第2話  初体験・・・沼津〜西伊豆の旅


突発性どこか旅行に行きたい病と突発性美味しいものが食べたい病、
という厄介な病気を持った僕達夫婦が、また発病してしまいました。
まあ、そのおかげでこのHPが成り立っているようなものですが・・・。
と言う訳で今回は、沼津を経由して西伊豆中部の戸田(へた)温泉に行った時の
様子をお伝えしたいと思います。
毎度のように、今回も急に思い立って出かけたという事もあり、チョッピリ残念な面もありましたが、
意外な発見もあり、充実した旅行になりました。
それでは早速、ほのぼの旅行記の第2弾をお楽しみ下さい・・・!




1998年4月4日(土)

これまで僕達夫婦は、東伊豆に関しては真鶴・湯河原・北川・熱川・伊豆高原等、かなり足を運んで来ましたが、たかが伊豆半島の反対側とは言え、西伊豆はなかなか手軽には行けませんでした。
でもTVや雑誌などを見ると、西伊豆は東伊豆ほど俗化されてなく、一度は行ってみたいと思っていました。更に、沼津の魚も美味しいとの情報に刺激された僕達は、ついに西伊豆初制覇へと向かう事になったのです。

前日に予約した近所のトヨタレンタカーでCORSAを借り、一路首都高速から東名高速へと向かいます。
運転はモチロン奥さんです。ただし、奥さんは首都高速初体験。早くも朝から渋滞でなかったら、果たしてうまく東名までたどり着けたかは定かではありません。
そうこうする内、渋谷を過ぎた辺りから車も順調に流れ始め、旦那さんもはしゃぎ出し始めました。
港北PAで出すものを出してスッキリし、僕達は快調に東名を西へと走ります。

天気も絶好で、秦野中井IC・大井松田ICと過ぎる内、富士山がその白い姿を見せ始めます。高速上からの絶景ポイントは、鮎沢PA〜足柄SAの間ではないでしょうか?
でも、やはりありふれたとは言え、天下の富士山。その偉大な姿には感動させられます。そんな訳で、今回の旅行記ではこの後も富士山の雄姿をいくつかのポイントでGETしましたので、 『富士山よ、こんにちは』 と題して特集を組んでみました。どうぞ、ご覧になって下さい。

それはさておき、順調に車を飛ばした僕達は、沼津ICを降りて沼津市外へと向かいます。
今回写真はないんですが、実は沼津ICを降りてすぐの県道沿いはグルメ街道と呼ばれ、料理自慢の店が軒を連ねる所なのですが、車窓から見る限りではそれほど心惹かれるような店はないような気がしました。特に僕達は、今回の旅の一つの目的が沼津の美味しい魚を食べるという事だったので尚更かもしれませんが・・・。

間もなく沼津市街に到着し、早速訪れたのが駅前の魚がし鮨です。
どの旅行情報誌でも絶賛されている店で、僕達はかなりの期待を抱いていました。
デカデカとメニューを飾った入り口から地下に降り、約10分待たされて、いざ店内へと突入です。これだけ有名な店なら、東京の昼時だったら大行列は覚悟の所なんですが・・・ちょっと拍子抜けって感じでした。

今回注文したのは、近海にぎり(¥1800)(左)と横綱にぎり(¥2000)(右)です。
横綱にぎりはよくあるにぎりで、全体的に特に取り柄はないといった感じで、イクラとウニもさほど美味しくありませんでした。近海にぎりの方は、駿河湾の白身が上品な味わいでまあまあ味わえました。でも、全体的にシャリの量も多めでおなかは一杯になりましたが、とてつもない過度な期待を持っていた僕達にはかなり不満が残る内容でした。やはり、ある程度マスコミに取り上げられるようになるとダメなんでしょうかね・・・?

しばらくアーケード街をブラブラし、いざ国道414号線を南下して西伊豆へ向かいます。江浦湾に差し掛かった所で右折し、いよいよ西伊豆に入り、駿河湾を右手に見ながらドライブを満喫します。
この辺りにはあわしまマリンパーク伊豆・三津(みと)シーパラダイスなどのマリンレジャーパークがあり、水族館や様々な海獣ショーが楽しめるんですが、今回の旅では訪問はなしです。結構観光客で賑わっていたようでしたが、興味がある方は行ってみてもいいと思います。

ここで旦那さんがマップで目を止めたのが、フローティング・ホテルスカンジナビアです。どんなものかチラっと眺められればいいなと思ったんですけど、ちょっと脇道に入っていたため、こうなると妙に見たくなり、わざわざ引き返してまで見物に行きました。焦った旦那さんが、見学料¥300(通常は¥700。今回はキャンペーン中で¥300)が必要だったにも関わらず、そのままスタコラ歩いて行こうとして入り口のオバさんに怒られたのは毎度ながらの愛嬌でした。
ここは結構由緒ある船をそのままホテルにしたもので、最初はただのきたない船だと思ったんですが、内装なんかにも伝統の重みがずっしりと感じられ、ちょっとした時間潰しとしては¥300はおトクかなという所でした。
それでは、この船の由来と船内の様子をご覧いただきましょう・・・。

フローティング・ホテルスカンジナビアの由来(案内板より転記)

フローティング・ホテルスカンジナビアは1927年(昭和2年)にスウェーデンのクリッパーライン社主、エイナー・ハンセン氏のプライベートヨットとして建造され、世界の富豪や有名人を乗せてクルージングツアーに就航していました。1970年(昭和45年)日本に回航され、ここ西伊豆三津浜に錨をおろし、海に浮かぶホテルとして現在に至っています。船内には、今もクルージングをしていた当時を偲ばせる豪華な北欧調の家具や壁画などがそのまま使われています。
デッキの通路 前甲板 操舵室
 
ロビー ダンスホール  

見学者が結構いたんですが、ホテルの客室部分にまで入り込むような事はほとんどないようでしたので、プリンスホテル系列と言う事もあわせて、機会があれば話しのネタに宿泊されてもいいんじゃないでしょうか・・・。

寄り道も終わり、いよいよ僕達はその日の宿のある戸田(へた)温泉へと向かいました。

写真でも分かるように、戸田温泉は西伊豆でもさらにひなびた港町ですが、落ち着いてのんびりできそうな所です。海の水もキレイで、よく行く東伊豆の海とはひと味もふた味も違います。
僕達は、港のはずれの岬をのんびり気分で散歩した後、狭い路地をさまよった末にようやく今日泊まる、民宿旅館『波止場苑』へとたどり着きました。

民宿旅館と言うだけあって、単なる民宿とは違い、小さいですがそこそこキレイな宿です。(お金がなかったんで、この位の所しか泊まれなかったという事もありますが・・・)
早速岩風呂に入って汗を流し、風呂上がりにくつろぎながらビールで喉を潤していると、間もなくお待ちかねの夕食です。

昼食にイマイチ不満を覚えていた僕達のお目当ては、やはりカニです。それも通常メニューにあるズワイガニとは別に注文した戸田特産のタカアシガニです。写真(右)で横に置いたビールと比較して貰えれれば、その大きさが分かったいただけると思います。
味の方は、普通のカニと違ってネットリとした舌ざわりで、クリーミーな感じでした。旦那さんはどちらかと言うとズワイガニの方がお気に入りでしたので、カニ味噌がお気に入りの奥さんはもっぱら一人でタカアシガニと格闘していました。まあこの辺りは人の好みの問題ですけれど・・・。
それから何と言っても美味しかったのは、口の中でトロっととろけて甘さがジワーっと広がる手長エビと、奥深い味わいのダシが絶妙の味噌汁です。これだけ食べられただけでも、十分ここに来た甲斐があったというものです。ちなみに今回の宿泊料金は2人で約¥30000なり、まあ妥当な線でしょう・・・。

てな具合で一日目の夜は過ぎて行きました。ただし、こういう和食の後には必ず甘いものが食べたくなる、甘いもの好きの僕達が、この後で近所のコンビニにお菓子やアイスを買いに行った事をこっそり付け加えておきましょう・・・。




1998年4月5日(日)

2日目の朝を迎え、いつもは朝食を食べない旦那さんもしっかりと腹ごしらえをします。ちなみに、昨日の夕食同様、味噌汁が抜群の味わいで、奥さんは宿帳の感想にまで書いていたほどでした。
さていざ出発となりましたが、抜けられると思った裏の路地が予想外に狭く、運転手の奥さんは朝から四苦八苦です。旦那さんも、ミラーが壁にこすりそうになり、思わず手で壁を押さえたりしていました。(手で押さえられるとは思えませんが・・・)
やっとの思いで通りに抜け、眠い目をこすりながらも快調に車を走らせます。約10分ほど走り、今日の第一目的地である戸田たまご村に到着しました。

ここは、有機栽培・無農薬の野菜と日本名水百選の銀名水で丹精込めて育てられたあすなろ鶏が産む若草色の翠玉という卵を、¥300で目玉焼きと自家製アイスクリームにて食べさせてくれる所です。
更に¥900で産みたて卵を10個拾って買えるという事で、早速長靴に履き替え、あきれるくらいウジャウジャと走り回る鶏たちのいる放し飼い場へと向かいます。いつ襲われるかとビクビクしながら、旦那さんはへっぴり腰で奥さんに続いて鶏小屋へと足を踏み入れました。
大事そうに自分の産んだ卵を体の下で暖める鶏の目を盗むように、サっと卵を拾い取りました。何か誘拐でもしているような気分で、チョッピリ罪悪感も感じます。
この後、農場のオバちゃんに焼いてもらった目玉焼きは、評判通り黄身にコクがあり絶品でした。
更にオマケのアイスも、アイス好きで、アイスにはうるさい旦那さんも食べた事のない逸品でした。単なるバニラアイスクリームなんですが、まるで濃厚なプリンをそのままシャーベットにしたような味で、その割に後味がスッキリとしているのは不思議です。

ここは目立たないですが、是非お勧めのスポットです。ただ、回りが何もない山道なので、案内板の標識は見逃さないように・・・!

更に、戸田峠〜達磨山高原と清々しい空気の中を車は順調に走ります。特に達磨山レストハウスからの眺望は絶景です。この見事な眺めは 『富士山よ、こんにちは』でご覧下さい。

オマケに左の写真は、このレストハウスのトイレなんですが、山小屋風のキレイなトイレで、是非奥さんがお勧め休憩スポットで紹介しろと言うんで一応載せておきます・・・。

車は修善寺を目指し、更に東へ走ります。途中、修善寺虹の郷の脇を通りましたが、観光バスをはじめとする車の大行列でした。ここはヨーロッパなどの街並みを再現した広大なレジャースポットで、チョット寄ってみようかなとも思っていたんですが、この車の列を見て、その混雑ぶりが明らかだったんで今回はパスしました。その内、一度は行ってみたいんですけどね・・・。

修善寺に到着すると、もう道が狭くていつ歩行者を轢いてしまうかという位です。ここは早々と車を駐車場に入れて、散策するのがいいでしょう。(但し、駐車場が¥520/時間と高めなので、近くのそば屋の駐車場にでも停めた方が賢明です)
弘法大師が発見したという修善寺温泉の初めてのお湯処と言われる独鈷の湯や京都の風情を漂わせる竹林などをブラブラ眺めながら、小腹が減ったところで修善寺名物のソバでも食べるといいでしょう。


今回僕達が入ったのは、修善寺バス停そばの独鈷そば大戸です。桶の盛られたざるそばに、葉付き生ワサビ丸ごと一本(これは残ればお持ち帰りできます)と擦りたてのトロロが付きます。ちょっとつけダレにコクがないのが残念ですが、中伊豆の自然を満喫して、胃が浄化されるような気がしてきます。

そして、修善寺道路から国道414号線を通って、いよいよ今回最後の訪問場所江間イチゴ狩りセンター(イチゴ食べ放題が、割引込み二人で¥2100)へと到着です。道を一本間違えていたのでなかなか発見できず、一旦は諦めかけたんですがようやくの思いで辿り着き、イチゴ好きな奥さんは一目散にハウスの中へと駆け込んで行きます。
大ぶりでみずみずしいイチゴを次々と口に運んで行きます。でも正直な所、ハウス狩りたてのイチゴは美味しい事は美味しいんですけど、ぬるいのがチョットね・・・キーンと冷たく冷やしたイチゴの方がやっぱり美味しいですよ・・・。同じお金を払うなら、わざわざ自分で狩らなくてもパックを買って行って、家で食べた方が賢明だとおもいます。
でも、ついでに立ち寄ったもぎたてトマトの直販所で買ったトマトと小松菜は家で食べたら美味しかったですよ。ハウスの人も感じが良いですし・・・。

てな感じで2日目の観光も終了し、一路帰途へつくため沼津IC向かい・・・・・向かうはずだったんですが、奥さんは国道414号線沿いの荒磯市場へと勝手に車を乗り入れました。結構おなかも一杯なんですけど、腹は持たされても心は満たされないという事でしょうか・・・。
ここで食べた天婦羅定食はまあさておき、金目鯛の刺身は¥2000でおトクだと思います。よくある金目鯛はこんな値段では食べられませんし、刺身というのもなかなかムチムチしていてオツなものですよ。

いよいよ今度は本当に帰途へついたのですが、予想通りと言えばそれまでですけど、東名高速は大渋滞で、家の近くまで来るのに5時間くらい掛かりました。あぶなく、レンタカーの時間がオーバーしそうになり焦りました。でも、ギリギリセーフ。本当に疲れた一日でした。この前の沖縄と言え、どうも帰り道にはいい想い出はありません。

とは言え、今回の旅行もほぼ満足のいく内容でした。話しは違いますけど、やっぱり車はいいですね・・・我が家は旦那さんが免許を持っていない事もあり、マイカーのない生活が続いているんですけど、ここんとこ旅行ではいつもレンタカーを借り、すっかり車づいています。

ああ、車が欲しいよ〜っ・・・!!!