兵庫県伊丹市　
　 （番号は「2000年版震災モニュメントマップ」と同じ番号です）

１　昆陽池公園/桜の植樹･石碑「あなたの思いを・・・」　伊丹市昆陽池２

震災で亡くなった人たちと同じ数のろうそくが、毎年１月16日夜から地震発生時刻の翌17日午前５時46分にかけて、伊丹市のほぼ中央に位置する昆陽池公園でともされる＝写真右＝。野鳥の楽園・昆陽池は震災犠牲者を悼む場としても知られるようになった。「追悼の集い」を主催するボランティア団体「ユー・アイ・アソシエーション」が、２０００年１月、石碑「あなたの思いを灯してください」を建立し、桜を植樹した。 　代表の赤松弘揮さん（31）は、西宮市内で経営する学習塾の生徒だった小学校３年生の男児を震災で亡くした。遺体安置所に駆けつけた時、男児の両親がもらした。「遺体にドライアイスを添えてやりたい」。両親の願いをかなえるために走り回ったことが、ボランティア活動の原点。毛布のかかった数十体の遺体を見ながら「今、何かやらんかったら一生悔やむ」と感じた。支援活動で知り合った阪神間の仮設住宅や神戸市内のテント村の住民と交わした「震災１年に集まろう」の約束を果たすため96年から始まった「追悼の集い」は、回を重ねるごとに参加者が増えた。 　ろうそくには遺族や被災者のメッセージが書き込まれている。「生きて 生きて 生きて」「ずっとずっと生きている限り忘れません。神戸を見ていてください」「大好きな人と出会えたのが神戸やった。だからずっと大切な場所」「愛する 信じる 夢を持つ」。思いとともに揺れる炎は、一夜限りの震災モニュメントにもなっている。 西條さんのコラムに関連記事があります 阪急伊丹駅からバス。詳しくは「マップ」と「震災モニュメントめぐり」を

２　山田神社/石鳥居崩壊の碑　　伊丹市山田４

伊丹市内に２４社ある産土（うぶすな）神のうちの一つ。正式には高皇産霊尊（たかみむすび）神社という。境内は伊丹市だが、道一つ隔てて尼崎市になる。 　伊丹市は死者２３人、全半壊８８９４家屋。尼崎市は死者４９人、全半壊４万１６９７家屋。大小はあれ、傷痕を残さぬ地域はない。 　山田神社も、社殿こそ無事だったが、石の鳥居が倒れて割れた。氏子らが、折れたまま放置されていた最上部の「笠木」などを、９９年になって直径１メートルはあるクスノキの大木のたもとに土壇を造って並べた。そして碑を建てた。「平成七年一月十七日　阪神淡路大震災にて石鳥居崩壊の碑　氏子中」。お稲荷さんの裏にある。 　神社には今、氏子が寄付した木の鳥居が仮に建つ。境内では年４回、地域の祭りがある。子供会が毎月１回掃除している。 阪急武庫之荘駅、阪急伊丹駅からバス。詳しくは「マップ」と「震災モニュメントめぐり」を