ディスクな音  お気に入りの音たち Home

 


「FACE TO FACE」

2002.1.1 in store
CRCP-20286 ¥3,000(with tax)
Sound produced by face to ace


作り込んだ印象の強かったマキシシングルに比べ、全体的にナチュラルでライヴ感のあるラフなイメージを持ちました。

ギターが前に出てきてACEさん色が強くなったかなという印象。一つ一つの音は相変わらず凝っていてかっこいいですけど(^^)。

そして歌メロが重要視されて展開していくのも、相変わらずのface to ace・・・

しかし、ACEさんがここまでキャッチーで甘いサウンドストーリーを描くとは・・・な一枚。すでにベスト盤の趣が。


1.MISSING WORD (作詞:ACE 作曲:ACE 編曲:face to ace)

歌メロをモチーフとした、ごくごくシンプルなイントロ。もったいつけることなく程よく入るソフトヴォイス。
シンプルなギターアルペジオにささえられ、ピアノの音にはっとする。
Bメロ…リバースのかかったようなシンセの一音一音からためらい感が伝わる、ため息が漏れる。
思いは、サピのハードなギターのカッティングによって吐き出され、訴えにかわる。でも言葉にできないもどかしさ・・・。
歌詞ともマッチしたそんなストーリーを感じました。(マキシ・シングル感想より)

2.月夜のケモノたち (作詞:ACE 作曲:ACE 編曲:face to ace)

元気なカッティングのイントロにまずびっくり、なんていうか女の子が不器用にジャカジャカとアコースティックギターをかき鳴らしてるような。
でも、ちゃんと切なさが乗っかってる。そこがニクイ。
モジュレーションかかったアナログシンセ(かな?)の太すぎず細すぎずのリードの音や、左から聞こえるノイジィな音が曲に緊張感と勢いを与える。
ギターソロ早いです(^^;。キャッチーでスピード感のある、ドラマの主題歌ちっくな作品。

3.FLAMING DAYS (作詞:ACE 作曲:ACE 編曲:face to ace)

一定フレーズを刻むギターに<こぶしのまわったような^^;>不安定なベースフレーズが印象的。
切れのよいリズムが対照的で小気味良い。こんなギターソロ待ってたんだよ。というような泣きのソロの一曲。

海原に風をうけて立つ少年の姿がなぜか頭に浮かんだ・・・。

.IN THE MAZE (作詞:ACE 作曲:ACE 編曲:face to ace)

懐かしくチープな香りのする音のリフに遊び心をくすぐられながらも、アンニュイなフレーズに酔う。
ポワっとしたシンセとちょっとワウったとギターのコンビに「TIME AXIS」感じたり。
そしてサビのメロにぴったりの怪しくオリエンタルなシンセフレーズ(^^;
さらにコーラスまで複雑に絡み合い、まさに迷路に迷い込んだ感覚でエンディングへ。
そこはおもちゃの楽隊がプーカプーカ踊ってる世界?

5.オルフェウスの朝 (作詞:ACE 作曲:HONDA KURAGE 編曲:face to ace)

とどまることを忘れたかのように豊かに流れるメロディ。それを支えるシンプルなアレンジ。
リズム(ベース)とボーカルで聴かせる、優しく透明感のある作品だと思いました。
ACEさんのボーカルが囁きかける。サビは声に広がりがあって、肩の力が抜けていて気持ちいい。
コーダからサビへの抜けるようなメロディー展開は目の前のモヤがすっと開けていくようでドラマが見えました。

6....I KNOW (作詞:ACE 作曲:ACE 編曲:face to ace /Alto Sax:HOROMI”GASBON”TAKIGAWA)

「そうきたか」の甘いアルトサックスのイントロに引き込まれる、バラードの定番といった作品。聴いていただければ説明はいらないって感じですかね(笑)。
実は聖飢魔II時代のACE氏にここまで(このアルバム全体で感じること)甘いフレーズを書かれる印象を持っていなかったので驚いていたり。
かなりナチュラルな仕上がりです。ご本人が「こっ恥ずかしい」という世界観の歌詞も聴きどころ。かも。

※瀧川 ”Gasbon” 浩水氏:徳永英明さんのライヴに参加されていたサックス奏者さんのようですね。つのだ☆ひろさんのアルバムにもクレジットされてました。


7.BLIND FLIGHT (無視界飛行) (作詞:ACE 作曲:ACE 編曲:face to ace)

「MISSNG WORD」のキャッチーなメロディーとは一転して、ACEさんらしい、浮遊感のあるメロディー進行をもった作品。
音づかいやちりばめた音の広がり感はより本田さんらしく、二人らしさがMIXされたサウンドだと思いました。
単楽器だけで和音を出すのではなく、パーツの単音使いの交わりで和音感やうねりを出すあたりに見事な計算を感じます。
テープエコーで処理したというノイジィに畳み込むギターソロがこの曲にちょっと意外な感じもしたんですが、そこがまたいいのかも。
さり気なくアルペジオにかかる昔っぽいトレモロ効果やモジュレーターがかかったような不安定なエンディングもおもしろい。
聴けばきくほど味のでる楽曲だと思います。(マキシ・シングル感想より)

8.ENOUGH! (作詞:ACE 作曲:ACE 編曲:face to ace)

ギターのカッティングが効いたドライブ感溢れる曲(の臭いがする。笑)。2と同様、ライブで盛り上がりそうな作品です。跳ねたくなります。
ベース…打ち込みですよね。なんかファンキーでかっこよい。ライブで生ベースで聴いてみたい気がしました。ドライブ感強まるのでは?
ラジオっぽいエフェクトのボーカルがかわいい。

9.QUIET SNOW (作詞:ACE 作曲:ACE 編曲:face to ace)

イントロを聴いただけで、窓の外に降り続く雪を想像してしまう。
音が空から降ってくる感じ。
キラキラと雪の結晶のような、降り積もる雪のような。ドラムまで雪に吸収された音のように聞こえる?あるいは雪道を踏みしめる音のようにも。
音素材のひとつひとつに雪のモチーフを感じました。こんな作品の作り方もあるんだなぁ。
アルバム1枚でバラードのいろいろなパターンを見た気がします。

10.SPIRAL STEPS (作詞:ACE 作曲:ACE 編曲:face to ace)

ギターから入るインパクトのあるイントロ。すべての音が力強い。くっていくキメにそれぞれの思いがほとばしる感じ。
ドラムンベースに乗った伸びのあるメロディが、気持ちよい空間をつくりだす。
ダブらせたり、オクターブのユニゾンのボーカルもおもしろい。ACEさんらしいギターが聴ける嬉しい一曲。

11.早春 (作詞:ACE 作曲:HONDA KURAGE 編曲:face to ace)

くしゃっとしてるんだけど低音も響く腰のあるエレピサウンドのバラード。
そんなエレピをバックに歌いあげるボーカル。
ボーカルにもちりめんみたいなざらついた余韻が残る。ドラムもうねってるし、よく聴くと不思議な仕上げのバラードだ。
普通だったら、アコースティックなピアノでしっとりまとめそうですが、そこがface to aceですね。
それほど音数多くないと思うのに、スカスカに聞こえないのはエフェクトマジック?
お気にいりのテープエコー使われてるでしょうか…
ゆれるフレーズが印象的な入りのベースはACEさんが弾かれてるそうです。最後のループ…なんだろ?懐かしいような…

ACEさんってこーゆー世界歌われるんだ〜の驚きの一曲(^^;。甘酸っぱいです。

12.誰よりもずっと (作詞:ACE 作曲:ACE 編曲:face to ace)

フェイドインする一筋の音を辿っていくと、暖かい光がみえてくる。そんなイントロダクションを感じました。
そしてそれは次のステップへも導いてくれる。
シャリンとしたアコギとちょっと歪んで乾いたようなエレピ(?本田さんの作る音は迷う…^^;)哀愁が漂う。
サビへむかうにつれ気持ちは晴れる、柔らかいオルガン、ストリングス、ピンとはったアコースティックギターソロ、
なにもかもストレートに伝わってきて素直になれる気がする。

―ファンとしてはこの言葉で2年間が帳消しになるような、迷ったときに元気がもらえるような。ついてきまっせACEさん!な曲。
 あ、やっぱり最後にファン心理はいってしまった。^^;

(2001年12月29日)