ますは旦那さんの出張のスケジュールを簡単に報告しておきましょう。
6/23(火) |
午後、新幹線にて埼玉の熊谷へと移動。 仕事が終わって東京に戻り、羽田から福岡へと飛び、博多で宿泊。 |
6/24(水) |
午前中博多で仕事を終え、午後新幹線で広島に移動してそのまま仕事。 この日は広島泊まり。 |
6/25(木) |
朝広島港からスーパージェットという船で松山に渡る。 仕事を終え、夕刻松山空港から仙台に飛ぶ。 |
6/26(金) |
午後2時頃まで、そのまま仙台にて仕事。 |
とこんな感じで、長い長い出張の旅でした。ちょうど梅雨の真っ盛りで、どこもジトジト。まあ会社のデスクに座って仕事をするよりは気がまぎれていいですけどね・・・。
最終日の仕事も無事終え、仙台駅に戻って来た旦那さんは、奥さんにTELします。さあ、奥さんは無事仙台に着いているのでしょうか・・・?
* * * * * *
一方、奥さんの方は・・・。
仙台まで普通に新幹線で往復すると2万円ちょっとかかります。つい半月前ハワイから帰って来たばかりでそんな贅沢していいのか。でも温泉は行きたい。
だんなの分の交通費は会社から出るが私の分は出してもらえない(当たり前である)ので、なんとか安く行ける方法はないかと時刻表とにらめっこをして新幹線以外の方法はないかと探してみつけた行き方とは!?
常磐線の特急に乗って行く方法である。上野駅を8時丁度に出る
特急スーパーひたちに乗れば仙台に12時20分に着くのである。新幹線に比べ時間は倍以上かかるが片道¥8810。
常磐線には乗った事がないしとてっもいい方法を見つけたような気がして、当日最寄りのみどりの窓口で張り切って、「常磐線で上野から仙台まで乗車券と特急券1枚」と言ったら、係員さんに「スーパーひたちで仙台までですか?」と確認されてしまいました。あまりそういう乗り方をする人いないんでしょうか?
定刻の20分ほど前に上野駅のホームに行くともう入線していて、自由席もけっこう埋まっています。日帰り出張に行くサラリーマンが多いようで私の隣りの人もそういう人でした。発車して間もなく車掌さんの検札があり切符を見せるとここでも「仙台・・・」とつぶやかれてしまいました。
時刻表で見る限り常磐線はずっと太平洋沿いを走っているようなのできっと景色が綺麗だろうと思い右側に席を取ったのですがあいにくガスっていて何も見えずつまらないものになってしまいました。
普段の仙台までの時間を身体が覚えている為かとっても長ーく感じた列車の旅でした。
仙台についてからは、早足で往復するだけで1時間以上かかってしまう長い長いアーケード街を端から端まで歩き、ウインドウショッピングを楽しみました。
* * * * * *
その頃旦那さんは、ジメジメの気候に汗でびしょびしょになりながら、待ち合わせ場所に向かっていました。
しかし不慣れの仙台・・・なかなかめぐり会えません。そして携帯電話で連絡を取り合い、やっと落ち合う事ができました。でも、その時は予定した電車の出発まで後数分・・・とっても間に合いません。
そこで、びしょびしよになった旦那さんの洋服を着替え、次の電車までの約30分をJR駅コンコースにあったキリンビールの店(名前は忘れました・・・ゴメンなさい)で軽く一杯やって待つ事にしました。
カウンターの中でビールを注いでいる所が見えるのですが1杯注ぐのに何度にも分けて少しずつ注いで木目細かな泡を作ってくれる本格的な注ぎ方でした。チョットほろ苦い感じで、汗をかいて乾いた喉にしみ込んでいきます。ア〜、極楽って気分・・・!
と言ってる内に、あっという間に電車の時間です。乗るのは
仙山線(仙台から山形に向かっています)、目指すは
作並駅です。
![](photo/sakunami/dsc00038.jpg)
約45分の列車の旅で、無事作並駅に到着。写真でお分かりのように、本当にひなびた駅です。駅前にも何もなく、こんな所に温泉が?って感じです。
それでも、送迎のバスは電車到着時刻に合わせてちゃんと来てました・・・当たり前か・・・。
そしてバスはたった4人のお客を乗せ山道を走り、間もなく今回の宿である
湯づくしの宿・一の坊に到着しました。
![](photo/sakunami/dsc00035.jpg)
山奥にこんなキレイなホテルが・・・と思うくらい、どっしりと落ち着いた感じのいい雰囲気のホテルです。
そしてロビーも、豪華な中にしっとりとした落ち着きがあります。従業員の態度もなかなか○です。
そして、いよいよ部屋に案内されます。部屋は最上階でした。この辺りからちょっと密かな期待が・・・だって、普通最上階の部屋って言ったら、一番良い部屋があるもんですからね・・・。
『エっ・・・こんな良い部屋でいいの・・・?』
これが素直な感想でした。こんな直前に予約したのに、何かの間違いではないかと思うくらいでした。写真でその豪華さをじっくり味わって下さい・・・!
![](photo/sakunami/dsc00003.jpg) 部屋の入り口です |
![](photo/sakunami/dsc00002.jpg) 上がり口から見た眺め |
![](photo/sakunami/dsc00005.jpg) 広々とした和室 |
![](photo/sakunami/dsc00004.jpg) 洋室まであります |
![](photo/sakunami/dsc00006.jpg) ソファもゆったり |
![](photo/sakunami/dsc00009.jpg) 部屋の風呂 |
どうです、スゴイでしょう・・・。たぶん想像するに、結構団体客も入っていたみたいだから、この階の部屋しか空いていなかったのを空けておいても仕方がないから使わせて貰えたんじゃないかな・・・。
この旅館はホテルっぽいシステムを取り入れていて部屋専属の仲居さんがいないようで、案内してくれた人がお部屋係の人かと思い心づけを渡そうとしたら丁寧に辞退されてしまいました。
夕食まであまり間がないので、早速温泉に行く事にしました。
大浴場はその棟の1階にあったけど、目指すは別棟にある露天風呂です。
ここには、『
丸子の湯』『
冥利の湯』『
行基の湯』『
無相の湯』『
鹿のぞきの湯』など7つの湯が楽しめます。しかも到着後に予約すれば先着8組に限り翌朝『行基の湯』と『鹿のぞきの湯』を貸し切りにして貰える事がわかり、早速『鹿のぞきの湯』を予約しました。
露天風呂は時間で区切って男湯と女湯に分かれるんだけど、どれもしっとりと落ち着いてとても風情があります。特に『無相の湯』『冥利の湯』は、あの『青葉城恋唄♪』で有名な
広瀬川の源流を目の当たりにでき、温泉にゆったりと浸りながらそのせせらぎの音を聞いていると、無限の時に吸い込まれていきそうになり、もう得もいわれぬ極楽です。
しかも、団体客が多く女性が少ない為かこの時奥さんは二つの露天風呂に入りましたが、他にお客はいなく、貸切状態でした。そんな湯処の風景を多少なりとも味わっていただきたいと思います。
ただ、それぞれが独立している為、いちいち浴衣を脱いだり着たりしなければならないのは、ちょっと面倒かな。
![](photo/sakunami/dsc00022.jpg) 『鹿のぞきの湯』 |
![](photo/sakunami/dsc00026.jpg) 『無相の湯』 |
![](photo/sakunami/dsc00029.jpg) 『冥利の湯』 |
![](photo/sakunami/dsc00030.jpg) 『冥利の湯』から臨む広瀬川の源流 |
すっかり茹で上がった僕達は部屋に戻ろうとしましたが、途中の湯上がり処(ビールとか飲める所です・・・)に立ち寄り、無料の冷たいお茶で喉を潤そうとしました。ところが、これが苦いのなんの・・・!
見た目はちょっと薄めの麦茶って感じなんだけど、旦那さんは一口飲んだだけで喉が渋くて渋くてたまりません。奥さんはさほどでもない様子だったけど、人間油断は禁物という所ですかね・・・。
さて、部屋に戻ってひとくつろぎすると、いよいよ毎度お待ち兼ねの夕食の時間です。
今回は『
木挽亭』という料亭での和食が僕達を待っていました。
写真で見て貰えば分かると思いますが、味も抜群、更にその量は大食いを自認する僕らも十分満足できるものでした。
それでは早速、その日のお品書きを見て貰いましょう・・・。
◆◆◆ 本日のお品書き ◆◆◆ |
![](photo/sakunami/dsc00010.jpg) |
![](photo/sakunami/dsc00012.jpg) |
![](photo/sakunami/dsc00011.jpg) |
2段重ねの重箱に詰まった先付。酒飲みにはたまりません。 |
イカの塩辛・ゴマ豆腐。奥は小壷に入った豆腐で、濃厚な味わいです。 |
タラバガニの足と良く漬かった漬物。 |
![](photo/sakunami/dsc00014.jpg) |
![](photo/sakunami/dsc00015.jpg) |
![](photo/sakunami/dsc00016.jpg) |
山の旅館で刺身はどうかなとは思いましたが、まあまあの味です。お吸い物も上品な味です。 |
山海の味覚を自分達で焼いて食べます。味・ボリューム共満点です。もちろん仙台名物牛タンもあります。 |
炊込みご飯と、すいとん風の一風変わった椀もの。 |
![](photo/sakunami/dsc00017.jpg) |
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デザートのメロンと、抹茶大福アイス。 |
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と言う訳で、風呂・食事とも満足した二人は部屋に戻り、苦しいおなかを抱えながらゴロゴロします。
ところが、待てど暮らせど布団を敷きに来ないのです。もちろんベッドはありますからそっちで寝てもいいんですが、やはり真新しいシーツで布団に転がるのが旅館の醍醐味です。
『こんな良い部屋に入れてやったんだから、そこまではサービスはできないよ』っていう、旅館の思惑があるのかなとも思ったけど、どうしても我慢できずに奥さんはフロントに電話して、どうやら布団を敷いて貰う事に成功しました。
結局、旅館側がどういうつもりだったのかは分かりませんが、念願の布団にありつけた二人は眠りの世界へと誘われるのでした・・・・・。