第十七回 自分を殺ってみる?(中編)

 さて・・・第17回ですね・・・今回はタイムマシンでよくいう矛盾についての話を、ドドーンっと本格的に話していきます。今度こそ題名通り「自分を殺ってみる?」というお話いたしますんで・・・。なんか最近、話の予定がのびのびになってきちゃってるから(^^;今回で一気に話しておきましょうっ!・・・今回多分長いかも・・・では、空想科学ぅ〜。

 タイムマシンで良くある話、「過去に行って、過去の自分を殺した場合、自分の存在が無かったということになって、過去の自分を殺したというコトがありえなくなってしまう」・・・こういう矛盾のある話ってありますよね。タイムマシンのありえない理由として色々とこういう矛盾話があるわけですが、この辺を空想科学的に考えさせていただきましょうっ。この空想科学の世界で考えているタイムマシンの方法を用いた場合、「自分が過去に行って過去の自分を殺してしまう」ということは、「自分が過去に行っても、その過去には別の自分がいないので殺すことが出来ない」と結論づけられます。どういうことかといいますと、過去に行くには自分の周りの粒子の動きを逆にすると言いました。ということは、その過去になっていく世界においては自分を構成する粒子以外が過去に向かっているので、出てくる過去の世界は自分以外が過去の世界なわけです。つまり過去の世界の自分というのは無いわけでして、自分で自分を殺すということもありえないわけですなっ。

 なんだかたまには図を使って説明してみたくなったので(笑)、図で説明いたします。自分が過去に向かう様子をかなり簡略化して(^^;描いたものですが、まず左、これが現在とします。そして過去に向かいます。で、中央、自分の回りの粒子の動きを逆にしているわけです。自分を構成している粒子は正方向へと動いたままなわけですね。そして右、たどり着いた過去の世界では、現在を生きていた自分の粒子と、過去へと変わった自分の周りの粒子になるわけです。ちなみに黄色い矢印は粒子の動きの方向性といいましょうか、上方向が現在の時間の流れを起こす向きで、下方向が粒子の逆方向の動きで、過去に向かう時間の流れを起こすものとなっております。


<図1> 過去へ向かう自分とその周りの粒子の動きの関係

 どうでしょうか?過去の世界において、過去を見ている自分以外に別の自分を構成する粒子がありえないということになりませんか?というわけで、過去に行って過去の自分を見つけ出し殺してしまうことは、過去の自分というのがありえないので不可能なわけですねっ。

 では、「自分が過去に行って両親を結婚させない」、という話においてはどうでしょうか?現在を生きてきた自分、現在から過去に変わった自分の周り、当然自分の周りの両親も過去に動いて自分の周りに存在しているわけですが、両親に対して自分が生まれてくることを妨害すると・・・確かに赤ちゃんが生まれてくることは無くなるでしょうし、結婚させない、生まれてこないっていう世界でこの後が展開していくことになるでしょうが、まず過去には別の自分がいないということを思い出してください。自分の周りが、自分の構成する粒子無しで過去の世界となるわけですから、時間的に自分が受精卵だった頃までさかのぼったとして、その過去の世界というのは、「母親の中に受精卵(自分ね)が欠けた状態の過去」という世界を自分は見ることになるでしょうねぇ。つまり、このままこの過去の世界を生きていて自分が生まれてくることはないわけです(まぁ、生まれることに関しては、そのうち別の受精卵が出て来たりして生まれる可能性はあるでしょうが・・・これは兄弟ですな(^^;)。

 じゃあ、もともとの自分って何?といいたくなるでしょうが、「これまで生きてきた現実」と「過去の世界に戻って、それから起こっていく現実」は「別物」であるということを認識してくださいなっ。粒子の動きをたどっていくと、まず現実を動く粒子、それから逆に動いて過去にする粒子、そして動きが戻って過去の世界を動いていく粒子、この粒子の動きは一連の続きなわけです。自分が生まれてきた事実を含めた今までの現実の後、自分の周りを過去にした世界、歴史の流れとしては一続きなわけですなっ。またまた図で説明しますが(^^)、下のt軸が数字的に時間を表していて、うねった矢印が過去に行く自分の現実を表しております。・・・なんか良く分かりませんが(^^;、過去に行くとしてもこの世の動きが変わっているだけで、存在は一つ、自分の感じる歴史は一つなわけですなっ。


<図2> 時間の流れの中をうごめく一つの現実の図 (・・・なんのこっちゃ(^^;)

 さて、ずいぶんと長く話してきましたが、自分に対してのタイムマシンの話はこんなトコでしょうか・・・。で、これにさらに他人が関わってくるとなると・・・と言ったところで、いいかげん話し長すぎるので(あぅっ(--;)、今回はここまでということで・・・。

 なぜか前後編のつもりが前中後と追加されることに・・・(汗)。


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