第21話  ローカル線で行く素朴な秋−亀山温泉


今年はすっきりした秋の気配も感じられないまま冬に入りそうな気配ですが、やっぱりちょっとは
紅葉も見て見たい。そして温泉でのんびりしたい。旅行好きの我が家がそう思うのももっとも。
と言う訳で、11/3〜5の3連休のどこかで旅立とうと言う事に・・・(!)
しかし、さすがに紅葉のシーズン。旅行サロンで聞いても、この時期はどこも予約がいっぱい。
インターネットでも予約状況を調べたのですが、関東近辺はどこも予約が取れなさそう。
ランクを落とせばなんとかなりそうだったんですが、やっぱりそれなりの所じゃないとね・・・^^;
で、ようやく見付けたのが房総半島のほぼ中央に位置する上総亀山温泉の『亀山温泉ホテル』。
あまり聞いた事がないですが、さてさてどんな旅になったのでしょうか・・・?



2000年11月3日(金)

今回の旅のルートと予定ははこんな感じ。特に電車の予約とかもなく、気楽な旅です・・・。

   ◇ 10:40、東京発、総武線快速で木更津へ・・・。
   ◇ 12:00、木更津着。昼食。
   ◇ 13:40、木更津発、久留里線で上総亀山へ・・・。
   ◇ 14:39、上総亀山着。徒歩でホテルへ。

山手線の巣鴨駅で、木更津までの乗車券(¥1450)を購入し、急いで東京駅に向かいます。
ちょっとのんびりしてたので時間はギリギリです。東京駅に着いても、半分駆け足状態。そして、すかさず窓口へ。そうです、ただ快速に乗るだけでは旅気分も盛り上がらないので、グリーン車に乗る事にしていたのです。
ここで便利なのが、デイタイム・グリーン回数券(4枚綴り/¥2000)。通常、東京−木更津間のグリーン料金は¥950ですから、これはなかなかお得(!)

木更津までは1時間20分。あっと言う間です。
天気が悪いせいもあったのでしょうが、駅前は閑散としています。メインストリートにもほとんど人気がなく、連休初日とは思えない静けさ。こう言っては失礼ですが、廃虚の街のようでした・・・。


さっそく、お昼ご飯です。事前にインターネットでリサーチしておいた、磯料理のお店『黒磯』へ。駅から歩いて5〜6分です。
店構えは落ち着いた感じで、店内からは賑やかな人の声が漏れ聞こえ、結構流行ってる感じです。
10分ほど待たされましたが、その間にメニューを見せて貰い、すでにオーダーは済ませてありましたので、席に案内されるとすぐに料理が登場です。

注文したのは、海女桶盛(¥6000)〔写真左〕・天婦羅盛合せ(¥1000)〔写真右〕、そして焼き蛤(¥700)。これにビール・ご飯等を合わせてトータル¥10290
海女桶盛は貝類が中心で、どれも取れたての新鮮さが感じられます。アワビも入っていてこの値段。納得でしょう。
写真中央に見えるのは、ホラ貝の刺身。トリ貝に似た味わいですが、もっと味が濃厚で深みがあります。一度機会があれば、味わって欲しい味です(!)
天婦羅も揚げたてでホンワカ。ご飯にピッタリです。

お腹も落ち着き、ブラブラと木更津駅に戻ります。相変わらず、人通りはほとんどありませんが・・・(笑)


内房の木更津から房総半島の中央に向かうローカル線・久留里線に乗り込み、終点の上総亀山駅へと出発です。
列車は2輌編成で、ローカル線の匂いプンプン(笑)です。列車は1時間に1本。その半分は終点まで行かず、途中の久留里止まり。注意が必要です。
そして、ほとんど乗客もいないまま、定刻通り出発。

市街地を抜けると、あっという間に田園風景が広がっていきます。ほんとにのどかな眺めです。広大な山並みや峻烈な渓谷とか、そんな名勝ではありませんが、穏やかな秋の風景が窓外に広がり、ほのぼのした旅気分が盛り上がります。

約1時間のローカル線の旅も終わり、終着駅の上総亀山駅へ到着・・・!
これまた、山間のローカル駅です。温泉街の雰囲気など全く感じさせませんが、色づき始めた紅葉が映え、ハイキング客らしき人達の姿もチラホラ見えます。

喧騒に溢れた都会から来た人間にとっては、こういう秋の田舎っぽさがありがたく感じられます。道の脇の花々を横目に、ひっそりと水をたたえた湖水にかかる鉄橋を過ぎ、澄んだ空気を身体いっぱいに吸いながらの約15分ほどのミニハイキングです。


やがて、ダム湖である亀山湖の湖畔に本日のお宿『亀山温泉ホテル』が見えてきます。巨大ホテルって訳ではありませんが、回りの風景に溶け込んで、今回の素朴な秋を楽しむ旅行にはピッタリかもしれません。
フロントは国民宿舎にでも来たような大雑把な雰囲気。この感じでは、ちゃんとした旅館なみのサービスは期待できそうにありません。まあ、1泊¥12000では仕方ないかもしれませんが・・・。
フロント脇に飾られた剥製風の置物が、いかにもって感じでした・・・(笑)

部屋は2階。決して豪華ではありませんが、こざっぱりした感じで、この規模の旅館としてはまずまず及第点でしょう。
部屋の窓から亀山湖が眺められるのですが、1階部分が大きくせり出して来ているため、ほとんど視界には入りません。
空調もバッチリ。当たり前って言えばそれまですが、以前行った湯河原の旅館でエアコンが全然効かず、冬に凍えそうになった事もあったんですよ。

いつものようにしばしくつろぎ、さっそく温泉でーす。
しかし、ワンパターンですね。ウチの旅行記をいつも読んでくれている人は分かると思いますが、必ずこの流れです。たまにはちょっと近辺を散策とかって案もあるんでしょうが、そんなものには目もくれず(笑)、温泉まっしぐらです・・・(^.^)

温泉はさほど広くはありませんが、湖が目の前に広がって眺めはまあまあ。お湯が黒っぽくて、塩泉のようです。湯上がりの感じもお肌がスベスベです。
難点は、湖に遊びに来た人達の立寄り湯にもなっている事。子供連れとかも結構いましたので、ゆっくり落ち着いた雰囲気の中でお湯を楽しみたい人にはちょっと騒々しいかもしれません。
実際、ダンナさんの入った男湯にも子供が3人ほど入っていて、大声ではしゃいでました。しかし、ああいうガキどもの親はどうして子供を静かにさせないんでしょうね。回りの人間の迷惑なんて全然考えないんですからね。
てな訳で、半分切れ掛かったダンナさんは温泉を満喫する事もなく、早々と引き上げるのでした。。。

部屋に戻ってウダウダしたり、お昼寝を楽しんでいると、もう夕食の時間です。夕食は大広間みたいな所で、部屋ごとのテーブルでいただきます。

先付・酢の物・刺身・煮物・焼魚・天婦羅・茶碗蒸・陶板焼・茶蕎麦 等々、温泉旅館の定番メニューで、これと言って目新しいものはありませんが、味はどれも合格点。
それに規模の小さい旅館だけあって、サービスは細やか。温かい物は温かく、冷たいものは冷たく食べれます。
見た目はそれほどボリュームを感じさせませんが、食べてみると意外と満腹です。
料理の質によって、¥10000・¥12000・¥15000と3種類の宿泊料金が設定されたこの宿。¥12000でこの味と量なら、ほぼ納得でしょう・・・!

満腹後に布団でゴロゴロするのは、旅館の醍醐味ですねー。ボーっとTVを見ながら布団に転がり、お腹が落ち着いた所でまたお風呂。
こんな感じで、里の秋の夜は更けて行くのでした・・・。



2000年11月4日(土)


2日目の朝。爆睡中だった僕達はフロントからの電話に叩きき起こされ、寝ぼけまなこで朝食に向かいます。場所は昨晩と同じ大広間。
写真で見て分かる通り、朝食は至ってシンプル(笑)
でも、こうやって旅行先の旅館で食べる朝食は美味しいんですよね。ふだんは朝ご飯を食べないダンナさんもきっちりとお代わりをしますから・・・!


精算を済ませ、僕達は旅館を後にします。昨日とはうって変わった秋晴れ。湖面に反射する秋の柔らかな日差しが目に眩しいくらいです。
昨日通った道を駅へと戻りますが、青空に映える紅葉がキレイで、自然と足取りも軽くなって来ます。

上総亀山駅へと戻り、再び木更津へ向かう列車に乗り込みます。温かな秋の日差しとポカポカ陽気にウトウトしている内に、無事列車は木更津駅へと到着。

さてさて、今回の旅の2日目。実はこれから向かう所が今回の旅の目玉なのです・・・(!)
それは、勝浦のホテル三日月が経営するスパリゾート『スパ三日月・竜宮城』です。
お風呂世界一をギネスブックに申請中のこのスパ。露天風呂を始めとする大小様々なお風呂と、サウナ・スパ・温泉プールまで完備された巨大スパリゾートなのです。木更津駅からは送迎バスで約20分。アクアラインで行けば、木更津に降り立ったすぐ目の前という場所柄です。

送迎バスに乗り込んで間もなく、東京湾沿いに聳え立つ竜宮城が目に飛び込んできました。
決して外観は竜宮城のような派手さはありませんが、そんじょそこらの旅館に負けない位の立派な建物です。でも、ここって宿泊施設はないんですよね。これだけ大きな建物なら、宿泊施設でも併設してゆっくりお風呂に入らせてくれれば良いのになぁ・・・と思うのは、僕達だけではないと思いますよ。

ちなみに、料金はこんな感じ。帰り際には90日間有効の¥500割引券も貰えます。
入館料(税別) 平日       大人 2,300円・子供 1,400円
土・日・祝日   大人 2,800円・子供 1,900円
トワイライトサービス 18:00 以降  大人 1,800円 子供 1,000円
営業時間 平日       10:00〜24:00          
土・日・祝日   9:00〜24:00


フロント・ロビーも広々していて、とてもキレイ。
上の階にはお食事処も充実。和食・中華・洋食・バイキングと、選ぶのに困ってしまうほど。
結構な人出だったのですが、この広さならさほど気になりません。

更衣室で着替え、まずは温泉プール『アクアパーク』へ。
25mプール・流れるプール・ジャグジー・ウォータースライダーと、泳げる設備が満載。ただし、あくまでも温泉なので、湯当たりには注意が必要です・・・(^.^)

小一時間泳いでいる内に、時刻はお昼。軽〜くお風呂で汗を流してから、昼食にする事に・・・!
2階が男性風呂。3階が女性用です。残念ながら写真は撮れませんでしたが、総延床面積17500uという湯殿は圧倒される広さでした。東京湾を一望する絶景を楽しめる石組大露天風呂『観月』。1周150mの巨大流水風呂に、打たせ湯・寝湯・ジェットバスなどを配した『竜宮の湯』。その他、大展望風呂・檜風呂・サウナ等々、とても一度では全部のお風呂に入れないくらいの広さです。


汗を流した後は館内着に着替え、『若汐亭』へ。和洋中取り揃えたバイキング形式の食事処です。味はまあまあと言った所ですが、種類が豊富なのであれこれと楽しめます。



また、ガラス張りのフロアからは東京湾が一望でき、彼方にはアクアラインも臨めます。
そんな景色も楽しみながら、いろいろ好きなものも食べられて、これで¥1500はお安いんじゃないでしょうか・・・。

食後は2人別行動。奥さんは、大好きなマッサージへ。ダンナさんは一眠りしてから、またお風呂三昧。
ここ竜宮城は、エステ・マッサージコーナーも充実しています。エステルーム『アクアビューティー』では、アカスリ・アロマテラピー・フットエステ・ボディエステなど、各種のエステが受けられます。またその他にも、マッサージルーム『ユメール』やフットマッサージ『フローラ』など、施設はかなり充実しています。奥さんも大満足だったようです。但し、かなり混み合っていますので、早めの予約が必要でしょう。
また、休憩施設も整っています。リラックスホール『オアシス』には、100台あまりのリクライニングソファーが完備されていて、くつろぎのひとときを過ごせます。但し、ここも混み具合は最高。ダンナさんが行った時にはもう満員で、座れる余地はありませんでした。これは、もうちょっと検討して欲しい所ですね。で、仕方なくダンナさんは大広間『夢苑』へ。良くある畳敷きの大広間です。ここにも人が溢れています。そして、そこらじゅうに転がって眠りこけている人の姿が・・・。ようやくスペースを見付けたダンナさんは回りの喧騒にも負けず(笑)、しっかりとお昼寝モードに入ってしまったのでした。。。

最後にもう1回お風呂を楽しみ、6時頃には竜宮城を後にしました。
ここ竜宮城はなかなかの優れものです。木更津という場所柄は、都内からのアクセスもそんなに悪くないし、1日中たっぷり遊べますからね。ここは皆さんにも、是非おススメのスポットです。

そして、一路帰宅の途へ付いた僕達。ひなびた里の秋も満喫できたし、お風呂もいっぱい入れたし・・・大、大満足の旅でしたー(!)