聞こえなくても   

振動感じリズム

アフリカの打楽器「ジェンベ」


朝日新聞、2000年4月30日 30面より・・・

 アフリカの打楽器ジェンベの演奏サークル「ジャラディー・ジェンベクラブ」が熊本市に誕生した。ジャラディーはギニア語の言葉で「愛」。メンバーは聴覚障害者七人を含む男女十八人。リズムを刻みながら振動でアフリカの音色を感じるという。30日に熊本県益城町のグランメッセ熊本で開けれる全九州ろうあ者大会で、演奏を披露する。

障害者らサークル結成

 十八人のメンバーは聴覚障害者の他に、手話通訳者のボランティアら健常者が十一人、三月から週二回の練習を重ねている。

 演奏は合図のリズムで始まる。

 体を揺らしながら三種類のの音を使い分けて叩く。全員が同じリズムに乗ったところで、一人が自由なリズムでソロを演奏。終わると手で「どうぞ」と合図をして、隣の人へソロの演奏が移っていく。全員がソロの演奏を叩き終わると、リーダー役のリズムで、曲の終わりのリズムをたたき、全員がピタリと演奏を止める。

 緊張した顔が緩み拍手が起きた。

 メンバーの一人で聴覚障害者の宮本茂幸さん(37)は「歌は聞こえないが、ジェンベは振動を体で感じることができます」。と言う。クラブ代表で県聴覚障害者総合福祉センター職員の林忠(50)さんは「和太鼓をやっている聴覚障害者はいるが、アフリカの太鼓は珍しいと思って始めました。楽しいですよ、手が痛くなりますけど」と話す。

 去年11月、熊本県であった全国障害者体育大会でジェンベ演奏を聞いた聴覚障害者たちが「自分達もたたきたい」と、熊本ジェンベクラブ代表の村本大さん(42)に指導を依頼したのが始まりだ。

 音が聞こえないため、練習方法を試行錯誤したが、村本さんはある日、ふつうの練習でいいと気付いたという。「ジェンベはメッセージを伝えるもの。ジェンベが話してくれる。曲の意味も伝えるだけでいいと思った」

 宮本さんは「目標は熊本ジェンベクラブと五分にたたけるようになること。大会が終わっても健常者と一緒にたたきたい」と話した。

練習するジャラディー・ジェンベのメンバー。振動で音を感じ、リズムは一つに

=熊本県長嶺南3丁目の熊本県身障者福祉センターで

 

 
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