気ままにコラム がらすの夢

1年後のface to ace


■face to aceらしさ

私にとって、センセーショナルなデビューマキシ「MISSING WORD」の発売から10月24日で丸1年たちます。
まさに1年前の今日、「
ACEさんのボーカルの旨みをささえ、コンセプトのしっかりした成熟したマキシだ。」と絶賛させていただきました。
その反面「
あまりに本田さんサウンド(と感じた)で、ある種ショックを受けた。」ということを書きましたが、その辺り、その後どう受けとめて、今はどう思っているのか。
・・・聞かれてもいませんが(笑)、綴ってみたいと思います。

――結論から先にいってしまうと、私ったら、ACEさんのことも本田さんのことも全然わかってなかったわ・・・。です(笑)。

そのきっかけとして、1月のACEさんのトークライブで「デモテープ」を聴かせていただいたことは、ミュージシャンとしてのACEさんの見方が変わったほど大きな出来事でした。
何しろ
それまで、本田さんの音に違いないと勝手に思っていたものが、ACEさんのデモとしてでてきたのですから・・・。

たとえば「QUIET SNOW」。「本田が自分(ACEさん)がここはと思っているところを残してくれた。」というようにおっしゃっていたのですが、
大阪のトークライヴでは「雪がどさっと落ちる音をスネアの音で表現した。」ともおっしゃったとか。おぉ、あの音はACEさんの段階で、そこまで意識してたものなのかぁ。と。
う・・・なんといったらいいんでしょ、ギタリストだから・・・という偏見か、もっとドラムとかクリアで、音色もナチュラルあるいはハードで・・・
というような、もっとストレートな音表現のデモを想像しておりまして。
すでに
face to aceの<凝り><香り>が見え隠れするデモテープに、そっかほんとにACEさんはこういう音楽をなさりたいんだと確信し
それはこのとき初めて思ったことだったので、衝撃でした。
いくら
インタビューなどで、本田さんとは方向性が一緒だとおっしゃっていても、百聞は一聴にしかず?とでもいうのでしょうか。目からうろこの企画であり、
ACEさんは「いかに本田がすごいか」をアピールされたかったようですが、私的には同時にACEさんの「face to ace」にかける意気込みを認識したイベントだったのです。

逆に、本田さん。本田さんについてはさらに勉強不足なのですが、「残像」のギターが本田さんの弾かれたデモを元にしていると聞いて、これまた参った。でした。
ギタリストがシンセでデモつくって、キーボーディストがギター?いったいface to aceはどうなってるんだ?って(^^;、

わかってないなぁと思った一方で、昨年、「お2人とも自分の楽器をものすごく愛してるのに、それに固執しない潔さがある。」と書いたことは当たらずとも遠からじなのかも。と(笑)。
作品によってもっとも旬な音素材をつかうことで、柔軟な音楽を生むことができる。そこが似ていると感じた。」という気持ちは1年でさらに強くなりました。

■ 空間を操る音楽

本田さんのアレンジは・・・、face to aceのアレンジは、とても立体的ですね。形を変えて、四方八方から攻めてくる。
同じ音が重なっているようで、微妙に定位が違ったりするから、潰れずに広がりや深みがでる。なんたってワンフレーズでさえ、あちこちから聴こえる(^^;。
本田さんのシンセフレーズ自体は単音が多いし、シンプルなものが多いのに印象に残る。音づくりが魅力的で音が立ってるからかな・・・と思っています。
小難しい和音というより(そこはギターが弾いてたりもする・^^;)、
様々な音や効果をつかった単音フレーズの出会いが、あの<気持ちよい空間>をつくってるのかなぁ。
それはベースも含めて。
耳が二つあってよかったと思うface to aceです。

その中では、ACEさんのボーカルも同様、遠いところにいたり、手の届きそうなところにいたり、がたまらないです(笑)。
・・・デビュー時にネックとされていたとおっしゃるボーカルのことをあえて書かせていただくとすれば、「face to aceにはACEさん」でよいと思っています。
個人的な感想にとどまらず、それを裏付けたと思ったのは、ファーストマキシで感じた少しミステリアスなベールのようなものが、(効果として狙いがあるだろうものは別として)早くにどんどん剥がされていったこと。
もしご本人や周りに、迷いや不安があれば、その方向には向かなかったのではないかと。それだけ、
ボーカリストとしての自信と信頼を得た結果と理解しています。
さらに嬉かったのは、ネットを泳いでいて、
「ふと耳にしたボーカルに魅かれて、誰だろうと元聖飢魔IIのギタリストにいきついた。」という書き込みを拝見したとき。
ちゃぁんと新しいファンの心に届いているんだなぁと。新しい活動をされる中で、大切なことですから・・・。

■ これからのface to aceに

作品は徐々にシンプルでわかりやすくなってきましたね。シングル中心ということもあるのかも知れませんが…。
face to aceには、ライヴでは再現できない、CDならではの作りこんだ世界というのも、実は期待している私としては、今後そんな作品をじっくり聴いてみたいとも思います。
さり気なく凝った本田さんのバックに、ACEさんのソフトなボーカルというのは、夢見ごこち?(笑)。
とはいえ、ライヴギタリストなACE氏も捨てがたくファンとしては悩むところ(^^;。

何はともあれ、メディアへの登場、順調なリリース、ライヴ、等々、ファンとしては感謝感激の1年間でした。本当にありがとうございました。
さて2年目。まっしぐらについてまいります。

(2002年10月14日)

〜追記〜

上記、10月24日日付で上げるつもりだったんですが(笑)、ほんのこの10日間で、情報が進んだので追記にしまぁす。
ニューシングルや、ニューアルバムでは、もしかして創りこんだ世界が聴ける?しかもライヴ感もある?…な予感。気持ちが通じたかしらん(笑)。
やっぱり、2年目も目が離せない、「とりあえず、次もこんな感じだろうからいいや。」は通用しない、face to aceのようですね。

(2002年10月24日)