基礎知識編1


Travellerシリーズってどんなゲーム

 Travellerシリーズは、人類が星々を征服し,恒星間旅行が一般化した時代を前提としたSF-RPGです。舞台となるのは全宇宙で、それゆえ無限の広がりを持っています。おおよそどんなSFの物語でも楽しむことができますが、星から星への旅の速度は、一定の速度以下に制限され、また、宇宙船以上に速い通信手段がないという二つの制限があるため、必ずしも全てのSFの物語に対応できているとは限りません。(もっとも、この2種類の制限があるがゆえに可能となる物語もあるので一概にどちらがよいと言う判断は下せないと思いますが・・・。)
  公式の背景世界として、約1万1千の星系を支配する帝国と、その周囲世界が準備されていますが、これとて、基本ルールに基いて作成された世界の一つの例にすぎません。その気になれば(時間はかかるでしょうが)同じようなものは自分でも作ることが可能なのです。そういう非常に高い自由度をもったゲーム、それがTravellerシリーズです。

Travellerシリーズの歴史

 
さまざまな紆余曲折があったとはいえ、まがりなりにも20年以上ひとつのシリーズが続いているというのはすごい事なのかもしれない。3作目のTraveller TheNewEra以降については日本語版が存在しないのが困りもの。今後も翻訳されることは、おそらくないでしょう。

各シリーズの特徴

 なお、以降の文では、各シリーズ名は特に断りのない限り、略称表記とします。現時点で確実に入手できるのは第5作目のGURPS Travellerのみで、他の製品はすでに絶版、基本的に流通在庫のみという状況です。
 特徴を説明するにあたっては、オフィシャル世界である第三帝国のどの時代を扱っているかと、前作からシステム的にどのような変更があったかに注目する事にします。

Traveller(略称:CT

 時代背景:     ( 〜1116年)帝国の安定期から第五次辺境戦争を経て、皇帝暗殺事件により内戦状態に至るまで。
 メインとなる舞台: スピンワードマーチ宙域

雑感:
  私がはじめて手にしたTRPGのシステムで、かつ初めてマスター(レフリー)を経験したシステムでもあります。何もかもがはじめてづくしだっただけに思い出深い作品ですね。何せ、丸一日キャラ振りやってたりとか、ひたすら星系データ作ってたりとか、宇宙船設計してたりとか今考えると馬鹿みたいなこともやってたんですが、その当時はそれも楽しかったのでしょう。
  なお、ごく最近Far Future Enterprise社よりルールブックセットが再販されています。    

MegaTraveller(略称:MT

    時代背景:      (1116〜1201年)皇帝暗殺後の帝国分裂、内乱期からルカンの最終兵器により帝国が完全崩壊、TNEの時代まで
    メインとなる舞台: マッシリア宙域
システムの変更点:
  • タスクシステムの導入
  • 戦闘システムの大幅な変更(防具の扱い、行動妨害、等)
  • キャラメイキング時の死亡が選択性に変更


雑感: 
  実際のプレイ期間が一番長いシステムで、個人的には、一番バランスがとれていると思っています。いまでもプレイするとしたら、間違いなく、このシステムを用いるでしょう(ここしばらくやってないですけど・・・)。CTとの互換性は非常に高かったため、初めての英文ルールへのチャレンジであったにもかかわらず、それほど苦労せずに移行できました。
 シナリオ集については、今一つという気がしますが、サプリメントはかなり充実していたと思います。(もっともほとんど和訳されないまま終わってしまいましたが・・・・。)

Traveller:TheNewEra(略称:TNE

時代背景:      (1201〜)帝国崩壊から時は流れ、再び恒星間文明圏を構築するために人々が立ち上がり始めた時代。
メインとなる舞台:  ソロマニ・リム宙域
システムの変更点:
  • Twilight:2000やDark Conspirasyなどと共通のシステムに変更
  • PCとNPCの死にやすさにかなりの差ができている(CTと、MTではPCとNPCの間の能力差は全くない、死にやすさももちろん同じ。)
  • リアリティ重視のためか、宇宙戦闘が非常にシビア(燃料面での制約がかなり厳しいようです。)
  • 戦闘ルールが異様に充実(あくまで個人的見解です)
雑感:
  実際のプレイ経験がなために、なんともいいがたいのですが、結構、戦闘志向が強すぎるのが個人的には難ありかなぁという気がします。まぁ、世界背景が、かなり危険なものに変化してしまったため仕方ないのかもしれませんけど、私のイメージするトラベラーのプレイスタイルとはかなりかけ離れています。今後についても、おそらくプレイすることはないでしょう。ただ、ヴァンパイアシップ関連の話はわりと面白そうなので、取り入れられるものなら取り入れてみたいですね。

Marc Miller's Traveller(略称:T4

時代背景:      帝国創世期
メインとなる舞台:  コア宙域
システムの変更点:
  • CTに近いシステムに戻っている
  • スキル数の上限が撤廃された
  • タスクシステムは引き継がれているが、難易度により振るダイスの数が変るシステムとなっている。また、目標値が能力値+スキルレベルとなり、能力値の重要性が増している。
 
雑感:
  短い間にかなり多数の、面白いサプリメントが出版され、順当にシリーズが進めば、帝国の歴史上特徴のある時代(内乱期等)を扱うモジュール等も出版されたと思われるだけに、わずか1年ちょっとで終わってしまったのが非常に惜しまれます。
  システム的には、かなりCTに近い形になっていますが、、MTにも増してスキルが取りやすくなっている上に、スキル数の上限も撤廃されたため、ちょっとゲームバランスは取りにくいかもしれないです。各種サプリメントや、ソースブックについては面白いものがそろっているので、資料的にはいいかなという感じです。
  おそらく、個人的にはT4としてプレイすることはないと思われますが、サプリメントや、ソースブックはMTの拡張として使用することでしょう。(まぁ、移るにしても、TNEよりははるかに楽なので、T4に移るというのも考えてなくはないです。)

GURPS Traveller

時代背景:     MTとほぼ同時代(ただし、皇帝暗殺が起こらず帝国は安泰なまま)
メインとなる舞台; スピンワードマーチ宙域(?)
システム変更点;
  • 基本システムが、GURPSに変更となる
雑感:
  個人的には、GURPSのシステムはあまり好きになれないだけに、おそらくプレイすることはないと思われます(おまけにプレイには、GURPS BASICのみならず、,GURPS SPACEやCompendiumも必要となると、そこまでしてやろうという期にはなれません)。ただし、ソースブックについては、他のトラベラーシリーズでも参考にできると思われるので買いつづけるでしょう。
  GURPSのシステムが決して悪いとは思っていません、ただ、好きになれないし、プレイしようという気にもなれないってだけです、あしからず。

Travellerシリーズ製品一覧

   私が把握している範囲(手元にあるともいう)での製品一覧と、簡単な紹介です。内容紹介はかなりいいかげん、かつ主観混じりですので、あまり真に受けないようにしてください。

Traveller

記念すべき第一作目です、私の手元にあるものは全てホビージャパン発売の日本語版のみです。

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MegaTraveller

 第2版です、幸か不幸か、GDW版(英語版)を入手する機会に恵まれたため日本語版、英語版とも存在しています、いくつか抜けているものはあると思われますが、たいていは入手しているはずです。

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Traveller The New Era

 第3版、これは多分全てそろっていると思います。なお、これ以降のシリーズについては日本語版は存在していません。

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Marc Miller's Traveller

 第4版、1年ちょっとの間に、怒涛のごとく発売されましたが、気がついたら発売元がなくなってしまいました。そのため、番号に抜けがあったりしています。発売された分はほぼ、すべてあるはずです(たしか、スタートセットのデラックス版を持っていないくらいだと思います。)

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GURPS Traveller

最新作です、第五版にあたりますが、どこまで続くことでしょう・・・。

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   こんなにあるとは思いませんでした、われながらよく買い込んだものです。



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