心の闇 鯉橋 第一集

橋本信之(詞・Bass) 三浦鯉登(曲・歌・Piano) (C) 2005 KOIBASHI

春の雨に君は  贅沢がしたい  最後の詩  桜の詩  心の闇  眠い  Seasons



春の雨に君は・・・


雨が消えた後の 名残のしずくが 道に光ってる
あの日 言えなかった 君への言葉が いまも胸にある

どうして 今まで 忘れていたんだろう

僕らはふたりで 並んで歩いて サヨナラも言えず
君は立ち止まって 僕を振り返って 軽くうなずいて

「いつか この恋の 続きができるといいね」

君のほほのしずくの意味が 僕には分からないまま
伝えたい言葉 胸に詰め込んで 黙って 君を見ていた

あの日 言えなかった 君への言葉が いまも胸にある
君に言えなかった 僕の もどかしさが いまも胸にある

どうして いままで忘れてきたんだろう

君のほほのしずくの意味が いまなら 受け止められる
伝えたい言葉 胸に詰め込んで もう一度 君に逢いたい

いつか この恋の 続きができるといいね

君のほほのしずくの意味が 僕には分からないまま
伝えたい言葉 胸に詰め込んで 黙って 君を見ていた

君のほほのしずくの意味が いまなら 受け止められる
伝えたい言葉 胸に詰め込んで もう一度 君に逢いたい

もう一度 君と 出逢いたい



Top Songs KOIBASHI




贅沢がしたい


何も言わずにいきなり刺されて 道の真ん中にうずくまる
不幸になるのはテレビの向こう側
苦痛に顔を歪めるのは下手な演技。

アスファルトに流れ出す 血溜まりを踏んづけても平気だったそいつは

理由もなく車をぶつけられて 道の真ん中に放り出される。
犬死するのはテレビの向こう側
悲しいからって泣くだけじゃ詰まらない。

アスファルトに流れ出す 僕の脳味噌を踏んづけて行ったそいつは

贅沢がしたい。 贅沢をしようよ。
君と僕の退屈が交じり合うだけの 素敵な夜が過ごせたら

リアルな感触は今どき ウ− 見つけられない贅沢な御馳走
だけど 人がそれに気づくのは 自分が死ぬ瞬間だけなんだろうか?

アスファルトに流れ出す アスファルトに流れ出す
アスファルトに流れ出す そこら中に人の残骸
それでもまだ 足りないのか?

ああ、贅沢がしたい。 贅沢をさせろよ。
君と僕の退屈を交ぜるだけで 素敵に無意味な夜になるんだ

贅沢がしたい。 贅沢をしようよ。
君と僕の退屈が交じり合うだけの 素敵な夜が過ごせたら



Top Songs KOIBASHI




最後の詩


海を見てはしゃぐ顔のキレイな君を
記念の一枚として とっておくことにしよう これが最後の旅行

西瓜を美味そうに頬張る君を
記念の一枚として とっておくことにしよう これが最後の食事

ギター弾きながら口ずさんでいた君を
記念の一枚として とっておくことにしよう これが最後の友達

酒を飲んで真っ赤な顔をした君を
記念の一枚として とっておくことにしよう これが最後の乾杯

二度と同じ瞬間はやってこないというのに
うかつにも僕らは無駄に時間を費やして

あと十年も経てば すべて忘れてしまう
今のこの気持ちも何もかも


子猫と仲良さそうにじゃれてる君を
記念の一枚として とっておくことにしよう これが最後の愛情

公園のベンチで泣きくずれた君を
記念の一枚として とっておくことにしよう これが最後の恋人

二度と同じ瞬間はやってこないというのに
うかつにも僕らは無駄に時間を費やして

あと十年も経てば すべて忘れてしまう
今のこの気持ちも何もかも


夕陽の中に滲んで消えてく僕を
記念の一枚として とっておくことにしよう これが最後の瞬間



Top Songs KOIBASHI




桜の詩


わたしは故郷へ 帰る船
デッキの手すりにつかまって
むかし住んでた家を思い出していた

空はいつの間にか 淡く暮れて
冷たい桜色に染まっていく
風に吹かれて海の上を
無数の花びらが 音もなく

身を乗り出すわたしの頬に
はらりはらりと落ちかかる
誰にも別れを告げはしない

それは小さな花びらだった
それは小さな花びらだった
静かに海を渡っていく
静かに海を…

いくつもの夢 いくつもの未来
手に届かないあなたへの思い
静かに海を渡っていく
静かに海を…



Top Songs KOIBASHI




心の闇


触れる肌のつめたさに気づいて
言葉は届かない壁の向こう
今は憎むことも愛することもできずにいる

うつろに過ぎる青いときのなかで
じっと息を止めてまぶたを閉じる
今は失くすことも取り戻すこともできずにいる

消えずに残る想いだけが
道を照らして
すがりつく指先ひとつ
頼りなくさまよう

この闇の中 どこまで行けば見つけられるだろう
いつかまた 懐かしいあの風景に出会えるだろう

揺れる影のない小さな炎
時を止めたまま燃え尽きてゆく
今は歩くことも振り返ることもできずにいる

すべての歌が鳴り止んで
耳を澄ませて
回りの空気が透き通り
静かに狂っていく

この闇の中 どこまで行けば見つけられるだろう
いつかまた 懐かしいあの人たちに会えるだろう

この闇の中 どこまで行けば見つけられるだろう
いつかまた 懐かしいあの風景に出会えるだろう



Top Songs KOIBASHI




眠い


サナギのまま地球を 半周する夢を見て
頼むからと耳元で ささやくのはジュリエット・ルイス
彼女にとってはすべてが魔法

痛みを分けてくれるなら最高 目を開けたらきっと
冷たい毎日に流されていくだけだから

詰まらない台詞に かなり痺れた かなり酔いしれた
在り来りな台詞に かなり痺れた かなり酔いしれた

何一つ思うように ならない夢ばかり見て
堪らないと耳たぶに かじりついてジュリエット・ルイス
彼女にとってはすべてが悪夢

痛みを和らげてくれるマイム 目を閉じてもずっと
冷たい日常が流れていくだけだから

詰まらない台詞に かなり痺れた かなり酔いしれた
在り来りな台詞に かなり痺れた かなり酔いしれた

寂しすぎる笑い声 たった独りぼっちじゃ
どこまで逃げても鳥の影 羽ばたきすら聞こえない
何もかもぜんぶ失くして 駄目にしてしまった

時間切れ 殻のなか 涙さえ固まっていく
諦めてと耳の中で 喚くのはジュリエット・ルイス
彼女にとってはすべてが虚ろ

痛みの証拠は黒いホクロ 眼をくりぬいてもっと
冷たい世界に溺れていたいだけだから

詰まらない台詞に かなり痺れた かなり酔いしれた
在り来りな台詞に かなり痺れた かなり酔いしれた


Top Songs KOIBASHI




Seasons


そっと 通り過ぎた 僕の横を 風のように 君の後ろ姿

甘い匂いに 振り向いて 目線が遭った その瞬間に僕は

名前さえ知らない君に 心のなかでウィンクされて

 いつのまに 僕は いつのまにか 君と
 同じこの街の空気を 吸って
 いつのまに 僕は いつのまにか きっと
 二度と出会えない  風に恋する

ふっと 新しい風が 澱んだ気分 吹き散らして 何か始まりそう

シャツの襟を立てた君は 無関心にブランチしてるけど

それだけで これからすべての季節が好きになれる

 いつのまに 僕は いつのまにか あの日
 夢に見ただけの 街を歩いて
 いつのまに 僕は いつのまにか きっと
 二度と出会えない 君に恋する

そこに君がいると 明日から始まるこの季節が 
どこか違って見える

 いつのまに 僕は いつのまにか 君と
 同じこの街の空気を 吸って
 いつのまに 僕は いつのまにか あの日
 夢に見ただけの 街を歩いて
 いつのまに 僕は いつのまにか きっと
 二度と出会えない  君に恋する


Top Songs KOIBASHI