月刊Kず競馬

想い出の馬たち  メジロパーマー

 この馬のことをいつもはバカ馬と言っている。毎レース無謀とも言える大逃げをうち、大抵はゴール前で力尽きてしまうからである。

 なぜ第2回をこの馬が飾るのか?実は私がはじめて勝ったGTの勝ち馬なのだ。

 競馬をはじめて2年目(とはいっても前年の有馬からなので本格的な競馬人生の1年目)の春競馬を締めくくる宝塚記念。皐月賞、ダービーなどを買ってはいたが当たらなかった。
 この日は暇なこともあって友人とともに初めて競馬場(府中競馬場)に行き、3、4レースからパドックを見ながら馬券を買った。でも当たらなかった。ちょうどその日は阪神競馬場で
G1レースがあった。この時の本命はカミノクレッセ号である。この馬は比較的堅い馬だ。ここから数頭に流すためスポーツ新聞を読みながら検討していた。ふっと目に付く馬主or調教師のコメントにひかれ穴狙い的にメジロパーマーに流す。昼過ぎには飽きてしまい帰宅してレースは自室で競馬中継を見ていた。結果は1着メジロパーマー、2着カミノクレッセ。馬連は見事的中(予想とは逆であるが)。

 本来ならここで勝たせてもらった恩で応援するはずであるが、最後までバカ馬と呼び続けた。その理由は...

「お気に入りの馬は何頭かいる(いた)けれど、牡馬のMy Bestはなんといってもパーマーくんです。私がパーマーくんのこと大好きなのは(真面目にその魅力を分析したことはなかったけれど)きっと夢いっぱいの馬だからかナ。
 私の場合、馬券を買うと、ドキドキの大騒ぎというタイプなので、レース中、自分の選んだ馬が今どこを走っているのか気になって...。パーマーくんは一目瞭然、いつも先頭を気持ち良く走っているのが彼なわけでとてもわかりやすいのです。そしてもしかしたらこのまま先頭でゴールを駆け抜けてくれるのでは、とずーっとドキドキ、キャーキャーしていられるのです。
 ミホノブルボンやセイウンスカイのようにその実力から◎をうってもらえるような馬ではないけれど、それも愛嬌。でも、でも、最初だけ目立つただの馬ではないのがいいところなの。'93年の春の天皇賞で見せた追いつかれ抜かれても頑張ることができる、そこがまた夢のあるところなのです。
 '92年の
有馬記念はもう最高!!スタートからゴールまで120%楽しめた上、馬券も的中!!このレースについてはほかの馬がみんなトウカイテイオウをマークしていたこと(トウカイテイオウは故障かなにかで絶不調であった)によるいわば運がよかっただけだと言われるけど「運も実力のうちなんだよ〜」と言ってあげましょう。運だけでG12勝できるほど競馬は甘くないハズですよね。
 願わくば、彼の子供たちがパーマーくんと同じように活躍する姿を見たいものです。その子が直線勝負の差し馬だったらちょっと複雑ではあるけれど。そんな夢を見ています。」

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