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浅田次郎

蒼穹の昴全4巻  2005年02月読了
ずっと読みたかった本である。
文庫本になるのを7年ほど待った・・・

読み始めると長いこと待った本だけあって面白いのだが、書き出しの想いが最後まで続かない・・・というかページ数が足りなかったんじゃないの?って言いたくなるような後半でもある。
う〜ん・・・名作でもあるのだけれど、もう一回書き直してもらいたい気もするな・・・
僕は、良くこの人の本を読んで涙することがあるんだけど、この本では無かったしなぁ。

ただ、司馬遼太郎の「坂の上の雲」で李鴻章っていう人物の評価を僕の中で下げてしまっていたのだが、それ以前のポジションよりずっと高いところに上がったんだよな・・・。
今度、時間が許されたら李鴻章の本も読んでみたいのだが・・・他に読みたい本がいっぱいあるからな。
2005年02月読了

歩兵の本領  2004年5月読了
浅田次郎の本は下記霞町物語の後も何冊か読んでいるのだが不精をしていたのである。
この時期、自衛隊はイラクに派遣され、イラク復興の段階では多国籍軍が編成される時に
軍隊としてなし崩し的に飲み込まれて行きそうな予感のするこの時期にこの本を読めて非常にうれしいのである。
この本には、今となっては高度経済成長の真っ只中の良き時代であった日本の、
忘れ去られた軍人と、引く手数多である筈の世間から引かれなかった人たちの全く酸っぱいにおいのする物語なのである。
気持ちよく読めました。

霞町物語  2002年9月読了
一人の作家の作品を連続して読む傾向は昔から変わらない。
基本的に文庫本しか買わないので、読みたくっても文庫本が出るのをずっと待っている作品が多い。
浅田次郎の「蒼穹の昴」まだ出てないかな・・・っていつも本屋の文庫コーナーに行って、
まだだねって、違う作品を買ってきてしまうのです。

この霞町物語は、そうやって買った本なのですが、
僕の生まれる少うし前の世代の方達のノスタルジーを文字で埋めたパズルの絵を見ているような感じを受けたのだ。
この感覚は、「メトロに乗って」の時にも感じられた感覚なんだな・・・
作者の自伝的短編集ってやつなのかな?
ちょっと粋な若者達が出てくる、日本の高度成長期という良き時代があったことを思い出させる胸キュン物語なのだ。

現代の若者たちはこの本をどう読むのだろう?

プリズンホテル  夏・秋・冬・春   全四巻  2002年9月読了
浅田次郎らしさが、いっぱい詰まった全4巻からなる力作だ。
浅田次郎が、直木賞作家になる前の頃の作品だと思う。

この人は本当にウソを上手に書く。
なんか、いつも本当にありそうなことばかり書くので、
ついつい騙されて本の中に引きずり込まれてしまう。
日輪の遺産 も、現実とウソの世界の区別がつかなくなりそうだったけれど、
本当に浅田次郎ってペンに力がある人なんだな・・・。

売り出し中の有名作家 木戸孝之助と、やくざの大親分の叔父 木戸仲蔵。
作家を子供の頃捨てた母親、そして義母 富江。
この4人の周りに、人間くさい(でも、僕の周りには絶対居ないすごい)人たち
が織り成す人情物語。
みんなが、奥湯元あじさいホテルにて、幸福になって終わるお話が気持ち良いね。

タイに居る時、バンコクの紀伊国屋でいつも四冊が揃わないので、
日本に帰ったら絶対読もう・・・と思っていて、やっと読めた本。

過去に読了している本(記憶による)
勇気凛々ルリの色
勇気凛々ルリの色 四十肩と恋愛
勇気凛々ルリの色 福音について
勇気凛々ルリの色 満天の星
日輪の遺産
地下鉄に乗って
見知らぬ妻へ
極道放浪記 1殺られてたまるか
極道放浪記 2相棒への鎮魂歌
天国までの百マイル
鉄道員