第13話  星の王子様に逢った(?)− 箱根仙石原


今回は箱根・仙石原温泉の一泊二日の旅をお贈りします。
箱根は何度も足を運んでいますが、ほのぼの旅行記に登場するのは不思議な事に初めて(!)
意外な所で星の王子様(?)にも巡り会えて、まずまずは満足の旅でした。



1999年10月30日(土)

今回の旅の発端は、奥さんが会社帰りに貰ったチラシから始まりました。
それは、メガネチェーンのメガネスーパー直営の温泉ホテルである箱根仙石原のホテル・サムソン箱根に、一泊二日¥11990で泊まれるというもの。
ホテルの名前からはあまり過度な期待はできそうにありませんでしたが、まあこの値段ならOKでしょう・・・という事で、早速予約を取ったのでした。


新宿駅から小田急の特急ロマンスカーに乗ろうとしたのですが、予約せずに行ったらビックリ。秋の行楽シーズンというせいもあってか、ほとんどの列車が満席。やっとの事で、古いタイプの車輌で停車駅の多い特急に座席を確保できました。
箱根方面に行くなら、やっぱりロマンスカーがおススメ。旅気分も満喫できますし、JRより全然安いですからね・・・!


好天にも恵まれる中、約1時間ちょっとの列車の旅もあっと言う間に終わり、箱根湯本駅に到着です。
ここは箱根の温泉の入り口。お土産物屋が軒を連ね、この日も温泉に向かうオバサン達(!)で賑わっていました。


時刻はお昼の1時過ぎ。何か食べようとあれこれ歩き回りますが、どこも満員。富士屋ホテルのバイキングがあると言う事で坂道と階段を登って行ったら、ちょうど終了の時間でガッカリ。

結局は、駅前のお蕎麦屋さん『治兵衛』へと落ち着きました。で、今回のメニューはこんな感じ。

(左)なめこおろしそば¥1100
   シコシコおそばに、なめこと
   大根おろしがサッパリ。
(右)奴そば¥1100
   澄んだつゆに、名物の豆腐が
   味わいを添えます。

お腹もそこそこ落ち着き、いよいよ出発。ここ箱根湯本からは、バスや登山電車などで箱根のあちこちの温泉へと足を伸ばせます。
スイッチバック方式で有名な登山電車もおススメですが、今回はバスを利用。箱根仙石原まで40分余り、片側が断崖絶壁のつづら折りの山道を進んで行きます。


山はほのかに紅葉が色づき始めた頃合い。もう少し後だったら、見事な紅葉が見頃だったんですけどね・・・。
そうそう、ここ仙石原は一面のすすきで有名なんですよ。


そうこうする間に、本日のお宿・サムソン箱根に到着。こじんまりした造りで、保養所に毛が生えた(笑)って感じ。
フロントの人も、いかにもメガネスーパーから無理矢理出向させられたうらぶれたオジサンって風情。

何はともあれ、とりあえずは温泉です。温泉さえ満足できれば、多少のホテルのせこさや部屋の狭さは気になりません。

お風呂はこんな感じでした。そんなに広いって訳ではなかったけど、硫黄の匂いが広がり、お肌もスベスベになりそう(!)
源泉を直接引いていると言う露天風呂は熱かったですね。こんなの入れるかっちゅーのっ。

身体もポカポカになり部屋に戻ります。こんな時、洋室はちょっと残念。和室の畳にゴロンとなってうとうとするのが楽しいんですけどね・・・。


そして夕食の時間。食事はあまり期待はしていませんでしたが、蛸しゃぶ・鴨のたたき・鳥バター焼き・魚の煮付け・・・と、まあありふれた旅館の食事でした。
ダンナさんは良く言うんです。『懐石風に、一品一品出て来るのが好き』だって・・・。こういうホテルにそんな事を期待しても無理ですけどね。

食事も終わり、また温泉。そして、部屋でごろごろしながらTVを見る。そんな事をしてる内にあっと言う間に夜も更けていきます。
すると、またぞろお腹が空いて来るんですよね・・・これはもうお決まり(笑)
で、僕達は外出する事に・・・。しかし外は真っ暗。近くに2〜3軒あった食事処ももう営業終了でした。しかし、あきらめきれない僕達は散歩がてら暗い山道を歩き続けます。すると明るい光が・・・!
あったんですよね、ローソンが。結構繁盛してました。これだけ何もない所だと、やっぱりコンビニは重宝しますよね。
サンドイッチやらお菓子、プリン・ジュースなど大量に買い込んでる僕達の姿があったのは当然の事でしょう。そんな事をしながら、夜は更に更けて行くのでした・・・。



1999年10月31日(日)


2日目の朝を迎え、寝ぼけまなこをこすりなからの朝食。これまたお決まりの朝食です。
あ〜、感動的な朝食にはなかなかお目にかかれないものです。

この日は奥さんの希望で、ホテルから歩いてすぐ近くにある『星の王子さまミュージアム』に行く事になりました。この時点では、ダンナさんはあまり乗り気ではなかったのですが・・・。
入場料は¥1500。こういう観光地には、ナントカ博物館とか必ずありますよね。結構入場料とかも高い割につまんなかったりするんですけどね。

星の王子さまミュージアム・・・って一体何を見せるんだって疑問もあったんですけど、中はヨーロッパの街並みを再現した庭園風の良い雰囲気の所でした。
展示室には、星の王子様の作者であるサン・テグジュペリが飛行家として送った波瀾万丈の一生と、そんな彼が星の王子様を世に送り出すまでの過程を展示してありました。
星の王子様なんて他愛のない童話だとばっかり思っていたダンナさんは、実は単なる子供向けの話しなんかじゃなくて、星から来た王子様との対話によって現代文明を批判した哲学的な童話だと知り、すっかり感動的になってしまったのでした・・・(あー、何たる単純な人でしょう・・・笑)
星の王子さまミュージアムと言うミーハーな名称に騙されてはいけません。ここはおススメスポットですよ!!!

と言う訳で、展示物は撮影禁止で撮れなかったんですけど、せめて園内の風景でその雰囲気の一端を味わって下さい。
では、 こちらからお入り下さい。


予想外に面白かった星の王子さまミュージアムともお別れ。またバスに乗り込んで箱根湯元駅に戻りました。
以前来た時に買ってお気に入りだった、おまんじゅう月のうさぎと季節のお菓子栗しぐれ(これはとっても美味しかった)をお土産に買い、帰途へと付きます。

さあ、今年もあとわずかを残すだけ。今年はあと何回温泉を味わえるんでしょうかね(!)