ごあいさつ

いのちの祭り実行委員長
石塚ゆり子

 

1999年深まりゆく秋。ノストラダムスの予言は見事にはずれ、今、こうやって平凡に生きていられて、幸福です。  
さて、本日のテーマ「いのち」ですが、このコンサートの実行委員は、我が子の出産から始まる数々のエピソードを持つ母親たちの間から誕生しました。病院は必ず人間がお世話になるところですが、その中で産科は、ただひとつ、喜びに包まれた場所です。しかし、その産科の喜びの中でも、時々見舞われるアクシデント。そこにNICUがあり、生まれたばかりの人間を救ってくれる場所がありました。そのNICUのスタッフの献身と愛情があってこそ、私たちは少しづつでも立ち直る事ができたと思っています。  
やっと退院できたとしても今度はいろいろな訓練・療育に奔走しなければなりません。障害は個人一人一人によって様々で、また、現在、川口市には、専門的なリハビリ施設はなく、皆、都立北療育医療センター、大宮市立ひまわり学園、岩槻の県立小児医療センター、大宮ろう学校等々と飛び回っています。もちろん病院に通いながらです。当然、仕事をやめ、我が子の療育に専念せざるを得ません。  
私は20年間、音楽の仕事をしておりました。我が子は耳が聴こえません。いくら子守歌を唄っても聴こえず、語りかけても反応はありません。でも、私が楽しんでいたら、子供も笑います。目に見えず耳に届かずとも、直接心に届くのです。そのことを確信してから、この子のために、「音楽をやめよう」とは思わなくなりました。  
心臓の手術をした時、もう駄目かも知れない、その時、命さえ助けてくださったら、もうなにもいらない、人間の原点、命さえ・・・しかし、それでも、天国に召される子もいます。もう何人のお友達が逝ってしまったことでしょう。それだけに、先に逝った天国のお友達のためにも、一日一日を大切に精一杯生きます。  
このコンサートを通じて、地域の様々な分野で、ご活躍なさっている皆様とも知り合うことができ交流を深めることができました。協力してくださった方々、そして、お忙しい中おいでくださった皆様に深く深く感謝申し上げます。