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城山三郎

落日燃ゆ(らくじつもゆ)  2004年3月読了
読む本が無くって困っているコラートで、会社の先輩のムラ抹茶んが借してくれた本。
この本は、やっぱり以前に読んだことがある。

東京裁判で絞首刑になったA級戦犯といわれるに至った7人の内、唯一の文官である元総理、外相の広田弘毅さんの物語である。
彼は、根っからの外交官として交渉で物事を進め、戦争を常に回避しようとしていた人なのだが、
結局、彼の仕事を悉く邪魔をし戦争に突入していった軍人達と共に処刑されなければならなかった不遇の人なのである。

戦後に自害した近衛文麿あたりが居たなら死なずに済んだ方である。

色々書きたいことが山のようにあるのだが、東京裁判というのは本当にけしからん裁判である。
日本は、ドイツと違って真から無条件降伏したわけではないし(ポツダム宣言)
戦勝国に裁かれる身になることは耐え難い事でもあったであろう・・・

であるから、戦争が終わって何年もたっている今日も僕は当時の戦勝国の連中を鬼畜だと思っている。
(但し、戦勝国から来た判事、弁護士、の中にも相当数まともな人たちが居たようであるが・・・)

この作品は名著である。怒らずグッと抑えて良くかけたものである。大変えらいと思う。
僕なら、ペン先が原稿用紙を突き抜けて一枚も仕上がらなかったであろう・・・

2004年3月コラートにて

過去に読了している本(記憶による)
一発屋大六