ディスクな音  お気に入りの音たち Home

△▼FIESTA▼△

2005 .1.21 in store
DMRS-102 ¥3,000(tax in)

produced by face to ace


何気ない日常、ふとした拍子に気持ちの敏感な部分に触られたときの切なさ、はかなさ、心地よさを呼び覚ます作品の数々。
ACE氏、本田氏のメロディメーカー、サウンドメーカーとして魅力が存分に発揮され、歌詞ともあいまって、二人のぴったりあった息づかいが伝わってくるようなアルバム。

前作のオリジナルアルバムを、「ボーカルも1つの音として取り込んだ、サウンド全体を面で表現したアルバム(「a new day」感想より)」としましたが、
2年ぶり(カバーアルバムを除く)のこのアルバムは、その面に張り付いた音の粒の一つ一つが、さらに立体的に膨らんで主張し合い、ドラマを作っていく感じ。
ファットに説得力を増したボーカル、ギター、キーボード等々、それぞれの音、フレーズが際立ってます。

でも、敢えて「演り手」ではなく、改めて、おふたりの「創り手」としての、すごさを見せつけられたアルバム。としたいです。もちろん「演奏」することも考えられた「創り手」の凄さ。
メロディ、アレンジ、ソロ・・・。シンセの音が好きなのは、また今作もですが;、特にギターソロのフレーズに、今回、唸るものばかりでした。
またギターの音もこれまでで一番好きなアルバムです。

それぞれのルーツの醍醐味も味わえるように思います。

1.KALEIDO-PARADE (作詞:ACE 作曲:本田海月  編曲:本田海月)

クールファンタジー(?笑)な仕上げのシンセリフと、ちょっとゴリゴリした、
ピアノベースみたいな音のベースが印象的な、裏ノリポップで軽快な作品。
まさにカレイド・スコープ(万華鏡)のように少しずつ景色を変えながら、
切れ目なく廻り続ける。歌詞と曲の融合が絶妙です。(マキシ紹介より)

アルバムヴァージョンは、マーチングバンド風にフィルインされていて、始まりを告げる感じ強し。

2.so sad-so what? (作詞:ACE 作曲:本田海月 編曲:本田海月)

ちょっとノイジーな、ハウス風な音(?)のリズムにのって、シンプルにかき鳴らされたアコースティックギター。
襲う虚しさに、もがきながらも、前へ前へと進んでいこうとする感情が高まる。
本田さんには珍しい?ロングなシンセソロは、表情豊かに流れてかっこよい。

fiesta    (作詞:ACE 作曲:ACE 編曲:本田海月)

ドリーミーなシンセに、勢いのあるパーカッションで始まる、キメがかっこいいサンバなナンバー。
力強いギターカッティングが、さりげなくテンションなコードで散りばめられていて、
また、キメをリズミカルにうまくフレーズに取りいれながらのACEさんらしいギターソロも圧巻。
エンディングで迫り来るたくさんのACEさん。^^(YANZさんもいるのかな)

4.ON THE WING (作詞:ACE 作曲:ACE  編曲:本田海月)

人知れず打つ、激しい鼓動をも感じるような16ビートのリズムに、まるで高まる気持ちを抑えるかのように、
ゆったりとしたボーカルが乗って、伸びやかに歌い上げる。哀愁を帯びたシンセ(ピアニカ?ハーモニカ?)ソロが泣く。
夕焼けが見えた気がします。
サビ部分のギターのオブリガードは、さりげないけど、音、フレーズとともに印象的で、ものすごくいいと思います。

5.流星雨 (作詞:ACE 作曲:ACE  編曲:本田海月)

ハードなギターに、クールなピアノバッキングがかっこいい。
ここまでピアノを前面にだし、またピッチベンダーを駆使したアグレッシブ、かつ
泣きのシンセリフはface to aceでは珍しいかも。
音もアレンジも飾りを抑えた、ストレートでライブ感溢れる作品。
ギターソロもたまらなく泣きます。走ります。
 (マキシシングル紹介より)

6.SPUNK ME UP (作詞:ACE 作曲:ACE  編曲:本田海月)

”ピュア”の流れを汲むような、でも、これまでのface to aceにはおそらくない、
ゲートリバーブ(かな?)かったようなスネアが重く響き、荘厳な雰囲気の作品。
2番からの抜ける感じも、心にすっと入ってきます。本田さんの幅広いアレンジ力を見せ付けられる一曲。
エキゾチックな雰囲気、ソロはギター2本でしょうか。ヴォリューム奏法(?)のロングトーンから徐々に盛り上げて、
後半はACEさんっぽいスケール(ロクリアンとかリディアンとかそんなやつ…に聞える;)で駆け上がる。

私の好きな宮崎駿作品にあいそう・・・。

7.ESCAPER (作詞:ACE 作曲:ACE  編曲:本田海月)

80年代エレクトロ・ロック?出会った頃の本田さん色満載。
今だからこそ、実はこういうアレンジ待っていたのです私。な1曲(笑)。
頭一発でニヤけてしまいました。スピーディで、切れよく、音が暴れてます。
しかも、メロディは、どっぷりACE 節、歪んだギターがはじけて、エレピが切なく・・・。手放しで好きです。

8.INTO THE BLUE (作詞:ACE 作曲:ACE  編曲:本田海月)

ギターとベース、ピアノ、SE、そしてヴォーカル。見事にマッチして、
耳元で演奏を聴いているような、豊かで暖かい音の作品。

9.SLOW DANCE (作詞:ACE 作曲:本田海月  編曲:本田海月)

口笛のような、ちょっと不安定なシンセやメロディをずしっと支えるリズム。
何本ものギター、エレアコのシャキッと感が効いて・・・。バックのユニゾンの動きが一丸となって力強く、ライブが想像できるような ノリが気持ちいい作品。
スクラッチのギター(?)とベースのコール&レスポンスなアレンジもおもしろい。

10.TWO OF US (作詞:ACE 作曲:本田海月  編曲:本田海月)

ピアノ中心のバラード。ゆったりとした導入部には、歌詞もまどろみをもって、サビの転調部分で、歌詞も前向きに新たな展開をみせる・・・。
「本田のアレンジまで聴いてから、歌詞を乗せる。」とおっしゃっていたACEさん。この曲もそうなのでしょうか?
まさに、ひとつになった言葉と音が、鼓動を伝えます。

(2005年1月19日)・・・あえて分析ちっくにするとこんな感じですけど;、ホントは頭からっぽにして抱きしめたいほど、愛おしいアルバムです。