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大橋隆志ギター・クリニック  〜 2004年2月22日 池袋イケベ楽器4階スタジオ


ギターも弾けないのにクリニックとはいかがなもんかと思って二の足を踏んでいたんですが(^^;、ギターの話を聞くのはとても好きだし、ファンサイトさんで以前のレポートとか拝見して、これなら大丈夫かなと思い切って申し込んでみる。開催5日前ぐらいのことでした。

イケベと大橋さんのギターを作られてるアリアプロIIのプレゼンツというイベントで、今月初めに秋葉原で開催され、池袋で二度目です。
そう、その池袋のイケベといえば、私にとって青春の楽器屋さんでして(笑)。高校時代に一番初めにちゃんとした(?)キーボード(ローランドのオルガンなんですが)やスタンドを買ったお店で、その後も弟の初めてのエレキとか、エフェクターとか、10代のころは御用達でした(笑)。
たぶん場所変わってないと思うんですが、あまりに昔の話で・・・(^^;。最近は滅多にいかないので、懐かしさいっぱいでした。

そんなこんなで、2月とは思えない半袖でもよいぐらいの陽気、しかし強い風が吹き荒れる午後、人ごみを掻き分け、会場であるイケベの4階スタジオに向かいました。
薄暗いスタジオにはステージと、ステージに向かって折りたたみイスが2列と3列で・・・23脚だったかな?、ステージの上には、今回のメインギター「RS-JAIL Blue」他、計3本が並び、アンプはちょっと見損なったんですが、マーシャル??。
開演まで、今回のクリニックに使うという質問を事前にアンケート用紙に記入、回収される。結局立見もいれて、30名ちょっとぐらい?、女性は思ったより多かったですが、10人はいなかったかな?

いよいよお店のスタッフの紹介で、拍手に迎えられ大橋さん登場!!グレーのタートルセーターに薄い色のスリムなパンツ姿。髪長めでした。大橋さんといえば、腕や胸を出してる姿を目にすることが多いので、ちょっと新鮮(笑)。

はにかんだ笑顔で「こんちわ」というと、RS-JAIL Blueを掴み、舞台中央のイスに腰掛け、THE OUTSIDERSの「MEMPHIS」という曲(ですかね?)を披露。
マイナス1テープというか、ようは大橋さんのギターを抜いた形のバッグに合わせて、ギターを弾かれる。
カッティングとメロリフ(なんてことばがあるのか?;)を混ぜたようなフレーズ、ギラギラせず、丸みがあってでもぼわっとせず、あったかみのある音って感じが好きでした。

「ちょい、きんちょー;。」 とひとこと。 かわゆい。

アリアプロのスタッフさんの進行で、主に事前アンケートの質問、要望に大橋さんが応えていく形でクリニックは行われました。
内容について、ほんとはもう少し丁寧にお話してくださったんですがポイントだけ、もう紙の質問、その場の質問等ごっちゃですが(^^;、だいたい以下のようなものでした・・・(順不同)。

●どんなアンプ、エフェクター、ギターが好きですか?

アンプ:「立ち上がりの早いヤツ。サスティンがある方が好き。マーシャルとか、VOX、フェンダーとか・・・。」
エフェクター:「音がやせない。ナチュラルなヤツを好みますね。」
ギター:「やっぱり(反応が)早いヤツ。ニュアンスがつたわるもの。」そういうのは生で弾いてもそうらしいです。(ボディの鳴りの問題?)
みえなかったのですが、アンプはコンボタイプのマーシャルを使っていたらしく、どこか(アメリカのどこだったかな?;)の「ギターセンターに転がってた。」ものを去年購入されたとか。

●小指の鍛え方は?

「えぇ〜っ?使うしかないよね(笑)。」といいながらも、「人差し指をつかわないで(押さえて)、そうすると小指使うしかないので練習になるかも。」というようなことも。

●(PU以外の?)レッドとブルーの違いは?

「カマボコ型の太いネックが好きなんで、青はネックを太くしてもらった。」かなりお気に入りだそうです。
後はワタクシ専門的なことはわからないので、見た目のことだけ(^^;、レッドはラインがテーピングで、その上に塗装、ブルーは塗装だそうです。

●「アダムの林檎」のリフを弾いて下さい。

アリアさんに「アダムと林檎」と読み間違えられ、「アダムと林檎?(笑)」と聞き返しながらも、
「”アダムの林檎”、・・・あれ結構難しいんだよね(^^;。今日のために練習してきました(笑)。」といって、見事なイントロリフ。とここで「FIRE AFTER FIRE」もやってくださったんだっけかな。もう会場大拍手!!

●なぜ、今 青(RS-JAIL Blue)をだされたんですか?

これにはアリアさんが返答「・・・大橋さん人気です。」苦笑いする大橋さん。他にもなにか理由があったと思いますが、すんません忘れました。

●今でもタッピングされたりするのですか?

「・・・やらないねぇ・・;。」(笑)「聖飢魔IIにいたころは、みせること、フラッシーなことを要求された時代だったけど、今はここでベンドを細かくいれてみようとか(・・・ていったかな・汗)ここでこんな和音いれたらどうだろうとか、そんなことばかり考えてます。」

●聖飢魔II時代の裏話を教えてください

「えぇ?、どんな話?(笑)」と大橋さん。質問者より補足があり、「メンバーは仲がよかったのかとか、誰がソロやるとかどう決めたとか」
「メンバーは仲いいですよ。今あってもいいし。あの頃は結成して、ライブハウスとかやって、テレビとかでるようになったり、色々なことが凝縮されていたから、1年半の間に。そりゃ個性的なメンバーが5人も集まれば、ぶつかることもあったり、なかったりだし。だけど。」
「ソロも、ダミアンの曲は、清水さんと2人でどっち弾くとか決めて、じゃあ自分の曲はつくった人がソロ弾こうとか。」というようなニュアンスのことをおっしゃってました。

●教則本や教則DVDの予定は?

「・・・ないですねぇ(^^;。どこにいって作ったらいいんだろ。どうやって作ったらいいのかとかもわからないし。」

●キャッツ・イン・ブーツのDVDの進み具合は?

「・・・(^^;、思ったよりタイヘンで・・・。でもおもしろいものができると思うのでお待ちください。」
トータル3時間半ぐらいのものになる?、なんでもステレオにしたりサラウンドにしたり、字幕を日本語、英語でつけたりという作業がタイヘンらしいです。

●使用エフェクターは?

それぞれ、実際の音を聞かせてくれました。
ブースター:だれかに作ってもらった??、原音が残りつつ、音が強調されるようなところがお好きだそうです。
トレモロ:T-レックスのもの。
ディレイ:T−レックス「テープエコーのシミュレーションも入っていて、ウォームな感じが気にいってる。」

●影響を受けたギタリストは?

「う〜ん」と考えた後「ジョー・ペリーかなぁ。後は、ZZ−トップのビリー・ギボンズも。新しいことをやってもブルースを忘れないというところがいい。」

●聖飢魔II以前のバンドの活動は?(だっけかな?;)

ノバ?、違う、メデューサだっけかな。というバンドで、「ファイヤーとか・・・えっと(聖飢魔IIでは)なんだっけ?、あ、デスランドとかは、もうそのバンドでやってました。」おぉ、リフとかも一緒らしいです。

●「キャッツ・イン・ブーツ」の再結成は?

「去年やったじゃん(笑)。・・・う・・・ん、物理的に、テキサスとオハイヨと東京と、難しいですね。」自力でやるには限界があるということと、どうせやるなら、大きくやりたいし、そうなるとスポンサーも必要。というようなお話でした。
「今は、DVD楽しみにしていてください。」というような。

●なぜギターを始めたんですか?

「なぜ、う〜ん、なぜだろう。音が好きだったからかな。テレビとかラジオから流れる音楽で好きな音がギターだった?」というような。
「”ハクション大魔王”でファズギターが鳴ってて、こんなのばかりの音楽がいいと思ったら、それがRockだったの(笑)。」

アリアさんの「大橋さんの原点は”ハクション大魔王なんですね。」のツッコミには、「違う違う(笑)。」

●早弾きはもうやらないんですか?

「あははは・・・、いや、よく聴くと今も早いよ(笑)。・・・早弾きは若者の特権でしょぉ(笑)。」

●「これがオレのリフだ」というようなものやフレーズを教えてください。

「え〜っ・・・?(驚・笑・困)、それこそ聖飢魔IIの頃はそんなことばかり考えてたんだけど(笑)。こんなのとか?」と弾かれたのはお馴染み「アダムの林檎」のトリッキーなソロ。(そういえばこの曲がでた頃、確か手元とか映さず、企業秘密?にしてたような。・笑)
そして「秘密の花園」のイントロだったかな・・・。(?怪しいです。アタシ)拍手〜♪
とにかく、ディミニッシュのコードつかってみたり、基本(の弾き方?)なんだけど、組み合わせとかで工夫したりという話だったかと。
カッティングのアップダウンの間に5弦単音フレーズをいれるアダムの林檎のリフなどもクリーンな音でゆっくり弾いてくださったり、ギターキッズは身を乗り出してました(^^)。

●本日の使用ギター

RS-JAIL Blue : 昨年アリアプロIIから発売になった大橋さんモデルの青ラインもの。
エレガット:クラフターというところの黒いエレガット。普通のガットギターより、ボディが小さく薄かったです。
       ビートルズの・・・アクロス・ザ・ユニバース(だっけ)を弾いてくださって「家でこんなことして遊んでます。」みたいな。
オリジナルのフルアコ?:ES-135みたいな感じのものをアリアさんにつくってもらったそうです。サンバーストな色あいだったかと。箱ものがお好きだと。

●弦とシールド

弦:えっと、ゴメンナサイ会社までは・・・。とにかくUSAのものが巻きがしっかりしていてお好きだそうです。
シールド:さほど神経質にはなっていないそうですが、長すぎて音に影響したことがあるので、適度な長さで、「カナレとか」おっしゃってました。

・・・その他、会場に向かって何か「他に質問はありませんか?」と何度も笑顔で聞いてくださり、「秘密の花園のソロをお願いします。」や「アダムの林檎のリフをもう一回」「メデューサの時のリフをなにか」とか、質問というよりはギターのリフのリクエストが多かったんですが、
そのたび、「意表つかれたなぁ。(^^;。もう18、9年前だよ。何してた?」「中学生でした。」「数Iとか覚えてる?覚えてないでしょ?だから俺も覚えてないなぁ(笑)。」といいながらも、「やってみようか・・・」と。「意外と弾き出すと覚えてるもんだな。」というものから「こんなんだっけ?ダメだぁ。わからない。」というようなものまで(笑)。
そのだびに一生懸命応えてくださろうとする、やさしい大橋さんでした。

ライブの予定については、「今はとにかく曲を書き溜めて、まずソロアルバムを出したい。キャッツのDVDとソロアルバム、出すものをだしてから、先を考えたいです。」ということでした。
もちろん、寺田恵子さんのライブの出演やCRJ出演はこれかもやられるそうです。

約1時間のステージ、最後にやはりアウトのナンバーで「Brave man of an era」(だと思う)を弾いてくださる。
ややゆったりなテンポ、ロングトーンなフレーズ、音の色っぽさにぐらっとくる。徐々にハードに展開、無駄なく指板に吸い付くような指先で弾かれるソロ、先ほどまでの笑顔とは違ったギタリスト大橋隆志の顔がそこにあるという感じでした。

CDの購入者には握手とサインが、しっかりいただいてまいりました。やっぱし笑顔がステキでした(^^)。ありがとうございましたっ!!

(2004年2月24日)