人生の阿呆 鯉橋 第二集

橋本信之(詞・Bass) 三浦鯉登(曲・歌・Piano) (C) 2006 KOIBASHI

薄日夜  人生の阿呆  友だちと別れる歌  KUJIRA  君はサカナを食べない  冬の記憶



薄日夜


ムラサキ色の空が 膨れ上がって 腫れ上がって

フーウー、明日はきっと フーウー、良い日になるだろうねえ

君の家から 帰る途中 夜が明ける前の 道は濡れている
終わろうとする夜に 僕は追われて うなされながら

フーウー、明日はきっと フーウー、良い日になるだろうねえ

どうしようもない 想いを抱えたまま
君はベッドの中 僕はひたすら街を歩いて
目の前に散らばる 様々な夢を 踏みにじって行く

ふっと 何もかも 無くす 瞬間を
待ち望んでいる 待ち望んでしまう

ムラサキ色の空が 膨れ上がって 腫れあがって
君の笑顔ひとつで すべて壊れて 無くなっても

フーウー、明日はきっと フーウー、良い日になるだろうねえ
フーウー、明日はきっと フーウー、良い日になるだろうねえ
フーウー、明日はきっと



Top Songs KOIBASHI




人生の阿呆


君は特別な人でなく
ましてこの世の主役でなく
群集の中に 紛れ込んでしまえば 見分けもつかない 名前さえもない
ありふれた 二本足

一人きりじゃ生きられない
君の言葉は誰かのもの
操られながら 動かされていくだけ
悪魔のような囁きに耳を塞いでも 無駄なこと

ああ、どこか荒野のような広いところ
いつか映画のようなステキな場所で君と
二人だけの世界を築くのが夢だった

ウソでつまらない人生に
君は君の中にある美しいものを 取り出すために血を流して
ささやかな慰めと ささやかな安らぎを見出して それだけ
たったそれだけが



Top Songs KOIBASHI




友だちと別れる歌


砂の上に描いてた
未来の愉しげな予想図を
僕はそのまま
いつまでも放したくはなかった

無理に笑顔でサヨナラを言う
君の手を握り締めて
僕はそのまま いつまでも放したくなかった

夜の公園 濡れたベンチで
僕らの夢を喋ったことも あったね

薄れていくだろう
いつか君と過ごした時間さえも
僕はそのまま いつまでも放したくなかった

季節が過ぎてく
そんな世界を
僕はただ見送ることしかできない

夢の壊れたカケラを
拾い集めて口ずさめば
それが僕から君への

別れの歌なんだ 別れの歌なんだ



Top Songs KOIBASHI




KUJIRA


小高い丘の上に寝転んで、僕らは空を見上げていた

クジラのように、大きな雲がゆっくり僕らの上を泳いでいった

「こういう時間は素敵だね」

僕は黙ってクジラを見ていた

君は信じないかも知れないけれど、僕は明日なんか来ないと思ってる

今日と言う日が過ぎてしまえば、すべてお終い

明日は来ない

きっと頭の中では別々に違うことを思ってた

信じることの哀しさと、この広い青空は、きっとどこかで繋がっているんだ

「こういう時間は素敵だね」

僕は黙ってクジラを見ていた

君は信じないかも知れないけれど、僕は明日なんか来ないと思ってる

今日と言う日が過ぎてしまえば、すべてお終い

明日は来ない



Top Songs KOIBASHI




君はサカナを食べない


夕暮れに買ってきた金魚には目もくれない
おいしい紅茶を入れてあげてもじっと眺めてる
交通事故を見てきただから口をきかない
ミシンの音が響く部屋には明かりをつけないで

君のことが分からない
やることなすこと全部
理解できない

いつも君が見てるのは
遠い夢の向こう側
僕には見えない

ただ一つ 僕に分かるのは
「君はサカナを食べない」ってことだけ


たぶん明日はこのままきっと夜まで起きない
ぶ厚い毛布を二枚重ねているのに震えてる
親からの電話には絶対自分から出ない
まともに喋った後には恥ずかしそうに苦笑い

君のことが分からない
やることなすこと全部
理解できない

いつも君が見てるのは
遠い夢の向こう側
僕には見えない

ただ一つ 僕に分かるのは
「君はサカナを食べない」ってことだけ



Top Songs KOIBASHI




冬の記憶


独り佇んでいる 暗い街角
忘れ去られた冬の記憶

家路を急ぐ人形たちは
脇目も振らず 駅へと向かう

灯りの届かない 暗い路地裏
さまよう人は影のように

涙は溶けず残って凍る
悲しい時間を閉じ込めたまま


必ず会いに来ると言う言葉を
信じて永遠に僕は待ってる

あの年は寒かった 冷えた心で
春の訪れを待ち焦がれてた

君が出てったガランとした部屋
どこか記憶の中に沈んで

必ず会いに来ると言う言葉を
信じて永遠に僕は待ってる

必ず会いに来ると言うその目を
忘れずいつまでも僕は待ってる

長い冬が終わり
君の記憶がよみがえる

春になっても


Top Songs KOIBASHI