哀愁漂う西暦2001年の秋、愛妻・にゃおこと僕は香川県へ1泊旅行に出かけました。今回の旅行の目的はなんといっても、『うどん巡礼』です。殺人的に美味しい讃岐うどんを我々二人は香川県下でおもむろに食べまくった訳であります。その中でも、特にインパクトが超キョーレツだった赤坂製麺所について、レポートさせて頂きたく存じ上げる次第であります。(赤坂製麺所さん、勝手に固有名詞をHPに載せてしまい、申し訳有りません。<(_ _)>)
赤坂製麺所とは、その名の通り、元々は麺を作る作業所であります。その横で客に食べさせてくれるうどんが非常に美味しい!と本、インターネット等で有名だった為、我々は死にもの狂いで伺うことに致しました。うどん巡礼旅行の二日目、赤坂製麺所の最寄り駅まで電車で移動しようと思い、駅で時刻表を確認した所、なんと昼間でも、電車は1時間に2本しか走っていないとのこと。やむを得ず、駅で愛妻・にゃおこといちゃつきながら、電車の到着を待ち、そうこうしている内に、待ち焦がれた電車が駅に到着しました。その電車というのが2両編成。今回の旅行に際して利用した新幹線は言うまでも無く通常16両編成ですネ。普段、あわただしく時間を過ごしている我々が間違っているのでしょうか?それとも、この様なのどかさこそが人間にとって必要とされるのでありましょうか?とにかく電車で移動し、最寄り駅で下車した所、我々二人以外には、下車した乗客がゼロ。つまり下車したのは愛妻・にゃおこと僕の二人だけだった訳ですナ。当然のことながら、我々二人は改札口へ向かいます。すると、その改札口にいらっしゃったのが、僕の母親位の年齢の女性だったのです。要するにおばさんです。決して女性を差別するつもりなど、もーとーもありません。が、現実の問題として、そういう年齢の女性が駅員さんをなさっているのは珍しいことではないか、と客観的に思います。そして、この女性駅員さん、なんと私服姿でいらっしゃったのです。ご自宅からチョックラ出かけて来られたかの様ないでたちでお仕事をこなしてらっしゃるとは・・・・・・。愛妻・にゃおこも僕も生まれてから今日に至る迄、私服姿の駅員さんは初めてであります。これだけで驚いてはいけません。切符をこの女性駅員さんに恐る恐る渡そうとしている僕に向かっておっしゃるには、
「赤坂製麺所へ行くんやね。この駅の後ろへ行って、川を渡ったら、すぐ右手に在るよ。」
とのこと。まだ愛妻・にゃおこも僕も一言も発していないのに、こちらの目的地を読みとるとは!!女性駅員さんの洞察力と動物的カンに感服することしきりでありました。
肝心かなめの赤坂製麺所へ辿り着く迄に色々な体験をさせて頂いた訳であり、ここからがやっと本題の赤坂製麺所でありますデス。驚愕の駅から徒歩1分という近い場所にその約束の地はありました。うどん巡礼中の我々二人の目に最初に入ったのは、『赤坂治療院』という看板です。話が前後してしまいますが、この『治療院』という意味は最後の最後まで分かりませんでした。まさか、病気やケガをうどんでなおすワケでは・・・・・・・・(^^;) アハハ… すぐ隣を流れている川に沿って裏手へ廻ります。この時、赤坂製麺所と書かれた看板を発見することができました。この看板を見て再び驚かせて頂いたことには、営業時間は『7時〜暗くなるまで』と赤い文字で書かれてあります。空が暗くなると仕事も終わりという大胆な発想!!夏と冬では、日没の時刻も変わるのではないのでしょうか?先程の電車の件にもありました様に、普段、我々の様にあわただしく時間を過ごしている方が間違っているのでありますでしょうか?と、驚いてばかりでも仕方がありませんので、とにかくうどんを食べさせて貰うことにしました。素晴らしく立派なあごひげを伸ばしたご主人がうどんをゆでて下さいました。かけうどんが1杯なんと100円!!この安さにはホントーにビックリ!!そして、これがまた跳び上がる程、ウマいのでありまして、愛妻・にゃおこも僕も思わずお代わりしてしまいました。この赤坂製麺所には、なんと王冠(!)がうやうやしく置かれてあります。これは、数年前、あるテレビ局が赤坂製麺所へ取材に来た際、番組収録時に王冠を使ったのだそうでして、その王冠を取材後、赤坂製麺所へ置いていったのだそうです。僕もその王冠を頭にかぶって記念写真を製麺所のおばちゃんに撮って貰いました(←この王冠をかぶっている写真を我々も撮っておけば良かった〜!!)。聞けば、全ての来客の記念写真を撮り、アルバムに入れて保存してらっしゃるのだそうです。もし、あなたが赤坂製麺所を訪れたなら、おびただしい数の写真アルバムを極めて容易に見つけられる筈です(というより、イヤでも目に入ります)。
その中には、僕の写真も載っている訳です。この赤坂製麺所、遠方からの客の為になんと宿泊することまで可能だとのこと。製麺所のすぐ近くに離れがあって、そこで寝泊まりできるのだそうです。世界広しと言えど、泊まれるうどん屋さんはあまり多くないのでは・・・・・・・・。
名残を惜しみつつ、赤坂製麺所を後にした我々はコーヒー等、飲みたくなって参りました。食後のコーヒーの美味しさは言うまでも無いですからね。けれども、付近には、喫茶店が1軒も無いのです。うどん屋さんが在っても、喫茶店が無いとは、う〜む。(〜_〜;) 駅舎の中に置かれてある自販機でコーヒーを買い、一心地ついた時、愛妻・にゃおこがギョーテンするべきモノを発見しよりました。皆様、御存知の様に、自販機とゆーモノは見本がウィンドーの中に置かれてあって、その買いたい見本の下のボタンを客が押すのが圧倒的、イッパン的なシロモノでございます。その時、愛妻・にゃおこが見つけてくれよりましたのは、見本商品が置かれるべき場所におごそかに置かれてある白い缶でありまして、その見本缶には『?』としか書かれておらんのです。つまり、その『?』マークの下に在るボタンを押すと、何が自販機から飛び出してくるのか分からないという仕掛けであります。福袋の感覚で自販機を利用させて頂けば良いのでありましょうか?愛妻・にゃおこと僕は抱腹絶倒の爆笑でございまして、赤坂製麺所を後にし、次なるうどん巡礼の目的地へ向かったのでありました・・・・・・・・・・・・・・