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高木彬光

邪馬台国の秘密  2004年2月読了
読む本が無くって困っているコラートで、会社の先輩のムラ抹茶んが借してくれた本。
この先輩は良く読んだ本の話をする数少ない仲間でもある。

この作品は学生の頃に一度読んだことがあるが、当時邪馬台国の批定に至る過程で受けたショックも、今回は面白い読み物として受け入れられた。
頭の中で、地理的なイメージが沸くようになっている事も大いに影響していると思う。あの頃は地図に書き込みをしながらこの本を読んでいた。

あの頃の僕は進路を安易に選択した自分を悔やみ、やっぱり技術者になるより考古学でも勉強したほうが自分に向いているんじゃあないか?
学校へは行かずに読書に耽り現実逃避。夜から明け方までは曲作り・・・
・・・学校を変わろうか・・・と、真剣に悩んでいた時期でも有る。
Bandマンで生きよう・・・と誤魔化してそのままズルズルと今まで来てしまったような気もする。
(今でも諦めていない節があるのも事実だが・・・)

中学生の頃から、家の庭をほじくり返したり、自転車で近隣の山の中などをほじくり返して縄文〜弥生時代の土器を集め自分なりに伊豆の修善寺周辺の古代について想いを馳せていた。
伊豆の山中には今では有名な上白岩遺跡等があるが、もっと地の利がよい家の近所から山奥に入った広野という地名の辺りには掘れば何かありそうな場所が何箇所かあるのである。
あの頃集めた土器、石器、記録のノート、書き込みだらけの1/25kの地図なんかは
学生時代に夜中に楽器を演奏し歌う自分とその仲間達が原因で毎年大家さんに嫌われ追い出され続ける中で捨ててきてしまった。
そんな、十何年も思い出した事がない事柄を思い出させられた。

本の内容とは全く関係ないことなのであるが・・・

日本に帰ったら、当時の自分に自堕落な人生を決定付けた、五木寛之の「青春の門」と吉田拓郎の「篠島」のオールナイトコンサートに付いて振り返ってみたい気もする。
あの頃を境に明日香村にある民宿の森本さんちに出かける事も無くなったなぁ。
未だ、人生を振り返るには早すぎる気もするのだが・・・

この後は、同じくムラ抹茶んから借りた、内田康夫の「明日香の皇子」を読む。
これは、社会人になる直前の年末に角川から出版されて早速読んだ、またまた懐かしい本なのである。
その後は、何と城山三郎の「落日燃ゆ」である。
今回彼は私を過去に引きずり込みに来たような感じである。
話に聞くと、ブック・オフで買ってきた・・・と言うのであるが、今後ブック・オフは僕の鬼門になるかもしれない。

2004年2月コラートにて