切 株
道の傍らに切株があった
喘いで登ってきた山道が
幾分平坦になるところにそれはあった
丁度、1本立ててもいい頃合いだったし
そしていかにも
「一休みしていったら…」
と、いうふうに切株はあったのだ
しかし私は横目で見ながら通り過ぎた
「さあ、もうちょいで稜線だぞー!」
切株の心が判らぬリーダーが、後ろで声を張り上げていた
注:「1本立てる」…タバコを一服するという意味にも使われるようですが、本来は山の荷物運搬人である強力が、背負った荷物の下に杖をあてがい立ったまま休んだことから、小休止、休憩の意味に使う山用語。