決まる。別の面から見ると、高性能だがドライバのサポートがないハードウェアは未対応同然だし、それより性能が落ちてもドライバが提供されている物は対応製品となるわけだ。この辺りは長くなるのでドライバの解説等を参照の事。

Q:取りあえずDirect Xの最新版をインストールしてみて良いのか?
 最新版のDXをインストールする事自体は基本的にはどんなマシンでも出来る(と言うか出来てしまうというべきか)。しかしこれは危険が伴う。まず第一にDirect Xは普通のアプリケーションでは無くシステム(OS)の一部なので、一度インストールするとWinのシステム自体を書き換えてしまう。そしてこれはアンインストールが出来ない(後から前のバージョンの物を上書きインストールは出来ない)。その為最悪のケース(非常に古いマシンほど危険)ではシステム自体が不安定になり起動すらしなくなる可能性もある。

Q:知らずに最新版をインストールしてしまったのだが?
 ゲームをインストールする時に「このゲームの動作にはDirect X ○○が必要です。インストールしますか?」と出て来たのでやってしまったというケースも考えられる。もしこの状態でWinそのものの動作が変になったならばdxdiagを起動して<ディスプレイ>タブを選択、ここで中段に表示される各機能を使うかどうかの選択設定にて、Direct Draw,Direct 3D,AGP Textureの3つを全て無効にする事で回避出来る可能性はある。dxtoolの場合ならば起動画面にて同様に有効のチェックを外す。
 だがこれをやると基本的にゲームが出来なくなる。新しくDXを落としてみたら変になった場合は上記の様な方法でシステム自体や一般的なプログラムの保護は出来るが、DXの機能を一部動かなくしているのだからゲームは起動しなくなる可能性が高い。根本的な解決はWin自体の再インスト。DXのUnistallツールというのも見掛けるが動作保証は無い。

Q:Direct Xは下位互換性があるのか?
 最新のDirect Xさえあれば昔のバージョンのDXを要求する古いゲームでも問題無く動くのか?という事だが、これはやってみないとわからない。互換性はかなり高いが、中には動かない物も存在する。これはバージョンが離れるほど起きる可能性も高い。この場合はアクセラレーションの能力を下げるという手段で動く可能性はあるが、ここではスペースの関係で説明は省略。


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