<ここがスゴイ=エース清水>


エース清水という人は、その才能や努力を、自分の中で消化してからかっこよく表に出す。そういうミュージシャンだと思っています。
だから、さり気なさの中に実はスゴイことが隠れてる。
ライヴビデオをみていて、これはスゴイと思ったこと。こんなことです。



<コーラスが正確である>
当たり前のことと思われがちですが、これはスゴイことなんだと思っています。
ピアノなどというものは、とりあえず、その音にさわりさえすれば、 その音(音程)がでてくれると思うんですが、ギターも然り?かな?
人間の声というものは、思った以上に不安定で、(吹奏楽器もですね) そのキーを頭の中や体の中でシミュレーションして出さなければならない。
特に第一声というのは、ヴォーカリストでも結構勇気のいるものだと思います。 しかもコーラスはみんながノリノリの、演奏の途中で突然参加しなければならないことが多い(笑)。
歌い始めれはその声に対して耳も働いて、音程をつかんでいけると思うのですが、 第一声はどれだけ良い音感をもってるかではないかと思います

といいながら努力されているのかなと思うシーンも垣間見られます。
コーラスではないですが、歌をふられるとわかってると思われるとき、直前から歌っている。そうすれば、多少の助走はつき、流れとして声が出せるんだと思います。
キー的にも高く、「よくいきなりでるな」思ったことがあり、ビデオを巻き戻して「このせいか?」と感心しました。
逆に準備してないときは、絶対歌わない?と思われるようなシーンも見かけ、プロを感じました。

ヴォーカリストというのは、ある程度頭がおかしくても、ん?頭の音がおかしくても(笑)、 長いスパンで世界を作っていけばよいので、
どこかでツジツマがあえば、それでよいような気がします。 むしろ、最後の抜き方に注力してるヴォーカルの方が余韻があって、私は好きです。
でもコーラスは余韻や味より正確さかと。 それまでの流れを壊さない正確さ、そのためには「入り」が大事なんだと思います。
だから清水さんはスゴイ。



<絶対音感をもっている>
以前に「絶対音感」という本を読んだことがあるんですが、コレを持ってる人(正確には究めてしまった人っていった方がいいですかね。)は結構つらいらしいです。
何しろコップの割れる音まで、音程で聞こえてしまうそうですから。生活音すべてが音楽に聞こえるってことですかね。コワ〜。
清水さんがどこまで究めてらっしゃるか存じませんが、子供の頃「なんの音かわからない人がいるんだ。」って不思議に思ってたらしいのでいやになっちゃいます。(笑 私なんて誉められたら天狗だったのに)
清水さんに絶対音感を感じるのは、ライヴでヴォーカルのデーモンさんと掛け合いをする 「BIG TIME CHANGES」という曲。
ヴォーカルが好きなフレーズを口ずさみ、同じフレーズをギターが追うという寸法。それが繰り返され、エンディングになだれ込む。失敗は許されない見せ場です。
場を盛り上げようとするデーモンさんは、擬音も含め低いところからまるで超音波のように高いところまで自由に歌いまわします。動きまでつけて。
それをなぞるギターは、

1)フレーズを覚える
2)音の高さを理解する
3)ギターのどのポジションで一番そのフレーズを生かせるかを考える

これを段階を追って考えているのか、瞬時に判断するのか、凡人の感覚ではわかりませんが、少なくとも、数秒の間に判断し、まるで口ずさむかのように自然に弾き倒す。
ポーズまでつけてみんなを沸かせることができる。
だから清水さんはスゴイ。



以上、ヴァイレンタインデーによせて、こんなことを思いました。どちらもご本人に「そんなことねぇよ。」といわれたら水の泡になる他愛ない話です。はい。

(2001年2月14日)


参考資料;「B.D.10 武道館 THE WORST BLACK MASS TOUR」「「THE ULTIMATE BLACK MASS[COMPLETE]」「オール悪魔総進撃! THE SATAN ALL STARS」他

聖飢魔IIの音