短歌(五・七・五・七・七)で作る物語。


胸の内


菜の華よ


逢いたくて


散る桜


桜島


置いてけぼり


新しいにおい


冬越え


新芽


PASTEL

















 
胸の内


突然に 僕の前から 消えた君

 呼んで叫んで 途方に暮れて



悔やんでも 悔やみきれない この気持ち

 君はどうして 知ってゆくのか




君の事 忘れてしまう 僕が居る

 生ぬるい風に 負けてしまうよ



うわ事を いくつ並べて 呟いて

 君を想って 泣くのだろう




人生は 君の少ない 人生は

 僕の大きな 糧となるのか



夜桜よ 君はあの娘を 知ってるか

 桜のように 散ったあの娘を




亡き君に 贈る言葉は 数知れず

 送る言葉は 胸の内にと。


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菜の華よ


菜の華よ 黄色い服着て 食べられて

 浮かぶ思ひ出 母の味かな



ふるさとに 最近ずっと 戻らない

 母の報せを 聞き走るまで



見ておくれ もうあの頃に 比べれば

 ずっと大人に なった僕だよ



お日様が とても暖かな 小春日に

 母は逝くんだ 菜の華畑



華畑 思い出ばかりが 見えてきて

 出て来る顔は 眩しい笑顔



黄織色 僕の脳裏を 霞むもの

 それはあなたの 服の色かな



抱かれたい 暖かい腕 眼差しと

 昔のままの 貴方の胸で



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逢いたくて〜男語り〜


{男}今日の日に 大きな桜の 木の下で

 待って居るのか 恐くて行けず



{女}今日の日に 大きな桜の 木の下で

 待っているよと 言ったくせにね



絶対に もう離れないと 誓った日

 いつのまにかに 消えていた君



あなたの手 握ったつもりで 居たあたし

 離れた事に 気付けなかった




逢いたくて どうしても君に 逢いたくて

 あの約束の 桜の木へと



いったいに 幾つの時間を 待ってるの

 そうしててでも 逢いたいあなた




{男}待っていた 綺麗な栗色 長い髪

 {女}待ちわびた声を 背に浴びながら



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散る桜





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桜島


上向いて そっと手のひら かざす春

 眩しいほどの 春の宝石



待つ君は 表現出来ない 美しさ

 君の為咲く 大木の花



『大好きよ』 桜木の下の 愛の葉は

 僕の心も 散り惑わせる



照れながら そっとしたキス 桜味

 鳴きたい程の 愛を知った日







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置いてけぼり


一人だけ 上を見上げて 泣いていた

 霞むピンクが 綺麗過ぎたの



両手には 我が幼子と カップ酒

 荒む心に ダブルパンチね




おととしは 家族3人 眺めてた

 これが桜よ きれいだねって



  寒い冬 毎日毎日 ケンカした

 迎えぬ今年 暖かい春




どおしたの? ポンポンいたいの? よしよしね

 ママは本当に ダメなままだね



もう少し もう少ししたら 暑い夏

 絶対強い ママが居るから



置いてけぼり ううん違うの 置いてきた

 ママの宝よ 護り抜くから






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新しいにおい





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