基礎知識編2


1.はじめに

 基礎知識編の1はシリーズ全体の概要説明(+製品リスト)でしたが、今回は、互換性の高い3つのシステム(CT、MT、T4)での各種データの見方や,キャラクター作成についての解説を行います。基本的にはMTベースですがCTやT4でも、基本的には変わりません(宇宙船データを除く)。なお、必要に応じルールブックやチャートを参照することをお勧めします。

2.データの読み方

2.1 キャラクターデータ

 トラベラーのキャラクターデータは通常以下のようなフォーマット(簡易表記、キャラクターシートに書きこむ場合はシートの書式に従うこと)で記述されます。

元海軍中佐 アラン・フォスター
787CC6 38歳(38歳) 5期 Cr 70000
<航法-3><コンピュータ-4><大型救命艇-2><エンジニアリング-2><反重力機器-0><宇宙服-0><ハンドガン-0>
携帯コンピュータ、9mmレボルバー
宇宙港A、中型、真空、湿潤、中人口、低治安、高度星間

 一行目はそのキャラクタの出身部門と、最終階級(任官されている場合)です、貴族としての爵位を持っている場合には爵位も表記されます。それから次が名前です。
 2行目がUPP(Universal personality Profile、標準特性値データ)表記の能力値、年齢、任務期数、所持金、となります。UPP表記の能力値は前から順に筋力、敏捷性、耐久力、知力、教育度、社会身分度となります。能力値の範囲は1〜15までで16進表記で表示されます(Aは10、Bは11・・・)。社会身分度が10(A)以上なら貴族となりますが、実際に爵位を与えられるのは社会身分度11(B)以上の場合になります。爵位は社会身分度に応じてB:ナイト爵、C:男爵、D:侯爵、E:伯爵、F:公爵となります。一応その上にG:大公、H::皇帝というものも存在しますが、PCには縁のない世界ですので気にしなくてもかまいません。年齢は外見年齢(実年齢)という表記になります。実年齢と外見年齢の食い違いが発生するのは抗老化剤で老化を押さえたり、冷凍睡眠を使用したりというケースがあるためです。もっとも、抗老化剤は非常に高価ですし、冷凍冬眠には死の危険がつきものです。その次がキャラクターがその部門で務めた期数になります、CT、MTでは途中で部門を移るという選択肢は用意されていませんが、T4においては可能になっています。その場合それぞれの部門での期数を並べて書けばよいでしょう(出身部門として一行目に書くのは除隊した部門のみでよいでしょう)。その次が所持金になります。トラベラー世界での所持金の単位はCr(クレジット)であらわされます、目安としては1Cr=100円くらいの感覚でよいようです(トラベラーハンドブックの記述でそうなっていたような・・・。)
 3行目がスキルのリストです。習得スキル数が多い場合には複数行にわたることもあります。スキルの表記は<スキル名−スキルレベル>です。なお、スキルレベル0というのは正規の訓練を受けていないけれども、その行為にある程度習熟していることを意味します(詳しくはスキルレベルの項で説明しますがスキルレベル0とスキル無しは大きく違います。)。
 4行目は所持品です、特に説明の必要はないでしょう。5行目が出身世界の概要を表します。前から順に宇宙港タイプ、世界規模、大気、水界度、人口、治安、技術レベルとなります。このキャラクターは文明は進んでいるけれども、環境はあまりよくない星の出身であることがわかるかと思います(何せ大気はないに等しいわ、治安は悪いわですから・・・)。

2.2 世界データ

トラベラーにおける世界(星系)データは、以下のような形式のUWP(Universal World Profile:標準世界データ)表記で表示されます。

コウムバイン 0110 A6254423-H N 星域首都、非工    811 A7II

 一番最初がその世界の名称です。2番目は星系の位置を示しています。この位置の表記は星域図で表すか、宙域図(どちらもヘックスを使用しています。)で表すかによって異なってきますが4桁数値を二桁ずつに区切って上2桁がX位置、下2桁がY位置になります。なお、原点は左上でその値は0101とします。上記世界は一番左の上から10番目の位置にある星系となります。その後の7桁-1桁の英数字の列が惑星の特徴値になります、先頭から順に、宇宙港タイプ、惑星規模(大きさ)、大気タイプ、水界度、人口、政治形態、治安レベル、そして'-'の後の数値が技術レベルとなります。その後ろについているアルファベットはその星系に基地が存在するということを示していて、基地のタイプによってコードが振られています。その後が貿易区分コードです。直接貿易の際の指針になる(貿易時の計算対象となる)ものと(上記では'非工')そうでないもの(上記では'星域首都')とあります。つづく3桁の数値は順に人口倍率、ガスジャイアント数、アステロイドベルト数となります(本来は、人口倍率、アステロイドベルト数、ガスジャイアント数の順が正しいのですが・・・)。最後がその星系に存在する恒星のスペクトル型です。存在する恒星が複数存在する場合は、F0V、M2Vのようにあるだけ列挙します(最大で4連星までありえます)。
  惑星の特徴値の概要は以下のようになります(詳細はレフリーズマニュアル/基本ルール、偵察局等を参照すること)
 

2.3 宇宙船データ(輸送機器データ)

(準備中)

3.キャラクター作成ガイド

3.1 システム的な特徴

 トラベラーのキャラクター作成システムは、人生がいかにままならないものであるということを実感させるようなシステムになっています。トラベラーにおけるPCというのは、それまでについていた職業を何らかの理由で離れ、第2の人生を歩き始めた人々というのが基本線です。キャラクター作成手順は、つまりそれまでにその個人がどういう人生を歩んできたかということを決定することにほかなりません。(実際にはそれがスキルを手に入れる方法に過ぎないとしてもです)。他のRPGと一線を隠しているのはやはり、キャラクター作成中にキャラクターが死ぬことがあるということと、望んだ職業に必ずしもつけるとは限らないということでしょうか、どちらもダイスによる乱数で決められますからどんなに能力が高かろうが運が悪ければ死にますし、条件を満たしていれば自動的につける職業でない限りどんなに適正が高くとも望む職につけないといったことが頻発します。もちろんスキルにしても同じです。どの分野という大まかな指定はできるものの実際にどのスキルを得ることができたかは全てダイスで決定されます(MTやT4ではだいぶプレイヤーの選択の幅が広くなっていますが・・・)。したがって、望んだスキルがまったく得られず意図しないスキルばかり手に入るという喜(悲)劇が多発し、人生がいかにままならないものであるかを実感させてくれます。そのためにキャラクター作成だけでも十分に楽しめるものとなっています。実際のキャラ作成の実例はこちらを見てください

3.2 大枠の方針

3.2.1 能力値

 まぁ、高ければそれに越したことはないのですが、ゲーム上では能力値よりもスキルの方が重要になってきます。したがってあまり高い能力値でなくてもかまいませんが、低すぎると様々なペナルティーを受けることがありますので低すぎるのも困り物です。まぁ、目安としては777888くらいの能力値でしょうかどちらかというと前半の肉体特徴値よりも、知力や教育度などの精神特徴値の方が重要度が高いです。理由としては持てるスキルの合計値が知力+教育度の合計まで(T4ではこの制限なし)に限られるということと、成功判定に知力もしくは教育度が能力値修正として有効であるケースが多いためです。

3.2.2 年齢

 トラベラーのキャラクターは18歳から始まって(4年単位で)人生経験を積み、それから第2の人生として冒険の旅に出るわけですが、18歳の時点ではスキルもなければお金も持っていません、一方で年齢を重ねればスキルも高くなりますし、お金も手に入りますが、一定程度の年齢を越えると今度は老化が始まるために、能力値の低下が起こったりします。したがってどのくらいの年齢で現在の職業を離れるかは考慮しておくべきでしょう。まぁ、たいていは老化が始まるぎりぎりまで粘ってスキルを取るというケースが多いので勢い30代のキャラがメインになりがちです。もちろん不利を承知で若いままでゲームをスタートするのは自由です。
 なお、ヤングトラベラーという18歳以前のキャラクターを作成するルールというのも(正式ルールではない)ですが存在していました。(ただし、使用すると能力値が高くなりがちのが困り者)

3.2.3 職業

 職業については次節で詳しく説明しますがどういうスキルをとりたいかによって職業を選ぶべきでしょう。いくら望んだところで陸軍軍人が宇宙船スキルを身につけたり、科学者や官僚がまともな戦闘スキルを身に着けられることはありませんので、自分のキャラに習得させたいスキルを入手可能な中から好きなものを選べばよいのではないかと思います。なお、職業によっては最初の能力値や出身世界の制限でそもそも応募すらできないというケースもありますので注意してください(徴募に関しては無制限ですけどね)。

3.2.4 スキルレベル

 スキルレベルをどこまであげればよいかですが、基本的にはレベル2というのが一つの目安だと思います。これはMTでの目安なのですが、スキル修正+能力値修正=4(難易度が1シフトと同じ)というのが、その道のプロとして仕事につく基準値ではないかと思います。で、スキルレベル4+であればその道のエキスパートですね、難易度のシフトが2段階分に近い形になります(至難レベルの成功値が並近くまで落ちる)のでかなり難しい作業でも普通にこなせるというレベルとなります。ただ、レフェリーする立場からするとPCのスキルレベルが高すぎるのは実は困り者だったりします(判定の難易度調整がねぇ・・・・)。
 また、CTと、MTでは判定の際の能力値の重要性が低い(CTにおいては特定の値に達しているかどうかで修正がつくかつかないか、MTでは能力値の1/5(端数切捨て)が修正値)ため、ある程度スキルレベルを上げる必要があるのですが、T4では、CT、MTと比較して能力値の重要度が高くなっています(判定の際の基準値が能力値+スキルレベル)ので、能力値さえ高ければスキルレベルが低くてもどうにかなるという面があることは否定できません。
 なお、スキルレベルにはレベル0というものが存在します。レベル0の場合有利な修正は受けませんが、スキル無しとはおおきく違います。まず第一にスキルを所有していないとそもそも判定を試みるすらできない行為というものが存在しています。第二にスキル無しによる不利な修正を受けることがありません。必要なスキルを持たない場合の修正はCTにおいては-4、MTやT4においては難易度が1レベルアップですのでよほど簡単な行為で無い限りスキルを持たないものが行為判定に成功することはほとんどありません。(もっともT4では能力値の重要度が高いため行為が許されていればスキル無しでも成功することが多々あったりします。おまけにデフォルトスキルというスキル無しでも不利な修正を受けないというスキル群もありますし・・・。)

3.3 職業毎の特性

 この節では職業毎の特徴を説明します、MTの職業を用いますので他のシステムでは若干異なって来る場合があります。また、人類以外の種族や人類でも所属する国家(ゾダーンだったりソロマニだったり)によっては異なっている場合があります。まぁ、大体の目安だと思ってください。

3.3.1 海軍 

 恒星間宇宙海軍の一員です。恒星間貿易ルートの安全確保や外敵からの社会の構成員を守ることが仕事です。少なくとも宇宙船建造ができる世界の出身(TLが前星間以上)でなければ応募できません。宇宙船関係のスキルおよび宇宙戦闘に関するスキルがとりやすい反面、個人戦闘スキルは取りにくくなってます。 また、商売関係(経済系)のスキルをとることはできません。

3.3.2 海兵隊 

 宇宙船に乗りこむ武装戦闘要員です。海賊に対抗するための宇宙空間での乗りこみ戦闘を行なったり、海軍基地や宇宙港の防衛を行なったりします。また、地上部隊の援助も行ないます。エリート部隊は陸軍に先だって惑星に対して降下カプセルでの強襲を行なったりもします。船内での戦闘が多いために銃器よりも刀剣戦闘のスキル(伝統的に大型刀剣をとることになっているらしい)が取りやすくなっています。海軍と同じく前星間以上の技術力のある星でないと応募できません。

3.3.3 陸軍 

 惑星上の武装戦闘隊員、いわゆる兵士です。地上での戦闘、作戦任務を遂行します。また、傭兵として雇われることもあります。銃器戦闘系のスキルが取りやすい反面、刀剣戦闘はとりにくく海兵隊と好対照を成しています。また、技術的なスキルをとるのは難しいです。やはり前星間以上の技術文明である事が条件です。

3.3.4 偵察局 

 探査任務を行なう組織の一員です。未探査の領域を探査したり、既知の世界や新発見の世界の地図を作成したり世界同士の通信網を維持したりしています。任務の性質上様々なスキルが取れるようになっています(戦闘系から操船系、対人系まで)、が死亡率は結構高かったりします。応募には初期星間以上の技術レベルが必要です。運がよければ除隊恩典として宇宙船を貸与してもらえます。また、必ず操船スキルを身につけることができます(上級作成では配属先によって取れない場合がある)。

3.3.5 空軍 

 領空および惑星軌道を管轄する空軍のメンバーです。大気圏から惑星軌道までをパトロールし、その世界への出入りを監視し、外敵の攻撃から防衛します。空軍に入るには工業以上の技術、および希薄以上の大気、そして中規模以上の人口が必要です。航空機関連(実は輸送機器全般ですが)のスキルを身につけやすいです。また、宇宙船関係のスキルを身につけることも可能です。

3.3.6 水兵 

 惑星上の海軍軍人、です。惑星の海面をパトロールし、海上交通を監視し無法の輩から旅人を守ります。水界度が湿潤以上であれば応募できます。船舶スキルを無条件に取得できます。

3.3.7 司法官 

 惑星政府の司法局の一員です。まぁ、警察官だとか保安官だとか思えば間違いないでしょう。もちろん職業がら反道徳的な事柄にも通じていたりします。テクノロジーコードが工業以上であれば応募できます(応募に治安が関係無いのが腑に落ちないが・・・)。対人関係のスキルが取りやすいです。

3.3.8 医師 

 医療技術に通じた者です主審世界のテクノロジーコードが工業以上である必要があります。なお医学レベルが3以上で医師として開業でき、加えて敏捷度が8以上であれば外科医となります。1レベルの医学技能があれば船医として雇われることができます。医学スキルがとりやすいのはもちろんですが、ある程度科学技術にも通じていることがあります。

3.3.9 外交官 

 惑星政府の外務省の一員です。スキルとしては対人関係スキルや学術的なスキルがメインで、戦闘系スキルはとりにくいです。宇宙船関係のスキルはまったく取れません。技術が工業以上でかつ低治安以上の治安レベルがあることが応募の条件です。

3.3.10 官僚 

 いわゆる政府のお役人です。お役所仕事(様々な規則やら書類作成やら)に通じています。人口が中以上で治安が低治安以上であることが応募の条件です。一時金は大きいときは大きいですが、貧乏なときはとことん貧乏です。経済系のスキルを身につけやすいので運がよければブローカーや貿易顧問として雇ってもらえるかもしれません。

3.3.11 科学者 

 技術開発や学術研究に従事する人々です。出身世界の技術レベルが前星間以上である必要があります。科学系、技術系のスキルをとることができます。また、恩典として宇宙船がもらえることがありますが、悲しいかな操船系スキルをとれないため自分では動かすことはできません(エンジンやコンピュータはいじれますが・・・)。

3.3.12 貴族 

 社会の上流階級の一員です。社会の上層に少なからぬ影響を及ぼすことができるのと大金を動かすことができます。特に出身世界の制限はありませんがそういう身分(社会身分度)A+に生まれつくことが必要です。スキルについては一部の特殊なもの(特殊戦闘等)を除き様々な分野のものを身につけることができます。また、恩典としてヨットを入手できる場合があります。

3.3.13 商船 

 星ぼしを飛び回っての商売(まともなものから違法すれすれや違法なものまで)に携わる人々です。大きな商船会社に所属している場合もあれば、宇宙船1隻の自由貿易商人の場合もあります。応募には初期星間以上の技術レベルが必要です。うまく船長になれれば商船(もれなく40年のローンつき)を入手できます。宇宙船の操船関係スキルや経済関連のスキルを身につけられます。

3.3.14 宇宙鉱夫 

 鉱脈や難破船過去の文明の遺物等を求めて小惑星帯を試掘採掘する人々です。応募も難しければ生き延びるのも難しい部門だったりします。応募には初期星間以上の技術レベルが必要です。試掘スキルはこの部門でないと取れません。また、宇宙船関係のスキルは一通り(除く宇宙船戦闘)入手可能です。運がよければ探査艦を入手できます。

3.3.15 海賊 

 いわゆる宇宙海賊です。商船や地上設備を略奪することによって生計を立てている恒星間もしくは惑星間宇宙船の乗組員です。テクノロジーコードが初期星間以上であれば応募できます。幸運と共に狡猾さや様々なスキルがないと生き延びていくことは難しいです。スキルとしては個人戦闘系が一番身につけやすいですが、宇宙船関係、対人系と結構幅広かったりします指揮官まで上り詰めれば海賊船(40年ローンなし)を入手可能です。また運がよければ略奪許可証をもらえることがあります。

3.3.16 悪党 

 犯罪組織の一員です。法律の裏をかくことに長けていますが、いくつかの星でお尋ねものになっていることがあります。工業以上の技術レベルを持つ世界であれば応募可能です。悪徳系(いわゆる悪いことをするための)スキルを入手しやすく、技術的なことや対人関係のスキルも身につけられますが宇宙船関係のスキルは手に入りません。恩典ではあまり大した物は手に入りませんあしからず(個人的には指名手配位はつけてやりたいが・・・恩典じゃないですね)。

3.3.17 ハンター 

 生活や娯楽のために狩猟を行なう人々です。その性質上大気タイプが希薄以上(ようするに生物が存在しうる)の世界の出身でないと応募できません。見知らぬ環境に対応するためのスキル(探査系や環境系)を身につけられるのはもちろんのこと経済系や技術系のスキルを身につけることもできます。運がよければ狩猟船を入手できますが、科学者同様自力で動かすことはできません。

3.3.18 未開人 

 文明の遅れた星の出身者です。技術レベルが前工業でないと応募できません。狙って作るのは至難の技です。技術的なスキルをとるのは無理ですが苛酷な環境で生き延びるための技術には精通しています。また、所持金も少なめです。

3.4 スキル

  トラベラーには多数のスキルが準備されており、それによってそれぞれのキャラクターを特徴づけています。ここではどのようなスキルがあるのか、またそれがどういう情況で有効なのかについて説明します。まぁ、中にはまったくといっていいほど役に立たないスキルというのもあるのですがそれはご愛嬌ということで・・・。なお、スキルの中には以下の分類の複数に当てはまるものも存在します、あくまで私なりの目安としての分類です。

3.4.1 戦闘系スキル(銃器戦闘、刀剣戦闘、etc.)

 あまり説明の必要はないでしょうが、おおきく3種類が存在します。一つは個人戦闘スキルで、普通の銃器や刀剣、格闘といったものがあります。たいていの戦闘シチュエーションで利用可能なものです。次に砲術や宇宙船戦術、艦隊戦術といった宇宙戦闘関連のスキルがあります、もちろん宇宙戦闘以外では役に立ちません。それから、バトルドレスや戦闘ライフル銃手といった軍事戦闘スキルがあります。軍事戦闘スキルは通常、軍事作戦行動の時に使用されるもので通常は役に立たないことが多いです。(そもそもスキルの対象となる装備が軍でなければ入手できないようなものばかりですので・・・・。)
  私のお勧めの戦闘スキルは格闘です、飛び道具相手には分が悪いですが、治安レベルに関係なく使用できます(?)し、宇宙船内など飛び道具を使うことが難しい狭い場所では特に有効でしょう。

3.4.2 対人系スキル(管理、交渉、リーダー、etc)

 他の人々に対して働きかけたり、自分に有利な反応を引き出したりするために使用するスキル群です。例えば、交渉、とか贈賄、インタビューといったものがあります。少なくとも無人の惑星以外では他の人々との接触は(それが人類で無いとしても)間違いなくありますので、有用性は高いです。ただし、プレイヤー自身の機転や実際の交渉能力によって判定自体の難易度が変わリうる物ではありますが・・・・。また、悪徳系スキル(贈賄とかギャンブルとか)も(大半は)この中にいれてよいでしょう。

3.4.3 技術系スキル(コンピューター、エンジニアリング、エレクトロニクス、etc.)

 コンピューターや、機械類といった科学技術に基づく機器類をうまく扱うためのスキル群です。あまり細かい分類はなされていませんので、かなり応用範囲は広いですが自分がふだん使いなれていないものについては不利な修正が加わります。例えばコンピューターと一口に言ってもTL=8のコンピュータとTL=15のコンピューターでは操作系統などかなりの差があるでしょう、したがってあるキャラクターのコンピュータースキルレベルが4あったとしてもTL=15のコンピューターになれているとしたらTL=8のコンピューターを扱うときに普段通りの能力を発揮できるとは言えないでしょう。

3.4.4 学術系スキル(歴史、物理、科学、etc.)

  いわゆる基礎科学だとかそういった事柄に関するスキル群です。どちらかというとNPC向けのスキルが多いですかね。PC自身が持っていても(ごく一部のスキルを除き)あまり有効に使えないケースの方が多いと思われます。

3.4.5 輸送機器系スキル(航空機操縦、船舶、etc.)

  いわゆる乗物を操縦するためのスキル群です。それぞれの乗物のタイプ毎にスキルが用意されていますが、操作系統が似ているものについてはある程度の互換性があり、多少不利な修正は受けるもののほぼそのまま使用できます。乗物を利用する機会はそれなりにありますので何か一つくらいは身につけておいた方がよいでしょう。(たいていは出身世界で一般的な乗物については0レベルのスキルを所有してますので普通は大丈夫でしょう、あくまで普通は、です。)
 個人的な趣味からいくと小型船舶かジェット機のスキルがほしいです・・・使える機会は少ないですけど。

3.4.6 探査系スキル(探知機、生存、測量、偵察、etc.)

 惑星探査等に役立つスキル群です、苛酷な環境で生き延びたり、探査測定機器の扱いに関したものが中心です。偵察局(探査部門)や宇宙鉱夫はこのカテゴリのスキルレベルが高くなることが多いです。また、今ある環境を有効に利用するといった意味では未開人もこのカテゴリのスキル(機器操作を除く)が高くなります。この系統のスキル無しに探索系の任務を受けるのは無謀といえるでしょう。

3.4.7 経済系スキル(貿易、法律、ブローカー、etc.)

 経済活動の際に有効なスキル群です、商人キャラクターなら、必須でしょうしそうでなくても、あった方がなにかと便利なのは間違いないです。特にパーティーが宇宙船を所有しているときには、恒星間貿易によって宇宙船の運航費やローンの代金を捻出しなければいけないことが多々ありますので最も重要といえるかもしれません。まぁ、アスラン人の男性のように(普通は)そもそも金勘定すらできない連中もいますけどね。

3.4.8 宇宙船関連スキル(パイロット、航法、エンジニアリング、etc.)

 基本的には輸送機器系のスキルにあたるのですが、宇宙船については役割分担がはっきりしているので、別扱いにしています。宇宙船を動かすのであればこの関連のスキルを持ったキャラクターが複数必要になります。一応兼任は可能ですが、よっぽど優秀なキャラでない限り辞めておいた方が無難です。

3.4.9 その他のスキル

 この分類に入る物としてはやはり万能スキルが代表でしょうか、この万能スキルはCTでは全てのスキルにおいてスキルレベル0を保有している扱い(レベルは意味を持たない)だったのに対しMTでは、再行為の際にレベル分の回数までは不利な修正を受けない(やり直しが可であれば)、T4では通常は能力値+スキルレベルの判定が、0レベルスキルの判定と同様、能力値/2(端数切り上げ)+万能スキルレベルで可能というようにシステムによって大きく違っています。T4では万能スキルレベルが高ければ(多少の不利はあるにせよ)まさに「万能」のキャラクターができてしまいます。また、種族に特有のスキルというものも存在します。例えば、アスラン人には<忍耐>というスキルや<経済感覚>(男性限定)というものがあったりします。ただし、種族特有のスキルはそれぞれの種族を扱ったサプリメントなりモジュールなりに解説がありますので通常は気にせずともよいはずです。

3.5 パーティ−構成について

3.5.1 パーティの人数とスキル

 さて、キャラ作成をする際にどういうメンバー構成が望ましいかなのですが、PC達が宇宙船を運航するか否かでだいぶ情況は違ってきますけど、私は小型(400t程度まで)の宇宙船を運航できるパーティ構成というものを基本ラインとして考えています。その場合の構成は、パイロット、航法士、機関士、船医、接客担当の5人、あるいは船医と接客を一人が兼任するとして4人というのが基本になります。スキルについては自分の担当部門(航法士なら<航法>、パイロットなら<パイロット>)のスキルは3レベルぐらいは持っていてほしい、理想的には、別分野も2レベル程度持っていた方が何かと融通が利きます。それから、恒星間貿易を有利に運ぶためには<貿易>スキルや<ブローカー>スキルは必須といっても過言ではないでしょう。また、冒険の舞台は基本的には有人世界であることが多いため対人関係のスキルはあって困ることは無いですが、無かったとしてもプレイヤーの交渉能力である程度はカバーがきくので無ければ無いでどうにかなります。それから各種技術系のスキルや、輸送機器スキルは使う機会が多いですので取っておいたほうがよいです(高レベルのもの少数よりレベルは低くとも多くの分野のスキルを持っていた方が様々な局面に対処できる可能性が高いです)。戦闘関係スキルは実は私はあまり重視していません、戦闘しなくてもなんとかなることが多いというのが理由の一つですが、もう一つの理由としてスキルがあっても装備が使えなければたいていの戦闘スキルは役に立たないということがあります。ですので、あらかじめ戦闘系のシナリオをやるとか軍事系のキャンペーンをやるとかがわかっていない限り戦闘スキルを取る必要性はあまり感じていません。

 3.5.2 作成推奨部門

 どの部門でキャラクターを作成するのがよいかですが、前節であげたスキルを取れる部門というのが基本で、商船、偵察局、宇宙鉱夫、海賊(ちょっと癖がある)、貴族(応募基準がちょっと厳しい)、海軍といったあたりです(海軍以外は除隊恩典で宇宙船も入手できます)。次点としては、医師(船医要員)、外交官、官僚、司法官、ハンター(経済系スキルが取れる)それから科学者(宇宙船を入手可能であることと、技術系スキルがとりやすい)、空軍(一応宇宙船関係のスキルが入手可)となります。陸軍、海兵、水軍あたりはどうしても戦闘系のスキルに偏る傾向が強いので戦闘メインのシナリオならいいのですが、それ以外ではなかなか使いづらいことが多いです。悪党はやりこめば面白い部門だと思いますが、プレイヤーを選ぶ(海賊もどちらかというとそういう傾向があるでしょう)と思います。未開人は・・・・作れた人を見たことが無いですね(笑)、まぁ、出身世界の制限が厳しいですから・・・。


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