第9話  コンビニの旅(?)・・・鬼怒川温泉


正月の伊勢志摩旅行から、早2ヶ月。そろそろ温泉が恋しくなっていた僕達。
前日立ち寄ったコンビニでお得な旅行パックを発見し、
急遽栃木県の鬼怒川温泉へと旅立つ事になりました。
今回はゆっくり温泉につかる事だけが目的だったんで、何の観光もなし・・・!
チョッピリ寂しい旅行記ですけど、まあ目を通してみて下さい。




1999年2月27日(土)

前日の金曜日、会社帰りに待ち合せて焼肉を食べた後、デザートでも買おうと家の近所のコンビニampmに立ち寄った僕ら。
そこでふと目に留まったのが、お得な温泉旅行プランのチラシ。関東近辺のいくつかの温泉旅館がピックアップされていて、当日にコンビニから予約センターに電話して、空き部屋があれば、な、何と1泊¥4500で泊まれるのです。ただし、この値段ですから食事なしの素泊まりですけど・・・。
それでも、どこもそこそこキレイそうな旅館で、この値段で温泉三昧が楽しめれば文句はないでしょう。
と言う訳で、早速インターネットで何軒かの旅館の情報を収集し、第3候補までピックアップを済ませ、いざ当日を迎えたのでした・・・。

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その日、会社の社内面談のあった奥さんが先に家を出て、花粉症の薬を病院で貰った帰りにコンビニに向かいました。
家で結果を待つダンナさん・・・さて、予約の結果はいかに・・・?

間もなく、連絡がはいりました。
『取れたよ・・・第1候補が・・・!』と言う、奥さんの嬉しそうな声。
今まで行った事がないと言う訳で、第1候補に挙げていた栃木県鬼怒川温泉佳祥坊・福松という旅館が無事予約できたんです。
すでに身支度を整え、行く気満々だったダンナさんは、いそいそと待ち合せの駅へと向かうのでした・・・。


奥さんの面談も終え、早速地下鉄を乗り継いで浅草駅へ向かいます。
そして、ビールとつまみを抱えて乗り込んだのは、東武鉄道の特急スペーシアです。一見新幹線を彷彿させる車体で、座席の背もたれの耳の辺りにはスピーカーも内蔵されていて、音楽なんかも聴けるんです。(なんか飛行機みたいですよね・・・)
ちなみに料金は、運賃¥1500+特急料金¥1420とリーズナブル。
14:30に出発。列車は東京の下町から埼玉を抜けて、北へ向かいます。


1週間の疲れとビールの酔いでウトウトしてる内に、あっと言う間に2時間が過ぎ、列車は鬼怒川温泉駅へ到着。
この日の東京は汗ばむくらいの暖かさでしたけど、さすがに標高も高く、近くに日光なんかもあり、奥深い山に囲まれたせいか、身を切るような寒さでした。
案内にはバスで7分くらいとあったんですが、散歩がてら歩く事に・・・。

この辺りは、鬼怒川観光ホテル鬼怒川温泉ホテルホテルニュー岡部と言った有名な大きなホテルが多く、館内設備なんかも整ってるせいか、辺りの街並みにこれぞ温泉街って言う風情がないのがちょっと残念ではありますが、それでも寒さにコートの襟を押さえながら歩く内に、嫌がおうにも温泉への期待が高まります。

約15分ほど歩き、いよいよ今回の宿・佳祥坊・福松に到着です。
今回は、宿の外観を撮り忘れてしまったんで、鬼怒川温泉の全景でその雰囲気を味わって下さい。ちなみに、中央の高い建物の左手に佳祥坊・福松はあります。(・・・と言っても、とっても見えないけどね)
そして中央を流れるのが鬼怒川。夏にはライン下りも楽しめるようです。

外観はそこそこの感じでしたが、フロントも狭く、中はこじんまりとした造りでした。
明日の朝食¥2000をオプションで頼み、早速部屋に案内されます。部屋は2階で眺望も今イチ。枯れ枝が邪魔をして、川の流れも満足に見えません。


向かいの大きなホテルなら良かったのにと思いながらも、まあ¥4500ではこんなもんだと自分を納得させます。
そして早速、温泉へGO・・・!
温泉はまあまあの広さで納得。奥さんは温泉成分が薄いとイチャモンを付けていましたが、空いていたようでのんびり温泉を満喫した様子。一方ダンナさんはと言うと、ちょうど団体客が到着したタイミングだったのか、浴槽も洗い場も脱衣場も芋を洗うような状態。また、空いてる夜にでも来ようと、早々に退散するのでした。
(どうでもいいけど、いい年ぶっこいたオジさんが風呂で泳ぐなっちゅうのっ!!!)

温泉から上がってひとくつろぎするともう6時過ぎ。近くの店で適当に夕食をと言う事で、またまた寒空の中へ・・・。
川をはさんだ反対側の方が栄えてそうだと当たりを付け、えらい遠回りをしてようやくの事で橋を渡り、二人ブラブラと散策です。
でも・・・これが、何と当たり一帯ほとんど真っ暗。これが本当に温泉街かって疑っちゃいます。やってるのは蕎麦屋と寿司屋が1件づつ。結局、居酒屋風の店に入りました。
この店にもお客さんはゼロ。もう2〜3時間たつと、近所にいっぱいある大型旅館の団体客が宴会の続きで流れて来るんだろうけど・・・。
ここで食べたのは、馬刺ホッケの焼き物焼きそばと、至って簡単に済ませました。まあ、あんまりお腹も空いてなかったせいもあり、ビール1本を入れて¥3000は安上がりでした。素朴な家庭料理風で、味は良かったですよ。

結局この日は旅館に戻って、夜中にまた温泉にドップリ浸かり、グッスリ夢の世界へと入って行きました・・・。



1999年2月28日(日)

2日目の朝。今日は昨日頼んだ朝食の出番です。さて、果たして¥2000の朝食はいかなるものか・・・?

出ました・・・大広間で食べるのですが、やっぱりこんなもんなのかって感じです。何かの陶板焼きかと思わせる器も、自分で目玉焼きを作るんですよ。 朝食がこの程度なら、夕食もあまり期待はできなかったかも知れません。素泊まりプランにしておいて正解って所じゃないでしょうか。


残念ながら、この日もどこにも行く予定はありません。(・・・あ〜、貧乏ったらしい・・・!)
近くには、東武ワールドスクェア日光江戸村なんてレジャースポットもたくさんあるんですけどね・・・。
まあ、それは次回のお楽しみって事で・・・。

せめて上の写真で、鬼怒川の風情を味わって下さい。川は結構深いようで、藍色に沈んで浪々と流れていましたよ。

と言う訳で、今回の鬼怒川の旅はさらっと終わってしまったのですが、1泊¥4500でそれなりに温泉が満喫できるんですから、これはなかなかお得。これからも要注意プランですね・・・!!!