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レモンのイラスト 震災慰霊碑巡礼 151回〜 
阪神淡路大震災から5年目。あの苦しみと悲しみをいつまでも忘れずに、安心で安全な町づくりの喚起とともに検証のひとつになればと、今回から被災地の慰霊碑や記念碑を訪ねる。レポーターは、本紙客員ライターの西條遊児氏。(神戸市政・兵庫県政情報紙「セルポートKOBE」から)。同社は神戸市中央区中山手通4−22−11 078・242・1161

第 1回〜第 30回
第31回〜第 60回
第61回〜第 90回
第91回〜第120回
第151回
西宮市神楽町7
夙川公園の石像
娘の面影刻んで

阪神間の桜の名所と言えば、その一つの夙川公園があげられます。阪急夙川駅をはさんで、南は香櫨園浜から北は阪急苦楽園口付近までの4キロ余り。

四季それぞれに美しい花が咲きますが、特に約2300本の桜が3キロにわかって咲き誇る春の景観は見事なものです。

国道を境に南が夙川オアシスロード、北が夙川さくら道と名付けられていますが、国道2号線にかかる夙川橋の50メートルほど南に、風呂上がりの子供がバスタオルを頭から被っている石像があります。

これは大きな被害を受けた地元の神楽町自治会(380世帯)が震災10年を機に、あの時の助け合いの心をいつまでも伝えていこうとモニュメントの設置を決め、宝塚在住の彫刻家大垣圭介さんに制作を依頼して、夙川公園に慰霊の石像を設置したものです。

当時の読売新聞によりますと「震災で愛娘を亡くした主婦とアトリエへ行った時、5年前に作られた子供の石像があり、亡くなった子と同じ背丈の約90センチ。湯上がりでバスタオルを頭から被って立っている子供の像を見て「うちの子と背丈が同じくらい。いつも笑っていた子だった」と話し、慰霊の像にすることになった。

その時はまだ顔は彫られていませんでしたが、主婦が描いた子供の笑顔を約3か月かけて刻み込んだということです。

この写真は冬に撮ったもので夏に写すとまたイメージが違うかも知れません。

なお、神楽町は、震災で大半の家が全壊し、3人が犠牲になっています。

第153回
神戸市西区平野町
慶明寺のお地蔵さん
仮設住宅に地蔵を貸し出し

国道175号線沿いにある神戸西高等学校の東側に臨済宗妙心寺派の慶明寺という禅寺があります。ここは神戸六地蔵の4番霊場で、今から約700年前、鎌倉時代の弘安2年に建立されたという由緒ある寺です。

境内には沢山の水子地蔵がまつられていますが、それとは別にご本尊の裏側に1体の可愛らしいお地蔵さんが安置されています。実は、このお地蔵さん、震災のあとしばらく出張をしていました。

というのは、震災後のある日、西神第1仮設住宅の住民代表が「心の癒しにしたいので」と貸し出しのお願いにやってこられ、木村潮音住職が「それならば」と2体あった秘蔵の地蔵のうちのひとつを快く貸し出されたんだそうです。

仮説住宅では、毎日入居者が面倒を見、毎年夏の地蔵盆には提灯をいっぱいぶら下げてにぎやかにお祭りをし、住民の心の癒しにずいぶん役立ったということです。

「仮設住宅が解消する時に返しに来られたんですが、ずいぶん可愛がってもらったようで、帽子も作ってもろて、えらい綺麗になって帰ってきましたわ」と住職さんは笑いながら話してくれました。

赤い帽子を被り、赤い座布団に鎮座したお地蔵さんは、小ぶりですが、なかなか良いお顔をしてはります。

なお、本堂裏手の小山にあるお墓のほうには、震災の記録を後世に残したいと、震災犠牲者を慰霊する観音さまが、まつられています。
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