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内田康夫

明日香の皇子(あすかのみこ)  2004年2月読了
読む本が無くって困っているコラートで、会社の先輩のムラ抹茶んが借してくれた本。
この本は、社会人になる直前の年末に角川から出版されて早速読んだ懐かしい本なのである。

この作品は丁度20年前にハードカバーを買って読んだことがある。
あの当時はバブル景気で世の中が舞い上がっていく過程にあり、また社会人として働き始める直前でも有り、
そんな中でこの本に出合えた事が、今思えば大変に幸せな事であったと思えるのである。

何がそれ程幸せであったか?というと、あの頃の何をしても許されそうな日本人の精神の崩壊というか、思い上がりというか、
そういった事柄に気付かされたからだろう。
おかげで、あの不真面目ないい加減で信用ならない学生が、真面目で実直な社会人になれたのであろう。
兎に角、あの頃の20代30代の人間は、何かに浮かれたように全くもって醜悪な愚行を繰り返していたものである。
確かに、私もお酒が好きで良く飲みに行ったものだが、それ以上に良く勉強に励んだものである。
体力に物を云わせて、毎晩2時3時まで勉強し、翌日にはそれを仕事で確かめ・・・の繰り返しをしていた事を懐かしく思う。

いずれにしても、日本は資源の少ない古代から貧しい土地なのである。
何千年に一度のラッキーチャンスを日本人自身の愚行で摘み取ってしまったことを今更ながらに残念に思うのである。

もう、ODAや何だと日本の国は言っていられる時はとうに過ぎている。
経済大国などとはまやかし以外の何物でもない。

僕らには、もう子供達の時代に残してあげられる物は余り無さそうだ。
一生懸命に豊かさを求めて汗を流した親父達にあわせる顔が無いのである。
判っていながらこういう時代を迎えた自分に非常に腹が立ったのだ。

2004年2月コラートにて