☆ 1916 - Der Unbekannte Krieg ☆             目次

  13/12/14


データ  制作: Kriegsgraben und Stormvogel         公式サイト     Indie DB

 2011/03 リリース  59MB

 パッチは存在しない。単体ダウンロードの他にDesuraにも登録されておりダウンロードが可能。


  DADIU(デンマークの国が支援しているゲーム開発者養成学校)の生徒12人による共同作品。製作期間は一ヶ月。リリース後の評判の良さもあって地元のMacbody gamesが内容を大幅に拡張した製品版として開発する事を決定し、この作品のチームリーダーDavid Adlerをスカウト。その後開発資金の目処もたって2013年リリースを目指している、というニュースが2012/01にあるのだが、その後どうなったのかについては情報が無い。

動作環境  WindowsとMac版あり。Unity 3D Engineで制作されており、ブラウザでのプレイもサポートされている。

 必要環境の記載は無い。選択可能な解像度は2種のみ(16:10)。

BASICS  サブタイトルの“Der Unbekannte Krieg”とは「知られざる戦争」といった意味。舞台は第一次世界大戦中の1916年。たった一人で塹壕の中に到達した若きドイツ軍兵士が、塹壕の中から脱出する事を目的として行動するサバイバルホラー。


 雰囲気を重視する為にゲーム内部で見付かるドキュメントは全てドイツ語表記となる。メニューで選べる言語は操作方法の解説画面でのみ機能する。よってストーリー関連については私は理解せずにプレイしているのをお断りしておく。

*操作キー変更画面はランチャーにあり
*マウス感度は変更出来ない
*セーブ機能は一切無し

*EキーによるUse操作は人体に対しては押し続けないとならない
*フレア, ライフル, ガスマスクといったアイテムは入手しないと使えない
*HUD表示は無し


GAMEPLAY  まずは特異な設定から書き始めるべきであろう。主人公である兵士が塹壕の中で敵として遭遇するのは恐竜、しかも一部をロボット化されている怪物である。これにはどういう意味があるのか当然ながら気になった訳だが、とても深い意味があるというのでは無いそうだ。

 舞台はWWIで主役は兵士だが、兵士同士の戦争物ではありきたり過ぎて没。そしてテーマとしてはホラー物で、プレイヤー側には敵を倒す手段が無く逃げ回る事しか出来ないというタイプにしたい。ここでWWIの状況を考えてみた場合、この戦争では数年に渡って延々と続く塹壕戦で知られており、その状況化では最早お互いの兵士同士は何の為に何と戦っているのかも解らない混沌とした精神状態に置かれていたのではないか。この戦闘の無意味さと言い知れぬ恐怖感を表現するに当たっては、そこに恐竜を持って来て戦わせても“馬鹿げている争い”というレベルでは同程度。よってそういう設定にした...という話らしい。要はストーリー上是非とも恐竜が必要だったのでは無くて、一方的に追い掛けられるというタイプの敵として適任だし、戦争の無意味さを比喩的に表す上では絶対に有り得ない敵という意味でも適任という判断で決めたようである。なので極限状態における兵士の幻覚みたいな捉え方でも良いのかも。


 塹壕の中は迷路の様になっており、たった一つのハシゴを見付けて脱出するのが目的。セーブ機能が無いので、繰り返しトライして死にながらルートを憶えていく死にゲースタイルとなる。モノクロ表示で塹壕の中は似た様な風景が続くが、エリア毎に名称が付けられており、随所に案内矢印が存在するのでルートを記憶する助けにはなっている。完全にクリアルートが解れば10分以下でクリアも可能だと思うが、難易度が高いのでそこまで到達するには結構時間が掛かるはず。

 運次第だが中間地点となる部屋を早く見付けられるかどうかがポイントで、ここには全体地図が在るのでこれを記憶すれば移動に関しては相当楽になる。


 プレイに関連して先に言及しておくが、スプリント時の画面揺れが激しいので注意。Kane & Lynch 2: Dog Daysの手持ちハンディカムを連想したが、あちらは設定でオフにする事が出来たのに対してこちらはそれが出来ない上に一人称視点である。そして逃げ回る事から頻繁にスプリントが必要となる。よって頭部が激しく揺れるFPSでは酔うという人は、残念ながらこのゲームは避けた方が良いと警告しておく

 襲って来るメカ恐竜への対応策は3つ。兵士の死体から体の一部を切り取って持つ事が可能で、これを餌として投げてその間は気を逸らせる。兵士の死体は多いので尽きる事は無いと思うが、手に持っている一つだけしか携帯出来ない。次にフレアを投げて一時的に敵を怯ませる事も可能。こちらは複数個を持ち歩ける。残り数は視点を下にやって腰に差している物を見てカウントする方式。最後はライフルだが、これも敵を怯ませる事が出来るのだと思う。当然倒せないし、また効いているのかも良く判らなかった。弾薬はやはり視点を下げて確認する。

 ここで厄介なのがスプリントと同様に投てきのモーションで、非常に大袈裟なモーションで且つ凄い重量物を投げるかの様に放る為に、狙った場所に投げるのは慣れないと困難。

 ヘルスの方は自動回復らしく、連続で攻撃を喰らわなければ助かるようだ。しかし襲われて視点を揺さぶられている状況ではフレアや肉を的確に投げるのが難しく、そのままハメ状態にされて殺されてしまう危険性もある。


 ホラーとしてみると、追われる一方の展開の焦燥感, 細くて見通しが効かない塹壕内にて移動中の恐竜との鉢合わせ遭遇, 塹壕外への爆撃による突然のショックエフェクト, ビックリさせる仕掛け、といった感じで構成されており、突然驚かせるというショッキング系の方がメインで雰囲気的にはそれ程怖くない。追って来るのが恐竜という突飛さもあり、正直言って怖さよりも違和感の方が上回っている。

 ただし怖くは無いのだが、モノクロで描かれた死体だらけの塹壕内の陰鬱な雰囲気はとても良く出来ていると思う。グラフィックスの独特なタッチは高く評価すべき所だと言えよう。

評  価  難易度が高いというよりもセーブが出来ないのが最大の欠点で、せめて中間地点の小屋でセーブ可能にして欲しかった。恐竜が二体出るようになってからは挟み打ちされて詰んだりと難易度が上がり、死んではまた最初からの繰り返しとなるのでストレスが増してくる。後は恐竜の追跡能力からして、バランスを取る為に物を投げるのをもっと正確に行える方が良いだろう。評価にあまり良い点を付けていない人の多くが難し過ぎる(セーブが出来ない)という点を挙げており、もうちょっとそこが調整されていれば更に良くなったはず。

 ポイントはWWIと恐竜の組み合わせをどう感じるのかになる。個人的には制作者の意図は理解した上で、やはり違和感が拭いきれなかった(ドイツ語のドキュメントにそれに関連する納得の行く解説が在るのならば話は変わるが)。Indie DBでの平均評価はかなりの高得点だが、その理由からそこまでのレベルでは無いかなという意見。だがしっかりしたストーリーを付けて敵の種類も増やし再構成されるらしい製品版には期待出来ると思う。


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