熊本ジャンベクラブ(熊本市)
朝日新聞、1999年8月8日 28面より・・・
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newst  その奇妙な太鼓との出合いは、3年ほど前。私は自分の経営するバーの片隅に太鼓を置き、店にくるたびにたたいていました。聞けば胴は国産材、皮はアフリカ製らしく、バーに響く音はとても乾いた音。この太鼓がアフリカのジャンベでした。
 半年ほど過ぎたころ、パーカッションをやっている知人が素晴らしい演奏を聞かせてくれて、初めて「楽器」であることを教えてくれました。音色は聞いたこともない深みをもっていて、演奏した当人さえも驚いていました。
 ジャンベを最初にバーにもってきたのは、熊本県水上村のジャンベ製作者兼演奏家でした。私の手はでっかくてジャンベに合うといわれ「四十の手習いだ」と重い腰をあげました。
 当時はジャンベというと西アフリカのギニア、マリ、セネガルの伝統的な儀式で使われることぐらいしかわからず、とにかく必死にたたきまくっているだけでした。
 最初は三、四人で始めたグループも、ジャンベの音が人を呼ぶらしく、今では総勢八十人、会社員、学生、フリーター、公務員、保母、主婦など職業、年令、性別を超えて会員が集まっています。
 ごく普通の人が多く「なぜアンタが。本当?」とまわりから驚きの言葉をかけられるのが快いのかもしれません。
 でも、本当の快感はジャンベをある程度演奏できるようになったとき訪ずれます。ジャンベが違う世界につれていってくれるのです。そこにたどり着くまでには、人生と同じで様々な壁を越えなければなりません。手が痛い。リズムが入ってこない。日本人であることを悔やむことすらあります。
 壁を超えようとアフリカにいく会員までいるほど。私自信も本物に触れてみたくアフリカへの思いを募らせています。
 十月にある「くまもと未来国体」の秋季大会で演奏することが決まり、会の名称も「熊本ジャンベクラブ」に決めました。毎日、トレーニング、ワークショップを続けており、暑い夏になりそうです。
 熊本でジャンベをたたいている人がいたら、聞いてあげて下さい。彼らはいくつもの壁を乗り越えた勇士に違いありません。
 さて、ママディ・ケイタさんという人がいます。ギニア出身で三百種類もリズムパターンを使いこなすジャンベの達人。テレビにも出演し、その演奏の信じられないようなクオリティー、力強さ、人を包み込む音に心を奪われた人も多いはず。
 私もそのひとりです。なんとか彼の音を実際に聞きたいと思い、やっと八月二十七日、熊本市で夢のコンサートを実施することになりました。ぜひ聴きにきて下さい。問い合わせは村本(096-355-1285)へ。
(代表 村本 大)  
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