忘れない1.17震災モニュメントめぐり震災モニュメントめぐり
240ページ(うちカラー8ページ) 定価1500円(税込み) 最寄りの書店か、このWEB制作者
神戸市立図書館「KOBEの本棚」(3月20日号)で「震災モニュメントめぐり」を紹介しています

現在、阪神間と明石、淡路島には石碑や植樹、お地蔵様など、さまざまな形の震災モニュメントが120もあるという。これほどの数が作られなければならないほど震災が遺した傷痕は深い。それぞれの建立の経過からは、、遺された人びとの、震災を記憶に留め、語り継いでゆく、という意思が伝わってくる。周辺案内の記載もある


みみずく書房(市民活動センター・神戸)が「おすすめ本」として「震災モニュメントめぐり」を取り上げています。

毎日新聞(大阪本社版)で連載中の「1.17を歩く」に加筆し刊行されたもの。「マップ作成委員会」は、市民を中心に行政・企業も巻き込んでの活動を行っている組織で、2001年1月17日には「モニュメント交流ウオーク」を実施した。120にものぼる震災関連モニュメントをひとつずつ見開きで紹介し、その背景・写真・地図・交通案内なども収録している。ひとつひとつのモニュメントに込められた思いが丁寧に描かれていて、行ってみたくなる。
市民活動センターは、
651−0065 神戸市中央区割塚通4−2−6
078・265・3511 ファクス 078・265・3577
メール kiroku@dodirect.com


[私が選んだこの一冊]堀内正美(俳優) 「震災モニュメントめぐり」=毎日新聞2000年7月5日に掲載されました。

毎日新聞(大阪)の震災取材班と私たちのボランティアネットワーク「がんばろう!神戸」を事務局にして「震災モニュメントマップ作成委員会」のメンバーがつくった本です。

阪神・淡路を襲った大震災から一歩一歩立ち直ってきましたが、昨年1月17日、最初のマップができました。これは神戸市長田区在住のアマチュア写真家、徳永竜二郎さんが大震災の慰霊碑・追悼碑33カ所を撮影して開催した写真展がもとになっています。写真展は三宮の兵庫県「フェニックスプラザ」で開かれたのです。これを見て私たちは改めて衝撃を受けました。こんなモニュメントは地球のあちこちに、もっともっとあるにちがいない。それを一つひとつ訪ねたり探したりして、出来たら一冊の本にまとめたいと考えたのです。

元阪神・淡路復興委員長の下河辺淳さん、作家の陳舜臣さん、それに企業、行政、メディアのメンバーが個人の資格で集まり「震災を語り継ごう」ということで復興をとげつつある街を歩きました。震災5年の今年1月17日にはそれが120カ所に達しました。昨年12万部のマップをつくって個人から個人に手渡されました。修学旅行や校外学習にも使われています。「震災モニュメント交流ウォーク」も始まりました。

この本はそのマップの決定版です。いやさらに後からみつかるモニュメントもあるかもしれません。それはそれでまた追加していけばいいと考えています。120カ所のモニュメントの場所、そこへどのようにして行くか、など具体的な「ガイド」も写真と共に入れてあります。

「ゆめいちず」吉永小百合さんはJR新長田駅ホームの「こうのとり」のメッセージにこう書きました。6432人の犠牲者ひとりひとりの「ゆめ」に思いをはせたものです。淀川長治さんは元町商店街のレンガに「神戸わが町」としるしました。「辛抱」とかいたのは、かつての阪神のエース村山実さんです。どのモニュメントにもいろんな人たちの心がこもっています。

この本を一人でも多くの人に読んでもらいたいものです。問い合わせは「マップ作成委員会」(078・595・1500)まで。<聞き手・早瀬圭一>
◇堀内正美(ほりうち・まさみ)さん
1950年、東京都出身。桐朋学園短大で演劇演出専攻。映画、舞台、テレビで活躍。84年から神戸在住。「神戸・21世紀・復興記念事業推進協議会」副会長。


牧太郎の「ここだけの話」毎日新聞2000年9月12日東京夕刊

読者の中には「全国どこへ行っても同じ毎日新聞を読んでいる」と信じている人がいる。それは違う。

新聞の内容は地域によって微妙に、と言おうか、かなり違う。早い話、僕の「ここだけの話」は毎日新聞東京本社、西部(九州)本社、北海道支社で印刷される新聞には載るが、大阪本社、中部(名古屋)本社版に載らない。

このコラムは大阪、名古屋方面の読者の肌合いに合わない、という判断もあるのだろう。時々「江戸っ子」なんていう言葉が不用意に飛び出すから「西」には不似合いなのかもしれない。
新聞の地域性は極めて大切である。

そこでホームページにて「ここだけの話」のバックナンバーを収録して「西」の読者に読んでもらうようにした。(HPには僕の日記、掲示板も載っているから見てほしい)
なにしろインターネットには距離、時間の制約がない。

最近、インターネットのやりとりで「忘れない 1・17 震災モニュメントめぐり」(震災モニュメント作成委員会・毎日新聞震災取材班編著)という本を手に入れた。
何のことはない、我が毎日新聞大阪本社の仲間が作った本である。インターネットで知るまで、存在を知らなかった。大阪の紙面では何度も紹介されたのだろうが、東京の紙面では、通り一遍の紹介だったのかもしれない。

手に入れてみると、この本、“すぐれもの”である。
1995年1月17日の阪神・淡路大震災。その後、5年間の間に異人館、南京町、メリケンパーク……観光名所のすぐそばに120カ所もの震災モニュメントが建てられた。
例えば、西宮市立高木小学校の復興の鐘、西宮市立浜脇中学校のリンゴの植樹、宝塚市ゆずり葉緑地の鎮魂之碑・タイムカプセル、芦屋市・浜風の家の「きぼう」の像、芦屋市・三八通商店街の布袋像、東灘区・保久良神社の折れた鳥居の「記念石」、JR新長田駅・イラスト「こうのとり」タイル、淡路島熊田処分場跡「時のしらべ」……どれも人々のこころがこもっている。

そのモニュメントをマップした240ページ。写真、地図、コラム……それに「行った日」がついていて、自分で日時を書き込むと「日記」にもなる。

観光名所からちょっと足を延ばし“震災の現場”を訪ねてみたい人には必読のガイド。むしろ「東」の人々に読んでもらいたい。遠くの読者に知らせたい“地域もの”がある。これはその典型。ここだけの話だが、汗を流した善意の出版社は何故か破産。問い合わせは「マップ作成委員会」(電話078・595・1500)である。【編集委員】
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 牧太郎のホームページ
 http://www.maki‐taro.net/