気ままにコラム がらすの夢

なんちゃってミュージシャンからみた、
先生としてのミュージシャンACE


しばらく、乙女目線でACEさんを見ていることが多く(笑)、ACEさんのミュージシャンとしての素晴らしさを書いていなかったので、恐れながら今回書いてみることにします。
思えば、ACEさんを語っていたころは、もう自分は音楽をやることはないと思っていたので、改めて、それこそACEさんたちに、触発されて、再び自分で演る音楽を楽しむことにした、
なんちゃってミュージシャンからみた、先生としてのミュージシャンACE・・・について。

はっきりいって、ワタクシにとって、トータルなカリスマ音楽教師です(笑)

メンタル〜心の師
1986年頃、最初に聖飢魔IIにはまったとき、まだ音楽学校の学生だったし、音楽中心の生活をしていたわけですが、そのときはACEさん個人(個悪魔;)については、ただただ、「かっこいい!キャーキャー」のキラキラ乙女でした(笑)。
今思うと、なんでも吸収できる時期に、もったいなかったというか、損をした気もしますが、若いときは得てして、大事なことに気づかないもんです(苦笑)。
気づいたのは、それからだいぶ経ってからの1999年。ACEさんに傾倒した理由のひとつに、以前もちらっと書いたことがありますが、ちょっと古い聖飢魔II時代のインタビュー記事を見つけたこと、
「ダーッと好きなようにやってもっといい物が出来るタイプのヤツだったら俺はそうしてるけど、俺はそういうタイプじゃないから、絶対考えた方がいいものが出来るから。」
を読んだことがあります。
たぶん、このときから、ACEさんを心の師匠としてみるようになったのではないかと。。。

音楽活動をそこそこ熱心にやってたとき、なんとなくですが、ライブ最上主義みたいなのをまわりに感じて、(あ、直やってたメンバーはまた色が違いましたが。)
音楽は生がよくて、ライブこそ音楽のあるべき姿、アドリブとかあると、かっこいい。みたいな。
で、自分はというと、どちらかというと、地味〜にいろいろこねくり回しながら、音を重ねていったり、試行錯誤しながらモノを作っていくタイプで、
ライブより宅録で作品つくってる方が好きだったし、できれば、ライブでもそれをそのまま表現したいぐらいに思っていて、
ノリ一発みたいなのが苦手だったし、好きじゃなかったんですね。
そんなときに、ACEさんの言葉は励みになって、すごく嬉しかったんです。


もちろん、ACEさんは、その場で好きにやってもできるけれども、比較として、理論的に組み立てていったほうがよりよいものがということであって、
私の、怠慢も含め、単に出来ないから、要求されると苦痛ということとはわけが違うんですけど;、しかも、私は理論に長けてるわけでもなんでもないですし。
それでも自分なりに考えてきた方が、いいものを出せると思っていたし、元来不器用で、その場で即席で作ったり直すよりは、性格的にも次までに考えてきたいというのもあった。
だから、第一線で活躍してる人(悪魔だったけど;)に、「俺は、絶対考えた方がいいものが出来るから。」とおっしゃる方がいらっしゃるというのは、とても勇気づけられた。
また自分で音楽やってみようかな、と思ったきっかけのひとつは、ここにあったといっても過言じゃないと思います

音楽理論〜まさか、再び;
時々書いてますが、私は時間とお金をかけて勉強したわりに、全然身についてません。もともと音楽的能力も低いんだと思います;。
その中にあって、ACEさん教則で、生まれて初めて、音楽理論ってちょっとおもしろいかもって思った。教え方次第なんだとも思いました。
この教則が学生時代にあったら、人生変わってたかも(笑)。

ACEさんの話は、私には実践的で理解しやすい。じゃあすごく具体的で例えがわかりやすいか(自分にとって)というと、そういうわけでもないんですが(ヲイ;)、
順を追って、私のポイントにはいってくる感じがするのです。それでいて、部分的に迷ったときに、ピンでも戻れる親切設計(?)。
なんというか、順を追った説明なんだけど、「そういえば、これはなんで、こうするんだっけ?」「こう考えていいんだっけ?」と思ったときに、理由があって、
また、最初に戻らなくても、そのポイントポイントにヒントがある場合が多いので、省エネです。丸暗記でもない。

たとえばいつぞや、譜面を書こうとしたとき、リピート記号と、ダル・セーニョ記号の組み合わせに決まりがあるのか迷った。
小学校や中学校でそれぞれの意味は習っても、組み合わせの決まりなんて習わないし、よく見る理論書も同様に簡単にそれぞれの意味が書いてあるだけ。
ルールがないのかも知れないけど、それならそれでそういう答えがないと納得できない性格の私;。その答えが「鉄人への道」にはあった。・・・そんな感じです。

取り上げるものも、ときどき雑誌の連載で例にあげられていた、聖飢魔IIやface to aceの譜例は、私にとって身近で、他の知らない曲より、俄然やる気がでた。
もちろんギタリスト中心の理論書や映像教材なので、それだけで勉強しているということはありませんが、勉強しなおそうと思ったきっかけだし、
基礎部分でわからなくなったとき、もどるのは、ACEさん教則だったりします。

DVDのインタビューで、「アマチュアの人の曲で、音楽理論を勉強してる人かどうかって、曲聴けばわかりますからねぇ。」みたいな発言も、あ痛たたたた・・・で刺激になりました(^^;。

まず「何を表現したいか」があって、音楽理論もテクニックもそれを「表現をするための手段」ということをよくおっしゃっていますが、この言葉によって、私の中の学習する(意欲の?)ハードルが低くなった気がします。

実地ギタークリニック
クリニックでビブラートについて伺いましたが、そこではなによりも、「質問の受け止め」と「”その質問”に対する的確な返答」に凄いと唸りました。
自分のフィールドに持ち込まず、相手の土俵で相撲を取る。・・・なんのことかさっぱりわからないと思いますが;、そんな印象を持ちました。

そうそう余談ですが、そこにいらした多くの方が、きっと普通に初歩的で一般的な、ビブラートの質問と思ったと思いますが(笑)、
中学のとき、遊びで弾いたクラシックギターの横ビブラートもどきが出発点の私は、長いこと、弦を押さえる指だけ力をかければよいと思ってたようで、
エレキギターで、縦のビブラートというのは、特に低い位置で、どうやっていいものか、悩んでました。一緒にギターが持ち上がっちゃったりとか(笑)。
ACEさんも含め、ギターをなさる方ならあの時、なんでビブラート教わるのに、そんなローポジション押さえるんだ?と思われたかもしれませんが、
私にはそんな意図があったのでした;。(そのポジションは私の練習曲の実際困っている位置でした。)

質問の受け止め
どう見ても初心者(笑)、でも、初心者なりにいろいろ考えをめぐらせている私としては、もしかしたら、普通教えるには基本ではないかと思うハイポジションに、
例えば、「ビブラートならこっちで練習したほうがいいんぢゃない?」など、すぐさま導かれるのではないかという不安も。
でも、いったん、こちらの示したポジションをなぞって、そのまま教えてくださった。ここにまず密かにぐっと感動。

そして、何より習う者として感動したのは、「・・・支点は・・・親指にかかる感じかなぁ。???」の一言。
支点がどこか・・・・弦を押さえる力ばかりだった私には、まさにそこが、”聞きたかった”こと。とりあえず、弾ければなんでもいいじゃんで済まないのが私;。
「例えば力(支点)はどこにかかりますか?」というようなことも、質問には書いていました。
とはいっても、もしかして、「もっとしっかり握って(指ではさんで?)、まわすようにすればいいんじゃない。」とか感覚的な答えでも済んだかもしれないことを、
そんなある意味些細なことを、きちんと、普段、ご自身は意識もしてないかもしれない「支点」という「質問の答え」として返してくださったことに生徒として感動しました。

練習方法の中に
別の質問で、スケール練習の例をあげられたとき、「特に、同じ弦を高い音から低い音にいくのが苦手、逆は、前の音に指が残ってても弾けるけど、低いほうにいくときは、必ず先に離さないといけないから。」というようなこと(大意)をぽつっとおっしゃってました。実はこのひとことにも、私は目から鱗落としてました;。
おっしゃってたことは、もうそのとおりで、きっとギターやってる方なら当たり前に理解できること。なんの目ウロコかというと、これまた私の引っかかってたものの答えだったのです;。
ソロの練習曲にしてるのは、ACEさんの教則DVDの中の曲で、「DIATONIC GARDEN」なんですが、何箇所か、同じ弦を移動するとき、上手く音がでないことが。
それを思い浮かべたとき、全て、高いポジションからの移動だったんです。なるほどぉ〜って。

私にとってこれが、「右手と左手のタイミング、低いほうに行くときは特に注意が。。。」とか、抽象的で、漠然としたものだったら、きっと理解できないんです。感覚的にわかる人もいるんでしょうが。
「低いほうにいくときは、必ず先に指を離さないといけないから。」・・・つまり「なぜそうか」がわかって、ここで、自分なりに「そっか、だから、そこに気をつけて、左右のタイミングを考える練習すればいいんだ。。。」みたくようやく結びつく

理解の道順
私は日頃音楽をやる人間に囲まれていて、ギターを弾く人もまわりに何人もいますが、感覚的に教えてくれるひとも多いし(笑)、
音楽理論を教えてくれる人となると、もともと天才的な感覚を持っているのか、話が飛躍しすぎて、私の拙い理解ではついていけない;。
・・・そこにもってきて、そもそも私自身「教わる」ということが苦手なんですね;。
それは楽器などに限ったことではなく、ちょっと、考え方がおかしいみたいで、計算でも、エクセル、ワードの研修でも、最終地点にたどりつく道程が他人と違うことがよくあります。
そして、自分の道筋を通らないと、理解できないことがあるすんごいドン臭い人間です。だから違う言葉で表現されると、もう道筋が違って、途端に理解できなくなるのです;。
一番嬉しいのは、自分流にやらせていただいて、迷ったこと(とこ)にピンで答えてくれること??ですかね。

感覚だけぢゃない教え方、かといって、机上のものという教え方ではない。具体性を持った、なんでこうする(なる)んだ、順序だてた説明っていうのでしょうか、
それでいて、ピンでもヒントがもらえる。体で覚えちゃいましょう、暗記しちゃいましょうがメインの力ずくでない
たぶん、そんな教え方が、著書や教則映像、そして実地でも、自分のたどる道筋に近いところがあって、理解しやすいのだろうと思っています。

それが、私にとっての先生としてのACE さんです。
どれを取ってもまだまだの私ですが、これからも師として、困ったときの戻りどころとして、勝手に仰がせていただきます。(^^)
鉄人への道 Part 2、Part 3も、きっとちんぷんかんぷんだけど(笑)、じっくり取り組みます。
いつまでも、楽しくきちんと音楽をやる素晴らしさ、おもしろさ、教えていただきたい。 そういったことができる、数少ないミュージシャンだと思っております。

(2006年2月14日 教則本発売記念バレンタインコラム・笑)